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第四部 最後の神聖魔法
精霊の悪戯2
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アルバートは持ち上げたはずの水瓶も手の中に無く、見知らぬ森の中に立っていた。
「ここは……」
あたりを見回して、彼はすぐに気づいた。そこは先ほどまで見下ろしていた大きな湖の湖畔だった。慌てて教会のある方角に目を向ける。しかし、湖から見上げるダーハート教会の姿は小さく、自分のいた所を視認することは叶わなかった。
「まいったな」
自分の身に何が起きたのか、皆目見当がつかなかった。ただ一つ言えることは、彼が立っている湖畔は教会の敷地外であり、彼が訪れることを許可されていない場所であるということだ。
夢なんだろうか?彼は自問する。しかし、答えは出なかった。それほどまでに目の前に広がる景色は、夢にしては精巧で、吹き抜ける風は冷たく、朝露が煌めく草木も鼻をくすぐる深緑の香りも、本当に森の中に居るかのような錯覚を覚えるほど現実味を帯びていた。
――まるで、忘れてしまっている何かを思い起こさせるかのように。
アルバートは湖に近づき、水面を覗き込んだ。水面には自分の姿が映り、水の中に手を差し入れると、冷やりとした冷たい感触とともに波紋が広がり、映し出された自分の顔がぐにゃりと歪んだ。
水の波紋に揺れる自分の顔に彼は驚愕する。深い瑠璃色の瞳には光がなく、頬は痩せ、まるで死人のような顔をしていた。
それが自分の顔であると、きっと数か月前の彼であれば信じることはできなかっただろう。それほどまでに、神龍シュカに仕える神官として温かな場所で優しい人たちに囲まれながら生きていた頃からは大きく変貌してしまっていた。
仕方がない。それだけのことをしてしまったのだから。彼は自嘲すると、水面から顔を上げた。
「え……」
顔を上げて湖上に目を向けると、色とりどりの小さな光が目に飛び込んできた。光は青や、赤、緑、黄色といった様々な色を帯びていて、煌びやか輝いている。あたりを見回すと、その光は森の中や湖畔にも無数に飛び回っていた。
「これは――」
どこかで見たことがある気がしたが、それがいつなのか思い出すことはできなかった。
「夢?」
呆然とする彼の問いかけを否定するかのように、空気中に浮かぶ光がまるでダンスでも踊るかのように軽やかにアルバートの周りをくるくると回っている。
彼はこの不思議な光に触れようと手を伸ばしてみるが、指先が触れた瞬間に光の粒は粉々に砕け散ってしまった。
きらきらとした鱗粉がアルバートに降り注ぐ。そしてまた、どこからともなく現れた光の粒が彼の視界を埋め尽くした。
しばらくすると、光たちは一斉に南の空へ動き始めた。
「待って!」
置いていかないでと、アルバートは思わず光に手を伸ばした。風に吹かれて花びらが舞い上がるようにゆらゆらと、それはアルバートの手の中をすり抜けていく。
彼は夢中になって手を伸ばした。そして光の飛び立つ方角へ彼自身も踏み出そうと――
「――アル!」
「!?」
踏み出そうとしたその瞬間、誰かに腕を強く引っ張られ、アルバートは我に返った。
後ろから引っ張られた拍子にアルバートは一瞬、宙を舞った。赤みがかった大空が彼の視界を埋め尽くす。
(綺麗だな)
目に飛び込んできた空一色の光景に思わず場違いな感想が漏れる。状況が飲み込めないまま宙を舞う浮遊感が一瞬彼を支配し、すぐに力強い腕に抱きとめられる。
空で覆われていた視界に赤髪の男が映りこむ。彼を引っ張ったのはカイルだった。しかし、カイルの表情は彼が今まで見たことがないほど険しいものだった。
「お前……今何しようとしていた?」
「え……?」
詰問口調にアルバートは身を強張らせる。カイルは怒っているようだったが、その理由が彼には理解できなかった。
戸惑ったように困惑を浮かべると、カイルはくしゃりと自らの髪をかき上げ、ため息をついた。
「ああもう、無意識かよ。お前は今、その塀を乗り越えて、崖から飛び降りようとしていたんだよ」
