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しおりを挟むメルージュはその後、迎えにきたクラウスとともにジョイス公爵家に向かっていた
メルージュはその場にいなかった為にエマがその後どうなったかはわからない
だがリリーを怒らせてしまったのだからそう簡単に事が済むとは思っていなかった
「リリー殿下は確実に怒っていたわ」
「はは。殿下はエマが嫌いだからね」
「そうなの?」
「可愛がっている異母弟にあんなちゃらんぽらんな婚約者ができたんだからそれは腹の虫が収まらないだろうよ」
「あぁ、たしか王命だったわ、エマの婚約」
例の如くエマの婚約はイライザが国王である兄に頼んで結ばれた婚約だった
なんでもスワン殿下の実母である側妃様は大反対だったが国王が折れなかったそうだ
どこまでもイライザに甘い国王に苛立ちを覚えた
「さあ、ついたよ」
学園を出発して20分でジョイス公爵家にたどり着いた
ーーーー
「お久しぶりです。ジョイス公爵様」
「久しぶりだねメルージュ!みない間にまた美しくなって!」
義姉さんそっくりだ!と豪快に笑うジョイス公爵はガッチリな体型から軍部にいそうな人だが実は頭脳明晰でこの国宰相様である
「夫人はどちらに?」
「妻は今客間の準備をしているよ。この後お客様が来るからね!」
「では後ほどご挨拶させて頂きますわ」
メルージュ、クラウスはジョイス公爵に連れられジョイス公爵の執務室に通された
「お父様?!」
壁中を埋め尽くす本の数に圧倒されながら部屋に入るとそこには父であるブラッドがソファに座っていた
テールコートをきっちりと着用し髪も後ろに撫でつけた姿の父を見るのは数年ぶりだった
「メルージュ。おかえり」
「た、だいま…え、どうしてお父様が?」
「ジョイス公爵に呼ばれたからだよ。」
「たしかに呼んだのは私だが嬉々としてきたのは君だろう?」
父とジョイス公爵が笑い合っているのをメルージュは不思議な気持ちで見ていた
母が亡くなったあの日から父は笑顔を見せる事がなかったからだ
今目の前で笑っている父は、母が存命していたあの頃と同じ顔で笑っていた
困惑しているメルージュにクラウスが安心させるように話しかけた
「ラランド侯爵をお呼びしたのは、やっと準備が整ったからだよ」
「準備?」
「うん。国王を引退に追い込むための準備」
「引退?!」
「ここからは私が説明しよう」
国王引退という単語に目をまんまると見開き動揺しているメルージュに父ブラッドが過去に起きたこと、今から起こり得ることについて話し出した
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