161 / 501
第2部
プロローグ ー第2部ー
しおりを挟む
この世界に『白雪姫症候群』が出現してから、約20年。未だにこの症状の発生源も治す方法も見つかっていない。
小学校高学年から高校生の思春期にその能力が出現することが多く、能力の出現により、自由を奪われる子供たちもいた。
これはそんな子供たちに救いの手を差し伸べる一人の男性教員の物語である――。
キリヤたちがこの施設を去ってから2週間が経った頃。教室では4人の生徒と担任教師である三谷暁の姿があった。彼らは今日もいつも通り、授業のため教室にいた。
「今日も平和だな……」
そう言いながら暁は教室を見渡し、以前より少なくなった生徒の人数に少し寂しさを感じていた。
(やっぱり人数が少ないだけで、教室ってこんなに閑散とするものなんだな……)
暁はそんなことを思いながら、「はあ」と寂しさを含んだため息をつく。
暁が初めてこの施設へきた時には8人もいた生徒たちも、今は半分の4人だけになっていた。
そもそもこの危険度S級クラスはもとの人数の少ないクラス。だからこそ、教室を占める生徒数が半分になるだけでもかなり教室は物悲しくなってしまっているというわけだ。
しかし暁のそんな寂しさを吹っ飛ばすほどの朗報が昨夜、彼の元へと届いたのである。
それは今年の4月に3人もの転入生が来るという通達だった。
「またにぎやかな教室になるといいな」
そんなことを呟きながら、暁は窓から見える桜の木を見つめた。
蕾が膨らみ、まもなく開花を迎える桜は、新たな始まりを感じさせてくれるようだった。
「綺麗な桜だな……」
暁がそう言ってしみじみと桜を見つめていると、
「先生、春に浸っていますねえ」
「桜、きれいだもんね」
それを見ていた結衣とマリアが、暁に聞えるか聞こえないかくらいのトーンでひそひそと会話をしていた。
2人の言葉に反応した暁は振り返り、
「違うから!! 違わないけど……でもそうじゃなくてだな!!」
結衣とマリアの方を見てそう言った。
「ふふふ。良いのですよ! じゃあマリアちゃん、勉強を続けましょうか」
「うん」
結衣とマリアは楽しそうに笑いながらそう言うと、再びタブレットに目を向けた。
「まったく……」
そして暁はやれやれと思いながら、再び桜に視線を戻す。
(――でも新たな出会いか。きっと俺にとっても、ここにいる生徒たちにとっても、何かが変わるきっかけになる出会いもあるかもしれないな)
「うん。これからが楽しみだ」
そう言って暁は笑っていた。
そしてそれから1週間後、この施設に新しい仲間がやってきたのだった。
小学校高学年から高校生の思春期にその能力が出現することが多く、能力の出現により、自由を奪われる子供たちもいた。
これはそんな子供たちに救いの手を差し伸べる一人の男性教員の物語である――。
キリヤたちがこの施設を去ってから2週間が経った頃。教室では4人の生徒と担任教師である三谷暁の姿があった。彼らは今日もいつも通り、授業のため教室にいた。
「今日も平和だな……」
そう言いながら暁は教室を見渡し、以前より少なくなった生徒の人数に少し寂しさを感じていた。
(やっぱり人数が少ないだけで、教室ってこんなに閑散とするものなんだな……)
暁はそんなことを思いながら、「はあ」と寂しさを含んだため息をつく。
暁が初めてこの施設へきた時には8人もいた生徒たちも、今は半分の4人だけになっていた。
そもそもこの危険度S級クラスはもとの人数の少ないクラス。だからこそ、教室を占める生徒数が半分になるだけでもかなり教室は物悲しくなってしまっているというわけだ。
しかし暁のそんな寂しさを吹っ飛ばすほどの朗報が昨夜、彼の元へと届いたのである。
それは今年の4月に3人もの転入生が来るという通達だった。
「またにぎやかな教室になるといいな」
そんなことを呟きながら、暁は窓から見える桜の木を見つめた。
蕾が膨らみ、まもなく開花を迎える桜は、新たな始まりを感じさせてくれるようだった。
「綺麗な桜だな……」
暁がそう言ってしみじみと桜を見つめていると、
「先生、春に浸っていますねえ」
「桜、きれいだもんね」
それを見ていた結衣とマリアが、暁に聞えるか聞こえないかくらいのトーンでひそひそと会話をしていた。
2人の言葉に反応した暁は振り返り、
「違うから!! 違わないけど……でもそうじゃなくてだな!!」
結衣とマリアの方を見てそう言った。
「ふふふ。良いのですよ! じゃあマリアちゃん、勉強を続けましょうか」
「うん」
結衣とマリアは楽しそうに笑いながらそう言うと、再びタブレットに目を向けた。
