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プロローグ 2
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大量の血を吐いて死んだと思っていたのに、私はまだ生きていたようだ。
目覚めた私が部屋を見回すと、私の部屋にある物が違っていることに気付く…
あのクマのぬいぐるみは、ボロボロになってしまったから子供の頃にサヨナラしたはずなのに、どうしてあるの?
枕元には、私が子供の頃に好きだったお姫様の物語の本がある。
この水差しは、確か子供の頃に使っていた水差しよね…。私がうっかり割ってしまったはずなのに、同じ物が置いてある。
何でー??
頭の中が???な状態でいると、部屋の扉が開く音が聞こえる。
「お嬢様!!目覚められたのですね!
今すぐに旦那様と奥様をお呼び……」
私に話しかけて来たメイドを見て、ビックリしてしまった。
だってそのメイドは、私が子供の頃にお世話になっていた、大好きだったメイドのハンナだったからだ。
どうして?ハンナは私が15歳の頃に病気で亡くなったはず…。
早期発見すれば、薬を服用するだけで治る病気だったのだけど、ハンナは我慢強い性格で、体調不良をギリギリまで認めなかったので、気付いた時には手遅れになってしまったのだ。
ハンナが病気になっていたことに気付けなかった私や家族、他のメイド達はそのことを深く後悔したのよね…。
「…ハンナ、どうして?ハンナは病気で…」
「お嬢様、熱でうなされて怖い夢でも見たのでしょうか?まるで幽霊でも見てしまったかのような顔をされてますわよ。
ふふっ。お嬢様はまだ10歳ですから、怖い夢をみることもあるでしょうね。もう怖くないですわよ。私が側に付いていますからね。」
え…?今、私が10歳って言った?
そう言えば、体が小さくなっているような…
慌ててベッドから出た私は、ヨロけながら姿見のところへ行く。
「……え?どうして?」
姿見には、10歳くらいの、まだ幼い私が映っていた。
「これは夢なの…?私はあの時に死んだはず…」
「お嬢様?死んだなんて、そんなに怖い夢を見たのですか?
確かに熱でうなされておりましたが、よほどお辛かったのでしょうね。」
頬や腕をつねってみるが、普通に痛い。夢なら痛みまでは感じないはず…
もしかして、10歳の頃に巻き戻ったの?
あ…、そう言えば、私が死ぬ時にまで側にいてくれた義兄は、確か私が10歳になる少し前に、うちの侯爵家の分家から養子に迎えたのよね。
「ハンナ、お義兄様はいるのかしら?」
「ルーク様でしたら、今日は部屋にいらっしゃるのでは。」
やはり!
「えっ?お嬢様どちらへ?」
私は寝起きの服装のまま、義兄の部屋に走っていた。
そして、勢いよく義兄の部屋の扉を開ける。
「……アナ?」
まだ13歳である義兄が、突然部屋にやって来た私を見て驚いている。
そうだよね。私は部屋を訪ねるほど、義兄とは仲良くはなかったのだから、驚くのは当然だわ。
養子でうちにやって来た義兄を、両親は我が子同然に可愛がっていた。勿論、実の娘である私のことも大切にしてくれていたし可愛がってくれたのだが、当時の私は、両親を義兄に取られたような気持ちになって、義兄とは仲良く出来なかったのだ。
でもそんな私を、最後まで面倒を見てくれたのは義兄だった。
本当はとても優しい人だったのに、私は義兄の優しさに気付けなかった。
せっかく時間が巻き戻ったなら、この義兄との関係を大切にしたい。
一度目の時のような冷めた関係ではなく、仲の良い義兄妹になりたいと思ったのだ。
「お、お義兄様!優しいお義兄様に、今まで冷たくしてごめんなさい。
本当はお義兄様と仲良くしたかったのです。
……っ、こ、こんな私ですが、これからもよろしくお願いします。」
「アナ…?どうしたんだ?」
病み上がりの寝起きで、髪の毛はボサボサ、着替えも洗面もしてない私が、突然部屋に駆け込んで来たかと思ったら、涙を流しながら謝罪をするという、誰が見てもおかしな状態の私を見て、いつもは冷静な義兄が驚愕の表情をしていた。
目覚めた私が部屋を見回すと、私の部屋にある物が違っていることに気付く…
あのクマのぬいぐるみは、ボロボロになってしまったから子供の頃にサヨナラしたはずなのに、どうしてあるの?
