極道恋事情

一園木蓮

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謀反

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「ご主人たちが坑道に入ってから既に丸二日は経っています……。水や食糧くらいは持っていったとしても、中で迷っている可能性もある。この辺りは石灰岩で出来ている地層と重なっているので、奥へ行けば鍾乳洞のような箇所もあります。流水で削られた岩は鋭利な刃物も同然なんです! 万が一足を滑らせたりして怪我を負っていないとも限らねえ」
 ロンの判断でまずは一番平坦な道に捜索を絞るのが賢明だということになり、一同はもう少し奥へと進むことにした。
 十分ほど行くと、案の定か落盤に突き当たり、蒼白となった。
「クソ……ッ! やっぱりか。雨で緩んだ地盤が崩れてきやがった」
 岩肌には水が滴り落ちている箇所があり、空気も薄くなっているのかどんどん息苦しさが増してくる。
「仕方ねえ。まずはこの岩を取り除こう。ご主人たちがこの先に進んでいたとすればマジでやべえ!」
 ロンたちチームが一丸となって崩れた岩を取り除いていく。
 鐘崎らも手伝い、皆で作業を続けていると、小さな隙間が出来て、何とかその先の様子が窺えるようになった。
 穴から懐中電灯で照らしてみたが、光の届く範囲は狭く、人影は見当たらない。代わりに水の流れるゴウゴウという音だけが聞こえてきて、更に焦りが募った。
「やっぱり水かさが増していやがる! こいつぁ急がねえと!」
 ロンがチームに穴を広げさせていく中、冰は居ても立っても居られずに懇願した。
「ロンさん! この穴の大きさなら俺だったら何とか通れると思います! 先に行かせていただけないでしょうか!」
 なんと冰は一人でこの先へ行きたいと言うのだ。
「バカ言っちゃいけませんぜ! 姐さん一人でなんて危険過ぎる!」
「ですが白龍が……周が中に居るかも知れないんです! 一刻も早く助けないと……。彼は今、薬物を盛られていて、本来の思考能力が働かない状態なんです!」
 普段の彼なら自分の身を守るのに最善の行動を考えられるかも知れないが、あのDAを盛られた現状では自分の置かれている状況すら考えられずに、ただただ呆然としていることしかできないでいるだろう。以前同じ薬を盛られた際の鐘崎の様子からもそれは明らかだ。
 何も考えられないまま増水した河川に呑み込まれたとしても、本人はその事実さえ認識できないでいる可能性も高い。
 もしかしたら羅たち一味は危険を察知して逃げるかも知れないが、足手まといになりそうな周を置き去りにすることも十分考えられるのだ。
 そんな想像をすれば一分一秒でも早く助けに行きたいという冰の気持ちは理解できないでもない。
「分かりました。姐さん、俺が一緒に行きます!」
 ロンはチームに引き続き落盤を取り除くように指示すると、鐘崎らに対してもここに残って連絡を待ってくれるようにと伝えた。
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