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第2章 これから始まる共同生活
二十日目⑦ 逃げること叶わず……
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東の森へ着いた俺は、ひたすらゴブリンを狩りまくった。
それはもう周りが見えないんじゃないかってくらい狩りまくった。
狩って狩って狩りまくった。
そしてある時気が付いたんだ……
あれ?多すぎないか?
すでに討伐数は15匹を超えていた。
魔石(極小)は10個ほど集まったので大分嬉しいんだけど、さすがにこれはおかしい。
もしかして……
またもや異常繁殖では?
これはギルド報告案件か……
まだ狩りしたかったんだけどなぁ~
仕方がない、これも冒険者の義務だ。
今日はこれで引き上げて冒険者ギルドに行くとしよう。
そう、それが甘かった。
ただ帰るだけのはずだったんだが……
目の前に木の柵で覆われた集落を見つけた。
念の為確認した方がよさげだな。
俺はその木の柵に覆われた集落が一望できそうな高台を探して、身を潜めた。
『職業:なんでも屋の起動を確認しました。職業:狩人(なんでも屋)へ一時変更します。』
スキル【ホークアイ】
うん、これならよく見える。
出入り口にはゴブリンが2匹立っていて、歩哨をしているようだった。
他にも周囲を警戒しながらうろつくゴブリンや、何かの狩りの帰りか、獲物を捌いているゴブリンもいる。
間違いなくゴブリンの集落だな。
その集落にはいろいろな設備が建っていた。
物見櫓も四方に配置され、監視体制もばっちりだった。
しかもだ、物見櫓の上にはおそらく弓を装備したゴブリンが見えた。
中心部分にはひと際大きな建物も見える……
まさに村長の家って感じだった。
これはまじめにやばい状況だな。
報告は迅速にっと。
あらかた偵察を終えた俺は、急ぎ街へと引き返した。
冒険者ギルドへ戻ると、すでに人でごった返していた。
俺は報告の為キャサリンさんのもとへと向かった。
「すいません。東の森でおそらくゴブリンの集落と思われるものを発見しました。」
「本当ですか?!ギルマス!!ギルマス!!カイト君がまたやらかしました!!」
「何事だ!?カイト!!またお前か!?」
何このくだり……
意味が分からん。
「俺は何もやってないからな?それよりおそらくゴブリンの集落と思われるものを発見したんだけど……」
「正確な場所はわかるか?」
俺は地図を広げてもらい、おおよその位置をギルマスに伝えた。
ギルマスは他にも異常繁殖らしき情報を得ていたらしく、その情報も地図に書き込んでいた。
「よし、これで場所も決まりだ。」
ギルマスはそう言うとおもむろにカウンターの上に立ち上り、でかい声を張り上げた。
「おいお前ら!!ボーナスタイムだ!!ゴブリン狩りの緊急依頼だ!!そして聞いて驚け!!おそらくジェネラルクラスがいるぞ!!Dクラスは集落周辺のゴブリン討伐!!Cクラスはホブゴブリンおよびハイゴブリンの討伐。魔法師・遠距離攻撃職は櫓等の施設破壊!!最後B以上はジェネラルクラスの討伐だ!!」
ギルマスの声に一気に活気づくギルド内。
しかしどうしてこんなに集まってたんだ?
「すいません、どうしてこんなに冒険者が集まってたんですか?」
「それはですね、昼過ぎくらいからゴブリンの遭遇率が急激に上昇してきたので、帰還してきた冒険者が多数おりました。それで異常繁殖も考えられたので、探索系の冒険者に緊急依頼で調査を頼んだところ、異常繁殖の可能性が濃厚になってきたってわけ。それで、追加調査中にカイト君から集落場所の特定情報が来たってわけよ。」
なるほど、運が良いのか悪いのか……
俺は帰ってクラフトをしたいんだ……
だけど、Dクラス以上は緊急クエストの拒否権が無かったりする。
そして、ギルマスは緊急クエストとして宣言してしまった。
つまり逃げ出せないということだった。
「よしお前ら!!今から30分後東門外部に集合しろ!!おそらく討伐完了は明日以降になる。野営準備を怠るな!!物資はギルドから配給はするが、質はこだわるんじゃねぇぞ。高品質を欲しいなら自己調達になるからな!!ちなみに、基本報酬は銀貨5枚だ!!追加報酬が欲しけりゃ死にもの狂いで狩り倒せ!!わかったか野郎ども!!」
ギルマスの宣言を皮切りに、一気に冒険者たちは行動を開始した。
初めての緊急クエストの為何が何だかわからなかった俺は、タダその場に立ち尽くしてしまった。
冒険者のいなくなった冒険者ギルド会館はなぜだか寂しかった。
しばらくすると、ため息をつきながら近づいてくる影が見えた。
エルダだ。
「やっぱりこうなってるわよね。ほら行くわよ?あなたもDランクなんだから強制参加よ。今回は私がバディで側にいるから、気楽にゴブリン狩りをしましょう。」
話を聞くと、エルダはCランクで魔法師の為本来は櫓の破壊工作が依頼内容になるはずだった。
しかし、俺とパーティーを組んでいるため今回はDランクパーティーとして扱われるそうだ。
なので、集落および周辺のゴブリン討伐がメインとなる。
特に準備らしい準備はいらないそうなので、俺たちはそのまま東門へと移動した。
しかしあれだね、俺的にはクラフトしたかっただけなのにな……
それはもう周りが見えないんじゃないかってくらい狩りまくった。
狩って狩って狩りまくった。
そしてある時気が付いたんだ……
あれ?多すぎないか?
