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隠す国
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誰もいない廊下を音もなく歩く。変な感じだ、とヤナは思った。
海外に来たのは初めてなので、他と比べることはできないが、部外者が一人王宮を散策できるというのが不思議だった。
今日は、タカとシダカは晟雅とともに『能力』の鍛錬を行う。自分も一緒なのかと思っていたのだが、そうではなく、ヤナは霄王女の茶会へと招かれることになっていた。ただ、その茶会は今日の三時。昼すぎまで暇なヤナは、何をして過ごすべきか考えていた。クレオード国の言葉がわからないヤナは、誰かツィスニル国語がわかる人と一緒に行動しないと不安だ。ツィスニル国の外交官はどこにいるのかわからない。王宮の使用人に声はかけてみたものの、片言でツィスニル語は分からないという返事しか返ってこない。タカとシダカの部屋には行っては見たものの、朝食の時からすでに姿がなく、部屋には鍵がかかっていた。ちなみに朝食は、使用人がヤナの部屋に直接持ってきてくれたのだった。霄と連絡がつければ少しはいいかと思ったのだが、それもつかない。ということで、あてもなく、ヤナは王宮をさまよっていた。自分がどこで曲がったか頭に刻みながら進んだ。自分の部屋意外に、タカ・シダカが案内された客間、夕食をとった広間。客間がたくさんありそうだとは思う。すべての扉を開くのもためらわれて、クレオード国語で書いてある案内板を見るが、さっぱりわからない。『広間』とか『食堂』というクレオード国語すらわからないのだから。話し声が聞こえる扉から、誰か出てきて中の様子をうかがえないかとゆっくり歩く。
扉のない部屋もあるので、そこにはすかさず目を通した。そう言うときは必ず、クレオード人は見慣れないヤナを見る。数人、ヤナに話しかけてくれる人もいたものの、まだ、ツィスニル国語を話せる人に出会えなかった。
「困ったわ………」
あまりに通じない言葉に、ヤナは困り果ててしまった。大きなため息をついたヤナは、広い王宮を見渡して、二度めのため息をついた。こつ、こつ、と後ろから靴の音が響く。ヤナはその音に気が付いたけれど、この人もきっとツィスニル語は通じない。そう思いなら、三度目のため息をついた。
「どうしたのですか?お嬢さん」
「え?」
思わず、ヤナは振り返る。そう、その人の言葉はツィスニル語。さらさらの金色の髪。澄んだ緑眼でとても美しい女性だった。声をかけてくれた女性の横には、黒髪の妙齢の男性もいて、彼はヤナの視線を受け、軽く会釈をする。
「お困りですか?」
目を見開いて、ヤナはその人たちに向き合った。
「ツィスニル語、わかるんですか?」
その人は不思議そうに首を傾げて、ああ、と相槌を打った。
「王宮の人間は、母国語であるクレオード国語と、ランジエドゥル語は話せるのですけれど」
「私も少しですが、話せます」
男性も頷いた。
ランジエドゥルは世界で最も多くの人が話している言語だ。
ヤナはツィスニル国語以外話せないので、そう言われても話しかけることはできなかった。ほんの少し、挨拶程度なら話せなくもないが。
「あ、すみません」
ヤナは挨拶をしていないことに気がつき、軽く会釈をする。
「初めまして。私は、ヤナ・ユルスナール。ツィスニルから参りました」
ああ、そうだった、とその人も会釈を返す。
「こちらこそ、初めまして。礼儀正しいお嬢さん。私は、ハートゥと申します。一応、王宮に住んでいるものです。………、ヤナさんとお呼びしても?」
「は、はい!」
にっこり笑うその表情は、同性でも見とれてしまう美しさだった。
「ありがとう」
そう言って、ハートゥは笑う。
「そんなに緊張しないで。肩の力を抜いていただけると嬉しいです。といっても、勝手知らぬ他国の王宮、緊張するのも無理なきことかと存じます。ツィスニル国語が話せない以上、難儀なものですね」
「ユルスナール様は、なぜこのようなところに?ツィスニル国からの使者のことはうかがっておりましたが、今日は案内の者が参りませんでしたか?朝食はもう、召し上がっていらっしゃいますか?」