「まったく……」
そして暁はやれやれと思いながら、再び桜に視線を戻す。
(――でも新たな出会いか。きっと俺にとっても、ここにいる生徒たちにとっても、何かが変わるきっかけになる出会いもあるかもしれないな)
「うん。これからが楽しみだ」
そう言って暁は笑っていた。
そしてそれから1週間後、この施設に新しい仲間がやってきたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
第12回ネット小説大賞コミック部門入賞・コミカライズ企画進行「婚約破棄ですか? それなら昨日成立しましたよ、ご存知ありませんでしたか?」完結
まほりろ
恋愛
第12回ネット小説大賞コミック部門入賞・コミカライズ企画進行中。
コミカライズ化がスタートしましたらこちらの作品は非公開にします。
「アリシア・フィルタ貴様との婚約を破棄する!」
イエーガー公爵家の令息レイモンド様が言い放った。レイモンド様の腕には男爵家の令嬢ミランダ様がいた。ミランダ様はピンクのふわふわした髪に赤い大きな瞳、小柄な体躯で庇護欲をそそる美少女。
対する私は銀色の髪に紫の瞳、表情が表に出にくく能面姫と呼ばれています。
レイモンド様がミランダ様に惹かれても仕方ありませんね……ですが。
「貴様は俺が心優しく美しいミランダに好意を抱いたことに嫉妬し、ミランダの教科書を破いたり、階段から突き落とすなどの狼藉を……」
「あの、ちょっとよろしいですか?」
「なんだ!」
レイモンド様が眉間にしわを寄せ私を睨む。
「婚約破棄ですか? 婚約破棄なら昨日成立しましたが、ご存知ありませんでしたか?」
私の言葉にレイモンド様とミランダ様は顔を見合わせ絶句した。
全31話、約43,000文字、完結済み。
他サイトにもアップしています。
小説家になろう、日間ランキング異世界恋愛2位!総合2位!
pixivウィークリーランキング2位に入った作品です。
アルファポリス、恋愛2位、総合2位、HOTランキング2位に入った作品です。
2021/10/23アルファポリス完結ランキング4位に入ってました。ありがとうございます。
「Copyright(C)2021-九十九沢まほろ」
転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~
志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。
けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。
そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。
‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。
「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。
悪女と呼ばれた死に戻り令嬢、二度目の人生は婚約破棄から始まる
冬野月子
恋愛
「私は確かに19歳で死んだの」
謎の声に導かれ馬車の事故から兄弟を守った10歳のヴェロニカは、その時に負った傷痕を理由に王太子から婚約破棄される。
けれど彼女には嫉妬から破滅し短い生涯を終えた前世の記憶があった。
なぜか死に戻ったヴェロニカは前世での過ちを繰り返さないことを望むが、婚約破棄したはずの王太子が積極的に親しくなろうとしてくる。
そして学校で再会した、馬車の事故で助けた少年は、前世で不幸な死に方をした青年だった。
恋や友情すら知らなかったヴェロニカが、前世では関わることのなかった人々との出会いや関わりの中で新たな道を進んでいく中、前世に嫉妬で殺そうとまでしたアリサが入学してきた。
アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。
そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。
【魔物】を倒すと魔石を落とす。
魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。
世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。
救世の結界師マールちゃん~無能だと廃棄されましたが、敵国で傭兵のおっさん達に餌付けされてるので、今さら必要と言われても戻りません~
ぽんぽこ@3/28新作発売!!
ファンタジー
「ウチの子、可愛いうえに最強すぎるんだが――!?」
魔の森の隣、辺境伯家。 そこで八歳のメイド・マールは、食事も与えられず“要らない人間”として扱われていた。
――そしてある日ついに、毒と魔獣の禁忌領域《魔の森》へ捨てられてしまう。
「ここ……どこ?」
現れた魔獣に襲われかけたその瞬間。
救いに現れたのは――敵国の”イケオジ”傭兵隊だった。
「ほら、食え」
「……いいの?」
焚き火のそばで差し出された“温かいお粥”は、マールに初めての「安心」と「ごはん」を教えてくれた。
行き場を失った幼女は、強面のおじさん傭兵たちに餌付けされ、守られ、少しずつ笑えるようになる―― そんなシナリオだったはずなのに。
旅の途中、マールは無意識に結界を張り、猛毒の果実を「安全な食べ物」に変えてしまう。
「これもおいしいよ、おじさん!食べて食べて!」
「ウチの子は天才か!?」
ただ食べたいだけ。 だけどその力は、国境も常識もくつがえす。
これは、捨てられた欠食幼女が、敵国でお腹いっぱい幸せになりながら、秘められた力で世界を巻き込んでいく物語。
※若干の百合風味を含みます。
王宮追放された没落令嬢は、竜神に聖女へ勝手にジョブチェンジさせられました~なぜか再就職先の辺境で、王太子が溺愛してくるんですが!?~
結田龍
恋愛
「小娘を、ひっ捕らえよ!」
没落令嬢イシュカ・セレーネはランドリック王国の王宮術師団に所属する水術師だが、宰相オズウェン公爵によって、自身の娘・公爵令嬢シャーロットの誘拐罪で王宮追放されてしまう。それはシャーロットとイシュカを敵視する同僚の水術師ヘンリエッタによる、退屈しのぎのための陰湿な嫌がらせだった。
あっという間に王都から追い出されたイシュカだが、なぜか王太子ローク・ランドリックによって助けられ、「今度は俺が君を助けると決めていたんだ」と甘く告げられる。
ロークとは二年前の戦争終結時に野戦病院で出会っていて、そこで聖女だとうわさになっていたイシュカは、彼の体の傷だけではなく心の傷も癒したらしい。そんなイシュカに対し、ロークは甘い微笑みを絶やさない。
あわあわと戸惑うイシュカだが、ロークからの提案で竜神伝説のある辺境の地・カスタリアへ向かう。そこは宰相から実権を取り返すために、ロークが領主として領地経営をしている場所だった。
王宮追放で職を失ったイシュカはロークの領主経営を手伝うが、ひょんなことから少年の姿をした竜神スクルドと出会い、さらには勝手に聖女と認定されてしまったのだった。
毎日更新、ハッピーエンドです。完結まで執筆済み。
恋愛小説大賞にエントリーしました。
婚約破棄? 私、この国の守護神ですが。
國樹田 樹
恋愛
王宮の舞踏会場にて婚約破棄を宣言された公爵令嬢・メリザンド=デラクロワ。
声高に断罪を叫ぶ王太子を前に、彼女は余裕の笑みを湛えていた。
愚かな男―――否、愚かな人間に、女神は鉄槌を下す。
古の盟約に縛られた一人の『女性』を巡る、悲恋と未来のお話。
よくある感じのざまぁ物語です。
ふんわり設定。ゆるーくお読みください。
FRIENDS
緒方宗谷
青春
身体障がい者の女子高生 成瀬菜緒が、命を燃やし、一生懸命に生きて、青春を手にするまでの物語。
書籍化を目指しています。(出版申請の制度を利用して)
初版の印税は全て、障がい者を支援するNPO法人に寄付します。
スコアも廃止にならない限り最終話公開日までの分を寄付します。
最終話まで書き終わっていますので、ぜひお気に入り登録をして読んでください。
90万文字を超える長編なので、気長にお付き合いください。
よろしくお願いします。
※この物語はフィクションです。
実在の人物、団体、イベント、地域などとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる