婚約破棄されたので隣国に逃げたら、溺愛公爵に囲い込まれました

鍛高譚

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3-2 真実の暴露

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フェリシアの登場によって、煌びやかな舞踏会はまるで別の空気をまとい始めていた。
音楽は鳴っているのに、誰もがフェリシアの一挙手一投足から目を離さない。

――かつて婚約破棄され、社交界から追放された令嬢。
その“亡霊”が、美しく、強くなって帰ってきたのだ。

アルヴィンとクラリスは、遠くから彼女を見ながら声を潜めた。

「どうしてあの女がここに……?」
「クラリス、落ち着け。問題ない……はずだ。」

(※落ち着いている人ほど声が裏返らないものです。
今のアルヴィンは裏返っているので、落ち着いていません。)


---

◆静かな対峙

フェリシアは優雅に歩きながら、貴族たちと挨拶を交わしていく。
その姿はしなやかで、落ち着きに満ち、傷つけられていた頃の彼女とは別人だった。

「フェリシア様、お戻りになられるとは思いませんでしたわ。」
「ええ。隣国での経験のおかげですわ。ようやく胸を張って戻れました。」

柔らかな微笑みに、貴族夫人は思わず息を呑んだ。

(……これが本物の“気品”というものなのね。)

その一方で、アルヴィンとクラリスはフェリシアから目を離せずにいた。

「アルヴィン様、絶対に何か企んでいるわ……」
「何もできるはずがない。あれだけ追放されていたんだ……」

(※アルヴィン、フラグが立っています。)


---

◆決戦の幕開け

しばらくして、会場のダンスが一段落したタイミング――
フェリシアは静かに歩み出た。

そして、透き通るような声で言った。

「皆さま、少々お時間をいただけますか?」

その瞬間、空気が揺らぎ、全員の視線がフェリシアに吸い寄せられる。

「本日は……ある真実をお伝えするために、この場に参りました。」

その言葉に、一部の貴族がざわめいた。
アルヴィンとクラリスの背中には、嫌な汗が流れる。

フェリシアは、ゆっくりと手紙を取り出した。


---

◆証拠の公開

「こちらは、私が陥れられた際に使われた“陰謀の証拠”です。
王太子殿下とクラリス嬢が書いた、私を”悪女”に仕立て上げるための計画書……その原本。」

会場の空気が凍りついた。

「ふ、ふざけるな! そんなもの、何の証拠に――」
「はい、殿下。あなたのその反応も、想定済みです。」

フェリシアは淡々と言い放った。
そして、手紙を掲げながら続ける。

「この筆跡はクラリス嬢のもの。そして殿下の署名もございます。
さらに、隣国の情報屋によって得た裏付けも揃っています。」

周囲の貴族たちが次々と手紙を覗き込み、困惑の声を上げた。

「これ……クラリス嬢の筆跡ですわ。間違いありません。」
「殿下の署名まで……!」

アルヴィンは必死に声を張り上げる。

「そ、それは偽物だ! フェリシアが作った偽造だ!」
「偽造と言うなら……証拠をどうぞ。」

フェリシアは落ち着いたまま、追加の資料を差し出した。
資金の流れ、裏工作の報告書、証言――どれも揺るぎない証拠。

クラリスの唇が青ざめ、震え始めた。


---

◆崩れる二人

そして――

「もう無理! 私だけのせいじゃないわ! アルヴィン様も全部知ってたのよ!」

クラリスが突然叫び、会場に絶句が広がった。

アルヴィンは真っ青になりながら叫ぶ。

「クラリス!? やめろ、バカ――!」

だが、もう遅かった。

貴族たちの視線は、すでに冷たく突き刺さる。

「なんという醜聞だ……」
「こんな人物が王位につくなど、あってはならん。」
「クラリス嬢も……こんな陰湿な策を?」

非難の声が次々と上がり、ふたりは完全に包囲された。

アルヴィンは最後にフェリシアを睨んだが、その目には力がない。

そして――
ふたりは逃げるように会場を去った。

誰も追わなかった。


---

◆フェリシアの勝利

深い静寂の中、フェリシアは一歩前に出る。

「皆さま。これが、私の真実です。」

その言葉に、誰からともなく拍手が生まれた。
やがて会場全体が彼女を称賛する拍手で満たされる。

「フェリシア様……なんと気高い……」
「真実を示しながらも、決して復讐に堕ちない姿……見事です。」

フェリシアは肩の力を抜き、静かに息をついた。
名誉は取り戻された。
失ったものは、もうない。

そして――
ここから、彼女の未来が始まる。
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