死んだ少年の能力者人生

マグナム

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戦闘狂

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とりあえずこのシーナと名乗る少女を
助け、夜も遅いので宿に向かった。
...だが、1つ問題が起きた。
「あー、その、一泊500ユラン
だよな?」
「はい。そうですけど」
「それって一部屋って意味か?」
「...えぇ、そうなりますね」
ちょっと間が空いたのが気になるが
とりあえず状況整理をしよう。
俺は今、年がかなり離れている少女と
2人でいる。
そして今俺は2500ユラン持っていて
その出費は最低限に抑えた方がいい。
だが一部屋となるとシーナと2人で
同じベッドで寝るということだ。
.....これは本人の意見が必要だな。
「なぁシーナ」
「はい?何ですか?」
「あのー、そのー、非常に言い難いんだが、2人一部屋....でもいいか?」
「.....ふえ?」
「決してやましいことなんて考えて
ないからな!?」
「...てっきりソッチのことを考えてるのかと思いましたよ」
考えてると思われていたという衝撃の事実が俺の心を突き刺しているってのは置いといて、とりあえず一件落着
である。
「.......ふっ」
...おい今受付の人に鼻で笑われたぞ。


部屋に着いた。
部屋に着いたところで何もすることがないのでそのままベッドに入った。
「あの...」
「ん?」
「ショウさんが男子達にやったアレって何ですか?」
多分あの戦闘で見せた重力操作のことだろう。
「俺の能力だ」
「能力?」
「この世界にはどうやら数人の
能力者がいるらしい。
その中の1人が俺ってことだ」
少し曖昧な説明だが一応事実なので
そう言った。
「こっちも質問していいか?」
「えっ?あっはい」
「この世界に魔法ってのは存在
するのか?」
「はい。存在しますよ。
私だったら炎の魔法が使えます」
「ん?それは炎の魔法が得意とかでは
ないのか?」
「属性の魔法はそれぞれの魂に宿っている属性しか使えないんですよ」
「なるほどな。それでシーナは
炎属性の...火属性って呼んだ方がいいか。火属性の魔法が得意なんだな?」
「得意ってわけじゃないですけど.....
あっ!でもこの前の学校の実技テストで30点取れましたよ!」
「何点満点中?」
「100点満点中です!!」
「その点あんま威張れねえじゃねえかよ!!」
そんな雑談をしながら、俺とシーナは
1つのベッドで一緒に寝た。


はずだった。

妙に目が冴えて眠れない状態だった。
だが隣のシーナはぐっすりと爆睡している。
この世界の時計の見方がまだわからないから時計を見ても意味はないけど、
体感では夜の0時から1時といったところだろうか。
いずれにせよ深夜であることに変わりはない。
.....そしてさっきからずっと無視していたが、そろそろ限界だ。
シーナが起きないような最小限の声で言った。
「そこに誰かいるのか?」
そう俺は天井に向かって言った。
無視していたものというのは、さっきからずっと天井から物音がしていた
のだ。
そっからわずか2秒ほど経ったあと、
物音が止んだ。
その瞬間、天井の板が3、4枚剥がれ、フードを被った人が降ってきた。
...ナイフ片手に。
その人の落下地点には俺とシーナが
いる。
その人は、そのナイフを俺の...







