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第三十九話 売られる恐怖
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第三十九話 売られる恐怖
牢は、思っていたよりも狭かった。
いや、狭いというより、世界がそこまでしかないと突きつけてくる場所だった。
石壁。
鉄格子。
湿った藁。
隅に置かれた粗末な桶。
窓と呼ぶにはあまりにも小さな明かり取り。
ミレイユは最初、その現実を理解できなかった。
役人に囲まれた時も、宿から連れ出された時も、心のどこかでまだ思っていたのだ。父が来る。母が泣きつく。伯爵家の名を出せば、こんな場所に長く置かれるはずがない、と。
けれど、夜が来ても誰も来なかった。
朝になっても誰も来ない。
鍵の音がしても、看守が水差しを置くだけで終わる。
足音がしても、隣の牢の誰かを運ぶだけで終わる。
自分だけが、置かれている。
「ちょっと!」
最初のうちは、ミレイユは何度も叫んだ。
「私は伯爵令嬢よ! こんな場所へ置いていいと思っているの!?」
看守は最初こそちらりと見た。
だが、二度三度と同じ叫びを聞くうちに、反応すらしなくなった。
「父を呼びなさい! フォルディア伯爵家に伝えれば分かるわ!」
それでも返ってくるのは、
「確認中だ」
「静かにしろ」
その程度の言葉だけ。
確認中。
またその言葉だった。
確認される側に落ちたのだと、ミレイユはようやく理解し始める。
昔は、自分が確認されることなどなかった。
気分が悪いと言えば周囲が動いた。
欲しいと言えば誰かが用意した。
怒れば部屋の空気が変わった。
今は違う。
怒鳴っても格子の向こうの男が眉一つ動かさない。
泣いても石壁が湿るだけ。
三日目の朝には、喉がかすれていた。
食事はひどかった。黒いパンと薄いスープ。伯爵家の厨房でさえ、使用人の残飯と揶揄したくなるようなものだ。
最初、ミレイユは口をつけなかった。
「こんなもの食べられるわけないでしょう」
と吐き捨てた。
だが半日で空腹が勝った。
冷えたパンを千切って口へ入れた時、自分でも分かるくらい惨めだった。
それなのに、空腹はそんな感傷を待ってくれない。
牢の中では、美しさも気位も腹の足しにならなかった。
そして何より恐ろしかったのは、他人の視線だった。
牢番。
役人。
出入りする雑役。
皆がミレイユを見る時の目。
そこには、伯爵令嬢を前にした遠慮が一切ない。
哀れみも少ない。
あるのは、“面倒な厄介物”を見る視線と、少しの値踏みだった。
ミレイユはその視線に耐えられなかった。
ある夕方、役人が帳面を手に牢の前へ来た。
「名をもう一度」
「ミレイユ・フォルディアよ」
かすれた声で答える。
「伯爵令嬢だって何度も――」
「伯爵家には照会済みだ」
その一言で、ミレイユの胸が跳ねた。
「ではすぐに迎えが来るのね」
役人は紙をめくった。
「伯爵家からは、身柄の確認には応じるが、現時点では引き取りを約せないとの返答だ」
ミレイユは意味が分からず、数秒黙った。
「……何ですって?」
「確認には応じる。だが、侯爵家との件もあるため、軽々に手を出せぬと」
侯爵家との件。
その言葉が、氷みたいに体を貫いた。
父は、侯爵家を恐れているのだ。
娘を助けるより先に。
侯爵家との関係を。
「そんなの嘘よ」
ミレイユは格子へすがりついた。
「父はそんなこと言わないわ! お母様は!?」
「伯爵夫人からの書状も添えられていた」
役人は淡々と告げる。
「体調を崩しているので、判断は伯爵に一任すると」
ミレイユの指先から力が抜ける。
継母は泣いているだけだ。
父は、助ける気がないわけではないのだろう。
