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繰り返された新たな一日
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「いやだ」
何と衝撃的な言葉でしょうか。
この長男は何故否定をされたのでしょうか。
私はわざわざ「構わなくて結構だ」と次期御当主様の御手を煩わせない様に進言したのに。
もしかして、お前ごときが指図するなどと生意気だとでも言うのでしょうか。
「具合が良くないなら部屋で休んではどうだ?」
「そうですね、そうさせて頂きます」
この場に居たくなくて部屋へ引き返すために席を立てば長男も立ち上がった。
「あの…」
「なんだ」
「何故、ご一緒にお立ちになられたのですか?」
「お前を部屋に送るから」
何言ってらっしゃるんでしょうか?
お部屋までは僅かな距離。
どんなにゆっくりと歩いても半刻も全くかからない。
その道中(と、言っても良いのかわからないけど)にどんな危険があると言うのだろうか。
それとも、このチャンスに外にでも捨てようと言うのかしら。
どちらにしても、私にとってなによりの危険は貴殿方三兄弟よ。
私は重い溜め息を吐き、義両親や義兄たちに頭を下げ食堂をひとりで出ていく。
「おい、待てと言って…」
「執事さんに来ていただくのでご心配には及びません。どうかお食事をお続けくださいな」
不満げな長男だったがすぐ執事さんが来てくださったので長男の御手を煩わす必要もなく無事に部屋に戻れた。
「お嬢様、若様たちと何かありました?」
「…何もありません。すみませんが少し休みたいのでひとりにしていただけませんか?」
失礼致しましたと執事さんは部屋から去った。
広いふかふかのベッド上で考える。
過去の記憶ではこんなに長男は私を構わなかった。
況してや、自ら関わろうだなんて有り得ないにも程がない。
全く違う世界だとでも言われた方が幾何か納得できると言うもの。
兎に角、私の今生の目標を決めなくてはならない。
初端からこんなのではどこが地雷かわからない状態で迂闊なことは出来ないししたくない。
私は穏やかに静かに老後を迎えたいのだ。
優しい旦那様と、可愛い子供たちと私。
そんな平凡で普通の家庭を築きたいのです。
そのためには当たらず・触らず・関わらずを徹底するしかないわ。
長男だって暫くすれば元通りに私に関心を持たなくなるだろうし、次男、三男は近付かなければきっと何とかなる。
さっきだって反応があったのは長男だけだし。
逃げるが勝ち…は意味が違うかもだけど、幸せのためなら仕方ないこともあるわよね。
今後の作戦とも言えない思考を止めどなく流したまま静かに目を閉じた。
何と衝撃的な言葉でしょうか。
この長男は何故否定をされたのでしょうか。
私はわざわざ「構わなくて結構だ」と次期御当主様の御手を煩わせない様に進言したのに。
もしかして、お前ごときが指図するなどと生意気だとでも言うのでしょうか。
「具合が良くないなら部屋で休んではどうだ?」
「そうですね、そうさせて頂きます」
この場に居たくなくて部屋へ引き返すために席を立てば長男も立ち上がった。
「あの…」
「なんだ」
「何故、ご一緒にお立ちになられたのですか?」
「お前を部屋に送るから」
何言ってらっしゃるんでしょうか?
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どんなにゆっくりと歩いても半刻も全くかからない。
その道中(と、言っても良いのかわからないけど)にどんな危険があると言うのだろうか。
それとも、このチャンスに外にでも捨てようと言うのかしら。
どちらにしても、私にとってなによりの危険は貴殿方三兄弟よ。
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「おい、待てと言って…」
「執事さんに来ていただくのでご心配には及びません。どうかお食事をお続けくださいな」
不満げな長男だったがすぐ執事さんが来てくださったので長男の御手を煩わす必要もなく無事に部屋に戻れた。
「お嬢様、若様たちと何かありました?」
「…何もありません。すみませんが少し休みたいのでひとりにしていただけませんか?」
失礼致しましたと執事さんは部屋から去った。
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兎に角、私の今生の目標を決めなくてはならない。
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逃げるが勝ち…は意味が違うかもだけど、幸せのためなら仕方ないこともあるわよね。
今後の作戦とも言えない思考を止めどなく流したまま静かに目を閉じた。
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