「……っ!!」
彼の口からはっきりと告げられたその事実に、アルバートは言葉を失う。
崖の前には墜落防止のためにレンガ造りの塀が築かれている。高さはアルバートの肩くらいまであり、足場があれば登れないことはない。しかし、周囲を見回しても、足場にできそうな台はどこにもなかった。
足場を使わず、どのように塀を超えようとしたのか、彼自身にもわからなかった。
アルバートは慌てて言い訳をしようと口を開くが、うまく言葉にはならなかった。彼自身にも理解できていないことを、説明などできるはずもなかった。
「ちょっと来い」
アルバートが言い淀んでいるのを待ちきれなくなったカイルは、険しい表情のまま、彼の腕を強く掴む。アルバートが痛みに顔を歪めるのも構わず、彼はそのままアルバートを引きずるように湖とは反対側に向かって歩き出した。
「待ってください!その……水瓶届けないと」
抵抗したアルバートに、カイルは驚いたような表情を浮かべる。今まで、言われるがままになっていた彼から言葉が返ってくるなど予想していなかったようだ。
「ああ……そうだな、悪い。ちょっと頭に血が昇ってたみたいだ」
カイルはばつが悪そうに頭をかいた。そして、掴んでいた腕を放して、水瓶を持ち上げた。
「手伝うよ。どこに運べばいいんだ?」
「あ、いや、そんな悪いです。俺の勤めですから」
「いいから」
アルバートは慌てて断るが、カイルは水瓶を手放さない。彼の姿に何を言っても無駄だと悟ったアルバートはやむなく彼の前を歩くことにする。
「すみません。食堂です。案内します」
「おう」
カイルは軽く返事をし、アルバートの後について行く。
「けどさアル、こういう時は『ありがとう』って言うものだぞ。そのほうが嬉しいだろ」
歩き始めてすぐ、アルバートのすぐ後ろから声がかかり、彼は思わず振り返る。すると、カイルは口に軽く笑みを浮かべながらアルバートを見ていた。
「……ありがとうございます」
「どういたしまして」
慣れないながら、戸惑いつつも感謝を口にすると、カイルが可笑しそうに笑うのが見えた。その笑いがまるで全身を柔らかいものでくすぐられているかのようで、アルバートは思わず顔を背けた。
「ここは……」
あたりを見回して、彼はすぐに気づいた。そこは先ほどまで見下ろしていた大きな湖の湖畔だった。慌てて教会のある方角に目を向ける。しかし、湖から見上げるダーハート教会の姿は小さく、自分のいた所を視認することは叶わなかった。
「まいったな」
自分の身に何が起きたのか、皆目見当がつかなかった。ただ一つ言えることは、彼が立っている湖畔は教会の敷地外であり、彼が訪れることを許可されていない場所であるということだ。
夢なんだろうか?彼は自問する。しかし、答えは出なかった。それほどまでに目の前に広がる景色は、夢にしては精巧で、吹き抜ける風は冷たく、朝露が煌めく草木も鼻をくすぐる深緑の香りも、本当に森の中に居るかのような錯覚を覚えるほど現実味を帯びていた。
――まるで、忘れてしまっている何かを思い起こさせるかのように。
アルバートは湖に近づき、水面を覗き込んだ。水面には自分の姿が映り、水の中に手を差し入れると、冷やりとした冷たい感触とともに波紋が広がり、映し出された自分の顔がぐにゃりと歪んだ。
水の波紋に揺れる自分の顔に彼は驚愕する。深い瑠璃色の瞳には光がなく、頬は痩せ、まるで死人のような顔をしていた。
それが自分の顔であると、きっと数か月前の彼であれば信じることはできなかっただろう。それほどまでに、神龍シュカに仕える神官として温かな場所で優しい人たちに囲まれながら生きていた頃からは大きく変貌してしまっていた。
仕方がない。それだけのことをしてしまったのだから。彼は自嘲すると、水面から顔を上げた。
「え……」
顔を上げて湖上に目を向けると、色とりどりの小さな光が目に飛び込んできた。光は青や、赤、緑、黄色といった様々な色を帯びていて、煌びやか輝いている。あたりを見回すと、その光は森の中や湖畔にも無数に飛び回っていた。
「これは――」
どこかで見たことがある気がしたが、それがいつなのか思い出すことはできなかった。
