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第二十一話 出立の朝
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第二十一話 出立の朝
出立の朝は、驚くほど静かだった。
前夜のうちに必要な荷はほぼ整えられていた。大きな衣装箱は二つ、本の入った小箱が一つ、書類をまとめた革鞄が一つ。伯爵家長女の持ち物としては少ない。けれどセレナには、それで十分に思えた。
この家に置いていくもののほうが、むしろ多いのだろう。
家具や調度だけではない。長いあいだ引き受けてきた役目、飲み込んできた言葉、見て見ぬふりをしてきた痛み。そういう形のないものが、きっと一番重かった。
朝の光がカーテン越しに差し込む中、侍女たちはいつも以上に手際よく、そして静かに動いていた。出立の支度であることを、必要以上に言葉にしないための沈黙でもあるのだろう。
「こちらのお箱は、馬車へ先に積ませます」
「お願い」
「お手元に残される本は、この三冊でよろしいですか」
「ええ、それで」
短い確認だけが交わされる。
セレナは旅装に着替えていた。派手さのない深い青のドレスに、移動用の外套。装飾は最低限で、耳元には母の形見の小さな真珠だけを残した。
鏡の中の自分は、婚約を破棄された令嬢には見えなかった。誰かに追われて家を出る女でもない。ただ、行くべき場所へ向かうために身支度を整えた人間に見える。
それが少しだけ、救いだった。
ノックの音がして、グレアムが入ってきた。
「お嬢様、馬車の準備が整いました」
「ありがとう」
老執事は一礼したあと、少しだけ言葉を探すように間を置いた。
「旦那様が、玄関でお待ちでございます」
セレナはまばたきをした。
父が見送りに立つとは思っていなかった。いや、立たねばならないと理性では分かっていても、実際にそれをできる人かどうかといえば、微妙だと思っていたのだ。
「お義母様は?」
「奥様も」
セレナは小さく息を吐いた。
では、最後の挨拶は避けられないらしい。
「ミレイユは」
その名を出した瞬間、グレアムの目がわずかに曇った。
「お部屋から出ておりません」
そう、とセレナはだけ答えた。
それが自然だった。
見送りに立つはずがないし、立たせるべきでもない。
義妹はたぶん今も、姉がレーヴェン公爵家へ向かうことを「逃げ」か「敗北のくせに厚遇されている不公平」くらいにしか解釈していないだろう。あの女にとっては、他人の出発ですら自分への当てつけに見えるのかもしれない。
そこまで考えて、セレナは少しだけ首を振った。
もう、そこまで気にする必要はない。
部屋を出ると、廊下には見送りのためか、何人もの使用人たちが控えていた。皆、深く礼をする。普段より静かで、普段より長い礼だった。
セレナはその一人ひとりを見ながら歩いた。
きっと彼らは、この出立の意味をそれぞれに理解しているのだろう。婚約破棄の直後に公爵家へ滞在する長女。それがただの社交上の訪問で済まないことくらい、誰にでも分かる。
けれど彼らは誰一人、哀れみの顔をしなかった。
それがありがたかった。
玄関ホールへ出ると、父ローレンス伯爵と継母イザベルが並んで立っていた。父は正装というほどではないが、それなりに整えた服に身を包み、継母も控えめな外出着を着ている。形式だけでも、きちんと送り出すつもりなのだろう。
その背後、開け放たれた玄関の外には、レーヴェン公爵家の馬車が停まっていた。深い緑の車体に、公爵家の紋章。伯爵家の前庭にありながら、その存在感は明らかに一段違う。
その馬車を見た瞬間、セレナの胸の奥で現実が形を持った。
本当に行くのだ。
レーヴェン公爵家へ。
この家を出て。
「……支度は済んだようだな」
父が言った。
「ええ」
「そうか」
それだけで、会話が途切れる。何か言うべきことはたくさんあるはずなのに、いざ向かい合うと言葉はひどく少ない。
継母が先に口を開いた。
「向こうで……失礼のないように」
その言い方に、セレナは少しだけ目を細めた。
最後まで継母らしい。娘として心配する言葉ではなく、まず社交上の礼を口にする。悪意ではない。ただ、この人はそういう人なのだ。
「心得ています」
そう返すと、イザベルは少しだけ唇を噛んだ。
「その……」
「はい」
「体調には気をつけて」
ようやく出てきたのが、それだった。
遅い。あまりに遅い。けれど、それでもこの人なりに絞り出した言葉なのだろう。セレナは責める気にはなれなかった。
「ありがとうございます」
父が小さく咳払いをする。
