極道恋事情

一園木蓮

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謀反

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 ロンの話では掘り出した鉱石は比較的入り口から近いところにある広い空洞に集められるとのことで、羅辰らがそこから荷運びを行なっているものと推測できた。
「ですが、掘り出した鉱物はつい先週に粗方運搬車が持って行っちまったんで、集積場には殆ど残っていねえはずですが」
 トラックに積まれた量から見ても、空洞にあった量と一致するという。なるほど鉱石が積まれているトラックを見ても、まだ満載には程遠く、思っていたより量が少ないことから、羅たちにとっては当てが外れたといったところなのか。
「しかしヤツらは何処へ行ったというんだ。誰一人見当たらないというのは変じゃねえか?」
「まさか鉱石の量が少なかったんで、他にも無いかどうか探して歩いてるんじゃあるまいな」
「勝手に坑道の中をうろついているとも考えられる……」
 だとすれば非常に危険だと言って、ロンは顔色を蒼くした。
「冗談じゃありませんぜ! ここの坑道は他所から比べりゃ平坦な造りではありますが、素人だけで奥へ入るのは危険過ぎる! しかもこのところの大雨で地盤が緩んでいるこんな時です。落盤で道が塞がることだってあるんだ!」
 ロンは落盤があった際に対応する為の機材なども装備すると、チームを率いて早速に探査へと乗り出す準備に取り掛かった。当然、冰や鐘崎ら同行する者たちにも手厚い装備品が貸し出される。
「姐さん、慣れねえとちょっと窮屈かと思いますが、安全の為です。辛抱なさってくだせえ」
 ロンは甲斐甲斐しく皆への装着を手伝うと、いよいよ坑道へと向かう。
「何かあればすぐに応援に駆け付ける。遼二、頼んだぞ!」
 父の僚一からそう託されて、鐘崎はしっかりとうなずいたのだった。
 坑道を少し進むと掘り出した鉱石が集められるという空洞が見えてきた。なるほど広い空間で、そこから表へと荷運びを行う台車などが散乱している。
「やはりこれを使って鉱石をトラックに積んだのは間違いないようッスね。しかし……手荒な扱いをしやがる」
 荷運びに使った台車や鉱石が入れられていた木箱などが方々に散らかっていて、泥や砂などで汚れたまま放置されている。普段使う大切な道具が雑に扱われていることに溜め息まじりで眉根を寄せているロンの様子にも鐘崎らは驚きを隠せなかった。きっと彼はこちらが思う以上にこの仕事に誇りを持っているのだろうことが窺えるからだ。
 変われば変わるものである。今の彼を見ていると、以前に自分たちの拉致を試みた輩とは思えないほどの変わりようである。これも冰への尊敬と、罪を犯した彼を赦してここでの仕事を与えた頭領・隼の処遇の賜であるとすれば、ほとほと感心せざるを得ない。そんな感慨に浸っていると、先に様子見に行かせていたチームの先導隊がロンの元へと戻って来た。
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