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第2章 これから始まる共同生活
二十日目⑥ さらなるレシピと魔石(極小)
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「つ、疲れた……」
「ほんとね……。まさかシュミット公爵にお会いするとは思わなかったもの……」
冒険者ギルドでシュミット公爵閣下と会談を済ませた俺たちは、ほとんどの気力を持っていかれたらしい。
併設された酒場で果実水をもらい、一息つくことにした。
そして座ったとたん漏れた言葉がこれである。
まあ、結果的には会って正解だったんだけど、さすがに貴族に会うのは緊張した。
ギルマスも閣下が帰った後、ソファーに勢いよく座り込んでいたから同じようなものかもしれないな。
帰り際に睨まれたけど、気にしたら負けだと思ってスルーした。
クエストボードに目を向けると、ほとんど残っておらず、すっからかんになっていた。
そして今日は依頼を受けるか、ダンジョンへ向かうはずだった。
しかし、どうもその気になれなかった。
それだけ疲れ切ったみたいだ。
「なあエルダ……今日はもう依頼もないし、帰らない?」
「賛成。この状態でダンジョンに行っても、いらないケガをするのが目に見えるものね。」
相談した結果、今日は休息日へと当てることとした。
エルダは夕食の買い出しがあるといい、商店街へと向かっていった。
俺はというと、特に何かすることが決まっていなかったりする。
「あ、そういえばまだ作ってないレシピあったっけ。うん、ちょうどいいしそれをするかな。」
俺は飲み残した果実水を一気に飲み干して、ギルド会館を後にした。
自宅へ戻った俺は、さっそくアイテム作成に取り掛かった。
作るものは『蒸留水』なるものだ。
実はこれを作ろうと思ったのには訳があった。
それは、普段使っている水を何の気なしに再鑑定したときの事だった。
水:汲んできた水。汲んだ場所によっては病気が発生する場合あり。
そう、スキルレベルが上がったことによりさらに情報が追加されていたのだ。
しかも、病気の可能性ありって……
赤痢とか寄生虫の可能性だって無きにしも非ずだった。
なので、この蒸留水はおそらくそういった危険性が排除された水に違いない(思い込み)
たららったったったった
たららったったったった
本日の食材はこちら
水
本日の料理名が
蒸留水
ではさっそく作ってみましょう!!
……
…………
………………
石釜戸には前回作成した銅鍋も設置してある。
これで作成が可能なはず。
「蒸留水」
石釜戸のそばに置いた汲み置いた小壺の中の水が、見る間に消えていった。
石釜戸を確認すると、すでに制作が開始されていた。
『蒸留水作成中。残り時間1:00。予約枠1/5』
なるほど。
小壺には大体1リットルくらい入っていたから、一回1リットルってところかもしれない。
1リットル1分で蒸留するって大分すごいことだと思う。
ってかこれ蒸留じゃなくて煮沸じゃね?って言うのは気にしたら負けなんだろうか……
いろいろ考えているうちに蒸留水が出来上がった。
でもよくよく考えるとすごいよな、この出来上がった蒸留水ってどこに溜まってるんだ?
アイテム枠みたいなものがあるけど、そこにどうやって収納されているんだろうか。
考えても無駄だとは思うけど、つい考えたくなるよね。
出来上がった蒸留水を新しい小壺に移し替えて鑑定をしてみた。
スキル【鑑定】
蒸留水:中間素材。綺麗な水。赤痢等の病気にならない。料理に使用すると品質が良くなる。
マジですか⁈
料理の品質アップだと?!
エルダに使ってもらったら、これまでのよりおいしい料理になるのか?!
これは一大事だ!!
大量生産せねば!!
ピコン
『スキル:DIYのレシピが増えました。』
この忙しいときになんだよもう!!
とりあえず蒸留水を作らせてくれ!!
俺はありったけの水を次々と蒸留水に変えていった。
気が付いたら大甕の水をすべて蒸留水に変えてしまっていた。
うん、やりすぎた。
まあ、使うだろうから問題はない!!はず……
ごめんエルダ。
そういえばレシピが増えたって出てたな。
——————
技能 :DIY レベル2……低級アイテムの作成
▼素材(NEW)
ガラス(NEW)……砂でガラスを作成。中間素材。SP:1
▼設備(NEW)
ガラス炉(NEW)……レンガ+魔石(極小)で作成。ガラスの溶解および形成設備。SP:20
——————
ってかこの必要数分からないのやめない?
頼むからわかるようにしてよ……
ピコン
『機能が追加されました……(ちっ)』
え?舌打ちした?
システムが舌打ちしたよね⁈
お、俺の気のせいじゃないよね?
まあいいか……とりあえず確認は後にしてっと。
それにしても、今度はガラス職人にでも成れと?
つか、なんで蒸留水作っただけでガラス作成に派生するんだよ。さすがに意味が分からない。
それよりもだ……
またもや魔石(極小)かよ。
またあれだろ?動かすのに燃料で魔石(極小)使うとかでしょ?