「レーヴェン公爵家からは、しばらく静養も兼ねてゆっくり過ごすようにとのことだ」
静養。
その言葉は、伯爵家の人間が口にすると少しだけ空々しく聞こえた。
だが父の顔には、本当にそれを必要としている者へ向けるような、わずかな後悔があった。
「向こうで……考える時間を持つといい」
セレナは一瞬、父の顔を見た。
昨日までなら、この人にそんなことを言われても心は動かなかっただろう。けれど今は違う。父は少なくとも、自分をこの家へ縛りつける権利はもうないと認めている。
「ええ」
短く答えた。
それで十分だったのかもしれない。
そこへ、二階の手すりの向こうから高い声が落ちた。
「本当に行くのね」
ミレイユだった。
誰もがはっと顔を上げる。
義妹は階段の踊り場に立っていた。まだ朝の身支度も不十分なのか、髪は少し乱れ、上から羽織っただけの上着が肩からずり落ちかけている。だがその顔には、眠そうな気配も涙もなかった。あるのはひどく刺々しい感情だけだ。
「ミレイユ!」
継母が青ざめる。
だが義妹は止まらない。
「お姉様って、本当にいいご身分よね」
その声は、静かな玄関ホールによく響いた。
「婚約を破棄されたのに、公爵家に招かれて、こんな立派な馬車まで来るんですもの」
使用人たちの空気が張り詰める。父が何か言おうとしたが、その前にセレナが階段を見上げた。
「ええ、行くわ」
あまりにも穏やかな返事に、ミレイユのほうが一瞬詰まった。
「……どうしてそんな顔ができるの」
かすれた声。
「悔しくないの?」
「悔しいわ」
セレナははっきり言った。
玄関ホールが静まり返る。
父も継母も、使用人たちも、たぶん誰もが驚いたのだろう。セレナがそこで、感情を否定しなかったことに。
「傷ついていないわけではないし、何も失っていないわけでもない」
静かな声で続ける。
「でも、それでも行くの」
ミレイユは階段の手すりを掴む指に力を込めた。
「逃げるくせに」
「そう思いたいなら、それでいいわ」
セレナは答える。
「でも私は、あなたみたいに誰かの席を壊した先に立とうとは思わない」
その一言は、義妹の顔を見事に歪ませた。
「……何よ、それ」
「そのままの意味よ」
セレナは目を逸らさなかった。
「私は私の席を探しに行くだけ」
ミレイユの唇が震える。
言い返したい。けれど言葉が見つからない。そんな顔だった。なぜなら義妹には“自分の席を探す”という感覚がないのだ。あるのはいつだって、誰かを押しのけて空いた場所へ座り込むことだけ。
「ミレイユ、もうおやめなさい!」
継母が叫ぶように言う。だが義妹はなお、階段の上からセレナを睨んでいた。
「……行けばいいわ」
吐き捨てるような声だった。
「でも、どうせ戻ってくるんでしょう? お姉様はいつだって、結局この家のことを放っておけないもの」
その言葉に、セレナはほんの少しだけ考えた。
そして、ゆっくり首を振る。
「分からないわ」
ミレイユが目を見開く。
父も、継母も、動きを止めた。
「戻るかどうかは、向こうで考える」
それは今この場で、初めて皆へ告げられた本音だった。
数日身を寄せるだけではないかもしれない。
場合によっては、その先も変わるかもしれない。
そう明言されたことで、玄関ホールの空気がまた一段変わった。出立ではなく、分岐なのだと誰もが理解したのだろう。
セレナは父へ向き直った。
「行ってまいります」
ローレンス伯爵はしばらく何も言えなかった。やがてようやく、低く言う。
「……ああ。気をつけて」
継母も何か言いたげだったが、結局「お元気で」と小さく言うのが精一杯だった。
セレナは一礼し、外へ出た。
冷たい朝の空気が頬を撫でる。前庭には薄い光が落ちていて、レーヴェン公爵家の馬車の黒く磨かれた車輪がそれを静かに返していた。
従者が扉を開ける。
乗り込む直前、セレナは一度だけ振り返った。
玄関の奥には父と継母。
二階の踊り場には、まだミレイユの影。
その誰もが、完全には同じ場所に立っていなかった。
だからこそ、もう戻れないのだと分かった。
セレナは馬車へ乗り込んだ。
扉が閉まる。
車輪がゆっくりと動き出す。
窓越しに見える伯爵家の玄関が少しずつ遠ざかっていくのを見ながら、セレナは膝の上で手を重ねた。
泣かなかった。
けれど胸の奥には、痛みと、安堵と、かすかな恐れが同時にあった。
それでいいのだろうと思った。
何も感じないより、ずっとましだ。
馬車は前庭を抜け、門へ向かう。
その先にはまだ知らない景色がある。
差し出された椅子が、本当に自分の座るべきものかどうかは、これから分かる。
