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恋花と愛那
恋花と愛那の場合 4ー1
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六月になった。一学期の主なイベントは終わり、浮かれた空気も薄くなる。残すは定期試験だけとなった。
「恋ちゃ~ん、助けてくださいお願いします!」
「そんなに叫ばなくても聞こえるから。で、今日は何?」
「テストだよ! テ・ス・ト!」
「ああ、そういうこと」
愛那曰く、高校からは試験で平均点以上を採らないとお小遣いが無くなることを十分もかけて話した。今がお昼休憩でなかったら途中で話を遮っただろう。
「と、いうわけで! 明日は勉強会しまーす!」
「なにが、というわけでよ」
「良いじゃん、恋ちゃんの家でもうち来てもいいからさ」
軽くため息をつき、愛那の家に行かせてもらう方を選ぶ。休日に他人を招くことを大沢家はあまり好まない。働きづめの両親が休めるという時に自分の勝手でうるさくするのは申し訳ないと思う。
翌日、待ち合わせした駅に到着するとすでに愛那がいた。こちらに気づき子どものように走ってくる。
「あ! 恋ちゃん、おっはよー!」
「おはよ」
「ちょっとそこのスーパー寄っても良い?」
「良いよ」
彼女は大量かつ様々なお菓子と、ペットボトルのジュースを買い物かごに入れた。恋花はそこで自分が手土産も何も持参していないことに気がつく。
「ごめん、お菓子とかそういうの何も持ってきてないや」
「いいよいいよ、気にしないで。あたしが頼んだんだから」
愛那は笑いながらフォローする。流れるように商品をかごに入れながら、余計な道を通らずレジに向かう姿はいつもの岡田愛那からは想像出来なかった。
スーパーから出て十分ほど歩くと、一軒家とマンションしかないような住宅街にだった。半歩前を歩いていた愛那が突然立ち止まった。
「この中にあたしの家があります! どれでしょう?」
「遊ぶなら帰るから」
恋花はわざとらしく来た道を戻ろうとする。
「待って、ごめん! ここ! 私の家ここ!」
二階建てらしき一軒家を指差しながら言う。外観はまだ綺麗で、白い外壁に目立った汚れはない。なぜか、愛那の家と思うと妙に納得出来た。
「さ、入って入って」
「お邪魔します」
「愛ちゃん、お帰り~! あなたが"恋ちゃん"ね。いらっしゃい」
ドアを開けるなりすぐに、優しそうな婦人が出迎えてくれる。白が混じった髪と顔のしわが目立つ。恋花は自分の母と祖母の間くらいだろうかと推測した。老けてはいるが、確かに遺伝子の繋がりを感じた。愛那の四十年後と言った感じだろうか。
「愛那の母の由紀恵です」
「大沢恋花です」
由紀恵さんが微笑み、恋花は反射的に軽く頭を下げる。
愛那がお構いなしに腕を引っ張ってくる。
「愛ちゃんのことよろしくね」
「え、ええ……」
「恋ちゃ~ん、助けてくださいお願いします!」
「そんなに叫ばなくても聞こえるから。で、今日は何?」
「テストだよ! テ・ス・ト!」
「ああ、そういうこと」
愛那曰く、高校からは試験で平均点以上を採らないとお小遣いが無くなることを十分もかけて話した。今がお昼休憩でなかったら途中で話を遮っただろう。
「と、いうわけで! 明日は勉強会しまーす!」
「なにが、というわけでよ」
「良いじゃん、恋ちゃんの家でもうち来てもいいからさ」
軽くため息をつき、愛那の家に行かせてもらう方を選ぶ。休日に他人を招くことを大沢家はあまり好まない。働きづめの両親が休めるという時に自分の勝手でうるさくするのは申し訳ないと思う。
翌日、待ち合わせした駅に到着するとすでに愛那がいた。こちらに気づき子どものように走ってくる。
「あ! 恋ちゃん、おっはよー!」
「おはよ」
「ちょっとそこのスーパー寄っても良い?」
「良いよ」
彼女は大量かつ様々なお菓子と、ペットボトルのジュースを買い物かごに入れた。恋花はそこで自分が手土産も何も持参していないことに気がつく。
「ごめん、お菓子とかそういうの何も持ってきてないや」
「いいよいいよ、気にしないで。あたしが頼んだんだから」
愛那は笑いながらフォローする。流れるように商品をかごに入れながら、余計な道を通らずレジに向かう姿はいつもの岡田愛那からは想像出来なかった。
スーパーから出て十分ほど歩くと、一軒家とマンションしかないような住宅街にだった。半歩前を歩いていた愛那が突然立ち止まった。
「この中にあたしの家があります! どれでしょう?」
「遊ぶなら帰るから」
恋花はわざとらしく来た道を戻ろうとする。
「待って、ごめん! ここ! 私の家ここ!」
二階建てらしき一軒家を指差しながら言う。外観はまだ綺麗で、白い外壁に目立った汚れはない。なぜか、愛那の家と思うと妙に納得出来た。
「さ、入って入って」
「お邪魔します」
「愛ちゃん、お帰り~! あなたが"恋ちゃん"ね。いらっしゃい」
ドアを開けるなりすぐに、優しそうな婦人が出迎えてくれる。白が混じった髪と顔のしわが目立つ。恋花は自分の母と祖母の間くらいだろうかと推測した。老けてはいるが、確かに遺伝子の繋がりを感じた。愛那の四十年後と言った感じだろうか。
「愛那の母の由紀恵です」
「大沢恋花です」
由紀恵さんが微笑み、恋花は反射的に軽く頭を下げる。
愛那がお構いなしに腕を引っ張ってくる。
「愛ちゃんのことよろしくね」
「え、ええ……」
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