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7.お兄様の“弟”であり、ヤシャの“ペット”であること
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シィロは探した。
「ノラー?ノラどこ?」
「ノラ知りませんか?」
「ノラ、隠れてないででてきてよ」
屋敷の中を隈なく探した。
庭の木々の影も隈なく探したのにどこにもいない。
服も靴もボロボロで、髪もボサボサだ。それも気にしていられない。
これだけ探してもいないのなら門の外だ。
外には出てはいけない。
門をじっと見る。
何かから見られている気配がした。
微かな違和感を感じて振り返る。
誰もいない。
そうしているうちに日が暮れた。
「お嬢?何している」
シィロは泣き出した。
◆
ヤシャは帰ってくるなり、縋り付いて泣き出したシィロをあやしていた。
抱えて、部屋に入れる。冷え切った手足を温めるようにさすった。
「ノラがいない?」
「そうなの。ノラがどこにもいないの。いなくなることはよくあるけど、ボクが呼んでも泣いても出てこないなんて初めてで…。みんなノラを知らないって言うし。心配で心配で」
「ふむ。本来野良だからな、いなくなることは不思議ではないが…アレはお前に懐いていたというか…ベタ惚れだったからなぁ」
ノラの気配は近くにない。大概は近くの木にいたというのに。
「確かに、見当たらないな」
玩具で遊ぶこともせず、一日探してたのだろう。
髪も服も汚れていて、爪ですら土が入り込んでいたままだ。
それを一つ一つ綺麗にしてやった。
ヤシャもシィロの容姿は気に入っているし、可愛くありたいという精神も気に入っている。
顔を撫でて口を触っても、嫌々とへの字にした。いつもなら舐めてくるのだが。
それどころではない。ノラがいないのだから、遊ぶどころじゃない。ーーこの様子では何をしても無駄だろう。
心の拠り所をなくすと人間はすぐ壊れる。
壊してしまっても、それはそれで可愛いだろうが、ヤシャは今のシィロを自分が思っている以上に気に入っていることを自覚した。
こんなことならば。
無理矢理にでもノラに首輪をつけてしまえばよかったか。
ヤシャはシィロの顎を持ち上げる。
「シィロ、ノラが好きか?」
「…すきです。だいじな、おともだちだもの。たったひとりの、おともだちだもの」
「なら、よく聞け」
ネコ同士の争いには首は出さないが、可愛いネコのために助言はしてやろう。
ノラは屋敷から離れた洞窟内の牢屋にいた。
陽の光は届かず、灯は蝋燭のみ。叫んでも泣いてもその洞窟の外には声は届かないのだろう。
腕を脚を拘束され、目隠しされ、数匹のネコに前も後ろも犯される。代わる代わる犯される。
元々不感症のこの身体は、その行為にこれっぽっちも快楽を見出せない。
下手くそだと罵られ、力任せに突っ込まれ、不能だと笑われる。
ただただ突っ込まれるだけ、遊ばれるだけの穴に成り下がっていた。
叫ぶこともせずに、泣くこともせずに、やり過ごすことにしたノラ。それにネコたちはイラついていた。
泣け、叫べ、無様に助けを求めろ。
お前を助けてくれるものなどいない。
お前にはあの可愛いだけのネコしかいない。
あのネコは今頃ご隠居さまに可愛がってもらっている。
お前には何もない。
野良のくせに、餌を横取りするな。
玩具で遊ぶ邪魔をするな。
俺たちだって、あの可愛いのと遊びたい。
可愛いのをボロボロにしたい。
シィロを羨むネコなど山ほどいる。シィロを妬むネコも山ほどいる。
シィロを守る自分に標的を向けるのはわかっていた。
一匹二匹なら慣れている。
『あの野良が邪魔なの。駆除してほしいの。どうせならたくさん遊んでから駆除しましょう?』
そう耳打ちされた飼い主が絡み。
『あの美人な野良か。なかなか懐かんやつだが、身体に教えてやれば言うことを聞くのでは?』
『それは良い。うまくいけばご隠居さまのネコとも遊べる』
『あれは良いネコだ』
それが伝染する。
本当にどうしようもない。
複数のネコからの攻撃はかわした。その隙に麻酔針を刺された。ネコ用の麻酔針だ。
起きた時にはこの牢屋だった。
頭は霞がかかったようにはっきりしない。変な薬でも飲まされたか。はっきりしないのに胎が疼いて、脚を開いて雄を受け入れていた。中は切れて痛みしかない。気持ちよくなどないのに、胎が疼く。
ヨくないのであればもうやめてほしい。
楽しくないなら、己の飼いネコとでも遊べばいいのに。
はやく姫のところに帰らなければ。
自分に何かあれば、アレは優しいから、泣くだろう。
ガタンと何かが倒れる音がした。
悲鳴が聞こえた。
怒号が聞こえた。
犯していたソレが抜かれる。息がしやすくなった。
「の、ら?」
その眼になにが映ったか。
定まらない焦点、死なない程度に嬲られた体、穴からはダラダラと、血と、収まらなかった精液を垂れ流した自分か。
こんなモノ見せたくなかった。
シィロの手には剣があった。血で汚れた剣だ。
服は裾が血で染まりボロボロだった。
背後に男が見えた。
危ないと言う間もなく。
その剣が首を掻っ切る。
心臓に剣を刺して、男は絶命する。
姫が自分を助けに来てくれた。剣を携え、容姿すら厭わずに、修羅になる。
「ボクに敵うわけないでしょ?ボクはお兄様に“全て”を教わったんだもの。剣の使い方も、体の使い方も、戦場での戦い方も、暗殺の仕方も、拷問の仕方も。全て、ボクは覚えたのだもの」
逃げようとしたネコの身体を、細い脚一つで転がして、その胎に剣を刺した。
慈悲などない。
誰が、可愛いだけのネコだって?