けれど少なくとも、今の伯爵家の中に自分の席が以前の形のまま残っていないことだけは、もう疑いようがなかった。
出立の朝は、驚くほど静かだった。
前夜のうちに必要な荷はほぼ整えられていた。大きな衣装箱は二つ、本の入った小箱が一つ、書類をまとめた革鞄が一つ。伯爵家長女の持ち物としては少ない。けれどセレナには、それで十分に思えた。
この家に置いていくもののほうが、むしろ多いのだろう。
家具や調度だけではない。長いあいだ引き受けてきた役目、飲み込んできた言葉、見て見ぬふりをしてきた痛み。そういう形のないものが、きっと一番重かった。
朝の光がカーテン越しに差し込む中、侍女たちはいつも以上に手際よく、そして静かに動いていた。出立の支度であることを、必要以上に言葉にしないための沈黙でもあるのだろう。
「こちらのお箱は、馬車へ先に積ませます」
「お願い」
「お手元に残される本は、この三冊でよろしいですか」
「ええ、それで」
短い確認だけが交わされる。
セレナは旅装に着替えていた。派手さのない深い青のドレスに、移動用の外套。装飾は最低限で、耳元には母の形見の小さな真珠だけを残した。
鏡の中の自分は、婚約を破棄された令嬢には見えなかった。誰かに追われて家を出る女でもない。ただ、行くべき場所へ向かうために身支度を整えた人間に見える。
それが少しだけ、救いだった。
ノックの音がして、グレアムが入ってきた。
「お嬢様、馬車の準備が整いました」
「ありがとう」
老執事は一礼したあと、少しだけ言葉を探すように間を置いた。
「旦那様が、玄関でお待ちでございます」
セレナはまばたきをした。
父が見送りに立つとは思っていなかった。いや、立たねばならないと理性では分かっていても、実際にそれをできる人かどうかといえば、微妙だと思っていたのだ。
「お義母様は?」
「奥様も」
セレナは小さく息を吐いた。
では、最後の挨拶は避けられないらしい。
「ミレイユは」
その名を出した瞬間、グレアムの目がわずかに曇った。
「お部屋から出ておりません」
そう、とセレナはだけ答えた。
それが自然だった。
見送りに立つはずがないし、立たせるべきでもない。
義妹はたぶん今も、姉がレーヴェン公爵家へ向かうことを「逃げ」か「敗北のくせに厚遇されている不公平」くらいにしか解釈していないだろう。あの女にとっては、他人の出発ですら自分への当てつけに見えるのかもしれない。
そこまで考えて、セレナは少しだけ首を振った。
もう、そこまで気にする必要はない。
部屋を出ると、廊下には見送りのためか、何人もの使用人たちが控えていた。皆、深く礼をする。普段より静かで、普段より長い礼だった。
セレナはその一人ひとりを見ながら歩いた。
きっと彼らは、この出立の意味をそれぞれに理解しているのだろう。婚約破棄の直後に公爵家へ滞在する長女。それがただの社交上の訪問で済まないことくらい、誰にでも分かる。
けれど彼らは誰一人、哀れみの顔をしなかった。
それがありがたかった。
玄関ホールへ出ると、父ローレンス伯爵と継母イザベルが並んで立っていた。父は正装というほどではないが、それなりに整えた服に身を包み、継母も控えめな外出着を着ている。形式だけでも、きちんと送り出すつもりなのだろう。
その背後、開け放たれた玄関の外には、レーヴェン公爵家の馬車が停まっていた。深い緑の車体に、公爵家の紋章。伯爵家の前庭にありながら、その存在感は明らかに一段違う。
その馬車を見た瞬間、セレナの胸の奥で現実が形を持った。
本当に行くのだ。
レーヴェン公爵家へ。
この家を出て。
「……支度は済んだようだな」
父が言った。
「ええ」
「そうか」
それだけで、会話が途切れる。何か言うべきことはたくさんあるはずなのに、いざ向かい合うと言葉はひどく少ない。
継母が先に口を開いた。
「向こうで……失礼のないように」
その言い方に、セレナは少しだけ目を細めた。
最後まで継母らしい。娘として心配する言葉ではなく、まず社交上の礼を口にする。悪意ではない。ただ、この人はそういう人なのだ。
「心得ています」
そう返すと、イザベルは少しだけ唇を噛んだ。
「その……」
「はい」
「体調には気をつけて」
ようやく出てきたのが、それだった。
遅い。あまりに遅い。けれど、それでもこの人なりに絞り出した言葉なのだろう。セレナは責める気にはなれなかった。
「ありがとうございます」
父が小さく咳払いをする。
「レーヴェン公爵家からは、しばらく静養も兼ねてゆっくり過ごすようにとのことだ」
静養。
その言葉は、伯爵家の人間が口にすると少しだけ空々しく聞こえた。