はいはいわかりましたよ。とってきますよ。
”エルダへ。魔石(極小)を回収しに東の森へ行ってきます。夕方には戻ります。あと、水瓶の水はすべて蒸留水です。”
これで良し。リビングに書置きをしておけば問題ないだろう。
というわけで一路東の森へと向かう俺なのであった。
「ほんとね……。まさかシュミット公爵にお会いするとは思わなかったもの……」
冒険者ギルドでシュミット公爵閣下と会談を済ませた俺たちは、ほとんどの気力を持っていかれたらしい。
併設された酒場で果実水をもらい、一息つくことにした。
そして座ったとたん漏れた言葉がこれである。
まあ、結果的には会って正解だったんだけど、さすがに貴族に会うのは緊張した。
ギルマスも閣下が帰った後、ソファーに勢いよく座り込んでいたから同じようなものかもしれないな。
帰り際に睨まれたけど、気にしたら負けだと思ってスルーした。
クエストボードに目を向けると、ほとんど残っておらず、すっからかんになっていた。
そして今日は依頼を受けるか、ダンジョンへ向かうはずだった。
しかし、どうもその気になれなかった。
それだけ疲れ切ったみたいだ。
「なあエルダ……今日はもう依頼もないし、帰らない?」
「賛成。この状態でダンジョンに行っても、いらないケガをするのが目に見えるものね。」
相談した結果、今日は休息日へと当てることとした。
エルダは夕食の買い出しがあるといい、商店街へと向かっていった。
俺はというと、特に何かすることが決まっていなかったりする。
「あ、そういえばまだ作ってないレシピあったっけ。うん、ちょうどいいしそれをするかな。」
俺は飲み残した果実水を一気に飲み干して、ギルド会館を後にした。
自宅へ戻った俺は、さっそくアイテム作成に取り掛かった。
作るものは『蒸留水』なるものだ。
実はこれを作ろうと思ったのには訳があった。
それは、普段使っている水を何の気なしに再鑑定したときの事だった。
水:汲んできた水。汲んだ場所によっては病気が発生する場合あり。
そう、スキルレベルが上がったことによりさらに情報が追加されていたのだ。
しかも、病気の可能性ありって……
赤痢とか寄生虫の可能性だって無きにしも非ずだった。
なので、この蒸留水はおそらくそういった危険性が排除された水に違いない(思い込み)
たららったったったった
たららったったったった
本日の食材はこちら
水
本日の料理名が
蒸留水
ではさっそく作ってみましょう!!
……
…………
………………
石釜戸には前回作成した銅鍋も設置してある。
これで作成が可能なはず。
「蒸留水」
石釜戸のそばに置いた汲み置いた小壺の中の水が、見る間に消えていった。
石釜戸を確認すると、すでに制作が開始されていた。
『蒸留水作成中。残り時間1:00。予約枠1/5』
なるほど。
小壺には大体1リットルくらい入っていたから、一回1リットルってところかもしれない。
1リットル1分で蒸留するって大分すごいことだと思う。
ってかこれ蒸留じゃなくて煮沸じゃね?って言うのは気にしたら負けなんだろうか……
いろいろ考えているうちに蒸留水が出来上がった。
でもよくよく考えるとすごいよな、この出来上がった蒸留水ってどこに溜まってるんだ?
アイテム枠みたいなものがあるけど、そこにどうやって収納されているんだろうか。
考えても無駄だとは思うけど、つい考えたくなるよね。
出来上がった蒸留水を新しい小壺に移し替えて鑑定をしてみた。
スキル【鑑定】
蒸留水:中間素材。綺麗な水。赤痢等の病気にならない。料理に使用すると品質が良くなる。
マジですか⁈
料理の品質アップだと?!
エルダに使ってもらったら、これまでのよりおいしい料理になるのか?!
これは一大事だ!!
大量生産せねば!!
ピコン
『スキル:DIYのレシピが増えました。』
この忙しいときになんだよもう!!
とりあえず蒸留水を作らせてくれ!!
俺はありったけの水を次々と蒸留水に変えていった。
気が付いたら大甕の水をすべて蒸留水に変えてしまっていた。
うん、やりすぎた。
まあ、使うだろうから問題はない!!はず……
ごめんエルダ。
そういえばレシピが増えたって出てたな。
——————
技能 :DIY レベル2……低級アイテムの作成
▼素材(NEW)
ガラス(NEW)……砂でガラスを作成。中間素材。SP:1
▼設備(NEW)
ガラス炉(NEW)……レンガ+魔石(極小)で作成。ガラスの溶解および形成設備。SP:20
——————
ってかこの必要数分からないのやめない?
頼むからわかるようにしてよ……
ピコン
『機能が追加されました……(ちっ)』
え?舌打ちした?
システムが舌打ちしたよね⁈
お、俺の気のせいじゃないよね?
まあいいか……とりあえず確認は後にしてっと。
それにしても、今度はガラス職人にでも成れと?
つか、なんで蒸留水作っただけでガラス作成に派生するんだよ。さすがに意味が分からない。
それよりもだ……
またもや魔石(極小)かよ。
またあれだろ?動かすのに燃料で魔石(極小)使うとかでしょ?
はいはいわかりましたよ。とってきますよ。
”エルダへ。魔石(極小)を回収しに東の森へ行ってきます。夕方には戻ります。あと、水瓶の水はすべて蒸留水です。”
これで良し。リビングに書置きをしておけば問題ないだろう。
というわけで一路東の森へと向かう俺なのであった。
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