はて、とクレオード国の男性が問う。ヤナは、困って首を傾げた。
「お食事はいただきました。お昼過ぎに王女様がお茶会に招待してくださいましたが、それまで時間があるので。恥ずかしながら、私はクレオード国が話せません。王宮の方となかなか話ができないのです。それで、王宮の方々とお話しすることができず、お部屋の案内も読むことができず、部屋に戻ることができないのと………」
「………と?」
「手持無沙汰なので、部屋で待つ気にもなれず、王宮の中、一緒に来た人たちを探していたんです。別行動をする、みたいなんですけど……」
「ふむ」
男性が頷いて、ヤナに問う。
「ユルスナール様、あなたはこの国で、何をしてみたいですか?手持無沙汰にさせて申し訳ない。せっかく、外国からいらしたのですから、私が案内できるものを探してまいります。―――――この国の何に興味がありますか?文化とか、食事とか、観光するのに最適な場所は、好みがありますからね」
ヤナは、目を瞬(しばた)かせた。ヤナにとって、クレオード国は謎だらけだ。今回の招待もタカの付き添いというだけ。クレオード国に行くにあたって、どんな国なのかは少しだけ調べているという程度だ。ただ。
「この国では『能力』はどのように扱われているのですか?」
文献にはない。タカがこの国に招待された理由。
ヤナは、それが知りたかった。
今まで、タカは能力をひた隠しにしてきた。能力はあくまで『現実』認められてはいない。タカ以外の能力者をヤナは知らないし、そもそもお伽噺の中の話で終わることだ。だが、クレオード国はタカの能力を知っている。そして、それを利用したいと考えている。
ドキドキしながら、ヤナは二人の言葉を待った。
男性は首を傾げた。
「『能力』とはなんのことでしょう?」
*
ヤナはぽかん、と口を開けた。
タカは、そのために呼ばれたのではなかったのか?
それとも、クレオード国では言い回しが違うからわからないの?
ヤナは、なんと説明していいのかわからない。
「えっと………」
「はい」
男性はヤナの言葉を待った。
「モノを破壊するとかの力です。炎を出したり、とかの魔法というか……」
ヤナの知っているのは、タカの力と晟雅が目の前で見せた力。それ以上は分からない。お伽噺に出てくるような力、小説などで使われている表現で言うならば『魔法』だろうか。
男性は、何を言っているのかと首を傾げる。
「私はそういう本には詳しくないので、図書館にでも行ってみますか?」
「………は?」
「ああ、でも、図書館はクレオード国語のものですから、ユルスナール様は読めるのでしょうか?司書がいますから、一緒に読んでみます?」
どうやら、クレオード国の魔法やらが書いてある小説を見たい、とヤナが言っているように聞こえたらしい。ヤナは首を横に振った。
「違います!私が知りたいのは、タカや王子みたいな―――」
「私は本には詳しくないですので、力になれそうにはありませんな」
明らかに言葉をさえぎられた。ヤナは、男性ではなく、女性に聞きなおした。
「この世界には、不可思議な力があるでしょう」
すると、話しかけてもいないのに、男性がさえぎる。
「そういうものがあるならば、ぜひお目にかかってみたいものだ!」
明らかに邪魔をされている。彼の態度にかちん、と来たヤナは思わず
「殿下に頼めばいいじゃないですか!」
怒鳴り返してしまった。
「殿下に、そんな荒唐無稽な話をできるわけないでしょう!」
けれども、男性はそれ以上の声音で怒鳴り返した。
「な………!」
「夢の話をするのなら、余所でしていただきたい!」
ぷんぷんと彼は、女性を引っ張って退席する。話は終わりだ、と彼は背を向けた。女性は申し訳なさそうに、頭を下げた。
「案内の者をお呼びします。お部屋でお待ちになってください」
小さくなっていく彼らの背中をヤナは見送ることしかできなかった。
自分の言っていることが荒唐無稽な話だと、能力を知らない人間ならそうだろう。けれども、クレオード国から来た人間の一人と知りながら、そんな話を知らない、というのはおかしいのではないのか。自分たちが何のために呼ばれたのか、知っているのではないのか。それとも、彼は下の者で内情を知らないのか。