だが父の顔には、本当にそれを必要としている者へ向けるような、わずかな後悔があった。
「向こうで……考える時間を持つといい」
セレナは一瞬、父の顔を見た。
昨日までなら、この人にそんなことを言われても心は動かなかっただろう。けれど今は違う。父は少なくとも、自分をこの家へ縛りつける権利はもうないと認めている。
「ええ」
短く答えた。
それで十分だったのかもしれない。
そこへ、二階の手すりの向こうから高い声が落ちた。
「本当に行くのね」
ミレイユだった。
誰もがはっと顔を上げる。
義妹は階段の踊り場に立っていた。まだ朝の身支度も不十分なのか、髪は少し乱れ、上から羽織っただけの上着が肩からずり落ちかけている。だがその顔には、眠そうな気配も涙もなかった。あるのはひどく刺々しい感情だけだ。
「ミレイユ!」
継母が青ざめる。
だが義妹は止まらない。
「お姉様って、本当にいいご身分よね」
その声は、静かな玄関ホールによく響いた。
「婚約を破棄されたのに、公爵家に招かれて、こんな立派な馬車まで来るんですもの」
使用人たちの空気が張り詰める。父が何か言おうとしたが、その前にセレナが階段を見上げた。
「ええ、行くわ」
あまりにも穏やかな返事に、ミレイユのほうが一瞬詰まった。
「……どうしてそんな顔ができるの」
かすれた声。
「悔しくないの?」
「悔しいわ」
セレナははっきり言った。
玄関ホールが静まり返る。
父も継母も、使用人たちも、たぶん誰もが驚いたのだろう。セレナがそこで、感情を否定しなかったことに。
「傷ついていないわけではないし、何も失っていないわけでもない」
静かな声で続ける。
「でも、それでも行くの」
ミレイユは階段の手すりを掴む指に力を込めた。
「逃げるくせに」
「そう思いたいなら、それでいいわ」
セレナは答える。
「でも私は、あなたみたいに誰かの席を壊した先に立とうとは思わない」
その一言は、義妹の顔を見事に歪ませた。
「……何よ、それ」
「そのままの意味よ」
セレナは目を逸らさなかった。
「私は私の席を探しに行くだけ」
ミレイユの唇が震える。
言い返したい。けれど言葉が見つからない。そんな顔だった。なぜなら義妹には“自分の席を探す”という感覚がないのだ。あるのはいつだって、誰かを押しのけて空いた場所へ座り込むことだけ。
「ミレイユ、もうおやめなさい!」
継母が叫ぶように言う。だが義妹はなお、階段の上からセレナを睨んでいた。
「……行けばいいわ」
吐き捨てるような声だった。
「でも、どうせ戻ってくるんでしょう? お姉様はいつだって、結局この家のことを放っておけないもの」
その言葉に、セレナはほんの少しだけ考えた。
そして、ゆっくり首を振る。
「分からないわ」
ミレイユが目を見開く。
父も、継母も、動きを止めた。
「戻るかどうかは、向こうで考える」
それは今この場で、初めて皆へ告げられた本音だった。
数日身を寄せるだけではないかもしれない。
場合によっては、その先も変わるかもしれない。
そう明言されたことで、玄関ホールの空気がまた一段変わった。出立ではなく、分岐なのだと誰もが理解したのだろう。
セレナは父へ向き直った。
「行ってまいります」
ローレンス伯爵はしばらく何も言えなかった。やがてようやく、低く言う。
「……ああ。気をつけて」
継母も何か言いたげだったが、結局「お元気で」と小さく言うのが精一杯だった。
セレナは一礼し、外へ出た。
冷たい朝の空気が頬を撫でる。前庭には薄い光が落ちていて、レーヴェン公爵家の馬車の黒く磨かれた車輪がそれを静かに返していた。
従者が扉を開ける。
乗り込む直前、セレナは一度だけ振り返った。
玄関の奥には父と継母。
二階の踊り場には、まだミレイユの影。
その誰もが、完全には同じ場所に立っていなかった。
だからこそ、もう戻れないのだと分かった。
セレナは馬車へ乗り込んだ。
扉が閉まる。
車輪がゆっくりと動き出す。
窓越しに見える伯爵家の玄関が少しずつ遠ざかっていくのを見ながら、セレナは膝の上で手を重ねた。
泣かなかった。
けれど胸の奥には、痛みと、安堵と、かすかな恐れが同時にあった。
それでいいのだろうと思った。
何も感じないより、ずっとましだ。
馬車は前庭を抜け、門へ向かう。
その先にはまだ知らない景色がある。
差し出された椅子が、本当に自分の座るべきものかどうかは、これから分かる。
けれど少なくとも、今の伯爵家の中に自分の席が以前の形のまま残っていないことだけは、もう疑いようがなかった。
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