勇者パーティー追放された解呪師、お迎えの死神少女とうっかりキスして最強の力に覚醒!? この力で10年前、僕のすべてを奪った犯人へ復讐します。

カズマ・ユキヒロ

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04.序曲 【勇者side①】

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「覚悟しやがれ、魔王ジョウカー! ここがテメエの墓場だぜ!」



 魔王城、王座の間で。


 オレ、勇者ダイトは。


 サリィ、シャル姉、ツカサを従え、魔王ジョウカーと向き合っていた。



「……へへっ! へへへへへ!」



 オレの口からは、笑いがもれる。


 いきなり半年前に現れ、人類に宣戦布告してきた『魔王』ジョウカー。


 どんなヤツかと思っていたが……。



「たいしたことなさそうだな!」



 体格は、成人男性と大差がない。


 全身を白いローブでくるみ、顔には仮面をつけている。


 仮面の額部分には、闇色のクリスタルがギラギラと光を放っているが。



「今のオレの敵じゃねえ! こんな弱っちそうなヤツをカモるだけで、オレは英雄ってか! まったく、笑いが止まらねえぜ!」



 そんなオレに向かい。



「クククク……どうやら、口だけは達者なようだね」



 ジョウカーが笑いながら、続ける。



「しかし、まさかキミたちは。本気でこのワタシ、『魔王ジョウカー』に勝てると思っているのかな? その浅はかさには、恐れ入るよ」



「んだと……!」



「聖剣ブルトガング、魔剣グラム、聖杖ワルキューレ、魔杖アポカリプス。確かに、キミたちの武器は強力だ。だが……」



 ジョウカーは肩をすくめる。



「キミたちごときの力で、その武器の性能を引き出せるとは思えないね」



「……どういう意味だ?」



「深い意味はない。言葉通りに、受け取ってもらってかまわないよ?」



「テメエ……!」



 オレはこぶしを握りながら、ジョウカーをにらみつけた。 



「オレたちの力が、たいしたことないって言いてえのか!?」



「まさにその通り。理解が早くて助かるね、勇者ダイト」



 ジョウカーの口調は、余裕たっぷりだった。



「調子に乗ってんじゃねえぞ! うらああああぁぁ!」



 オレは聖剣を抜き、ジョウカーに向かい突撃した!


 同時に!



「我々を甘く見たこと、後悔させてやろう! はああああぁぁ!」



 サリィが魔剣を携え、ジョウカーに突っ込む!



「食らいやがれええええぇ!」



「切り裂けええぇ!」



 オレとサリィは、聖剣と魔剣をジョウカーに繰り出すが。



「甘い」




 スカッ! スカッ!




 ジョウカーはサイドステップで、オレたちの斬撃をかわした。



「クソッ! コイツ、ちょこまかするんじゃねえよ!」



「無駄なあがきはやめろ! おとなしく、私に斬られるがいい!」



 続けざまにオレたちは、2撃目、3撃目を放つが。



「無駄だよ」




 スカッ! スカッ! スカッ! スカッ!




 ジョウカーは攻撃をかわしつつ。


 大きなバックジャンプで、オレたちから距離を取った。



「では。次は、こちらの番といこうか」



 宣言とともに、ジョウカーが大きく手を広げる。



「――アピアランス」



 ヤツの前方に、4つの透明なオーブが出現したかと思うと。



「ブリザード、ライトニング、シャイニング、ダークネス」



 ジョウカーの詠唱で、オーブへ次々と色が灯っていく。



 1つ目は、青に。


 2つ目は、黄色に。


 3つ目は、白に。


 4つ目は、黒に。



「な、何なの!? オーブに、魔力を注入してるの!?」



「気をつけてください! 攻撃が来ますよ!」



 とまどうシャル姉に、ツカサが叫んだ瞬間。



「テトラ・バレット!」




 ブアアアアアアアアアア!




 ジョウカーの合図でオーブから、4色のつぶてが大量に撃ち出された!



「あぶねっ!?」



「うわっ!?」



「きゃあ!?」



「くっ!」



 オレたちは素早く散ると、魔力のつぶての嵐をかわした。


 しかし。




 ブアアアアアアアアアア!




「うおあああああ!?」



 つぶての攻撃は、尽きることがない。


 色とりどりのつぶてが雨あられと、部屋中にバラまかれていく。



「シャル姉! 防御魔法で食い止めろ! 早く!」



「今からやるよ! シャルちゃんに命令しないで!」



 シャル姉がいらだたしそうに返しながら、聖杖を前に突き出す。



「ダーク・ホーリーウォール!」




 パシュン!




 オレたちの前方に、黒い光のカベが展開された。


 つぶては光のカベにさえぎられ、次々に消滅していく。


 その間に!



「レッド・クリムゾン!」



 すかさず魔杖を手にした、ツカサの火炎魔法が飛ぶ!




 ゴアアアアアアアアッ!



 パキン! パキーン!




 火炎の直撃を受け、青と黄色のオーブが砕け散った!



「今ですダイトさん、サリィさん! 残りのオーブを!」



「ナイスだぜ、ツカサ!」



「了解だ!」



 オレとサリィは、オーブに向かって突っ込む!


 同時に。



「援護してあげる! ダーク・ホーリーシュート!」




 バシュバシュバシュバシュッ!




 シャル姉は光のカベを解除すると、ジョウカーに光線の乱れ打ちを放った!



「ちっ……!」



 ジョウカーが回避に専念したスキに!



「ふっ!」




 ズバアッ! パキーン!




 サリィが白のオーブを砕き!



「りゃああああ!」




 ズバアッ! パキーン!




 オレが黒のオーブを砕いた!


 その瞬間。




 ブアアアアアアアア!




 いきなりオレの砕いたオーブから、闇が大量に噴き出した。



「のわっ!?」



 噴き出した闇は、あっという間に部屋中を満たしていく。



「何だ!? 見えねえ!? くっ、この野郎ぉ!」



 濃い闇を振り払おうと、オレはメチャメチャに聖剣を振り回す。


 そんな中で。




 ヒュンヒュンヒュンヒュン!




 闇を切り裂き、何かがオレのもとに飛んだ。



「うおっ――」




 ガヂッ!




 不意打ちに、身をかわすこともできず。


 飛んできた何かは、オレの首にハマった。



「何だコリャ!? 首輪!?」



 オレは全力を込め、首輪に手をかけるが。



「んぐっ……ぐぐぐっ……ぐぎぎぎぎーーーー!」



 どんなに力を込めても、首輪は外れなかった。



「ふむ。まあこんなものか」



 あせるオレの耳に、ジョウカーの声が響く。



「こうもカンタンに引っかかってくれるとはね。拍子抜けもいいところだよ」




 パチン!




 指の鳴るような音とともに、あたりの闇が消えていく。


 クリアになったオレの視界に、入ってきたものは。



「なっ、何なんだ、この首輪は!?」



「うぅ~! 外れないよぉ!」



「く……くっ!」



 オレと同じように首輪をハメられた、サリィ、シャル姉、ツカサの姿だった。


 そんなオレたちに向かい。



「あっけない幕切れだが。これで詰みだ、勇者ダイト」



 勝ち誇ったように、ジョウカーが告げる。



「その首輪は、『魔王の呪い』と呼ばれる特別製でね。相手を捕らえた呪いの首輪は、72時間後に爆発する」



 なっ!?



「な……ん……だと……!?」



「キミたちの命も、残りわずか。勇者パーティー崩壊の序曲は、今まさに奏でられた。というわけさ」



 ジョウカーからの、衝撃の宣言を受け。


 オレは口の中が、カラカラに乾いていくのを感じた……。
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