とぼとぼとヤナはきた道を引き返した。
「私だって、何がいいたいのかって思うわよ!」
海外に来たのは初めてなので、他と比べることはできないが、部外者が一人王宮を散策できるというのが不思議だった。
今日は、タカとシダカは晟雅とともに『能力』の鍛錬を行う。自分も一緒なのかと思っていたのだが、そうではなく、ヤナは霄王女の茶会へと招かれることになっていた。ただ、その茶会は今日の三時。昼すぎまで暇なヤナは、何をして過ごすべきか考えていた。クレオード国の言葉がわからないヤナは、誰かツィスニル国語がわかる人と一緒に行動しないと不安だ。ツィスニル国の外交官はどこにいるのかわからない。王宮の使用人に声はかけてみたものの、片言でツィスニル語は分からないという返事しか返ってこない。タカとシダカの部屋には行っては見たものの、朝食の時からすでに姿がなく、部屋には鍵がかかっていた。ちなみに朝食は、使用人がヤナの部屋に直接持ってきてくれたのだった。霄と連絡がつければ少しはいいかと思ったのだが、それもつかない。ということで、あてもなく、ヤナは王宮をさまよっていた。自分がどこで曲がったか頭に刻みながら進んだ。自分の部屋意外に、タカ・シダカが案内された客間、夕食をとった広間。客間がたくさんありそうだとは思う。すべての扉を開くのもためらわれて、クレオード国語で書いてある案内板を見るが、さっぱりわからない。『広間』とか『食堂』というクレオード国語すらわからないのだから。話し声が聞こえる扉から、誰か出てきて中の様子をうかがえないかとゆっくり歩く。
扉のない部屋もあるので、そこにはすかさず目を通した。そう言うときは必ず、クレオード人は見慣れないヤナを見る。数人、ヤナに話しかけてくれる人もいたものの、まだ、ツィスニル国語を話せる人に出会えなかった。
「困ったわ………」
あまりに通じない言葉に、ヤナは困り果ててしまった。大きなため息をついたヤナは、広い王宮を見渡して、二度めのため息をついた。こつ、こつ、と後ろから靴の音が響く。ヤナはその音に気が付いたけれど、この人もきっとツィスニル語は通じない。そう思いなら、三度目のため息をついた。
「どうしたのですか?お嬢さん」
「え?」
思わず、ヤナは振り返る。そう、その人の言葉はツィスニル語。さらさらの金色の髪。澄んだ緑眼でとても美しい女性だった。声をかけてくれた女性の横には、黒髪の妙齢の男性もいて、彼はヤナの視線を受け、軽く会釈をする。
「お困りですか?」
目を見開いて、ヤナはその人たちに向き合った。
「ツィスニル語、わかるんですか?」
その人は不思議そうに首を傾げて、ああ、と相槌を打った。
「王宮の人間は、母国語であるクレオード国語と、ランジエドゥル語は話せるのですけれど」
「私も少しですが、話せます」
男性も頷いた。
ランジエドゥルは世界で最も多くの人が話している言語だ。
ヤナはツィスニル国語以外話せないので、そう言われても話しかけることはできなかった。ほんの少し、挨拶程度なら話せなくもないが。
「あ、すみません」
ヤナは挨拶をしていないことに気がつき、軽く会釈をする。
「初めまして。私は、ヤナ・ユルスナール。ツィスニルから参りました」
ああ、そうだった、とその人も会釈を返す。
「こちらこそ、初めまして。礼儀正しいお嬢さん。私は、ハートゥと申します。一応、王宮に住んでいるものです。………、ヤナさんとお呼びしても?」
「は、はい!」
にっこり笑うその表情は、同性でも見とれてしまう美しさだった。
「ありがとう」
そう言って、ハートゥは笑う。
「そんなに緊張しないで。肩の力を抜いていただけると嬉しいです。といっても、勝手知らぬ他国の王宮、緊張するのも無理なきことかと存じます。ツィスニル国語が話せない以上、難儀なものですね」
「ユルスナール様は、なぜこのようなところに?ツィスニル国からの使者のことはうかがっておりましたが、今日は案内の者が参りませんでしたか?朝食はもう、召し上がっていらっしゃいますか?」
はて、とクレオード国の男性が問う。ヤナは、困って首を傾げた。
