【R18】ミスルトーの下で

Cleyera

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05 教えられる ※

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「シゲは、役職は知らんけど仏さんに仕える身だろ?」
「ん、そうっ」
「現代なら妻帯もできて子も残せるだろうが、本来ならこっちが主流だろうに、経験だけでなく知識もねえのか?」
「なんの話だ?」
「男同士でヤる最後は、菊門に陰茎を突っ込むって相場が決まってんだよ。
 小坊主が坊主に徳を積まれてで辛い、みてぇな俳句も残ってんのに知らねえの?」

 呆然とジョーの言葉を受け止め、無意識に起き上がろうとした体を、布団に押し付けられた。
 菊……門?って、嘘だろ、そんな単語も俳句も知らないけれど、言われた内容を理解してしまった。

「全身をしっぽり可愛がって、おねだりを覚えさせてからにしてぇけど、今夜は特別だ、他を全部すっ飛ばして尻穴をケツマンコに育ててやるからな」

 グチュ、グチュと二本の指で尻の穴を掻き回され、全身に力が入ってしまう。

「やめ、やだ、やめろっ」
「心配すんなよ、気持ちよくなるだけだって、ほら口開けろ」
「っ、なんだ、これ、っぁ?」

 横を向かされて、唇に押し当てられたジョーの唇は、一度気がついてしまえばやけに出っ張っていて、ツルツルと硬くて平べったいのに分厚くなっていた。
 長すぎる舌を使って、口の中にトロトロと流し込まれた甘すぎる液体が、喉を焼いて腹に落ちていくと、アルコール度数の高い酒を飲んだ時のように腹の奥が熱を持った。

「尻子玉抜きに使う特別な薬だからしっかり効くぞー、河童の魔羅マラが病みつきになっちまうかもな?」
「あ、ああっっ!!」

 かっぱのまらってなんだ?
 そんな考えは、高くなっていく熱で霞んで、霧のように形を失って散っていく。

 ジョーの指が動かされてグチュグチュと音がするたびに、尻の穴がじんじんとうずくような熱を持つ。
 全身が熱い、もっと触って欲しい、尻の穴をぐちゃぐちゃにかき回して欲しい。
 はっはっと浅く荒い呼吸を繰り返しても、ムズムズした痒い感覚が逃せない。
 かぶれて熱を持っているような、そんな腫れぼったいうずきが、腹の中だけでなく、全身をぞわぞわと粟立たせていく。

「な、にこれ、かゆい……っなんだよ、これぇっ?」

 全身が、どこもかしこもムズムズとうずくように痒くてたまらない。
 尻穴に指を突っ込んで、腹の中を掻き回されるのがすごく気持ちいい。
 太い指先に鉤爪と大きな水かきがあって、カエルの表皮のようにつるりとしているのに分厚くて硬い、ジョーの冷たい手で撫で回された時だけ、全身を這い回るうずきが突き抜けるような快感に変わる。

 腹の中を撫でてくれる指が増やされて、思わず声が出てしまう。
 甘えたような声を出すのが恥ずかしくて、逃げようとするのに、簡単に体を押さえ込まれる。

「あ……ああ、……っあ、ううっやめ、やめてくれよ……かゆいのやだ、つらいぃっ」
「そうかぁ辛いなー」

 撫でられるのは気持ちよくないっ、痒いだけだ、うずきなんて感じてない。
 そうやってジョーに与えられる気持ち良さを否定して、痒みとうずきに抗い続けても、気がつけば、熱を逃がせなくなっていた。

 心臓が下半身にでも移動してしまったように、ずくずくとうずく尻を、腹の中を何とかして欲しい。

「はっ、あ、はあっくるしい、おねがい、ジョーたすけてっ、しりがへんなんだよぉ」
「ヲイヲイ教えてねえのにおねだりかよ……わかった、シゲの処女ケツマンコに、河童の魔羅を喰わせてやっからたっぷり味わえよ」
「ああ"っ!?お"っぉ"っ?う"あ"ぁ~ッッッ」

 冷たくて太い杭のようなもので、ずぶりっ!と体を貫かれた所までは、まだ、理性があった……と思う。



 気持ちがいい。
 すごく。
 でも、嫌だ。
 頼むから、もう終わりにして。
 こんなのが続いたら狂う。
 助けて。
 許してくれ。

 そう口にしているつもりなのに、口からこぼれるのは低い「お"ほお"っ」だの「あ"ぐ"ぅう"っ」だの、聞き苦しい男の低い胴間声に聞こえる。
 気持ちよすぎて頭が働かない。

「あ"ぁ"……もぉおがしぐなる"う"ぅ"っ」
「よしよし、やっぱウラ様の見立ては間違いなかったな。
 おーいシゲー?快感で吹っ飛びそうになるときは〝イく〟って言えよ」
「ん、ん"ん"ーっや、やだあ"っ!!」

 硬くて尖ったくちばしで、耳殻をコリコリと音を立ててかじられながら、何度も卑猥な囁きを繰り返して落とされる。
 耳元で囁かれる単語のほとんどが理解できないけれど、それが褒め言葉なのは理解できた。
 そうやって時間をかけて、身体中にくちばしの跡を甘噛みでつけられながら〝イき方〟を教え込まれていった。