けれど動けない。
侯爵家の影を恐れて。
そして何より、その“動けなさ”は、結局ミレイユを見捨てるのと同じだった。
役人は帳面を閉じた。
「しばらくはここにいてもらう」
「しばらくって、いつまで!?」
「決まれば分かる」
またそれだ。
決まれば。
確認中。
そのうち。
自分の人生が、全部他人の曖昧な言葉で宙づりにされていく。
その夜から、ミレイユは物音に敏感になった。
鍵の鳴る音。
足音。
囁き声。
全部、自分の処分を決める気配に聞こえる。
眠れない。
目を閉じると、侯爵家別邸の静かな廊下が浮かぶ。
あの時逃げなければよかったのか、と一瞬だけ思う。
だが次の瞬間には、ルシアンの目が浮かぶ。
『次に逃げるような真似をしたら、印が要る』
あの男のもとへ戻るくらいなら、死んだほうがまし。
そう思う。
だが今いる場所も、すでに“まし”とは言えなかった。
そして四日目の夜。
看守たちの話し声が、石壁の向こうから流れてきた。
最初は聞くつもりはなかった。
けれど、眠れず耳を澄ませている牢では、低い雑談ですらよく響く。
「まだ決まらんのか、あの女」
「侯爵家のほうが厄介らしいな」
「持ち主がはっきりすれば話は早いんだが」
持ち主。
その一語に、ミレイユの全身が硬直した。
「伯爵家は引き取れん、侯爵家は関わりを明言せん。面倒な荷物だ」
「責任だけ残るのが一番困る」
「払うもん払ってくれりゃいいがな」
看守たちは笑っているわけではなかった。
本当に“実務”の話をしている声だ。
「このまま長引くなら、罰金を立てるしかないな」
「誰に?」
「元いた家か、持ち主か、あるいは新しい引受先か」
新しい引受先。
ミレイユの口の中が一気に乾く。
「印があるんだろ?」
「ああ、手首にな」
「なら逃亡奴隷扱いでも文句は言えん」
「新しい買い手に売って、その代金を罰金に充てる形が一番楽だがな」
その瞬間、ミレイユは自分の耳を疑った。
売る?
誰を?
自分を?
思考が追いつかない。
追いつきたくもない。
逃亡奴隷。
買い手。
罰金。
それらの言葉が、頭の中で異様に生々しく組み上がっていく。
自分は裁かれるのではないのか。
貴族の娘として、何かしらの政治的処理がなされるのではなかったのか。
違う。
今、看守たちの話すミレイユは、“面倒な身柄”であり、“処理方法を探す荷物”だった。
「いや……」
声が漏れる。
壁の向こうの会話は続く。
「見た目だけなら上物だが、気が強そうだ」
「だからこそ、そういうのが好きな手合いもいる」
「黙らせる手間賃込みだな」
そこで初めて、ミレイユは本当に震え始めた。
奴隷として売られる。
しかも、そういうものを好む誰かへ。
その想像が一気に現実味を帯びた瞬間、胃の中がせり上がる。
「やめて……」
石壁へ向かって呟く。
もちろん誰にも届かない。
看守たちはまだ話している。
自分のことだ。
なのに、まるで家畜の処分相談みたいに。
ミレイユは両耳を塞いだ。
それでも声は聞こえる気がした。
持ち主。
罰金。
新しい買い手。
売る。
その夜、彼女は一睡もできなかった。
足音がするたびに身を縮める。
鍵の音が鳴るたび、今度こそ誰かが来て自分を連れていくのではないかと、喉が潰れそうになる。
そして何より恐ろしいのは、その可能性を今や誰も“ありえない”と笑ってはくれないことだった。
父は動けない。
母は泣くだけ。
侯爵家は沈黙。
社交界は噂を面白がるだけ。
助ける者がいないのではない。
最初から、自分の価値がそこまでだったのかもしれない。
その考えが浮かんだ瞬間、ミレイユは狂ったように首を振った。
「違う……違う……」
だが何が違うのか、自分でも分からない。
誇りも、虚勢も、怒りも、この恐怖の前では何の役にも立たなかった。
売られる。
