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第2章 これから始まる共同生活
二十三日目⑥ 癖って怖い
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で、結局出来上がったのは……
回復ポーション(低)7本と解毒ポーション(低)5本だった。
それにしても製薬って普通に失敗しそうなものだけど、今まで失敗したことがないな。
これもご都合主義様のお仕事の成果なのだろうか。
まあ俺としては助かるんだけどね。
とりあえずエルダに見せてみて、使えそうだったらもう少し量産してもいいかもしれない。
俺は制作物をエルダに確認してもらうためダイニングにやってきた。
するとキッチンからトントントンと小気味良い音が聞こえてきた。
エルダはちょうど夕食の準備を始めていたみたいだ。
「エルダ今大丈夫?ちょっと見てほしいものがあるんだけど。」
「カイト……またおかしなモノ作ってないわよね?」
失礼な。
俺はいつも至って真面目に制作してるんだけどな。
……大丈夫だよね?
「それはない……はず。実用性ばっちりなものだから。とりあえずこれを見て。」
俺は出来立てほやほやな回復ポーション(低)と解毒ポーション(低)を取り出してテーブルの上に並べる。
「カイト……これ……どうしたの……?」
「え?今作ってきたんだけど?」
それを見たエルダはまた硬直していた。
あれ?おかしいな?喜んでくれると思ったんだけど……
あれかな?嬉しすぎて思考停止したとか?
するとエルダが呆れながらプルプルと震えだした……
「カイト……今すぐ出かけるわよ!!」
エルダさんがなぜか激おこぷんぷん丸です。
何故でしょうか?
良いものできたと思ったんだけどなぁ~
「キャサリンさん!!今すぐにギルマスと面会を!!カイト案件です!!」
「カイト案件ね?すぐ対応するわ。誰かカウンターをお願い。それとすぐにギルマスに伝えて。カイト案件だって!!」
エルダに腕を掴まれ引きずられるように冒険者ギルドへ到着すると、すぐさまギルマスの執務室へ連行されてしまった。
しかも、キャサリンさんの手際の良さったら素晴らしいものがあった。
俺が逃げられれないように前後左右を固める徹底ぶり。
俺が何したのさ。
って、それよりもカイト案件って何!?
「ギルマス、とりあえずこれを……」
エルダは到着するなり、俺制のポーション2本をギルマスに見せていた。
二人だけの秘密的なノリにしたかったのに。
「これは……店売りじゃねぇ~んだよな。そんなの持ってくるわきゃねぇ~わな。で、カイトを引き摺ってきたってことはそういうことで良いのかい?」
「はい。間違いなくカイト作だと思います。で、どうしましょうか?」
「薬師ギルド一択に決まってるだろうが。おいカイト、俺と一緒に薬師ギルドまで行くぞ。」
どうやら俺に拒否権は無いようだ。
ギルマスに引きずられながら今度は薬師ギルドにやってきた。
引きずられるならエルダの方かよかった。
薬師ギルドのギルマスの執務室に入ると、さっそく件のポーションの鑑定に入った。
品質はもちろん(低)。
レシピ内容も聞かれたので、伝えた。
どうやら、使っている内容は薬師・錬金術師と同じものだった。
しかし、その場合ふつうはポーション(並)になるそうだ。
おそらく、これが俺のスキルの欠点なんだと思う。
なんでも作れるようになるが、本職にはかなわない。
きっと、ワンランク下の製品が出来上がるんだと思う。
ただ、品質は低いものの実用性については問題ないレベルだってことだった。
とりあえず、明日のギルド間定例会議までは他言無用ということになった。
冒険者ギルドへ移動すると、ほかに何か隠していることはないか問い詰められた。
ギルマスもそうだけど、何故かエルダも必死だった。
あまりにも圧が強すぎてつい、スキルレベルが上がったことをばらしてしまった。
そして、増えたレシピについても話してしまった。
「おいおい、鍛冶屋に薬師・錬金術師。しまいにゃ魔道具師かよ。ほんとお前さんは見境がねぇな~。国もまさかこんなことになるとは思ってもみなかっただろうよ。魔術師団長の判断は正解だったわけだ。」
「そのようですね。もしこれが国にばれたら一発で拉致確定ですね。」
エルダさんや、めっちゃ怖いこと言ってますけど⁉
どうやら、俺が思っている以上に深刻な状況らしい。
エルダとギルマスの表情がとても怖い……
俺はただ、ひっそりとゆったりと地味~に、誰にも邪魔されずに生きていきたいだけなんだけどなぁ~
あ、後輩を探しに行かないといけないから、スローライフはその後になるかな?
そうすると、ギルドのランク上げないといけないな。
そうすると、ダンジョン制圧とかで貢献度を上げる。
となると、装備が必要。
で、素材集めのための冒険。
あれ?意外と忙しい?
しかも、新しい素材見つけるとレシピが増えるっぽいし。
それと職業もまた確認作業が必要だし……どうしたものかな。
あれ?二人が何だか俺を見つめているような…
あ、二人で同時にため息をついた。
まさ…か……
「カイト、本当にあなたのその癖は直さないといけないわね。本音が駄々洩れよ。」
「エルダから聞いてたが……お前さんウソが付けなさそうだな……」
やめて二人とも!!
俺を哀れな目で見つめないで。
心が折れそうです……
で、結局二人には俺の秘密(?)がばれてしまったようだ。
回復ポーション(低)7本と解毒ポーション(低)5本だった。
それにしても製薬って普通に失敗しそうなものだけど、今まで失敗したことがないな。
これもご都合主義様のお仕事の成果なのだろうか。
まあ俺としては助かるんだけどね。
とりあえずエルダに見せてみて、使えそうだったらもう少し量産してもいいかもしれない。
俺は制作物をエルダに確認してもらうためダイニングにやってきた。
するとキッチンからトントントンと小気味良い音が聞こえてきた。
エルダはちょうど夕食の準備を始めていたみたいだ。
「エルダ今大丈夫?ちょっと見てほしいものがあるんだけど。」
「カイト……またおかしなモノ作ってないわよね?」
失礼な。
俺はいつも至って真面目に制作してるんだけどな。
……大丈夫だよね?
「それはない……はず。実用性ばっちりなものだから。とりあえずこれを見て。」
俺は出来立てほやほやな回復ポーション(低)と解毒ポーション(低)を取り出してテーブルの上に並べる。
「カイト……これ……どうしたの……?」
「え?今作ってきたんだけど?」
それを見たエルダはまた硬直していた。
あれ?おかしいな?喜んでくれると思ったんだけど……
あれかな?嬉しすぎて思考停止したとか?
するとエルダが呆れながらプルプルと震えだした……
「カイト……今すぐ出かけるわよ!!」
エルダさんがなぜか激おこぷんぷん丸です。
何故でしょうか?
良いものできたと思ったんだけどなぁ~
「キャサリンさん!!今すぐにギルマスと面会を!!カイト案件です!!」
「カイト案件ね?すぐ対応するわ。誰かカウンターをお願い。それとすぐにギルマスに伝えて。カイト案件だって!!」
エルダに腕を掴まれ引きずられるように冒険者ギルドへ到着すると、すぐさまギルマスの執務室へ連行されてしまった。
しかも、キャサリンさんの手際の良さったら素晴らしいものがあった。
俺が逃げられれないように前後左右を固める徹底ぶり。
俺が何したのさ。
って、それよりもカイト案件って何!?
「ギルマス、とりあえずこれを……」
エルダは到着するなり、俺制のポーション2本をギルマスに見せていた。
二人だけの秘密的なノリにしたかったのに。
「これは……店売りじゃねぇ~んだよな。そんなの持ってくるわきゃねぇ~わな。で、カイトを引き摺ってきたってことはそういうことで良いのかい?」
「はい。間違いなくカイト作だと思います。で、どうしましょうか?」
「薬師ギルド一択に決まってるだろうが。おいカイト、俺と一緒に薬師ギルドまで行くぞ。」
どうやら俺に拒否権は無いようだ。
ギルマスに引きずられながら今度は薬師ギルドにやってきた。
引きずられるならエルダの方かよかった。
薬師ギルドのギルマスの執務室に入ると、さっそく件のポーションの鑑定に入った。
品質はもちろん(低)。
レシピ内容も聞かれたので、伝えた。
どうやら、使っている内容は薬師・錬金術師と同じものだった。
しかし、その場合ふつうはポーション(並)になるそうだ。
おそらく、これが俺のスキルの欠点なんだと思う。
なんでも作れるようになるが、本職にはかなわない。
きっと、ワンランク下の製品が出来上がるんだと思う。
ただ、品質は低いものの実用性については問題ないレベルだってことだった。
とりあえず、明日のギルド間定例会議までは他言無用ということになった。
冒険者ギルドへ移動すると、ほかに何か隠していることはないか問い詰められた。
ギルマスもそうだけど、何故かエルダも必死だった。
あまりにも圧が強すぎてつい、スキルレベルが上がったことをばらしてしまった。
そして、増えたレシピについても話してしまった。
「おいおい、鍛冶屋に薬師・錬金術師。しまいにゃ魔道具師かよ。ほんとお前さんは見境がねぇな~。国もまさかこんなことになるとは思ってもみなかっただろうよ。魔術師団長の判断は正解だったわけだ。」
「そのようですね。もしこれが国にばれたら一発で拉致確定ですね。」
エルダさんや、めっちゃ怖いこと言ってますけど⁉
どうやら、俺が思っている以上に深刻な状況らしい。
エルダとギルマスの表情がとても怖い……
俺はただ、ひっそりとゆったりと地味~に、誰にも邪魔されずに生きていきたいだけなんだけどなぁ~
あ、後輩を探しに行かないといけないから、スローライフはその後になるかな?
そうすると、ギルドのランク上げないといけないな。
そうすると、ダンジョン制圧とかで貢献度を上げる。
となると、装備が必要。
で、素材集めのための冒険。
あれ?意外と忙しい?
しかも、新しい素材見つけるとレシピが増えるっぽいし。
それと職業もまた確認作業が必要だし……どうしたものかな。
あれ?二人が何だか俺を見つめているような…
あ、二人で同時にため息をついた。
まさ…か……
「カイト、本当にあなたのその癖は直さないといけないわね。本音が駄々洩れよ。」
「エルダから聞いてたが……お前さんウソが付けなさそうだな……」
やめて二人とも!!
俺を哀れな目で見つめないで。
心が折れそうです……
で、結局二人には俺の秘密(?)がばれてしまったようだ。
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