すでに討伐数は15匹を超えていた。
魔石(極小)は10個ほど集まったので大分嬉しいんだけど、さすがにこれはおかしい。
もしかして……
またもや異常繁殖では?
これはギルド報告案件か……
まだ狩りしたかったんだけどなぁ~
仕方がない、これも冒険者の義務だ。
今日はこれで引き上げて冒険者ギルドに行くとしよう。
そう、それが甘かった。
ただ帰るだけのはずだったんだが……
目の前に木の柵で覆われた集落を見つけた。
念の為確認した方がよさげだな。
俺はその木の柵に覆われた集落が一望できそうな高台を探して、身を潜めた。
『職業:なんでも屋の起動を確認しました。職業:狩人(なんでも屋)へ一時変更します。』
スキル【ホークアイ】
うん、これならよく見える。
出入り口にはゴブリンが2匹立っていて、歩哨をしているようだった。
他にも周囲を警戒しながらうろつくゴブリンや、何かの狩りの帰りか、獲物を捌いているゴブリンもいる。
間違いなくゴブリンの集落だな。
その集落にはいろいろな設備が建っていた。
物見櫓も四方に配置され、監視体制もばっちりだった。
しかもだ、物見櫓の上にはおそらく弓を装備したゴブリンが見えた。
中心部分にはひと際大きな建物も見える……
まさに村長の家って感じだった。
これはまじめにやばい状況だな。
報告は迅速にっと。
あらかた偵察を終えた俺は、急ぎ街へと引き返した。
冒険者ギルドへ戻ると、すでに人でごった返していた。
俺は報告の為キャサリンさんのもとへと向かった。
「すいません。東の森でおそらくゴブリンの集落と思われるものを発見しました。」
「本当ですか?!ギルマス!!ギルマス!!カイト君がまたやらかしました!!」
「何事だ!?カイト!!またお前か!?」
何このくだり……
意味が分からん。
「俺は何もやってないからな?それよりおそらくゴブリンの集落と思われるものを発見したんだけど……」
「正確な場所はわかるか?」
俺は地図を広げてもらい、おおよその位置をギルマスに伝えた。
ギルマスは他にも異常繁殖らしき情報を得ていたらしく、その情報も地図に書き込んでいた。
「よし、これで場所も決まりだ。」
ギルマスはそう言うとおもむろにカウンターの上に立ち上り、でかい声を張り上げた。
「おいお前ら!!ボーナスタイムだ!!ゴブリン狩りの緊急依頼だ!!そして聞いて驚け!!おそらくジェネラルクラスがいるぞ!!Dクラスは集落周辺のゴブリン討伐!!Cクラスはホブゴブリンおよびハイゴブリンの討伐。魔法師・遠距離攻撃職は櫓等の施設破壊!!最後B以上はジェネラルクラスの討伐だ!!」
ギルマスの声に一気に活気づくギルド内。
しかしどうしてこんなに集まってたんだ?
「すいません、どうしてこんなに冒険者が集まってたんですか?」
「それはですね、昼過ぎくらいからゴブリンの遭遇率が急激に上昇してきたので、帰還してきた冒険者が多数おりました。それで異常繁殖も考えられたので、探索系の冒険者に緊急依頼で調査を頼んだところ、異常繁殖の可能性が濃厚になってきたってわけ。それで、追加調査中にカイト君から集落場所の特定情報が来たってわけよ。」
なるほど、運が良いのか悪いのか……
俺は帰ってクラフトをしたいんだ……
だけど、Dクラス以上は緊急クエストの拒否権が無かったりする。
そして、ギルマスは緊急クエストとして宣言してしまった。
つまり逃げ出せないということだった。
「よしお前ら!!今から30分後東門外部に集合しろ!!おそらく討伐完了は明日以降になる。野営準備を怠るな!!物資はギルドから配給はするが、質はこだわるんじゃねぇぞ。高品質を欲しいなら自己調達になるからな!!ちなみに、基本報酬は銀貨5枚だ!!追加報酬が欲しけりゃ死にもの狂いで狩り倒せ!!わかったか野郎ども!!」
ギルマスの宣言を皮切りに、一気に冒険者たちは行動を開始した。
初めての緊急クエストの為何が何だかわからなかった俺は、タダその場に立ち尽くしてしまった。
冒険者のいなくなった冒険者ギルド会館はなぜだか寂しかった。
しばらくすると、ため息をつきながら近づいてくる影が見えた。
エルダだ。
「やっぱりこうなってるわよね。ほら行くわよ?あなたもDランクなんだから強制参加よ。今回は私がバディで側にいるから、気楽にゴブリン狩りをしましょう。」
話を聞くと、エルダはCランクで魔法師の為本来は櫓の破壊工作が依頼内容になるはずだった。
しかし、俺とパーティーを組んでいるため今回はDランクパーティーとして扱われるそうだ。
なので、集落および周辺のゴブリン討伐がメインとなる。
特に準備らしい準備はいらないそうなので、俺たちはそのまま東門へと移動した。
しかしあれだね、俺的にはクラフトしたかっただけなのにな……
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