「お食事はいただきました。お昼過ぎに王女様がお茶会に招待してくださいましたが、それまで時間があるので。恥ずかしながら、私はクレオード国が話せません。王宮の方となかなか話ができないのです。それで、王宮の方々とお話しすることができず、お部屋の案内も読むことができず、部屋に戻ることができないのと………」
「………と?」
「手持無沙汰なので、部屋で待つ気にもなれず、王宮の中、一緒に来た人たちを探していたんです。別行動をする、みたいなんですけど……」
「ふむ」
男性が頷いて、ヤナに問う。
「ユルスナール様、あなたはこの国で、何をしてみたいですか?手持無沙汰にさせて申し訳ない。せっかく、外国からいらしたのですから、私が案内できるものを探してまいります。―――――この国の何に興味がありますか?文化とか、食事とか、観光するのに最適な場所は、好みがありますからね」
ヤナは、目を瞬(しばた)かせた。ヤナにとって、クレオード国は謎だらけだ。今回の招待もタカの付き添いというだけ。クレオード国に行くにあたって、どんな国なのかは少しだけ調べているという程度だ。ただ。
「この国では『能力』はどのように扱われているのですか?」
文献にはない。タカがこの国に招待された理由。
ヤナは、それが知りたかった。
今まで、タカは能力をひた隠しにしてきた。能力はあくまで『現実』認められてはいない。タカ以外の能力者をヤナは知らないし、そもそもお伽噺の中の話で終わることだ。だが、クレオード国はタカの能力を知っている。そして、それを利用したいと考えている。
ドキドキしながら、ヤナは二人の言葉を待った。
男性は首を傾げた。
「『能力』とはなんのことでしょう?」
*
ヤナはぽかん、と口を開けた。
タカは、そのために呼ばれたのではなかったのか?
それとも、クレオード国では言い回しが違うからわからないの?
ヤナは、なんと説明していいのかわからない。
「えっと………」
「はい」
男性はヤナの言葉を待った。
「モノを破壊するとかの力です。炎を出したり、とかの魔法というか……」
ヤナの知っているのは、タカの力と晟雅が目の前で見せた力。それ以上は分からない。お伽噺に出てくるような力、小説などで使われている表現で言うならば『魔法』だろうか。
男性は、何を言っているのかと首を傾げる。
「私はそういう本には詳しくないので、図書館にでも行ってみますか?」
「………は?」
「ああ、でも、図書館はクレオード国語のものですから、ユルスナール様は読めるのでしょうか?司書がいますから、一緒に読んでみます?」
どうやら、クレオード国の魔法やらが書いてある小説を見たい、とヤナが言っているように聞こえたらしい。ヤナは首を横に振った。
「違います!私が知りたいのは、タカや王子みたいな―――」
「私は本には詳しくないですので、力になれそうにはありませんな」
明らかに言葉をさえぎられた。ヤナは、男性ではなく、女性に聞きなおした。
「この世界には、不可思議な力があるでしょう」
すると、話しかけてもいないのに、男性がさえぎる。
「そういうものがあるならば、ぜひお目にかかってみたいものだ!」
明らかに邪魔をされている。彼の態度にかちん、と来たヤナは思わず
「殿下に頼めばいいじゃないですか!」
怒鳴り返してしまった。
「殿下に、そんな荒唐無稽な話をできるわけないでしょう!」
けれども、男性はそれ以上の声音で怒鳴り返した。
「な………!」
「夢の話をするのなら、余所でしていただきたい!」
ぷんぷんと彼は、女性を引っ張って退席する。話は終わりだ、と彼は背を向けた。女性は申し訳なさそうに、頭を下げた。
「案内の者をお呼びします。お部屋でお待ちになってください」
小さくなっていく彼らの背中をヤナは見送ることしかできなかった。
自分の言っていることが荒唐無稽な話だと、能力を知らない人間ならそうだろう。けれども、クレオード国から来た人間の一人と知りながら、そんな話を知らない、というのはおかしいのではないのか。自分たちが何のために呼ばれたのか、知っているのではないのか。それとも、彼は下の者で内情を知らないのか。
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