笑ってしまう。
それは、あってはならないことだというのに。
ーー欲情した。
懐かしい。
ヤシャはそれを部屋からから見ていた。遠くの景色を見ることなど造作もなく、それを眺めながら酒を口にする。
何人かはわざと生かしたが、そのほとんどを殺して回った。
それはそれは容赦なく。
当たり前だ。
あの兄弟は元来、魔族も魔物も敵ではない。敵であれば容赦なく全滅させる。
「オレは、アレが“使い慣れた”剣を与え、場所を教えただけだ」
シィロの容姿は武器だった。小柄で細身。敵に甘く見られがちな容姿。それに一瞬でも躊躇えば、次の瞬間には頭と胴が切り離される。
懐かしい、と言ってもたかだか数年前。
ヤシャは暇人なので、人間の世界にもよく行き、悪戯に魔物や魔族を人間にけしかけて遊ぶこともあった。
見事に全滅させたのはシィロだった。何度けしかけても、面白いくらいに。
それこそ修羅の如く。
だから覚えていた。
シィロを見つけたのは偶然だ。
その辺にいるネコをからかうことは好きだが、自分で持つ気はなかった。
古馴染みのところに顔を出した際にソレがいなければ、飼うことは考えなかっただろう。
「ほーー?随分……愛らしい格好をしているな」
ソファの上に座り行儀よくしていたソレ。
ぼんやりしているような顔をして、相手を観察する眼は変わらない。
だが。
膨らんだスカートを捲る。
「へ?」
「……勃っているな。しかも、なんだこれは」
尻から出た紐を引っ張ると、びくんと身体が跳ねた。顔が一気に赤くなり、膝を擦る。ぐいぐいと服を戻そうとする無駄な抵抗が愛らしい。
笑ってしまう。よくここまで堕ちた。
「首輪に印がないということは売り物か」
滑らかな肌と、肉付きの良い腿は抱き心地が良さそうだ。簡単に脚を開こうとはしない気の強さも良い。
やはりコレは良い。
「お嬢、オレのネコになる気はないか?」
その眼が驚きと不安と期待に揺れたのを見逃しはしなかった。
猪口に最後の一滴が落ちる。徳利は空。
「ベルはまぁ渋ったが。所詮必要なのは金と力」
大事に扱うこと。帰りたいと言えば帰すこと。それが条件。
あやつらはすぐ泣いて帰ってくるだろうと踏んでいたようだが。
最終的に自分の所に来ると決めたのはシィロだ。一度決めたことを曲げることはしない。アレはそういう生き物だ。
そろそろ帰ってくる頃か。
服の色は、何色だっただろうか。
全身血を浴びて、剣を引きずり、ノラを大事そうに抱えていた。
「ご隠居さまっ!ただいま、戻りました」
花のような愛らしい笑顔だ。
「お帰り、怪我はないか?」
「はい。ボクは大丈夫ですが、ノラがいじめられてしまいましたので、早く手当てをしないと。……あぁ、ボクも遊びすぎてしまいましたね。夢中になっていたので気づきませんでした」
そこで初めて、自分の姿に気づいたようだ。
顔に跳ねた汚れを指で拭いてやる。
「さすが、オレのネコだな。良き良き。ノラは隣の部屋へ。医者を待機させてある。お前はオレが洗ってやる。身体の隅々までな」
シィロは嬉しそうに微笑んだ。
「ノラー?ノラどこ?」
「ノラ知りませんか?」
「ノラ、隠れてないででてきてよ」
屋敷の中を隈なく探した。
庭の木々の影も隈なく探したのにどこにもいない。
服も靴もボロボロで、髪もボサボサだ。それも気にしていられない。
これだけ探してもいないのなら門の外だ。
外には出てはいけない。
門をじっと見る。
何かから見られている気配がした。
微かな違和感を感じて振り返る。
誰もいない。
そうしているうちに日が暮れた。
「お嬢?何している」
シィロは泣き出した。
◆
ヤシャは帰ってくるなり、縋り付いて泣き出したシィロをあやしていた。
抱えて、部屋に入れる。冷え切った手足を温めるようにさすった。
「ノラがいない?」
「そうなの。ノラがどこにもいないの。いなくなることはよくあるけど、ボクが呼んでも泣いても出てこないなんて初めてで…。みんなノラを知らないって言うし。心配で心配で」
「ふむ。本来野良だからな、いなくなることは不思議ではないが…アレはお前に懐いていたというか…ベタ惚れだったからなぁ」
ノラの気配は近くにない。大概は近くの木にいたというのに。
