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新しい生活
閑話 王太子妃 エリザベス
殿下と私の結婚式を終えて数ヶ月経つ頃…。
王妃殿下が、殿下の愛する人を自分の侍女として呼び戻したと聞いてホッとした私。しかし、肝心の殿下がなかなか動く様子がないのだ。
あの腹黒殿下、腹黒らしく上手くやって、さっさと自分のモノにしてしまえばいいのに。
我慢出来なかった私は、自分から腹黒殿下の愛する人に接触していた。
確かに噂通りに美しくて品のある令嬢だった。殿下の側妃を狙う女狐達のような、ギラギラしたような雰囲気はなくて、控えめな印象を受けた。未亡人だということで引け目を感じているのかもしれない。そんなことは気にしなくていいのに。
仲良くなりたくなった私は、彼女をお茶会に誘って、楽しい時間を過ごしたのだが、そのことを腹黒殿下が嫉妬してきて、2人だけでのお茶会禁止令が出てしまった。
あの腹黒、アメリアの前では優しい紳士のように振る舞っているけど、女同士のお茶会に嫉妬する程、心が狭い男だったなんて知らなかったわ。
そんな私は、腹黒殿下が側妃を決めないせいで、側妃を狙う女狐達にマウントをとられて面倒な思いをしていた。
遠い異国から来た、体の弱い儚げな王太子妃に見える私は、女狐達から見れば簡単に引き摺り下ろせるように見えるらしい。
まあ、そうだよね。体が弱いから側妃にお世継ぎを産んでもらうことを望んでいると、年頃の娘のいる貴族はみんな知っているみたいだからね。
そんな女狐達の態度に私は少しイライラしていた。
我慢の限界を迎えた私は、私の国の大使から女狐達の家門に直接警告してもらうことにした。
お前の家の令嬢があまりにも無礼だから、この国に石油も石炭も売るのを止めるぞと。更に、殿下と王妃殿下からも抗議してくれたようだ。それで大抵の令嬢は静かになったのだが、1人だけすごい令嬢がいた。
きな臭い感じのワイラー侯爵の娘、ワイラー侯爵令嬢だ。
ワイラー侯爵令嬢は悪役令嬢友の会、スペン国支部長って感じの令嬢だった。あの女は、〝私が側妃になりますのでご安心下さい〟と堂々とマウントをとってくるような、礼儀知らずの女で、殿下も大嫌いだと言っていた。更にアメリアにまで暴言を吐いていたと影から報告がある。
アメリアに絡んだことを知りキレる殿下と私で作戦会議をし、私が母国から持ってきたお香の媚薬を使って、あの女を社交界から追放することに決めた。
今後の話がしたいと言ってワイラー侯爵令嬢を呼び出すと、すぐに来てくれたので、殿下と私とライアンと殿下の側近とで応接室に向かう。すると令嬢は、平民出身だという騎士とお楽しみ中だった。私達に見られたと知った令嬢は、一瞬にして静かになってくれたから良かった。
巻き込まれた護衛騎士が可哀想だからと、殿下が爵位をあげることを伝えたら騎士は大喜びしてくれたようだ。
腹黒殿下は、すぐにそのことを王宮中に噂話として広めていた。
あとは殿下がアメリアとくっつくだけだと思っていたら、アメリアの亡くなったと思われていた旦那様が発見されてしまった…。
腹黒が落ち込んでいたことは内緒だ。
アメリアは離縁を望んでいるらしいが、旦那様はそれを拒否しているらしく、なかなか話が進まない。
だから私は、腹黒殿下にアメリアを愛妾にしてしまえと言ったのだ。愛妾なら既婚者でもなれるし、愛妾として3年間を後宮で囲い、別居させた後に離縁させればいいのだと。この国では3年別居すれば、離縁が認められるらしいから。その後に側妃にすれば問題はないと思うのに。
しかし、アメリアが大好きな殿下は、彼女を愛妾に落とすなんて出来ないとか言いだす。
本命だから、愛人のような扱いにはしたくないって考えらしい。
そんなことで、グダグダしていたら、アメリアは尻軽で有名な男爵令嬢と近衛騎士をしている子爵令息に襲われそうになっているし、助け出した後に、旦那様と伯爵家に一度帰宅した後に、具合が悪くなったと言って、仕事を休み続け連絡が取れなくなる。しばらくして、仕事の退職願いを旦那様が届けに来たらしい。
その時に、優秀な王宮医を派遣したいことを話に行くのだが、やんわりと断られてしまった。
アメリアの旦那様は元騎士団長って言ってたっけ?確かにカッコいいよね。綺麗な顔していて、優しそうな雰囲気もあって。
でも…、目が怖いと思った。一緒にいたライアンも、あれは厄介そうな人間に見えるとか言っているし。
アメリアが気になった私達は影に調べさせようとしたのだが、邸ではアメリアの旦那様が付きっきりで面倒を見ているようで、あまり近くには行けないらしい。アメリアの旦那様は元騎士団長だけあって、影の気配にも敏感らしいのだ。
でも付きっきりで面倒を見なければならないほど弱っているってこと?危険な状態なのでは?