「夢?」
呆然とする彼の問いかけを否定するかのように、空気中に浮かぶ光がまるでダンスでも踊るかのように軽やかにアルバートの周りをくるくると回っている。
彼はこの不思議な光に触れようと手を伸ばしてみるが、指先が触れた瞬間に光の粒は粉々に砕け散ってしまった。
きらきらとした鱗粉がアルバートに降り注ぐ。そしてまた、どこからともなく現れた光の粒が彼の視界を埋め尽くした。
しばらくすると、光たちは一斉に南の空へ動き始めた。
「待って!」
置いていかないでと、アルバートは思わず光に手を伸ばした。風に吹かれて花びらが舞い上がるようにゆらゆらと、それはアルバートの手の中をすり抜けていく。
彼は夢中になって手を伸ばした。そして光の飛び立つ方角へ彼自身も踏み出そうと――
「――アル!」
「!?」
踏み出そうとしたその瞬間、誰かに腕を強く引っ張られ、アルバートは我に返った。
後ろから引っ張られた拍子にアルバートは一瞬、宙を舞った。赤みがかった大空が彼の視界を埋め尽くす。
(綺麗だな)
目に飛び込んできた空一色の光景に思わず場違いな感想が漏れる。状況が飲み込めないまま宙を舞う浮遊感が一瞬彼を支配し、すぐに力強い腕に抱きとめられる。
空で覆われていた視界に赤髪の男が映りこむ。彼を引っ張ったのはカイルだった。しかし、カイルの表情は彼が今まで見たことがないほど険しいものだった。
「お前……今何しようとしていた?」
「え……?」
詰問口調にアルバートは身を強張らせる。カイルは怒っているようだったが、その理由が彼には理解できなかった。
戸惑ったように困惑を浮かべると、カイルはくしゃりと自らの髪をかき上げ、ため息をついた。
「ああもう、無意識かよ。お前は今、その塀を乗り越えて、崖から飛び降りようとしていたんだよ」
「……っ!!」
彼の口からはっきりと告げられたその事実に、アルバートは言葉を失う。
崖の前には墜落防止のためにレンガ造りの塀が築かれている。高さはアルバートの肩くらいまであり、足場があれば登れないことはない。しかし、周囲を見回しても、足場にできそうな台はどこにもなかった。
足場を使わず、どのように塀を超えようとしたのか、彼自身にもわからなかった。
アルバートは慌てて言い訳をしようと口を開くが、うまく言葉にはならなかった。彼自身にも理解できていないことを、説明などできるはずもなかった。
「ちょっと来い」
アルバートが言い淀んでいるのを待ちきれなくなったカイルは、険しい表情のまま、彼の腕を強く掴む。アルバートが痛みに顔を歪めるのも構わず、彼はそのままアルバートを引きずるように湖とは反対側に向かって歩き出した。
「待ってください!その……水瓶届けないと」
抵抗したアルバートに、カイルは驚いたような表情を浮かべる。今まで、言われるがままになっていた彼から言葉が返ってくるなど予想していなかったようだ。
「ああ……そうだな、悪い。ちょっと頭に血が昇ってたみたいだ」
カイルはばつが悪そうに頭をかいた。そして、掴んでいた腕を放して、水瓶を持ち上げた。
「手伝うよ。どこに運べばいいんだ?」
「あ、いや、そんな悪いです。俺の勤めですから」
「いいから」
アルバートは慌てて断るが、カイルは水瓶を手放さない。彼の姿に何を言っても無駄だと悟ったアルバートはやむなく彼の前を歩くことにする。
「すみません。食堂です。案内します」
「おう」
カイルは軽く返事をし、アルバートの後について行く。
「けどさアル、こういう時は『ありがとう』って言うものだぞ。そのほうが嬉しいだろ」
歩き始めてすぐ、アルバートのすぐ後ろから声がかかり、彼は思わず振り返る。すると、カイルは口に軽く笑みを浮かべながらアルバートを見ていた。
「……ありがとうございます」
「どういたしまして」
慣れないながら、戸惑いつつも感謝を口にすると、カイルが可笑しそうに笑うのが見えた。その笑いがまるで全身を柔らかいものでくすぐられているかのようで、アルバートは思わず顔を背けた。
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