その可能性だけが、暗い牢の中で、朝までずっと彼女の喉元に貼りついていた。
牢は、思っていたよりも狭かった。
いや、狭いというより、世界がそこまでしかないと突きつけてくる場所だった。
石壁。
鉄格子。
湿った藁。
隅に置かれた粗末な桶。
窓と呼ぶにはあまりにも小さな明かり取り。
ミレイユは最初、その現実を理解できなかった。
役人に囲まれた時も、宿から連れ出された時も、心のどこかでまだ思っていたのだ。父が来る。母が泣きつく。伯爵家の名を出せば、こんな場所に長く置かれるはずがない、と。
けれど、夜が来ても誰も来なかった。
朝になっても誰も来ない。
鍵の音がしても、看守が水差しを置くだけで終わる。
足音がしても、隣の牢の誰かを運ぶだけで終わる。
自分だけが、置かれている。
「ちょっと!」
最初のうちは、ミレイユは何度も叫んだ。
「私は伯爵令嬢よ! こんな場所へ置いていいと思っているの!?」
看守は最初こそちらりと見た。
だが、二度三度と同じ叫びを聞くうちに、反応すらしなくなった。
「父を呼びなさい! フォルディア伯爵家に伝えれば分かるわ!」
それでも返ってくるのは、
「確認中だ」
「静かにしろ」
その程度の言葉だけ。
確認中。
またその言葉だった。
確認される側に落ちたのだと、ミレイユはようやく理解し始める。
昔は、自分が確認されることなどなかった。
気分が悪いと言えば周囲が動いた。
欲しいと言えば誰かが用意した。
怒れば部屋の空気が変わった。
今は違う。
怒鳴っても格子の向こうの男が眉一つ動かさない。
泣いても石壁が湿るだけ。
三日目の朝には、喉がかすれていた。
食事はひどかった。黒いパンと薄いスープ。伯爵家の厨房でさえ、使用人の残飯と揶揄したくなるようなものだ。
最初、ミレイユは口をつけなかった。
「こんなもの食べられるわけないでしょう」
と吐き捨てた。
だが半日で空腹が勝った。
冷えたパンを千切って口へ入れた時、自分でも分かるくらい惨めだった。
それなのに、空腹はそんな感傷を待ってくれない。
牢の中では、美しさも気位も腹の足しにならなかった。
そして何より恐ろしかったのは、他人の視線だった。
牢番。
役人。
出入りする雑役。
皆がミレイユを見る時の目。
そこには、伯爵令嬢を前にした遠慮が一切ない。
哀れみも少ない。
あるのは、“面倒な厄介物”を見る視線と、少しの値踏みだった。
ミレイユはその視線に耐えられなかった。
ある夕方、役人が帳面を手に牢の前へ来た。
「名をもう一度」
「ミレイユ・フォルディアよ」
かすれた声で答える。
「伯爵令嬢だって何度も――」
「伯爵家には照会済みだ」
その一言で、ミレイユの胸が跳ねた。
「ではすぐに迎えが来るのね」
役人は紙をめくった。
「伯爵家からは、身柄の確認には応じるが、現時点では引き取りを約せないとの返答だ」
ミレイユは意味が分からず、数秒黙った。
「……何ですって?」
「確認には応じる。だが、侯爵家との件もあるため、軽々に手を出せぬと」
侯爵家との件。
その言葉が、氷みたいに体を貫いた。
父は、侯爵家を恐れているのだ。
娘を助けるより先に。
侯爵家との関係を。
「そんなの嘘よ」
ミレイユは格子へすがりついた。
「父はそんなこと言わないわ! お母様は!?」
「伯爵夫人からの書状も添えられていた」
役人は淡々と告げる。
「体調を崩しているので、判断は伯爵に一任すると」
ミレイユの指先から力が抜ける。
継母は泣いているだけだ。
父は、助ける気がないわけではないのだろう。
けれど動けない。
侯爵家の影を恐れて。
そして何より、その“動けなさ”は、結局ミレイユを見捨てるのと同じだった。
役人は帳面を閉じた。
「しばらくはここにいてもらう」
「しばらくって、いつまで!?」