我慢出来なくなった私は、アメリアの旦那様が陛下主催の会食会で留守になる日に、アメリアに会いに行くことに決めたのだった。
同性の友人であり王太子妃という身分である私の見舞いは、伯爵家の使用人達では断れないだろうと判断したのだ。
見舞いに行ったのは正解だった。
アメリアはガリガリに痩せ細り、意識を失っていたのだから。このままここには置いていけないと判断した私は、治療をするからと強引にアメリアを連れて帰ってきた。
そして分かったのは、アメリアは薬物らしきものを摂取させられていたということだった。
やはり、アメリアの旦那様ってやばい人だった?あの怖い目と、アメリアを手放せない執着心。ヤンデレじゃないの?怖いんだけど…
でも私はここまで頑張ったんだから、あとは腹黒殿下に頼もう。
私の楽しいニートライフのためにも早く2人には幸せになって欲しいのよ!
王妃殿下が、殿下の愛する人を自分の侍女として呼び戻したと聞いてホッとした私。しかし、肝心の殿下がなかなか動く様子がないのだ。
あの腹黒殿下、腹黒らしく上手くやって、さっさと自分のモノにしてしまえばいいのに。
我慢出来なかった私は、自分から腹黒殿下の愛する人に接触していた。
確かに噂通りに美しくて品のある令嬢だった。殿下の側妃を狙う女狐達のような、ギラギラしたような雰囲気はなくて、控えめな印象を受けた。未亡人だということで引け目を感じているのかもしれない。そんなことは気にしなくていいのに。
仲良くなりたくなった私は、彼女をお茶会に誘って、楽しい時間を過ごしたのだが、そのことを腹黒殿下が嫉妬してきて、2人だけでのお茶会禁止令が出てしまった。
あの腹黒、アメリアの前では優しい紳士のように振る舞っているけど、女同士のお茶会に嫉妬する程、心が狭い男だったなんて知らなかったわ。
そんな私は、腹黒殿下が側妃を決めないせいで、側妃を狙う女狐達にマウントをとられて面倒な思いをしていた。
遠い異国から来た、体の弱い儚げな王太子妃に見える私は、女狐達から見れば簡単に引き摺り下ろせるように見えるらしい。
まあ、そうだよね。体が弱いから側妃にお世継ぎを産んでもらうことを望んでいると、年頃の娘のいる貴族はみんな知っているみたいだからね。
そんな女狐達の態度に私は少しイライラしていた。
我慢の限界を迎えた私は、私の国の大使から女狐達の家門に直接警告してもらうことにした。
お前の家の令嬢があまりにも無礼だから、この国に石油も石炭も売るのを止めるぞと。更に、殿下と王妃殿下からも抗議してくれたようだ。それで大抵の令嬢は静かになったのだが、1人だけすごい令嬢がいた。
きな臭い感じのワイラー侯爵の娘、ワイラー侯爵令嬢だ。
ワイラー侯爵令嬢は悪役令嬢友の会、スペン国支部長って感じの令嬢だった。あの女は、〝私が側妃になりますのでご安心下さい〟と堂々とマウントをとってくるような、礼儀知らずの女で、殿下も大嫌いだと言っていた。更にアメリアにまで暴言を吐いていたと影から報告がある。
アメリアに絡んだことを知りキレる殿下と私で作戦会議をし、私が母国から持ってきたお香の媚薬を使って、あの女を社交界から追放することに決めた。
