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第四部 最後の神聖魔法
戦闘開始1
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中庭に出ると、井戸の周辺にも門が発生していた。
アルバートは中庭まで出ると門の近くへ歩み寄る。門の奥から金色の瞳がこちらを見ていた。まるで隙を伺う獣のようだ。
アルバートは風の精霊に呼びかける。彼らと回路を繋ぎ、思考を同調させていく。周囲に無数の青い光が浮かび上がり、それはアルバートを取り囲むように彼の周囲を飛び回った。
門から魔物が出てくる。一体が現れると、まるで堰が決壊したかのように、魔物たちは一斉に飛び出してきた。それは大きな鳥のような姿をしており、大群で押し寄せてくる。そのどれもが一対の金色の瞳を輝かせていた。
「みんな、行くよ」
アルバートの言葉と同時に、門に向かって突風が吹き荒れる。それは竜巻のように渦を巻きながら、魔物たちへと迫っていった。魔物たちはその突風に吹き飛ばされるが、すぐに態勢を立て直し、こちらに向かってくる。
(そうだ。それでいいよ)
魔物たちの狙いが自分に集中したことを確認して、アルバートは再び魔物に向かって手をかざす。突風が吹き荒れ、風は刃のような鋭利な刃物となって魔物たちを次々と切り裂いていく。しかし、さすがに魔法攻撃に態勢があるのか、与えられる傷は浅い。致命傷には至らず、せいぜい怯ませるのが限界だった。
(やっぱり、一度で倒しきることはできないか)
二撃、三撃とめげずに風の刃を繰り出していく。五撃当てたところで鳥の首が落ち、魔物の死骸は黒い霧となって立ち消えた。
「よし、五回だ」
アルバートは先ほどよりも多い刃を作り出し、一斉に魔物に放つ。風の刃は執拗に魔物の首を狙って飛んでいき、一体、また一体と首を切り落としていく。
「はあ……はあ……」
数十体を倒したところで、アルバートは肩で息をする。魔力の消費が激しく、よろめいて膝をついてしまう。彼は魔法攻撃に特化しているわけではなく、まして戦闘訓練を積んでもいないため、一度に多くの魔物を相手取るのは骨が折れる作業だった。
しかし、魔物たちは仲間が倒されても怯むことなく、次々と門から出てくる。そしてまたこちらに襲いかかってきたのだ。
「くっ……!!」
アルバートは後ろに下がりながら、風の塊を放つ。魔物たちはそれを掻い潜るように動き回り、その隙をついて襲いかかってきた。
(まずい……っ!)
寸前のところで身体をねじり、魔物の攻撃を回避する。しかし、避けた拍子に体勢が崩れ、地面に倒れる形になってしまう。
自らの定めた獲物に生まれた隙を魔物は逃さなかった。金色の瞳が一斉にアルバートを捉え、まっすぐに飛んでくると、その爪を振りかざす。
間一髪のところで魔物の攻撃を避けたが、その爪が彼の腕をかすめていた。服が裂け、そこから赤い血が滲む。
「くっ……」
しかし考えている余裕はなかった。痛みに顔をしかめながらも、アルバートはすぐに立ち上がる。
数が多すぎる。こちらはすでに疲労困憊だというのに、魔物たちは次々と現れ、攻撃を仕掛けてくるのだ。魔物の一部は教会に向かいだしていて、警報を知らせる鐘の音がけたたましく響き渡っている。
(何か……何か方法は……!!)
アルバートは魔物の群れを押しのけながら考える。しかし、慣れない攻撃魔法の行使はそろそろ限界に近かった。荒い息を吐きながら、彼は膝をつく。そして、そこに魔物たちが襲い掛かる。
(やられる――!!)
振り上げられた尖った爪が自分を貫く姿を想像して、アルバートは思わず目を瞑った。
アルバートは中庭まで出ると門の近くへ歩み寄る。門の奥から金色の瞳がこちらを見ていた。まるで隙を伺う獣のようだ。
アルバートは風の精霊に呼びかける。彼らと回路を繋ぎ、思考を同調させていく。周囲に無数の青い光が浮かび上がり、それはアルバートを取り囲むように彼の周囲を飛び回った。
門から魔物が出てくる。一体が現れると、まるで堰が決壊したかのように、魔物たちは一斉に飛び出してきた。それは大きな鳥のような姿をしており、大群で押し寄せてくる。そのどれもが一対の金色の瞳を輝かせていた。
「みんな、行くよ」
アルバートの言葉と同時に、門に向かって突風が吹き荒れる。それは竜巻のように渦を巻きながら、魔物たちへと迫っていった。魔物たちはその突風に吹き飛ばされるが、すぐに態勢を立て直し、こちらに向かってくる。
(そうだ。それでいいよ)
魔物たちの狙いが自分に集中したことを確認して、アルバートは再び魔物に向かって手をかざす。突風が吹き荒れ、風は刃のような鋭利な刃物となって魔物たちを次々と切り裂いていく。しかし、さすがに魔法攻撃に態勢があるのか、与えられる傷は浅い。致命傷には至らず、せいぜい怯ませるのが限界だった。
(やっぱり、一度で倒しきることはできないか)
二撃、三撃とめげずに風の刃を繰り出していく。五撃当てたところで鳥の首が落ち、魔物の死骸は黒い霧となって立ち消えた。
「よし、五回だ」
アルバートは先ほどよりも多い刃を作り出し、一斉に魔物に放つ。風の刃は執拗に魔物の首を狙って飛んでいき、一体、また一体と首を切り落としていく。
「はあ……はあ……」
数十体を倒したところで、アルバートは肩で息をする。魔力の消費が激しく、よろめいて膝をついてしまう。彼は魔法攻撃に特化しているわけではなく、まして戦闘訓練を積んでもいないため、一度に多くの魔物を相手取るのは骨が折れる作業だった。
しかし、魔物たちは仲間が倒されても怯むことなく、次々と門から出てくる。そしてまたこちらに襲いかかってきたのだ。
「くっ……!!」
アルバートは後ろに下がりながら、風の塊を放つ。魔物たちはそれを掻い潜るように動き回り、その隙をついて襲いかかってきた。
(まずい……っ!)
寸前のところで身体をねじり、魔物の攻撃を回避する。しかし、避けた拍子に体勢が崩れ、地面に倒れる形になってしまう。
自らの定めた獲物に生まれた隙を魔物は逃さなかった。金色の瞳が一斉にアルバートを捉え、まっすぐに飛んでくると、その爪を振りかざす。
間一髪のところで魔物の攻撃を避けたが、その爪が彼の腕をかすめていた。服が裂け、そこから赤い血が滲む。
「くっ……」
しかし考えている余裕はなかった。痛みに顔をしかめながらも、アルバートはすぐに立ち上がる。
数が多すぎる。こちらはすでに疲労困憊だというのに、魔物たちは次々と現れ、攻撃を仕掛けてくるのだ。魔物の一部は教会に向かいだしていて、警報を知らせる鐘の音がけたたましく響き渡っている。
(何か……何か方法は……!!)
アルバートは魔物の群れを押しのけながら考える。しかし、慣れない攻撃魔法の行使はそろそろ限界に近かった。荒い息を吐きながら、彼は膝をつく。そして、そこに魔物たちが襲い掛かる。
(やられる――!!)
振り上げられた尖った爪が自分を貫く姿を想像して、アルバートは思わず目を瞑った。
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