22 / 43
二葉と早苗
会長と副会長の場合 2
しおりを挟む
四月四日、ついに入学式が明日に迫った。三階の生徒会室で二人の生徒が話している。
「ふー、いよいよ明日ね。しろちゃん」
「と、言っても私達はほとんど何もしてないが」
「そうね、準備は先生方やボランティアがやってくれたのはありがたかったわ」
生徒会の仕事と言えば、生徒会長からの言葉と、式が終わったあとの誘導くらいだ。
「しかし、明日が終わればすぐに新歓や部活紹介がある。授業も始まるし忙しくなるぞ」
「三月半ばからコツコツ準備しておいて良かったわね」
「ああ、出来れば今日中に終わらせてしまいたいな」
如月早苗は二週間前に城田二葉から言われたことがいまだに気にかかっていた。決して詮索したいわけでは無いが、何かを抱えているなら話して欲しいとは思う。
「……なえ……早苗?」
「はっ、はい!?」
「大丈夫か?調子が悪いなら帰っていいんだぞ」
「あ、いえ、大丈夫よ。ちょっと考え事していただけだから」
「なら良いが。明日、休まないでくれよ」
こう言って心配してくれる。「あなたのせいよ」なんて言ったらどうなるのだろうか。はぐらかされる?それとも何か話してくれる?複雑化した感情が早苗の中で渦巻く。
二葉はとっくに仕事に戻っていた。申し訳ないと思いながら、時分も仕事に取りかかる。
「終わったー」
「お疲れさま、しろちゃん」
「お疲れ、ありがとな」
「二人で何とかなったわね」
「ああ、皆のイベントが重なると聞いたときは驚いたな」
他に書記が一人、会計が二人いるが、彼女らは部活や旅行などが重なりほとんど参加出来なかった。
新歓、部活紹介のプログラム等を職員室に提出して、二人は学校を出た。
「早苗、何か食べていかないか?」
「それは良いわね」
「駅前の喫茶店はどうだ? うちの星女生からも人気が高いらしいぞ」
「あそこ前から行ってみたかったの」
「決まりだな」
駅前の小さな喫茶店に着いた。席は半分ほど埋まっており、空いている二人用の席に座る。店員がお冷やとメニューを持ってきてくれた。
「後輩の話だと、アップルパイとチョコパフェが美味しいそうよ」
「ふうん、じゃありんごのパフェにするかな」
「そんなのがあるの?」
「ほら」
メニューを指差す。チョコパフェの二つ下にりんごパフェと書かれていた。他にも、いちごやバナナのパフェもあるらしい。
早苗が店員を呼んだ。
「ご注文はお決まりですか?」
「ミルクレープとコーラフロートをお願いします」
「りんごパフェ一つ」
オーダーを聞いた店員は三品を復唱した後、そそくさと裏へ戻っていく。
「……ねえ、しろちゃん。何か悩み事とかある?」
早苗はいつかの事を意識しながら、かつ自然に切り出した。
「あるよ、沢山ある」
「例えば?」
「明日の昼食から将来の進路まで」
「それは多いわね」
冷めた笑いの後、少しの間沈黙が流れた。しかし、店員がすぐにそれを破ってくれる。
「お待たせいたしました。りんごパフェ、ミルクレープ、コーラフロートでございます」
二葉はパフェを黙々と食べ始めたが、三分の一ほど無くしたところで
「少し食べるか?」
と聞いた。早苗は角切りのりんごとアイスをまとめてスプーンでひとすくい貰う。
「しろちゃん、口開けて」
「ん?」
口を開けた二葉にコーラフロートを一口つっこむ。驚きの表情が満足気な顔に変わる。
「空が赤いわね」
「そうだな、ぼちぼち行くか」
お皿を空っぽにして二人は席を立った。二葉は一番、早苗は三番のホームに向かう。
「じゃあ」
「また明日ね」
軽く手をあげた二葉に対して、早苗は小さく手を振った。
「ふー、いよいよ明日ね。しろちゃん」
「と、言っても私達はほとんど何もしてないが」
「そうね、準備は先生方やボランティアがやってくれたのはありがたかったわ」
生徒会の仕事と言えば、生徒会長からの言葉と、式が終わったあとの誘導くらいだ。
「しかし、明日が終わればすぐに新歓や部活紹介がある。授業も始まるし忙しくなるぞ」
「三月半ばからコツコツ準備しておいて良かったわね」
「ああ、出来れば今日中に終わらせてしまいたいな」
如月早苗は二週間前に城田二葉から言われたことがいまだに気にかかっていた。決して詮索したいわけでは無いが、何かを抱えているなら話して欲しいとは思う。
「……なえ……早苗?」
「はっ、はい!?」
「大丈夫か?調子が悪いなら帰っていいんだぞ」
「あ、いえ、大丈夫よ。ちょっと考え事していただけだから」
「なら良いが。明日、休まないでくれよ」
こう言って心配してくれる。「あなたのせいよ」なんて言ったらどうなるのだろうか。はぐらかされる?それとも何か話してくれる?複雑化した感情が早苗の中で渦巻く。
二葉はとっくに仕事に戻っていた。申し訳ないと思いながら、時分も仕事に取りかかる。
「終わったー」
「お疲れさま、しろちゃん」
「お疲れ、ありがとな」
「二人で何とかなったわね」
「ああ、皆のイベントが重なると聞いたときは驚いたな」
他に書記が一人、会計が二人いるが、彼女らは部活や旅行などが重なりほとんど参加出来なかった。
新歓、部活紹介のプログラム等を職員室に提出して、二人は学校を出た。
「早苗、何か食べていかないか?」
「それは良いわね」
「駅前の喫茶店はどうだ? うちの星女生からも人気が高いらしいぞ」
「あそこ前から行ってみたかったの」