「確かに、見当たらないな」
玩具で遊ぶこともせず、一日探してたのだろう。
髪も服も汚れていて、爪ですら土が入り込んでいたままだ。
それを一つ一つ綺麗にしてやった。
ヤシャもシィロの容姿は気に入っているし、可愛くありたいという精神も気に入っている。
顔を撫でて口を触っても、嫌々とへの字にした。いつもなら舐めてくるのだが。
それどころではない。ノラがいないのだから、遊ぶどころじゃない。ーーこの様子では何をしても無駄だろう。
心の拠り所をなくすと人間はすぐ壊れる。
壊してしまっても、それはそれで可愛いだろうが、ヤシャは今のシィロを自分が思っている以上に気に入っていることを自覚した。
こんなことならば。
無理矢理にでもノラに首輪をつけてしまえばよかったか。
ヤシャはシィロの顎を持ち上げる。
「シィロ、ノラが好きか?」
「…すきです。だいじな、おともだちだもの。たったひとりの、おともだちだもの」
「なら、よく聞け」
ネコ同士の争いには首は出さないが、可愛いネコのために助言はしてやろう。
ノラは屋敷から離れた洞窟内の牢屋にいた。
陽の光は届かず、灯は蝋燭のみ。叫んでも泣いてもその洞窟の外には声は届かないのだろう。
腕を脚を拘束され、目隠しされ、数匹のネコに前も後ろも犯される。代わる代わる犯される。
元々不感症のこの身体は、その行為にこれっぽっちも快楽を見出せない。
下手くそだと罵られ、力任せに突っ込まれ、不能だと笑われる。
ただただ突っ込まれるだけ、遊ばれるだけの穴に成り下がっていた。
叫ぶこともせずに、泣くこともせずに、やり過ごすことにしたノラ。それにネコたちはイラついていた。
泣け、叫べ、無様に助けを求めろ。
お前を助けてくれるものなどいない。
お前にはあの可愛いだけのネコしかいない。
あのネコは今頃ご隠居さまに可愛がってもらっている。
お前には何もない。
野良のくせに、餌を横取りするな。
玩具で遊ぶ邪魔をするな。
俺たちだって、あの可愛いのと遊びたい。
可愛いのをボロボロにしたい。
シィロを羨むネコなど山ほどいる。シィロを妬むネコも山ほどいる。
シィロを守る自分に標的を向けるのはわかっていた。
一匹二匹なら慣れている。
『あの野良が邪魔なの。駆除してほしいの。どうせならたくさん遊んでから駆除しましょう?』
そう耳打ちされた飼い主が絡み。
『あの美人な野良か。なかなか懐かんやつだが、身体に教えてやれば言うことを聞くのでは?』
『それは良い。うまくいけばご隠居さまのネコとも遊べる』
『あれは良いネコだ』
それが伝染する。
本当にどうしようもない。
複数のネコからの攻撃はかわした。その隙に麻酔針を刺された。ネコ用の麻酔針だ。
起きた時にはこの牢屋だった。
頭は霞がかかったようにはっきりしない。変な薬でも飲まされたか。はっきりしないのに胎が疼いて、脚を開いて雄を受け入れていた。中は切れて痛みしかない。気持ちよくなどないのに、胎が疼く。
ヨくないのであればもうやめてほしい。
楽しくないなら、己の飼いネコとでも遊べばいいのに。
はやく姫のところに帰らなければ。
自分に何かあれば、アレは優しいから、泣くだろう。
ガタンと何かが倒れる音がした。
悲鳴が聞こえた。
怒号が聞こえた。
犯していたソレが抜かれる。息がしやすくなった。
「の、ら?」
その眼になにが映ったか。
定まらない焦点、死なない程度に嬲られた体、穴からはダラダラと、血と、収まらなかった精液を垂れ流した自分か。
こんなモノ見せたくなかった。
シィロの手には剣があった。血で汚れた剣だ。
服は裾が血で染まりボロボロだった。
背後に男が見えた。
危ないと言う間もなく。
その剣が首を掻っ切る。
心臓に剣を刺して、男は絶命する。
姫が自分を助けに来てくれた。剣を携え、容姿すら厭わずに、修羅になる。
「ボクに敵うわけないでしょ?ボクはお兄様に“全て”を教わったんだもの。剣の使い方も、体の使い方も、戦場での戦い方も、暗殺の仕方も、拷問の仕方も。全て、ボクは覚えたのだもの」
逃げようとしたネコの身体を、細い脚一つで転がして、その胎に剣を刺した。
慈悲などない。
誰が、可愛いだけのネコだって?