今後の話がしたいと言ってワイラー侯爵令嬢を呼び出すと、すぐに来てくれたので、殿下と私とライアンと殿下の側近とで応接室に向かう。すると令嬢は、平民出身だという騎士とお楽しみ中だった。私達に見られたと知った令嬢は、一瞬にして静かになってくれたから良かった。
巻き込まれた護衛騎士が可哀想だからと、殿下が爵位をあげることを伝えたら騎士は大喜びしてくれたようだ。
腹黒殿下は、すぐにそのことを王宮中に噂話として広めていた。
あとは殿下がアメリアとくっつくだけだと思っていたら、アメリアの亡くなったと思われていた旦那様が発見されてしまった…。
腹黒が落ち込んでいたことは内緒だ。
アメリアは離縁を望んでいるらしいが、旦那様はそれを拒否しているらしく、なかなか話が進まない。
だから私は、腹黒殿下にアメリアを愛妾にしてしまえと言ったのだ。愛妾なら既婚者でもなれるし、愛妾として3年間を後宮で囲い、別居させた後に離縁させればいいのだと。この国では3年別居すれば、離縁が認められるらしいから。その後に側妃にすれば問題はないと思うのに。
しかし、アメリアが大好きな殿下は、彼女を愛妾に落とすなんて出来ないとか言いだす。
本命だから、愛人のような扱いにはしたくないって考えらしい。
そんなことで、グダグダしていたら、アメリアは尻軽で有名な男爵令嬢と近衛騎士をしている子爵令息に襲われそうになっているし、助け出した後に、旦那様と伯爵家に一度帰宅した後に、具合が悪くなったと言って、仕事を休み続け連絡が取れなくなる。しばらくして、仕事の退職願いを旦那様が届けに来たらしい。
その時に、優秀な王宮医を派遣したいことを話に行くのだが、やんわりと断られてしまった。
アメリアの旦那様は元騎士団長って言ってたっけ?確かにカッコいいよね。綺麗な顔していて、優しそうな雰囲気もあって。
でも…、目が怖いと思った。一緒にいたライアンも、あれは厄介そうな人間に見えるとか言っているし。
アメリアが気になった私達は影に調べさせようとしたのだが、邸ではアメリアの旦那様が付きっきりで面倒を見ているようで、あまり近くには行けないらしい。アメリアの旦那様は元騎士団長だけあって、影の気配にも敏感らしいのだ。
でも付きっきりで面倒を見なければならないほど弱っているってこと?危険な状態なのでは?
我慢出来なくなった私は、アメリアの旦那様が陛下主催の会食会で留守になる日に、アメリアに会いに行くことに決めたのだった。
同性の友人であり王太子妃という身分である私の見舞いは、伯爵家の使用人達では断れないだろうと判断したのだ。
見舞いに行ったのは正解だった。
アメリアはガリガリに痩せ細り、意識を失っていたのだから。このままここには置いていけないと判断した私は、治療をするからと強引にアメリアを連れて帰ってきた。
そして分かったのは、アメリアは薬物らしきものを摂取させられていたということだった。
やはり、アメリアの旦那様ってやばい人だった?あの怖い目と、アメリアを手放せない執着心。ヤンデレじゃないの?怖いんだけど…
でも私はここまで頑張ったんだから、あとは腹黒殿下に頼もう。
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