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第1章 ここから始まるDIY
五日目① 厄介ごとはテンプレ通り
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朝起きて、食堂で食事を済ませて、ギルドへ向かう。
これが朝のルーティンだ。
やはり外の気温は寒くないものの、水の温度も高くはなかった。
井戸水で顔を洗えばすっきり爽快……ってならないな。
せめて石鹸が欲しい……
だが店を見ても石鹸を売ってなかったし、どうしたものかな。
あと風呂!!
風呂に入りたい!!
身体を拭いた程度だとすっきりしない。
どうやら俺は生粋の日本人らしく、風呂に恋焦がれてしまっていたようだった。
そんなこんなで井戸水で朝の身支度をしていると、何やら騒がし声が聞こえてきた。
痴話げんかはよそでやってほしいな。
幼い男女がもめていて、それをおろおろしながら少女が諫めようと努力していた。
話しぶりから昨日の討伐依頼についての口論の様だった。
互いの意見をぶつけ合い、より上に行こうとするその向上心。
うん、俺には今は全くない心だな。
そんな3人を見ていると、それを諫める人物が現れた。
朝に挨拶してくれる職員さんだな。
彼は少年たちの話を聞くと、何かを諭すように語り掛けていた。
脅したり、怒ったりではなく、子供たちが聞きやすいように目線を合わせて。
その内容に納得したのか、喧嘩腰だった二人は互いに握手を交わし、おろおろしていた少女もほっと胸をなでおろしていた。
うん、この井戸端にもドラマが存在していることに、ここがリアルな世界だと思い知らされてしまった。
朝の身支度を終えた俺は、食堂へと向かった。
今日の朝食は……スクランブルエッグに厚切りベーコン。
堅パンとスープだった。
相変わらずうまい。
ちゃんと堅パンはスープに浸して食べました。
意外と食べやすくてびっくりしたのは内緒だ。
身支度を終えた俺は冒険者ギルドへと向かった。
ガランゴロンガラン
冒険者ギルドに入ると、なぜか変な雰囲気が漂っていた。
遠目から俺を見てクスクス笑っている奴らもいる。
正直気分は良くないな……
まあ、状況が良く分からないが、とりあえず掲示板の依頼を確認しよう。
そう思って俺が掲示板に近づくと、昨日の3人が近づいてきた。
これ絶対、面倒になる……ついてない。
「おいてめぇ!!よくも人の獲物横取りしやがったな!!てめえのせえでこちとら赤字だこの野郎!!どう落とし前付けてくれんだよ!!」
……
…………
……………
はぁああああああああ~~~~~?!
意味わかんないんですけど?
俺、死にかけたんですけど?
むしろこっちが慰謝料請求案件なんですけど?!
「てめぇ!!何とか言ったらどうなんだ?!おう?!」
だめだ、こいつら頭悪すぎる……
どうしたものか……
俺が悩んでいると、それをビビったと勘違いをしたらしく、自称先輩たちが大いに騒ぎ出した。
しまいには盾役のケガすらも俺のせいにし始めたのだ。
さすがにこれには怒りが込み上げてきた。
「さっきからごちゃごちゃごちゃごちゃうるせんだよ!!ゴブリンからしっぽ巻いて逃げたやつらが偉そうにしてんじゃねぇ~よ!!それと2人ほど少ないみたいだけど、ぼこぼこにされた盾役は生きていたか?」
ついやっちまった。
売り言葉に買い言葉。
さすがにやりすぎた感が否めない。
周りの冒険者たちも遠巻きに煽ったりしていた。
舐められたら終わりの世界だ。
もう容赦なく暴れよう。
さすがにゴブリンから逃げ出す奴らに負ける気がしない。
しばらくにらみ合っていると、受付からキャサリンさんが出て来た。
それだけで場が静まり返った。
さっきまで周りで煽っていた冒険者たちまで静かになった。
「あなた達、ここは喧嘩する場所ではないわよ?いいわね?それに周りで騒いでた子たち……覚悟しな!!」
一気に20℃くらいは温度が下がった気がした。
キャサリンさんがいったい何者なのか気になって仕方がない。
「姉御、そりゃねぇよ。こいつが俺らの獲物を奪ったせいで、こっちは依頼失敗するわ、装備品の修理で金はかかるわで赤字なんですぜ?」
「そうだぜ姉御!!そいつがわりぃんだから、そいつにケツふかせりゃ済む話ですぜ?わざわざギルドが出張る必要はねぇってもんだぜ。」
「そういうこった。おい新人!!さっさと金出して謝りやがれ!!」
どん!!
キャサリンさんが床を踏みつけた……
たったそれだけの行動で、荒くれ者の冒険者たちが一斉に静かになった。
そして目が笑っていない笑顔でキャサリンさんはさらに話をつづけた。
「カイト君以外はこのままおとなしくしていてください。騒いだら……解かってますね?」
ほんと、キャサリンさん何者?!
あの荒くれ者たちが皆頭を縦に振って、まるで首振り人形みたいにぶんぶんと音が聞こえてきそうだった。
しかも、気当てだけでだ。
「それとカイト君。ギルマスが君を呼んでます。私と来てくれますね?」
そりゃもう答えは決まっている。
YES!!
そしてそのまま、キャサリンさんの後についてギルマスの執務室へ移動した。
途中あの三人に目をやると、目が泳いでいた。
どうやら俺が連行されたらまずいようだ。
おそらくウソの報告をギルドに上げているのだろう。
それにしてもなんで俺がギルマスに呼ばれるんだろうか?
