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二葉と早苗
会長と副会長の場合 4
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七月半ば、定期試験も終わりもうすぐ夏休みという季節になった。
「暑いわね」
「そうだな」
星ヶ丘女学園生徒会室の中。副会長である如月早苗のつぶやきに生徒会会長の城田二葉が答える。すると、書記の東海林桃子も反応した。普段と違い大人しいのはやはり暑さのせいだろう。
「あの~、良かったらアイスでも買ってきましょうか?」
スカートのポケットに手を入れながら早苗が口を開く。
「じゃあ、バニラのアイスをお願いね。銘柄はなんでもいいわ」
「了解です!」
早苗は桃子に五百円玉を渡した。
「3人分ならこれで足りるわね。しろちゃんは?」
「冷たい飲み物を頼む」
「もうちょっと具体的にお願いしますよ~」
「じゃあアイスティーで」
「無かった時はどうします?」
「スポドリ。銘柄は何でもいい」
桃子が元気そうに返事して生徒会室から出ていった。二葉と早苗はそれぞれの仕事に戻った。
「……ねえ、しろちゃん」
「なんだ?」
「やっぱり何でもないわ」
「……大丈夫か早苗? 最近変だぞ」
「ごめん、ちょっと疲れてるのかもね」
二葉はそれ以上追求せずに下を向いた。早苗は無言で生徒会室を出ていった。
「買ってきましたよ~!」
「おう、ご苦労」
「あれ、如月先輩は?」
「さっき出てった。まあ、すぐ戻ってくるだろ」
桃子は渡そうとしたアイスティーを、二葉が受けとる直前で引っ込める。二葉は分かりやすくイラッとした顔をする。
「渡してくれよ」
「私がいない間、如月先輩に何か言いました? それか、何か言われたのに生返事しました?」
「いや、何も」
桃子は疑うような顔をしながら二葉に飲み物を渡す。そこから数分の沈黙が続いた。静寂を破ったのは扉だった。
「あら、桃ちゃん。おかえり、ありがとうね」
「如月先輩! すみません、少し溶けちゃったかもです……。あとこれお釣りです」
「いいのよ、私がいなかったのが悪いんだから」
早苗は溶けかかったバニラアイスを小さいプラスチックスプーンで口に運ぶ。桃子と二葉はそれを見つめていた。一人は羨ましがるように、もう一人は美しいものを見るような目だ。
「どうしたの、二人ともこっちを見たりして? ……もしかしてアイス欲しいの?」
「い、いえ! 如月先輩のために買ってきたものを貰うなんて悪いです!」
「いいのよ、わざわざおつかいに行ってくれたじゃない」
そう言いながら手招きをすると、桃子は犬のように早苗に近づく。腰を低くして口を開けると、早苗はアイスを入れてやった。
「ん~、あまーい! おいしー!」
「しろちゃんもいる?」
「じゃあ貰おう」
返事を聞く前に早苗は二葉の席に近づいていた。
「はい」
すでに一口のアイスが目の前に用意されている。
「あ、ああ……」
勢いの良さに戸惑いながらも口を開ける。ドロッとした中に少し塊が残って程よく冷たい。
「うん、甘いな」
「そうでしょ?」
「いや、もういいから。当たり前のように二口目を出すな」
早苗は微笑みながらもスプーンを持った手は引っ込めない。
「……ありがと」
二口目はさっきよりも冷たくなかった。しかし、より甘く感じられた。
「暑いわね」
「そうだな」
星ヶ丘女学園生徒会室の中。副会長である如月早苗のつぶやきに生徒会会長の城田二葉が答える。すると、書記の東海林桃子も反応した。普段と違い大人しいのはやはり暑さのせいだろう。
「あの~、良かったらアイスでも買ってきましょうか?」
スカートのポケットに手を入れながら早苗が口を開く。
「じゃあ、バニラのアイスをお願いね。銘柄はなんでもいいわ」
「了解です!」
早苗は桃子に五百円玉を渡した。
「3人分ならこれで足りるわね。しろちゃんは?」
「冷たい飲み物を頼む」
「もうちょっと具体的にお願いしますよ~」
「じゃあアイスティーで」
「無かった時はどうします?」
「スポドリ。銘柄は何でもいい」
桃子が元気そうに返事して生徒会室から出ていった。二葉と早苗はそれぞれの仕事に戻った。
「……ねえ、しろちゃん」
「なんだ?」
「やっぱり何でもないわ」
「……大丈夫か早苗? 最近変だぞ」
「ごめん、ちょっと疲れてるのかもね」
二葉はそれ以上追求せずに下を向いた。早苗は無言で生徒会室を出ていった。
「買ってきましたよ~!」
「おう、ご苦労」
「あれ、如月先輩は?」
「さっき出てった。まあ、すぐ戻ってくるだろ」
桃子は渡そうとしたアイスティーを、二葉が受けとる直前で引っ込める。二葉は分かりやすくイラッとした顔をする。
「渡してくれよ」
「私がいない間、如月先輩に何か言いました? それか、何か言われたのに生返事しました?」
「いや、何も」
桃子は疑うような顔をしながら二葉に飲み物を渡す。そこから数分の沈黙が続いた。静寂を破ったのは扉だった。
「あら、桃ちゃん。おかえり、ありがとうね」
「如月先輩! すみません、少し溶けちゃったかもです……。あとこれお釣りです」
「いいのよ、私がいなかったのが悪いんだから」
早苗は溶けかかったバニラアイスを小さいプラスチックスプーンで口に運ぶ。桃子と二葉はそれを見つめていた。一人は羨ましがるように、もう一人は美しいものを見るような目だ。
「どうしたの、二人ともこっちを見たりして? ……もしかしてアイス欲しいの?」
「い、いえ! 如月先輩のために買ってきたものを貰うなんて悪いです!」
「いいのよ、わざわざおつかいに行ってくれたじゃない」
そう言いながら手招きをすると、桃子は犬のように早苗に近づく。腰を低くして口を開けると、早苗はアイスを入れてやった。
「ん~、あまーい! おいしー!」
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「じゃあ貰おう」
返事を聞く前に早苗は二葉の席に近づいていた。
「はい」
すでに一口のアイスが目の前に用意されている。
「あ、ああ……」
勢いの良さに戸惑いながらも口を開ける。ドロッとした中に少し塊が残って程よく冷たい。
「うん、甘いな」
「そうでしょ?」
「いや、もういいから。当たり前のように二口目を出すな」
早苗は微笑みながらもスプーンを持った手は引っ込めない。
「……ありがと」
二口目はさっきよりも冷たくなかった。しかし、より甘く感じられた。
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