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恋花と愛那
恋花と愛那の場合 5ー1
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「前回までのあらすじ! 恋ちゃんがうちに泊まりに来ることになったよ!」
「誰に何を説明しているのさ……」
「んーと、再確認?」
「ふーん」
定期試験は無事終わった。恋花はもちろん、愛那も無事全科目平均以上を達成した。
恋花は思いつきで、したいことをさせてあげるという発言を取り消したかったが、愛那のはしゃぎようを見るにそれは無理だと悟った。恋花は、親戚以外の家に泊まった事など無いので、愛那が何をしたいか分からなかった。なので、学校での帰り道で情報を聞き出すことにしている。
「で、お泊まり会ってのは何をするのさ?」
「むしろ、恋ちゃんは何がしたい?」
「何もしたくない」
「そ、そう言わずにさ、もっとテンション上げてこうよ!」
本当に何もしたくないわけでは無いが、少しからかってみたくなったのだ。この程度のことに本気で動揺する愛那はとても可愛く思える。
「じゃあ、ゲームしよ、ゲーム!」
「……いいよ」
「その"いいよ"は前に"どうでも"がつくでしょ?」
「んなわけ無いじゃん。何持ってのか見せてよ」
ゲーム機は、20年前の古いハードから最新のハードまで広くあった。もちろん全てとはいかないが、それでも選り取りみどりだ。
「多過ぎて選べない。何かオススメある?」
「うーん……。じゃあ、これかな!」
愛那は最新のハードの人気ソフトを薦めてきた。ジャンルは対戦アクションだ。
「それ持ってるんだ。じゃ、それにしようよ」
「了解!」
彼女は返事とともに準備を始める。線の接続などから玄人っぽさが漂う。四人対戦だが、プレイヤーは二人しかいないので、CPUを入れてのサバイバルだ。実際、彼女は相当やり込んでいるのだろう。コントローラーのボタンの位置すら覚えきれていない自分とは動きの質も量も桁違いだった。三戦ほどしたところで愛那が声をかけてきた。
「難しい……?」
「うん、思ったよりは」
「じゃあ、協力プレイにしよっか」
愛那は、恋花がキャラクターを選択した後どこかのボタンを押した。すると、キャラクターを囲う色が青から赤に変わる。
「ほら、同じ色になったでしょ! これでお互いの攻撃は通らないからね」
恋花は、愛那が自分を楽しませようとしてくれているのを感じた。これだけ気をつかってくれているのだから自分も素直に楽しんでみようと思う。
結局、夕飯の時間まで二人っきりでゲームをしていた。
「誰に何を説明しているのさ……」
「んーと、再確認?」
「ふーん」
定期試験は無事終わった。恋花はもちろん、愛那も無事全科目平均以上を達成した。
恋花は思いつきで、したいことをさせてあげるという発言を取り消したかったが、愛那のはしゃぎようを見るにそれは無理だと悟った。恋花は、親戚以外の家に泊まった事など無いので、愛那が何をしたいか分からなかった。なので、学校での帰り道で情報を聞き出すことにしている。
「で、お泊まり会ってのは何をするのさ?」
「むしろ、恋ちゃんは何がしたい?」
「何もしたくない」
「そ、そう言わずにさ、もっとテンション上げてこうよ!」
本当に何もしたくないわけでは無いが、少しからかってみたくなったのだ。この程度のことに本気で動揺する愛那はとても可愛く思える。
「じゃあ、ゲームしよ、ゲーム!」
「……いいよ」
「その"いいよ"は前に"どうでも"がつくでしょ?」
「んなわけ無いじゃん。何持ってのか見せてよ」
ゲーム機は、20年前の古いハードから最新のハードまで広くあった。もちろん全てとはいかないが、それでも選り取りみどりだ。
「多過ぎて選べない。何かオススメある?」
「うーん……。じゃあ、これかな!」
愛那は最新のハードの人気ソフトを薦めてきた。ジャンルは対戦アクションだ。
「それ持ってるんだ。じゃ、それにしようよ」
「了解!」
彼女は返事とともに準備を始める。線の接続などから玄人っぽさが漂う。四人対戦だが、プレイヤーは二人しかいないので、CPUを入れてのサバイバルだ。実際、彼女は相当やり込んでいるのだろう。コントローラーのボタンの位置すら覚えきれていない自分とは動きの質も量も桁違いだった。三戦ほどしたところで愛那が声をかけてきた。
「難しい……?」
「うん、思ったよりは」
「じゃあ、協力プレイにしよっか」
愛那は、恋花がキャラクターを選択した後どこかのボタンを押した。すると、キャラクターを囲う色が青から赤に変わる。
「ほら、同じ色になったでしょ! これでお互いの攻撃は通らないからね」
恋花は、愛那が自分を楽しませようとしてくれているのを感じた。これだけ気をつかってくれているのだから自分も素直に楽しんでみようと思う。
結局、夕飯の時間まで二人っきりでゲームをしていた。
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