悪役少女はひとりぼっち

ハル

文字の大きさ
3 / 8
第1章

2.私の居場所

しおりを挟む
「おーい!優、この文化祭の書類、どこを直すんだ?」

「その書類、計算が間違ってる所がある。全部最初から計算し直し。」

「げ、まじかよ!!」

「はる。俺、もう眠い。ぐぅ・・・。」

「ちょ、この状況で寝る~?!仁君起きて~!」

現在この、一色いっしき学園生徒会はいわゆる修羅場という状況にある。

机という机の上に書類が溢れ、作業スペースなんて見つけられないほどだ。

「晴!助けてくれ~!!」

計算間違いで苦しむこの男の名前は赤丸朝陽あかまるあさひ、生徒会長である。

輝く金髪に180㎝の長身、整った顔を持ちながら、元気な馬鹿という残念イケメンである。

「お前がちゃんと確認しなかったせいだろ。自業自得。」

冷たく言い放つのは庶務、桃山優ももやまゆう

長めのピンク前髪を右でピンで止めるスタイルの彼は、かわいいのに冷静であるというギャップで男女問わず人気者である。

「そうだよかいちょ~。自業じ、と、く♡」

会長を馬鹿にして笑うこの男は会計、紫瀬蓮翔しせれんしょう

襟足の長い薄紫の髪は艶やかで、流し目が色気むんむんのチャラ男である。

「ぐぅ・・・、すこーーー。」

このうるさい状況で寝続けるのは書記、緑宗仁のりむねじん

深緑色の前髪が目を覆い、190㎝という巨体を持っているにもか変わらず、常に猫背で、まるで野良猫のような雰囲気漂わせているため、威圧感を感じさせない。

「はぁ!?そもそもこの計算をしたのは蓮!お前だろうが!」

「でも確認してオッケー出したのは会長でしょ~?」

「こんの野郎・・・!!」

「朝陽、落ち着いてよ。間違ってる所を探して直せばいいだけなんだから。」

そして、私は副会長、白河晴風しらかわはるか

腰の少し上まで伸びた黒髪、左目は黒に近い灰色、右目は黒色という、左右でほんの少し色の違う瞳を持つ。

「でもな、晴~。」

「いいから。文句言う暇あるなら直すのよ。」

「ちぇー。」

「蓮も手伝って。」

「も~、しょーがないなぁ~。」

今日もこの生徒会は騒がしい。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

[きみを愛することはない」祭りが開催されました~祭りのあと2

吉田ルネ
恋愛
出奔したサーシャのその後 元気かな~。だいじょうぶかな~。

完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました

らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。 そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。 しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような… 完結決定済み

悪役令嬢として、愛し合う二人の邪魔をしてきた報いは受けましょう──ですが、少々しつこすぎやしませんか。

ふまさ
恋愛
「──いい加減、ぼくにつきまとうのはやめろ!」  ぱんっ。  愛する人にはじめて頬を打たれたマイナの心臓が、どくん、と大きく跳ねた。  甘やかされて育ってきたマイナにとって、それはとてつもない衝撃だったのだろう。そのショックからか。前世のものであろう記憶が、マイナの頭の中を一気にぐるぐると駆け巡った。  ──え?  打たれた衝撃で横を向いていた顔を、真正面に向ける。王立学園の廊下には大勢の生徒が集まり、その中心には、三つの人影があった。一人は、マイナ。目の前には、この国の第一王子──ローランドがいて、その隣では、ローランドの愛する婚約者、伯爵令嬢のリリアンが怒りで目を吊り上げていた。

旦那様の愛が重い

おきょう
恋愛
マリーナの旦那様は愛情表現がはげしい。 毎朝毎晩「愛してる」と耳元でささやき、隣にいれば腰を抱き寄せてくる。 他人は大切にされていて羨ましいと言うけれど、マリーナには怖いばかり。 甘いばかりの言葉も、優しい視線も、どうにも嘘くさいと思ってしまう。 本心の分からない人の心を、一体どうやって信じればいいのだろう。

悪役令嬢の大きな勘違い

神々廻
恋愛
この手紙を読んでらっしゃるという事は私は処刑されたと言う事でしょう。 もし......処刑されて居ないのなら、今はまだ見ないで下さいまし 封筒にそう書かれていた手紙は先日、処刑された悪女が書いたものだった。 お気に入り、感想お願いします!

不確定要素は壊れました。

ひづき
恋愛
「───わたくしは、シェノローラよ。シェラでいいわ」 「承知しました、シェノローラ第一王女殿下」  何も承知していないどころか、敬称まで長々とついて愛称から遠ざかっている。  ───こいつ、嫌い。  シェノローラは、生まれて初めて明確に「嫌い」と認識する相手に巡り会った。  そんなシェノローラも15歳になり、王族として身の振り方を考える時期に来ており─── ※舞台装置は壊れました。の、主人公セイレーンの娘が今回は主人公です。舞台装置~を読まなくても、この話単体で読めます。 ※2020/11/24 後日談「その後の彼ら。」を追加

攻略対象の王子様は放置されました

蛇娥リコ
恋愛
……前回と違う。 お茶会で公爵令嬢の不在に、前回と前世を思い出した王子様。 今回の公爵令嬢は、どうも婚約を避けたい様子だ。 小説家になろうにも投稿してます。

バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました

美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?

処理中です...