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第3章 二人からのプロポーズ
第5話 想いが通じた二人
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♪ ♪♫♩♬ ~
優雅な曲が流れ始める。
「美しいお嬢さん、私は貴女と踊れてなんて光栄なんだろうか」
「はぁ…」
「名前を聞かせて頂けますか?」
「名前……?!」
リーリラはタラタラと背中に冷や汗をかき始める。えーっと、えーっと、どんな名前にしようかと必死に考え閃いたのが、
「ダリア・ハントンですわ!」
心の中でダリルごめんなさいと謝る。
「どちらにお住まいなのですか?」
「北の街ローフェスからさらに北にある村ですわ」
「北の村…」
青年が村と聞き表情が歪む。
「私は村長の娘ですの!」
「そうだったのですか…。では、私が国都の遊び方をお教え差し上げましょう」
とニヤリと見下すように言われ、同時に音楽も終わる。
「結構ですわ、連れもおりますので失礼、えっ?!」
気付くと別の青年に手を取られ、
「次は私と踊っていただけますか?」
と踊りの申し込みをされる。
踊った青年から逃げた方が良いと判断したリーリラは仕方なしに次の青年の手を取る。
♪♫♩♬
リーリラ、試練の三曲目が始まる。
「あなたと踊れ私は幸運です」
「はぁ…」
「貴女のお名前は?」
「秘密です」
「なんて恥ずかしがりなんだ!」
はっ??とこの青年の空気が読めない鈍感ぶりに驚く。そして、徐々に初めて履いた踵の高い靴のせいで足に痛みを感じ始める。
ーーあ、足が保たないわ…、
もしかしてあの男性の集まり
私と踊るために
待ってるんじゃないよね…
チラリと見ると青年の集まりがリーリラに熱い眼差しを送っているのだ。
ーー誰か助けてよー!!
♪♫♩♬
音楽が終わると青年達の集まりが次は私が踊る番だと近づき、手を取ろうとした。
ーーもう足が無理だわ。逃げなくちゃ!
と思った瞬間、ぐいっと腰を引き寄せられ
「耳元で踊って頂けますか?」
と尋ねらる。
リーリラがよく知る声だった。
見上げるとカイルが抱きしめてくれていた。助けてほしい一心で必死に頷く。
♪♫♩♬
「大丈夫?足痛そうだけど」
とカイルが優しく耳元で囁く。
「大丈夫じゃない。足痛いの。もう踊るの無理…」
「わかった。ゆっくりと踊りながらテラスに近づくよ」
わかったとが頷くと二人は踊りながらテラスの外に出る。そして、リーリラを抱きかかえるてひょいとテラスを飛び越えた。
「どうする?まだ祝い会にいたい?」
と聞かれリーリラは首を振る。
「足痛いから無理だよ。もう帰りたい!」
とぐすんと泣き出した。
カイルは手で涙を拭ってやると嬉しそうな表情で馬舎へ向かう。
そして、リーリラを馬に乗せると、
「帰るぞ」
と馬を走らせた。
「兄さん、仕事はいいの?」
「あぁ、これが私の仕事なんだ。」
リーリラは馬に乗りながらカイルにしがみつき助けに来てくれたことを嬉しく感じた。
家に着くと、カイルはリーリラを抱きかかえながら庭に向かう。そして、昔、遊んだブランコに下ろしてくれた。
「リーリラ、少し待っていて」
「えっ??」
初めて名前を呼ばれてどきりとする。
久しぶりに乗るブランコを揺らしながら待っていると走りながら手にはプレゼントらしき物を手にして戻って来た。
「なかなか誕生日プレゼントを渡す機会がなくて…」
そう言うと包みを開け、ネックレスを取り出して首につけてくれた。
「私に?」
と尋ねると赤面しながらカイルは頷く。
「武装具しかプレゼントしてなかったから…リチャード団長に話したら呆れられて、リチャード団長の姉君に宝石屋を紹介してもらったんだ。このネックレスは普段使い用に買ったんだ」
リーリラは優しくネックレスに触れながらトップについている石を見る。暗くて石の色がわからない。
「この石何色なの?」
精霊に頼み灯りを照らして貰う。
「ん?金色っぽい?」
と金色にキラキラ光る石を見るとカイルは照れながら、
「そ、それは私の髪の色と同じで……、傍にいれない時、その石が有れば一緒にいれるだろうと思って…。気に入らないなら捨てていいからな!!」
「ふふ。捨てないよ。すごく嬉しい…。ありがとう、カイル兄さん!!」
とカイルに飛びついた。
抱きつかれるのは嫌いだと気づいたリーリラは慌てて離れようとすると、カイルの手がリーリラの背中に回り、ぎゅっと抱きしめられる。
「好きだ、リーリラ……」
「カイル兄さん……。わ、わたしも好き…」
そして、カイルの胸に顔を埋める。久しぶりのカイルの匂いにリーリラは幸せを感じる。