枕元には、私が子供の頃に好きだったお姫様の物語の本がある。
この水差しは、確か子供の頃に使っていた水差しよね…。私がうっかり割ってしまったはずなのに、同じ物が置いてある。
何でー??
頭の中が???な状態でいると、部屋の扉が開く音が聞こえる。
「お嬢様!!目覚められたのですね!
今すぐに旦那様と奥様をお呼び……」
私に話しかけて来たメイドを見て、ビックリしてしまった。
だってそのメイドは、私が子供の頃にお世話になっていた、大好きだったメイドのハンナだったからだ。
どうして?ハンナは私が15歳の頃に病気で亡くなったはず…。
早期発見すれば、薬を服用するだけで治る病気だったのだけど、ハンナは我慢強い性格で、体調不良をギリギリまで認めなかったので、気付いた時には手遅れになってしまったのだ。
ハンナが病気になっていたことに気付けなかった私や家族、他のメイド達はそのことを深く後悔したのよね…。
「…ハンナ、どうして?ハンナは病気で…」
「お嬢様、熱でうなされて怖い夢でも見たのでしょうか?まるで幽霊でも見てしまったかのような顔をされてますわよ。
ふふっ。お嬢様はまだ10歳ですから、怖い夢をみることもあるでしょうね。もう怖くないですわよ。私が側に付いていますからね。」
え…?今、私が10歳って言った?
そう言えば、体が小さくなっているような…
慌ててベッドから出た私は、ヨロけながら姿見のところへ行く。
「……え?どうして?」
姿見には、10歳くらいの、まだ幼い私が映っていた。
「これは夢なの…?私はあの時に死んだはず…」
「お嬢様?死んだなんて、そんなに怖い夢を見たのですか?
確かに熱でうなされておりましたが、よほどお辛かったのでしょうね。」
頬や腕をつねってみるが、普通に痛い。夢なら痛みまでは感じないはず…
もしかして、10歳の頃に巻き戻ったの?
あ…、そう言えば、私が死ぬ時にまで側にいてくれた義兄は、確か私が10歳になる少し前に、うちの侯爵家の分家から養子に迎えたのよね。
「ハンナ、お義兄様はいるのかしら?」
「ルーク様でしたら、今日は部屋にいらっしゃるのでは。」
やはり!
「えっ?お嬢様どちらへ?」
私は寝起きの服装のまま、義兄の部屋に走っていた。
そして、勢いよく義兄の部屋の扉を開ける。
「……アナ?」
まだ13歳である義兄が、突然部屋にやって来た私を見て驚いている。
そうだよね。私は部屋を訪ねるほど、義兄とは仲良くはなかったのだから、驚くのは当然だわ。
養子でうちにやって来た義兄を、両親は我が子同然に可愛がっていた。勿論、実の娘である私のことも大切にしてくれていたし可愛がってくれたのだが、当時の私は、両親を義兄に取られたような気持ちになって、義兄とは仲良く出来なかったのだ。
でもそんな私を、最後まで面倒を見てくれたのは義兄だった。
本当はとても優しい人だったのに、私は義兄の優しさに気付けなかった。
せっかく時間が巻き戻ったなら、この義兄との関係を大切にしたい。
一度目の時のような冷めた関係ではなく、仲の良い義兄妹になりたいと思ったのだ。
「お、お義兄様!優しいお義兄様に、今まで冷たくしてごめんなさい。
本当はお義兄様と仲良くしたかったのです。
……っ、こ、こんな私ですが、これからもよろしくお願いします。」
「アナ…?どうしたんだ?」
病み上がりの寝起きで、髪の毛はボサボサ、着替えも洗面もしてない私が、突然部屋に駆け込んで来たかと思ったら、涙を流しながら謝罪をするという、誰が見てもおかしな状態の私を見て、いつもは冷静な義兄が驚愕の表情をしていた。
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