笑ってしまう。
それは、あってはならないことだというのに。
ーー欲情した。
懐かしい。
ヤシャはそれを部屋からから見ていた。遠くの景色を見ることなど造作もなく、それを眺めながら酒を口にする。
何人かはわざと生かしたが、そのほとんどを殺して回った。
それはそれは容赦なく。
当たり前だ。
あの兄弟は元来、魔族も魔物も敵ではない。敵であれば容赦なく全滅させる。
「オレは、アレが“使い慣れた”剣を与え、場所を教えただけだ」
シィロの容姿は武器だった。小柄で細身。敵に甘く見られがちな容姿。それに一瞬でも躊躇えば、次の瞬間には頭と胴が切り離される。
懐かしい、と言ってもたかだか数年前。
ヤシャは暇人なので、人間の世界にもよく行き、悪戯に魔物や魔族を人間にけしかけて遊ぶこともあった。
見事に全滅させたのはシィロだった。何度けしかけても、面白いくらいに。
それこそ修羅の如く。
だから覚えていた。
シィロを見つけたのは偶然だ。
その辺にいるネコをからかうことは好きだが、自分で持つ気はなかった。
古馴染みのところに顔を出した際にソレがいなければ、飼うことは考えなかっただろう。
「ほーー?随分……愛らしい格好をしているな」
ソファの上に座り行儀よくしていたソレ。
ぼんやりしているような顔をして、相手を観察する眼は変わらない。
だが。
膨らんだスカートを捲る。
「へ?」
「……勃っているな。しかも、なんだこれは」
尻から出た紐を引っ張ると、びくんと身体が跳ねた。顔が一気に赤くなり、膝を擦る。ぐいぐいと服を戻そうとする無駄な抵抗が愛らしい。
笑ってしまう。よくここまで堕ちた。
「首輪に印がないということは売り物か」
滑らかな肌と、肉付きの良い腿は抱き心地が良さそうだ。簡単に脚を開こうとはしない気の強さも良い。
やはりコレは良い。
「お嬢、オレのネコになる気はないか?」
その眼が驚きと不安と期待に揺れたのを見逃しはしなかった。
猪口に最後の一滴が落ちる。徳利は空。
「ベルはまぁ渋ったが。所詮必要なのは金と力」
大事に扱うこと。帰りたいと言えば帰すこと。それが条件。
あやつらはすぐ泣いて帰ってくるだろうと踏んでいたようだが。
最終的に自分の所に来ると決めたのはシィロだ。一度決めたことを曲げることはしない。アレはそういう生き物だ。
そろそろ帰ってくる頃か。
服の色は、何色だっただろうか。
全身血を浴びて、剣を引きずり、ノラを大事そうに抱えていた。
「ご隠居さまっ!ただいま、戻りました」
花のような愛らしい笑顔だ。
「お帰り、怪我はないか?」
「はい。ボクは大丈夫ですが、ノラがいじめられてしまいましたので、早く手当てをしないと。……あぁ、ボクも遊びすぎてしまいましたね。夢中になっていたので気づきませんでした」
そこで初めて、自分の姿に気づいたようだ。
顔に跳ねた汚れを指で拭いてやる。
「さすが、オレのネコだな。良き良き。ノラは隣の部屋へ。医者を待機させてある。お前はオレが洗ってやる。身体の隅々までな」
シィロは嬉しそうに微笑んだ。
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