【完結】ノーザンランドの白き獅子リーラ 〜捨てられた王女は人生逆転復活劇は起こしたくない〜

第1章 祖国の滅亡

第11話 祖国の滅亡

　リヴァリオン国が攻められた。

　リーラは急いで宿に帰り、ベラにも尋ねるがベラ達もリーラと同じ内容の話を聞いただけでみなそれ以上何も話す事が出来なかった。
　ベラの父の話では、以前から王女の輿入れに攻められるのではと噂され、王女も戦火に巻き込まれないように隙をみて国を出たが、まさかこんな性急に攻めてくるとは思わなかったそうだ。

"おじい様とおばあ様は知っていたんだ。だから僕を逃がしたんだ。
だけど、だけど、僕は死んでもいいから二人と一緒に居たかったよ…"

リーラは瞳からポロポロと涙を流した。



ーなんとしても生き残れ、リーラ…。
　おじい様の声が聞こえる…

しばらくすると別の声が聞こえる。

ー聞こえるか…我が声が…
　おまえが来るのを待つ…
　いつまで待つ…必ず我がもとへ

ーあなただれ？だれなの？


リーラはびっくりして眠りから覚めた。

　
　朝がやってきた。

　リーラはリヴァリオン国の方を向く。

       "おじい様、おばあ様、二人がくれた　　　　　
　　新しい人生を決して無駄にしませ
　　ん。必ず生きるよ。僕頑張るよ。
　　僕にゾーン国倒せる力あれば…。
　　そのためにも絶対、強くなってやる！！"

　なぜかリヴァリオン国の方から頑張れよと言われている気がした。



第2次試験を迎えた。

「木刀を使っての実技となります。
 相手は騎士候補生となります。
 審判の合図に従ってください」

「206番。構え。始め！！」

リーラは全神経を集中させる。

"おじい様との打ち込みを思い出せ"

そして、剣を振り上げた。

「やぁー！」
カン、
カン、
カン、
カン！！


「隊長が来るなんて珍しいすね。
　あの子を見に来たんすか？」

「ふふふ。まぁね。書類審査にも署名してあげたのよ～。ネイルもあの子を見に来たんだでしょー。
　あの子、目が変わったわね。
　あれなら生き残れるわね、
　楽しみだわ」

「ビル隊長お疲れ様です」

「ネイルとキャサリンがここに来るなんて珍しい。あの子が気になる？」

「あんたもリヴァリオンから連れて来た子を見に来たんだでしょう？？」
ビルは何の話をしているのでしょうとわからない表情をする。

「あんた、あの子誰って顔してるわね…一昨日あなた書類審査に署名してたじゃない…」

「……」

「見てなかったの？」

「うちの執事に署名くれと言われたから…」

「ねぇ、リヴァリオン国って銀髪いるのね。うちの国だけだと思ったわ」

「混血なんじゃないんですか？」


「やめー！」

「やりますね、あの子。しっかり剣の流れを読み、受け止めてましたね。あと力が有れば撃ち返せれたのに」

"ふふふ。女だからね…おいおい私が教えるわ…"

「じゃあね。いくわ」
キャサリンはマントを翻ひるがえし試験場を後にする。

「書類読ますに署名してしまった…やば…」
ビルは一人呟く。

「206番合格。書類を受け取り、教室に入れ」

「はい！やったー！合格できた」
リーラは急いで教室へ向かった。
すでに合格者が揃っていた。

「ロン！」
「アデル！」
リーラ達は手を叩きあった。

「合格おめでとう。騎士学校長のロビンソン・ガーネルだ。学校は来週から始まる。それまでに指定の店で制服、訓練着を受け取るんだ。騎士候補生寮は明日から入寮できる。荷物を入れたいものは、明日から来い」

　リーラな合格書類を手にして学校から出た。そして振り返り騎士学校を再びみ見上げた。


"これから新しい人生が始まる。
必ず立派な騎士になっておじい様とおばあ様を迎えにいくんだ。必ず行くんだ"