「決まれば分かる」
またそれだ。
決まれば。
確認中。
そのうち。
自分の人生が、全部他人の曖昧な言葉で宙づりにされていく。
その夜から、ミレイユは物音に敏感になった。
鍵の鳴る音。
足音。
囁き声。
全部、自分の処分を決める気配に聞こえる。
眠れない。
目を閉じると、侯爵家別邸の静かな廊下が浮かぶ。
あの時逃げなければよかったのか、と一瞬だけ思う。
だが次の瞬間には、ルシアンの目が浮かぶ。
『次に逃げるような真似をしたら、印が要る』
あの男のもとへ戻るくらいなら、死んだほうがまし。
そう思う。
だが今いる場所も、すでに“まし”とは言えなかった。
そして四日目の夜。
看守たちの話し声が、石壁の向こうから流れてきた。
最初は聞くつもりはなかった。
けれど、眠れず耳を澄ませている牢では、低い雑談ですらよく響く。
「まだ決まらんのか、あの女」
「侯爵家のほうが厄介らしいな」
「持ち主がはっきりすれば話は早いんだが」
持ち主。
その一語に、ミレイユの全身が硬直した。
「伯爵家は引き取れん、侯爵家は関わりを明言せん。面倒な荷物だ」
「責任だけ残るのが一番困る」
「払うもん払ってくれりゃいいがな」
看守たちは笑っているわけではなかった。
本当に“実務”の話をしている声だ。
「このまま長引くなら、罰金を立てるしかないな」
「誰に?」
「元いた家か、持ち主か、あるいは新しい引受先か」
新しい引受先。
ミレイユの口の中が一気に乾く。
「印があるんだろ?」
「ああ、手首にな」
「なら逃亡奴隷扱いでも文句は言えん」
「新しい買い手に売って、その代金を罰金に充てる形が一番楽だがな」
その瞬間、ミレイユは自分の耳を疑った。
売る?
誰を?
自分を?
思考が追いつかない。
追いつきたくもない。
逃亡奴隷。
買い手。
罰金。
それらの言葉が、頭の中で異様に生々しく組み上がっていく。
自分は裁かれるのではないのか。
貴族の娘として、何かしらの政治的処理がなされるのではなかったのか。
違う。
今、看守たちの話すミレイユは、“面倒な身柄”であり、“処理方法を探す荷物”だった。
「いや……」
声が漏れる。
壁の向こうの会話は続く。
「見た目だけなら上物だが、気が強そうだ」
「だからこそ、そういうのが好きな手合いもいる」
「黙らせる手間賃込みだな」
そこで初めて、ミレイユは本当に震え始めた。
奴隷として売られる。
しかも、そういうものを好む誰かへ。
その想像が一気に現実味を帯びた瞬間、胃の中がせり上がる。
「やめて……」
石壁へ向かって呟く。
もちろん誰にも届かない。
看守たちはまだ話している。
自分のことだ。
なのに、まるで家畜の処分相談みたいに。
ミレイユは両耳を塞いだ。
それでも声は聞こえる気がした。
持ち主。
罰金。
新しい買い手。
売る。
その夜、彼女は一睡もできなかった。
足音がするたびに身を縮める。
鍵の音が鳴るたび、今度こそ誰かが来て自分を連れていくのではないかと、喉が潰れそうになる。
そして何より恐ろしいのは、その可能性を今や誰も“ありえない”と笑ってはくれないことだった。
父は動けない。
母は泣くだけ。
侯爵家は沈黙。
社交界は噂を面白がるだけ。
助ける者がいないのではない。
最初から、自分の価値がそこまでだったのかもしれない。
その考えが浮かんだ瞬間、ミレイユは狂ったように首を振った。
「違う……違う……」
だが何が違うのか、自分でも分からない。
誇りも、虚勢も、怒りも、この恐怖の前では何の役にも立たなかった。
売られる。
その可能性だけが、暗い牢の中で、朝までずっと彼女の喉元に貼りついていた。
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