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極道たちのクリスマスパーティー
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そうして皆に見守られる中、入刀よろしくケーキが切り分けられると、真田が手際良く皿へと盛り付けゲストたちに配っていく。二種類のケーキが乗った皿が全員に行き渡った頃、周と鐘崎がテーブルの下から華やかな包装紙に包まれたプレゼントを取り出して冰と紫月の前へと差し出した。
「おわ! 何なに? もしかサプライズってやつ?」
「綺麗な包みー! これ、俺たちに?」
予期せぬギフトに紫月と冰は表情をほころばせる。
「これはケーキの礼だ」
「開けてみろ」
二人それぞれにクイと顎でしゃくって包みを指されて、嫁たちは早速にリボンを解いた。
「うへぇ……! 何これ! すげえ……」
「お皿……? ですよね?」
紫月と冰が手にしたギフトと互いの顔を見つめ合いながら目を丸くしている。それもそのはずだ。二人が開けた包みの中からは黄金と白金色に輝くケーキ用の皿が一枚ずつ出てきたからだ。
皿の端にはクリスマスベルとヒイラギの葉の彫金が施されていて、中央には森の中に二頭のトナカイが睦まじく佇んでいるという風景が微細なタッチで彫り込まれている。そのトナカイの首の部分には、それぞれ一際輝く二色の宝石が施されており、紫月も冰もしばし絶句といったようにポカンと大口を開けたまま立ち尽くしてしまったほどだった。
「俺ンは黒と紫のクリスタル……? つか、まさか本物の宝石……だったりして」
「こっちは赤と透明だ……」
「……ってことは、マジでまさかと思うけどこれ……」
「紫月のはブラックダイヤとアメジストだ」
「冰のはガーネットとダイヤモンド」
つまり、それぞれのカップルの名やイメージにちなんでの宝石というわけだ。
「ええーッ……!? マジでこれ、本物の宝石なのか? でもって……この皿の重さ! それこそまさかと思うけど、これって……」
「純金製だ。紫月のやつは見たままの金色だが――」
「冰のは色味を変えてもらってな。ホワイトゴールドというやつだそうだ」
鐘崎と周がごく当たり前のようにサラリとそう言えば、紫月も冰も面食らったようにして瞳をパチパチとさせてしまった。
「じゅ、純金の皿って……」
しかもダイヤだのアメジストだのと言っているが、当然の如く宝石までが本物というわけだろう。想像もしていなかったサプライズプレゼントに、喜ぶよりも先にいったい幾らくらいしたのだろうと邪な想像が湧いてしまいそうだ。
あんぐり顔のまま瞬きさえ忘れたといった調子でいる嫁たちに、鐘崎と周の旦那衆も満足げでいる。二人して喜ぶ顔が見たいと思ってはいたが、まさかこんなに驚いてくれるとは贈った甲斐があるというものだ。
「いわゆるクリスマスプレートというやつだ」
「例の宝飾店の支配人がな、無理を聞いてくれて今日のパーティーに間に合わせてくれたんだ」
「おわ! 何なに? もしかサプライズってやつ?」
「綺麗な包みー! これ、俺たちに?」
予期せぬギフトに紫月と冰は表情をほころばせる。
「これはケーキの礼だ」
「開けてみろ」
二人それぞれにクイと顎でしゃくって包みを指されて、嫁たちは早速にリボンを解いた。
「うへぇ……! 何これ! すげえ……」
「お皿……? ですよね?」
紫月と冰が手にしたギフトと互いの顔を見つめ合いながら目を丸くしている。それもそのはずだ。二人が開けた包みの中からは黄金と白金色に輝くケーキ用の皿が一枚ずつ出てきたからだ。
皿の端にはクリスマスベルとヒイラギの葉の彫金が施されていて、中央には森の中に二頭のトナカイが睦まじく佇んでいるという風景が微細なタッチで彫り込まれている。そのトナカイの首の部分には、それぞれ一際輝く二色の宝石が施されており、紫月も冰もしばし絶句といったようにポカンと大口を開けたまま立ち尽くしてしまったほどだった。
「俺ンは黒と紫のクリスタル……? つか、まさか本物の宝石……だったりして」
「こっちは赤と透明だ……」
「……ってことは、マジでまさかと思うけどこれ……」
「紫月のはブラックダイヤとアメジストだ」
「冰のはガーネットとダイヤモンド」
つまり、それぞれのカップルの名やイメージにちなんでの宝石というわけだ。
「ええーッ……!? マジでこれ、本物の宝石なのか? でもって……この皿の重さ! それこそまさかと思うけど、これって……」
「純金製だ。紫月のやつは見たままの金色だが――」
「冰のは色味を変えてもらってな。ホワイトゴールドというやつだそうだ」
鐘崎と周がごく当たり前のようにサラリとそう言えば、紫月も冰も面食らったようにして瞳をパチパチとさせてしまった。
「じゅ、純金の皿って……」
しかもダイヤだのアメジストだのと言っているが、当然の如く宝石までが本物というわけだろう。想像もしていなかったサプライズプレゼントに、喜ぶよりも先にいったい幾らくらいしたのだろうと邪な想像が湧いてしまいそうだ。
あんぐり顔のまま瞬きさえ忘れたといった調子でいる嫁たちに、鐘崎と周の旦那衆も満足げでいる。二人して喜ぶ顔が見たいと思ってはいたが、まさかこんなに驚いてくれるとは贈った甲斐があるというものだ。
「いわゆるクリスマスプレートというやつだ」
「例の宝飾店の支配人がな、無理を聞いてくれて今日のパーティーに間に合わせてくれたんだ」
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