 最初は中を突かれながら、水かきのある冷たい手で、竿をしごいてもらわないとイけなかったのに、何度もイっている内に気持ち良い場所を押されて、腹の中を擦られるだけでイけるようになっていた。

 長くて太い〝かっぱのまら〟に、腹の中の気持ちいいところをゴツゴツと突かれてゴリゴリと擦られて、おれは何度もイった。
 聞き苦しい悲鳴をあげながら。
 顔中を、涙と鼻水とよだれでぐちゃぐちゃにしながら。
 全身が汗や精液、出どころ不明な体液にまみれていくのを、気持ち悪いと思う余裕もないままに。

 〝イき方〟を教えられるに従って「やめろ」と叫んでいたのが「やめてくれ」と快感から逃げたいゆえの嘆願に変わり、いつしか終わりがないことに気がつき、現実を見たくないと逃げだした先で「もっと」に変わっていった。
 今朝までは〝イく〟ってのが、気持ちよいことだと知らなかったのに。

 噛み付かれてつけられた全身のくちばしの痕が、腹の奥を突き上げられるたびに甘くうずく。
 平べったくて分厚いくちばしから、酒のようなものを飲まされる度に、腹の奥がジンジンと痺れるように痒い感覚に慣れていき、腹の中を延々と〝かっぱのまら〟で擦って欲しくなる。
 このもどかしい痺れの後に、辛いほどの痒みの後に、すごく気持ちいいが与えられるのだ。

 痒みや痺れを伴う腹の奥のもどかしい感覚が、イけなくて苦しいのが嫌で、もっと気持ちよくして、もっと気持ちいいが欲しいと必死になってお願いすると、その度にジョーが魚の目玉のようなまんまるの目を、キュウっと半月にして笑う。
 とても嬉しそうに。
 穴が丸見えの低い鼻、横に裂けたような巨大なくちばし型の口、緑とも青とも言える肌の色。
 人ではないジョーの姿を、もうおかしいと思わない。

「あぁ可愛いなぁ」
「ぅふあ"あ"ぁ♡……っお"ほっ、お"お"ぁ"ーっ♡」
「おーいいねぇシゲは才能あるな、読経で鍛えたのか?低い声がめちゃエロいし、鍛えられたケツマンも最高だ」

 快感と苦痛の狭間で内容は理解できないのに、耳元で囁かれる優しい言葉が嬉しい。
 褒められていると分かる。
 これまでしてきた努力を認められた事が嬉しくて、ジョーがおれの側にいてくれることが幸せすぎて、突かれる腹の奥が中のものを締め付けながら震えるのが止まらない。

 心臓が破裂しそうな早い鼓動に合わせて、ずくんっ!ずくんっ!とうずきが腹の奥を響かせる。
 ちんこから何も出なくなって、勃起もしてないのに、イき続けてる。
 望んでもないのに全身が痙攣して、苦しくて辛いのに、喘ぎ過ぎて喉が渇ききってしまい、呼吸もうまくできなくなっているのに幸せだと感じる。

 もっと求めて、おれを求めて。
 おれのこと、認めて。
 おれを愛して。

「もう慣れてきたのか?偉いぞ、そんなら次は正面から抱いてもイけるようにしねえとな?」

 おれを抱きしめてくれる力強くて冷たい腕は、時々離されて悲しくて寂しくなるけれど、腹の中を擦ってるかっぱのまらは、ずっと太くて長くて変わらないままだ。
 くるりと体を仰向けに変えられて、ツルツルと冷たい体の下に組み敷かれると、ずっしりとした重みで身体が潰された。

 グボッグプブッドチュッ!とおかしな音がどこかから聞こえるけれど、目の前は止まらない涙で揺らめいていて何も見えない。
 ただひたすらに、頭が真っ白になる程にきもちいい。
 近く遠く、ジョーの声が、響いて聞こえる。

「んーお寺さんの子か、この住所だとギリッギリでウラ様の勢力圏内だな。
 知ってるかちいと聞いてみっか……なあシゲ、河童の嫁になる気とかあるか?」
「う"ぁ"あーっイぐゥ♡イくう"ぅ"ーっ♡」
「おーおー、初めて魔羅を咥えたってのにもうでろっでろじゃねえかよ、河童の魔羅が好きか?」
「お"ほぉっ♡イい"っ♡、かっぱのまらイい"ぃ"っっ!お"ごぉ、あ"ひいぃ"ーっっ♡」
「いいかどうかは聞いてねえよ、好きか?って聞いてんだよ、返事は?」
「オッホォ"オ"お"っ♡いぐ♡またイ"ぐう"っ♡………………ーっん……っあ?あ、あ"あ"ーーっっ?!やあっ、お"わっなっ、おわ"んない"ぃ"っ」
「あーもーシゲはほんっと可愛いなあ!返事しねえと勝手に孕ませちまうぞー?」
「っお"わ"んァ"っ、ァ!?ァ"ア"ーーーーーっっっ♡♡」

 過ぎた快感は痛みに近すぎて、何も考えられなくなって、世界は真っ白に染まった。
 体内で作られる熱と終わりのない快感に溺れながら、このまま、いつまでもこうしていたいと、痛切に願った。
 抱きしめてくれる冷たい腕が、太くて力強いことが、ただただ嬉しかった。
 
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