しばらくギルド内を歩くと、【執務室】という看板がぶら下がっている部屋の前に付いた。
おそらくここがギルマスの執務室なのだろうか。
コンコンコン
「マスター。件の冒険者を連れてまいりました。」
これが朝のルーティンだ。
やはり外の気温は寒くないものの、水の温度も高くはなかった。
井戸水で顔を洗えばすっきり爽快……ってならないな。
せめて石鹸が欲しい……
だが店を見ても石鹸を売ってなかったし、どうしたものかな。
あと風呂!!
風呂に入りたい!!
身体を拭いた程度だとすっきりしない。
どうやら俺は生粋の日本人らしく、風呂に恋焦がれてしまっていたようだった。
そんなこんなで井戸水で朝の身支度をしていると、何やら騒がし声が聞こえてきた。
痴話げんかはよそでやってほしいな。
幼い男女がもめていて、それをおろおろしながら少女が諫めようと努力していた。
話しぶりから昨日の討伐依頼についての口論の様だった。
互いの意見をぶつけ合い、より上に行こうとするその向上心。
うん、俺には今は全くない心だな。
そんな3人を見ていると、それを諫める人物が現れた。
朝に挨拶してくれる職員さんだな。
彼は少年たちの話を聞くと、何かを諭すように語り掛けていた。
脅したり、怒ったりではなく、子供たちが聞きやすいように目線を合わせて。
その内容に納得したのか、喧嘩腰だった二人は互いに握手を交わし、おろおろしていた少女もほっと胸をなでおろしていた。
うん、この井戸端にもドラマが存在していることに、ここがリアルな世界だと思い知らされてしまった。
朝の身支度を終えた俺は、食堂へと向かった。
今日の朝食は……スクランブルエッグに厚切りベーコン。
堅パンとスープだった。
相変わらずうまい。
ちゃんと堅パンはスープに浸して食べました。
意外と食べやすくてびっくりしたのは内緒だ。
身支度を終えた俺は冒険者ギルドへと向かった。
ガランゴロンガラン
冒険者ギルドに入ると、なぜか変な雰囲気が漂っていた。
遠目から俺を見てクスクス笑っている奴らもいる。
正直気分は良くないな……
まあ、状況が良く分からないが、とりあえず掲示板の依頼を確認しよう。
そう思って俺が掲示板に近づくと、昨日の3人が近づいてきた。
これ絶対、面倒になる……ついてない。
「おいてめぇ!!よくも人の獲物横取りしやがったな!!てめえのせえでこちとら赤字だこの野郎!!どう落とし前付けてくれんだよ!!」
……
…………
……………
はぁああああああああ~~~~~?!
意味わかんないんですけど?
俺、死にかけたんですけど?
むしろこっちが慰謝料請求案件なんですけど?!
「てめぇ!!何とか言ったらどうなんだ?!おう?!」
だめだ、こいつら頭悪すぎる……
どうしたものか……
俺が悩んでいると、それをビビったと勘違いをしたらしく、自称先輩たちが大いに騒ぎ出した。
しまいには盾役のケガすらも俺のせいにし始めたのだ。
さすがにこれには怒りが込み上げてきた。
「さっきからごちゃごちゃごちゃごちゃうるせんだよ!!ゴブリンからしっぽ巻いて逃げたやつらが偉そうにしてんじゃねぇ~よ!!それと2人ほど少ないみたいだけど、ぼこぼこにされた盾役は生きていたか?」
ついやっちまった。
売り言葉に買い言葉。
さすがにやりすぎた感が否めない。
周りの冒険者たちも遠巻きに煽ったりしていた。
舐められたら終わりの世界だ。
もう容赦なく暴れよう。
さすがにゴブリンから逃げ出す奴らに負ける気がしない。
しばらくにらみ合っていると、受付からキャサリンさんが出て来た。
それだけで場が静まり返った。
さっきまで周りで煽っていた冒険者たちまで静かになった。
「あなた達、ここは喧嘩する場所ではないわよ?いいわね?それに周りで騒いでた子たち……覚悟しな!!」
一気に20℃くらいは温度が下がった気がした。
キャサリンさんがいったい何者なのか気になって仕方がない。
「姉御、そりゃねぇよ。こいつが俺らの獲物を奪ったせいで、こっちは依頼失敗するわ、装備品の修理で金はかかるわで赤字なんですぜ?」
「そうだぜ姉御!!そいつがわりぃんだから、そいつにケツふかせりゃ済む話ですぜ?わざわざギルドが出張る必要はねぇってもんだぜ。」
「そういうこった。おい新人!!さっさと金出して謝りやがれ!!」
どん!!
キャサリンさんが床を踏みつけた……
たったそれだけの行動で、荒くれ者の冒険者たちが一斉に静かになった。
そして目が笑っていない笑顔でキャサリンさんはさらに話をつづけた。
「カイト君以外はこのままおとなしくしていてください。騒いだら……解かってますね?」
ほんと、キャサリンさん何者?!
あの荒くれ者たちが皆頭を縦に振って、まるで首振り人形みたいにぶんぶんと音が聞こえてきそうだった。
しかも、気当てだけでだ。
「それとカイト君。ギルマスが君を呼んでます。私と来てくれますね?」
そりゃもう答えは決まっている。
YES!!
そしてそのまま、キャサリンさんの後についてギルマスの執務室へ移動した。
途中あの三人に目をやると、目が泳いでいた。
どうやら俺が連行されたらまずいようだ。
おそらくウソの報告をギルドに上げているのだろう。
それにしてもなんで俺がギルマスに呼ばれるんだろうか?
しばらくギルド内を歩くと、【執務室】という看板がぶら下がっている部屋の前に付いた。
おそらくここがギルマスの執務室なのだろうか。
コンコンコン
「マスター。件の冒険者を連れてまいりました。」
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