      隣で寝ているシーナ目掛けて
      突いてきた。




「チッ!!」
俺はとりあえず右手を突き出して
シーナを守った。
見事にそのナイフは俺の右手を
刺した。
「ッ!!」
言葉にもならない激痛が駆け抜ける。
よくアニメや漫画で見るようなこういう描写はこんなにも痛いものだったのか。
ナイフや右手のことは一旦置いといて、そのフードの奴を押した。
フードの奴は一度飛び退いて、しばらくした後口を開いた。
「いやー驚いた。まさか自分を犠牲にしてまで庇う人間がいるとは思わなかったよ」
そいつはフードを脱いだ。
...女?...え?女!?
まさかこういった仕事?を任されている奴が女だとは思わなかった。
「お前、暗殺者ってやつか?」
「ピンポーン。せーいかーい」
なんだこのすごく適当なオーラは。
ふざけているのかこいつは。
緊張感が全然ないぞ。
「誰に頼まれた?」
とりあえずこう聞くしかない。
「え?何言ってんの?」
「は?」
「頼まれてないよ?だーれにも」
「zzz」
「「...」」
「...少し人気のない場所に行くか。
シーナを起こしたらいけないし」
「えっ人気のない場所?///」
「何故頰を赤らめるんだお前暗殺者だろうが」
何故か暗殺者と漫才していたがとりあえず人気のない路地裏に着いた。
「それで?頼まれてないとはどういうことだ?」
「私は主に感情で動くの。殺したいと思ったら殺すし生かしてもいいかなと思ったら生かすしなんだこいつって
思ったら近づかないし」
「最後関係なくないか!?」
「ともかくそんな感じ~。
私はテキトーに動いてるからね~」
「お前本当に暗殺者かよ。
隠れるのも下手だし」
「たしかにバレなかったことないね~。
でも殺そうと思った奴は全員殺せてるから問題ないっしょ~」
バレているのに殺せているだと?
つまり単純な戦闘能力が高いってことじゃないか!?
あれ?これもしかして人気のないところに行くのダメだったか?
「んじゃそろそろ殺るか~」
「まだナイフを持っているのか?」
「あんたにぶっ刺したので最後だよ」
「じゃあ何を使って...」
「これ」
気づいたらその女の手にはおままごと
で使うおもちゃのレジが握られて
いた。
「まさかとは思うがそれ武器じゃないよな?」
そうだよな?そうであってくれ頼むから。
「これ以外に何があるの?」
「...そんなんで殺されたらカッコ悪いじゃねえか。悪いが死ぬわけには行かねえな」
ホントにこの世界に呼び出された使命を果たす前に死にそうなんだが?
「ま、せいぜい足掻きなよ。今までの奴らは2分も持たなかったからね」
「その前に2つ質問だ」
「んー?」
「1つ、どっちを殺したいんだ?」
こいつが感情で動くというのならば
どっちかを殺したいと思ったからだ。
ならどっちを殺したいのか、ただ
単純な疑問故の質問だ。
「んー...アンタだな」
「そうか。そしてもう1つ。
お前の武器のことだ」
「これがどうしたん?」
ここは異世界だ。玩具店があるとは思えない。
「どこで手に入れた?」
「別世界から来たガキが持ってたもんだよ」
状況整理は後だ。出血がひどくなってきた。
「わかった。それじゃあ始めよう..!?」
こいつ、始めようって言った瞬間襲ってきやがった。
とりあえず半身で避け、すかさず
拳を握り腹めがけて突き出す。
するとそいつはその襲いかかってきた勢いを使って前宙して避けた。
「まさか大きくじゃなくて半身で避けるとは予想外だったよ」
あんな物で頭を殴られたらやばいな。
手の傷もあるし一体どうすれば良いんだ?
そう考えていると次の攻撃が来た。
今度もまた突進だ。
あえて受け流す体勢になる。
次の瞬間、なんとそのレジを上に投げた。
普通ならばここでレジの方を見るだろう。しかし、俺はそいつを見続けた。
「!?」
どうやら動揺しているようだ。
俺の予想は当たっていた。
右手を頭に回し髪を掴み、思いっきり腹に膝蹴りする。
「グッ!!」
このまま追撃するわけだが、できれば一発で決めたい。一発で決めるには、
そいつの予想を少しでもいいから超えなければならない。
俺は手を上にあげた。
手のひらに何かが当たる。
レジだ。さっき上に投げていたのを
思い出した。
ちょっとよろめいているそいつの頭に向かって出来る限りの右手の力で
振りかざした。
「...」
うんともすんとも言わなくなった。
おそらく気絶だろう。
左手でやったら殺してたかもしれないが、刺されている右手なら最高の力は出ないということを思いついたのだ。
俺は物語の主人公が女に攻撃しないのがどうも納得がいかなかった。
なにも殺せと言っているわけじゃないからな。
だからこそ、俺なりの方法で沈めさせた。...罪悪感がないわけじゃないが。

戦いを終えた俺は寝ようと思ったが
とんでもないことに気づいた。

「あっ...右手どうしよう」
この状態でシーナと朝を迎えれば間違いなく問い詰められるだろう。
だがしかしすごく眠い。
もう寝よう。脳がうまく働かない。
こうして俺は全てのことを明日の俺に任せた。
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