ようやく想いが通じ、心から喜ぶリーリラの気持ちを察した精霊達は二人の周りを嬉しそうに飛び回ったのだ。
優雅な曲が流れ始める。
「美しいお嬢さん、私は貴女と踊れてなんて光栄なんだろうか」
「はぁ…」
「名前を聞かせて頂けますか?」
「名前……?!」
リーリラはタラタラと背中に冷や汗をかき始める。えーっと、えーっと、どんな名前にしようかと必死に考え閃いたのが、
「ダリア・ハントンですわ!」
心の中でダリルごめんなさいと謝る。
「どちらにお住まいなのですか?」
「北の街ローフェスからさらに北にある村ですわ」
「北の村…」
青年が村と聞き表情が歪む。
「私は村長の娘ですの!」
「そうだったのですか…。では、私が国都の遊び方をお教え差し上げましょう」
とニヤリと見下すように言われ、同時に音楽も終わる。
「結構ですわ、連れもおりますので失礼、えっ?!」
気付くと別の青年に手を取られ、
「次は私と踊っていただけますか?」
と踊りの申し込みをされる。
踊った青年から逃げた方が良いと判断したリーリラは仕方なしに次の青年の手を取る。
♪♫♩♬
リーリラ、試練の三曲目が始まる。
「あなたと踊れ私は幸運です」
「はぁ…」
「貴女のお名前は?」
「秘密です」
「なんて恥ずかしがりなんだ!」
はっ??とこの青年の空気が読めない鈍感ぶりに驚く。そして、徐々に初めて履いた踵の高い靴のせいで足に痛みを感じ始める。
ーーあ、足が保たないわ…、
もしかしてあの男性の集まり
私と踊るために
待ってるんじゃないよね…
チラリと見ると青年の集まりがリーリラに熱い眼差しを送っているのだ。
ーー誰か助けてよー!!
♪♫♩♬
音楽が終わると青年達の集まりが次は私が踊る番だと近づき、手を取ろうとした。
ーーもう足が無理だわ。逃げなくちゃ!
と思った瞬間、ぐいっと腰を引き寄せられ
「耳元で踊って頂けますか?」
と尋ねらる。
リーリラがよく知る声だった。
見上げるとカイルが抱きしめてくれていた。助けてほしい一心で必死に頷く。
♪♫♩♬
「大丈夫?足痛そうだけど」
とカイルが優しく耳元で囁く。
「大丈夫じゃない。足痛いの。もう踊るの無理…」
「わかった。ゆっくりと踊りながらテラスに近づくよ」
わかったとが頷くと二人は踊りながらテラスの外に出る。そして、リーリラを抱きかかえるてひょいとテラスを飛び越えた。
「どうする?まだ祝い会にいたい?」
と聞かれリーリラは首を振る。
「足痛いから無理だよ。もう帰りたい!」
とぐすんと泣き出した。
カイルは手で涙を拭ってやると嬉しそうな表情で馬舎へ向かう。
そして、リーリラを馬に乗せると、
「帰るぞ」
と馬を走らせた。
「兄さん、仕事はいいの?」
「あぁ、これが私の仕事なんだ。」
リーリラは馬に乗りながらカイルにしがみつき助けに来てくれたことを嬉しく感じた。
家に着くと、カイルはリーリラを抱きかかえながら庭に向かう。そして、昔、遊んだブランコに下ろしてくれた。
「リーリラ、少し待っていて」
「えっ??」
初めて名前を呼ばれてどきりとする。
久しぶりに乗るブランコを揺らしながら待っていると走りながら手にはプレゼントらしき物を手にして戻って来た。
「なかなか誕生日プレゼントを渡す機会がなくて…」
そう言うと包みを開け、ネックレスを取り出して首につけてくれた。
「私に?」
と尋ねると赤面しながらカイルは頷く。
「武装具しかプレゼントしてなかったから…リチャード団長に話したら呆れられて、リチャード団長の姉君に宝石屋を紹介してもらったんだ。このネックレスは普段使い用に買ったんだ」
リーリラは優しくネックレスに触れながらトップについている石を見る。暗くて石の色がわからない。
「この石何色なの?」
精霊に頼み灯りを照らして貰う。
「ん?金色っぽい?」
と金色にキラキラ光る石を見るとカイルは照れながら、
「そ、それは私の髪の色と同じで……、傍にいれない時、その石が有れば一緒にいれるだろうと思って…。気に入らないなら捨てていいからな!!」
「ふふ。捨てないよ。すごく嬉しい…。ありがとう、カイル兄さん!!」
とカイルに飛びついた。
抱きつかれるのは嫌いだと気づいたリーリラは慌てて離れようとすると、カイルの手がリーリラの背中に回り、ぎゅっと抱きしめられる。
「好きだ、リーリラ……」
「カイル兄さん……。わ、わたしも好き…」
そして、カイルの胸に顔を埋める。久しぶりのカイルの匂いにリーリラは幸せを感じる。
ようやく想いが通じ、心から喜ぶリーリラの気持ちを察した精霊達は二人の周りを嬉しそうに飛び回ったのだ。
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