「決まりだな」
駅前の小さな喫茶店に着いた。席は半分ほど埋まっており、空いている二人用の席に座る。店員がお冷やとメニューを持ってきてくれた。
「後輩の話だと、アップルパイとチョコパフェが美味しいそうよ」
「ふうん、じゃありんごのパフェにするかな」
「そんなのがあるの?」
「ほら」
メニューを指差す。チョコパフェの二つ下にりんごパフェと書かれていた。他にも、いちごやバナナのパフェもあるらしい。
早苗が店員を呼んだ。
「ご注文はお決まりですか?」
「ミルクレープとコーラフロートをお願いします」
「りんごパフェ一つ」
オーダーを聞いた店員は三品を復唱した後、そそくさと裏へ戻っていく。
「……ねえ、しろちゃん。何か悩み事とかある?」
早苗はいつかの事を意識しながら、かつ自然に切り出した。
「あるよ、沢山ある」
「例えば?」
「明日の昼食から将来の進路まで」
「それは多いわね」
冷めた笑いの後、少しの間沈黙が流れた。しかし、店員がすぐにそれを破ってくれる。
「お待たせいたしました。りんごパフェ、ミルクレープ、コーラフロートでございます」
二葉はパフェを黙々と食べ始めたが、三分の一ほど無くしたところで
「少し食べるか?」
と聞いた。早苗は角切りのりんごとアイスをまとめてスプーンでひとすくい貰う。
「しろちゃん、口開けて」
「ん?」
口を開けた二葉にコーラフロートを一口つっこむ。驚きの表情が満足気な顔に変わる。
「空が赤いわね」
「そうだな、ぼちぼち行くか」
お皿を空っぽにして二人は席を立った。二葉は一番、早苗は三番のホームに向かう。
「じゃあ」
「また明日ね」
軽く手をあげた二葉に対して、早苗は小さく手を振った。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
モヒート・モスキート・モヒート
片喰 一歌
恋愛
主人公・翠には気になるヒトがいた。行きつけのバーでたまに見かけるふくよかで妖艶な美女だ。
毎回別の男性と同伴している彼女だったが、その日はなぜか女性である翠に話しかけてきた。
紅と名乗った彼女は男性より女性が好きらしく、独り寝が嫌いだと言い、翠にワンナイトの誘いをかける。
根負けした翠は紅の誘いに応じたが、暑い盛りと自宅のエアコンの故障が重なってしまっていた事もあり、翠はそれ以降も紅の家に頻繁に涼みに行くようになる。
しかし、妙な事に翠は紅の家にいるときにだけ耐え難い睡魔に襲われる。
おまけに、ほとんど気絶と言って言い眠りから目覚めると、首筋には身に覚えのないキスマークのような傷が付いている。
犯人候補は一人しかいない。
問い詰められた紅はあっさり容疑を認めるが、その行動の背景には翠も予想だにしなかった事情があって……!?
途中まで恋と同時に謎が展開しますが、メインはあくまで恋愛です。
身体だけの関係です‐三崎早月について‐
みのりすい
恋愛
「ボディタッチくらいするよね。女の子同士だもん」
三崎早月、15歳。小佐田未沙、14歳。
クラスメイトの二人は、お互いにタイプが違ったこともあり、ほとんど交流がなかった。
中学三年生の春、そんな二人の関係が、少しだけ、動き出す。
※百合作品として執筆しましたが、男性キャラクターも多数おり、BL要素、NL要素もございます。悪しからずご了承ください。また、軽度ですが性描写を含みます。
12/11 ”原田巴について”投稿開始。→12/13 別作品として投稿しました。ご迷惑をおかけします。
身体だけの関係です 原田巴について
https://www.alphapolis.co.jp/novel/711270795/734700789
作者ツイッター: twitter/minori_sui
身体だけの関係です‐原田巴について‐
みのりすい
恋愛
原田巴は高校一年生。(ボクっ子)
彼女には昔から尊敬している10歳年上の従姉がいた。
ある日巴は酒に酔ったお姉ちゃんに身体を奪われる。
その日から、仲の良かった二人の秒針は狂っていく。
毎日19時ごろ更新予定
「身体だけの関係です 三崎早月について」と同一世界観です。また、1~2話はそちらにも投稿しています。今回分けることにしましたため重複しています。ご迷惑をおかけします。
良ければそちらもお読みください。
身体だけの関係です‐三崎早月について‐
https://www.alphapolis.co.jp/novel/711270795/500699060
クールすぎて孤高の美少女となったクラスメイトが、あたしをモデルに恋愛小説を書く理由
白藍まこと
恋愛
あたし、朝日詩苑(あさひしおん)は勝気な性格とギャルのような見た目のせいで人から遠ざけられる事が多かった。
だけど高校入学の際に心を入れ替える。
今度こそ、皆と同じように大人しく友達を作ろうと。
そして隣の席になったのは氷乃朱音(ひのあかね)という学年主席の才女だった。
あたしは友好的に関わろうと声を掛けたら、まさかの全シカトされる。
うざぁ……。
とある日の放課後。
一冊のノートを手にするが、それは氷乃朱音の秘密だった。
そして、それを知ってしまったあたしは彼女に服従するはめに……。
ああ、思い描いていた学校生活が遠のいていく。
※他サイトでも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる