まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?

せいめ

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新しい生活

離縁したい私

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 仕事を退職した私は精神的に落ち込み、ますます体調が悪くなるのであった。
 一日のほとんどをベッドで横になって過ごす日々。
 食欲もなく、ゲッソリと痩せてしまう。


「リア、食事にしようか。」

「バーネット様、今は食欲がないので後で頂きますわ。」

「ダメだ。そう言ってリアは全く食べないだろう?
 ほら、私が食べさせてやろう。」


 バーネット様はいつものように、ベッドに横になっている私を起こしてくれる。
 この人は、私の世話を焼くことが苦にならないのかしら?ここまで長期で臥せっている私は、かなりの負担になっているはずなのに。


「食欲がなくても、我慢して食べないといつまでも元気になれないだろう?
 シェフが野菜を柔らかく煮込んだスープを作ってくれたんだよ。
 使用人達もみんなリアを心配しているんだ。少しでいいから食べてくれないか?」

「バーネット様…、私はこんな体では伯爵夫人は務まりませんわ。
 私と離縁してくださいませ。」

「……離縁はしない。私は完璧な伯爵夫人が欲しいのではなくて、リアに側にいて欲しいと思っている。
 跡取りの心配をしているのかもしれないが、跡取りなんて、親族にいくらでも子供がいるのだから、養子に迎えればいいのだ。
 私はリアと2人でいれるなら、他に何も要らない。
 もう離縁の話はしないでくれ。」


 本当に愛しているならば、夫にこんなことを言われたら、嬉しくて涙を流していたかもしれない。
 でも私はこの人を愛してないし、何を考えているのか分からないから、ゾクっとするのだ。
 何よりこの男を信用出来ない…。


「そう言って、外で子供を作ってくるのでしょう?」

「違う!そんなことするはずがない。」

「離縁後の私のことを心配して下さっているのでしょうが、私は大丈夫です。今まで働いて得た蓄えがありますので、贅沢をしなければ何とかなると思いますわ。」

「リア!その話は終わりだ。」


 急に声が低くなるバーネット様。怒ったのかしら?でも関係ない。
 この人は私を飼い殺しにでもしたいのかもしれない。


「バーネット様、私は離縁がしたいのです。
 ここまで親切にして下さったことには感謝しておりますわ。
 しかし、このまま役立たずの伯爵夫人で居続けることは、私を惨めにさせているということに気付いて下さいませ。
 返事は待ちますので、少し考えて頂けませんか?
 よろしくお願い致します。」

「……リアはそこまで私と離縁したいのか。
 私はここまで君を愛しているのに、どうして分かってくれない?」

「私はあの日に貴方への想いがなくなったと話したはずですわ。
 私が貴方という婚約者に縛られ、不自由な生活を送っていた時に、貴方は色々な方とお楽しみだったのでしょう?
 私も自由になりたいのです。この命が尽きる前に、私を解放して下さいませ。」

「………すまない。少し離れる。」


 バーネット様は険しい表情で部屋を出て行ってしまった。
 自分でもお世話になっているバーネット様に対して、酷いことを言っているのは理解している。でも私の気持ちも分かって欲しい。
 体がこんな風になって、この先どれくらい生きられるのか分からないからこそ、早くここを出て行きたいと思う。

 両親や友人達に手紙を出したはずなのに、返事がなかなか来ないから、今は頼りには出来ないし、この邸の使用人達はみんな親切だけど、バーネット様の使用人である以上はそこまで信用出来ない。
 体は辛いけど、何とかギリギリ体を動かせるうちにこの邸を出て行きたいのに、どうしようかしら…。


 バーネット様は、私があそこまで酷いことを話したのにもかかわらず、時間が経つと何事もなかったかのような態度に戻っていた。


「リア、夕飯はきちんと食べような。
 明日は陛下との会食会が入っているから、リアの側にいることが出来ないが、終わったら直ぐに帰ってくるから。」

「バーネット様。陛下や他の貴族の方々との交流は大切にして下さいませ。
 私は大丈夫ですから。」


 夕飯を食べて少し経つと、またあの倦怠感がきて、私はまた寝込んでしまうのであった。


 
 

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