勇者じゃないと追放された最強職【なんでも屋】は、スキル【DIY】で異世界を無双します

華音 楓

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第4章 ここから始まる勇者様?

四十三日目⑤ 君たちの名は……

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 レティシアと七人の小人たちが俺の目の前に居るんだけど、どうしたもんかな。
 七人の小人たちはこの家を壊してほしくないために、抗議をしていたらしい。
 そのために俺たちにバッドステータスを与えて、仲間割れまたはこの家から追い出しを図ろうとしたみたいだ。

 小人たちはレティシアにものすごく注意をされ、今はおとなしく床で正座をしていた。

 ってこの世界でも正座で反省ってあるんだな?

「あら?カイト。正座で反省は割とポピュラーよ?勇者様がラッキースケベ?をしたときに必ず賢者様に反省の意味を込めて座らされたそうよ?」

 おっと、ここでも昔の勇者様。
 あなたもテンプレ祭りで生きていたんですね。
 つか、賢者様との関係までテンプレじゃないかよ……
 これで幼馴染の恋人同士とかまじで勘弁してくれよ。
 さすがに口から砂糖がこぼれ出てきそうだ。

「って、なんでエルダはそんな説明をしてくれたの?」
「だって、ものすごく驚いていたから、何か知りたいのかなって思っただけよ?」
「そ、そうか。」

 なんだかエルダに見透かされてる感がして気恥ずかしいな。

「見てよポール。あの二人良い感じよね?」
「デイジー、あまり大きな声で言うものじゃない。二人が意識してしまったらどうする気だ?」

 聞こえてますからね二人とも。
 ほら見てみろエルダなんて顔真っ赤じゃないか。
 マジでやめてくれ……
 おいデイジー、その辺のおっさんみたいなニヤケタ顔でこっちを見るな。
 まったく……今はそんな場合じゃないだろうに。

「で、君たちはどうしたいんだ?この家は建て直しは確定なんだけど。」

 俺は小人たちに現状の計画を伝えた。
 移築できる部分は移築する予定だったし、全部作り替えずに雰囲気を残したままにするつもりだ。

 計画を聞き終えた小人たちは、怒られているのを忘れて小躍りを始めた。
 それは何とも言えない愛らしい舞で、見てるこっちがほっこりしてくる。

『じゃあ、俺たちは出ていかなくていいんだな?』
『本当にいちゃん?』
『あらあら、よかったわね~』

 緑が出ていかなくていいのを確認すると黄色が緑の顔色を窺っていた。
 紫がのほほんと……

 ってめんどくさいわ!!
 さっきから名前が無くて不便すぎる!!

「君たち名前は?」

『ふぉっふぉっふぉ。儂らには名など無い。なくとも生きてこれたし、これからも生きてゆけるからのぁ~。』
「それだとこっちが困るんだよ!!……なぁ、レティシア。こいつらに名前って本当にないのか?」

 俺は困り果てて、レティシアに助けを求めた。
 しかし帰ってきた言葉にやはり落胆してしまう。

『名前が無くても困りませんからねぇ~。そうだご主人様。ご主人様が付けてください。そうしたらこの子達も喜ぶはずです。』

 名付け親になれと?
 その辺で拾った犬猫でもあるまいし、いきなり名付けしろって言われてもなぁ~

 俺はそっと小人たちを見てみた……
 もうさ、キラッキラの目でこっちを見ているんだよ。
 楽しみで仕方ないって感じで。
 無いはずの犬の耳としっぽが見えるくらいに。
 これは付けないといけない流れだよな……

「わかった。わかったよ。その代わり少し時間をくれ。さすがに今すぐは無理だからな。」

 俺がそう言うと、小人たちが一気に落ち込んでしまった。
 しっぽがペタ~んってした感じ見て取れた。
 もうさ、俺が完全に悪者みたいな空気出さないでくれるかな?
 って、なんでエルダとデイジーまでジト目でこっちを見てくるんだよ。
 今すぐ決めなさいって空気出さないでもらえます?!

「エルダ達も手伝ってよ。さすがに七人決めるの無理だからな。」

 俺はエルダ達にも名前の候補を出してもらおうと考えた。
 考えたのが間違いだったと本気で思ってしまった。

「えぇ~じゃあ、ポチまる?」
「デイジー、それじゃああまりじゃないの?フランソワシフォンヌとかの方がいいんじゃない?」

 もう、二人はあきらめよう。
 あとはポールが最後の頼みの綱だ。

「俺に期待を向けないでくれ。こういうのは苦手なんだ。」
「いいからいいから。あくまでもあんなんだし。な?」
「そうか……」

 そう言うとポールは顎に手を当て、思考の海に潜り始めた。
 俺もさすがにポールにまかせっきりとはいかないので、頑張って考えてみた。

「よし、赤丸・青丸・きま……」
「「『却下!!』」」

 何だろうな、みんなに全力で否定されたんだけど……

「お待たせ。」

 ようやくポールが思考の海から浮上してきた。
 デイジーに紙とペンを貰って何やら書き始めた。
 一枚一枚に何かを書き込むと、俺に手渡してきた。
 そしてその紙を見て、ポールの新しい一面を垣間見たのだった。

・赤……ヒイロ
・青……テツコン
・茶……ギンスズ
・桜……サクラ
・黄……ハバナ
・緑……ワカタケ
・紫……キキョウ

 そう書かれていたのだ。

 俺はそれを見て、なんでポールが色の和名を知っているのか気になったが、考えるのをやめた。
 どうせ勇者様案件に違いないからだ。
 デイジーやエルダにも見せたが、納得してくれたのでこれにすることにした。
 俺はその色の小人たちに一枚一枚紙を渡していく。
 それを貰った小人たちは、一様にキョトンとした顔で俺をみつめていた。

「それが今日からの君たちの名前だ。」

 そして俺は「名付け」を甘く見ていたのだった……
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