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しおりを挟む「え…?」
「貴族出身のお母様だから多分愛称で呼ぶ事はなかったんじゃないかしら…?」
こてんと首を傾げたままはなすお義姉様の言葉に固まる
アレクのお母様が貴族出身云々の前に、私はアレクについて知らなさすぎると思ったからだ
反対にアレクは私のことを何でも知っている
好きな料理に、好きな色、趣味も知ってるし、さらには私が学生時代にひっそりと勉強していたジャポンという国を纏めた資料の事まで知っていた
あれ、なんで知ってるの…?
「ま、まあいいじゃない!夫婦仲が良い事は良いことよ!それに今時貴族だから、平民だからとか関係ないわよ」
私が真剣に黙り込んだせいで、少し悪くなった場の雰囲気をメリッサが明るい声で仕切り直す
「純粋に友達としてフィオナの夫婦生活の話、聞きたいわ」
笑顔でそう答えるメリッサの気遣いに感謝しながら私はアレクとの夫婦生活で思ってることをベラベラと話し始めた
ーー
「「…………」」
「それでね、最近は昼まで寝てることが多いから何もできないのよ」
「フィオナ」
「アレクにはもう少し抑えて?って言うんだけど夫婦ならこれが当たり前って言うし」
「フィオナ!」
「ん?」
最初こそニコニコと笑顔で聞いていてくれた2人の顔は話が進むにつれてどんどんと表情が抜け落ちていった
最後はチベットスナギツネと言われるキツネの目にそっくりな表情を2人ともしていた
「も、もう大丈夫。フィオナがすごく愛されているようで友達としてよかったわ」
卒業前の荒れていた貴方からは想像もできないわ。と話すメリッサ
彼女は彼女なりに私の心配をずっとしてくれていたらしい
婚活も就活もうまくいっていなかった私を助けたい。と思う反面何もできない自分に歯痒い思いをしていたそうだ
「その気持ちだけでもすごく嬉しい」
「幸せそうな貴方をみて安心したわ。最初聞いた時はすごく驚いたもの。相手はあのテンパートン卿だし、歳だって貴方より10も上だから」
「そう?貴族の世界ならこのぐらいの年齢差よくあるじゃない」
政略結婚が多い貴族は10歳ぐらいの歳の差はありふれている
それにアレクとは10歳も違うが歳の差は全然感じない
鍛えているからか体力は私よりもあるし、体だってすごく引き締まっている
顔はイケメンすぎて逆に歳不相応といっても良いほど整っている
「ッッッ」
アレクのことを思い浮かべる
頭の中に鮮明に再現されるのはいつも私に覆いかぶさって、ガッチリと私が動けないほど抱きしめてくれる彼の姿だ
(「はしたない…!」)
こんな昼間に思い浮かぶのが夜の出来事だなんて私はいつからこんな、はしたなくなってしまったのだろうか
「……!!。フィオナ、私たち今日はこれでお暇させてもらうわ」
「え、もうそんな時間ですか?」
「えぇ。今日は本当にありがとう」
火照った頬をパタパタと自分の手で仰いでいた
斜め前に座ったお義姉様が一瞬目を見開いたかと思うと、そそくさと帰り支度を始めました
メリッサもお義姉様の突然の行動に驚きが隠せないようだ
時刻は午後3時半
まだまだ帰るには早すぎる時間だ
「お義姉様、そんな急がなくても「フィー。ただいま」…アレク?」
もう少しゆっくりしていっては?と声をかけようとしたらその声を遮るかのように聞こえてきたのはアレクの声だった
「ただいま」
「おかえりなさい。今日は早いのね」
声のする方に体を向けようとすると背後から太くて逞しい、いつも私を抱きしめてくれる見慣れた腕がすっと私を包み込んだ
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