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第一部 神龍の愛し子と神聖魔法
02.マナ1
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世界創生の時代、人間族と魔族は一つの大陸で暮らしていた。
しかし、二つの種族の争いは絶えることがなく、世界は常に争いで溢れていた。
それを憂いた神龍は、世界を二つに分断し、片方を人間族が暮らす人界、もう片方を魔族の住む魔界として分け隔てた。
神龍自身も白龍シュカと黒龍ディアーナに分け、白龍を人界の守護、黒龍を魔界の守護をになった。
そして二つの世界の行き来を転移門と呼ばれる空間移動魔法のみに限定した。
これにより世界に平和が訪れた。
白龍シュカは神聖魔法を用いて人界に強力な結界を張った。
しかし、その結界には弱点があった。
シュカは自らの力でマナを生み出すことができず、彼女一人の力では結界を維持することができなかったのだ。
そんな時、シュカは自然界に存在する神秘の力をマナと呼ばれる神聖な魔力に変換できる男と出会った。
シュカはその男に「私にマナを捧げてください」と頼んだ。
そして彼は承諾し、彼が捧げた魔力により、世界の結界は保たれた。
「――なので、神龍の愛し子が担う最も重要な役割は、マナの奉納です」
ハデスは自室で、アルバートを膝に乗せて語り聞かせる。
「マナの奉納?」
アルバートは首を傾げて、つぶらな瞳がハデスを見上げた。
聞きなれない言葉に、ハデスが何を言っているのか分からなかったのだ。
「実物を見せましょう」
彼は自らの手を広げてみせる。
すると彼の手のひらが淡く光りだした。
光は小さな粒となり、ハデスの手を離れるとふわふわと空中を漂っていく。
「……っ!!」
その輝きにアルバートは驚いた表情を浮かべる。
「この光の粒がマナと呼ばれるものです」
ハデスはそう言うと、さらに手を広げる。
すると先程よりも多くの光が放たれて部屋中に広がった。
それはまるで光の粒子のようで、とても美しい光景だった。
「わぁ……」
アルバートは感嘆の声を上げる。
ハデスは彼の素直な反応に目を細めると、その粒子をいくつか集めて、光の蝶を生み出した。
光の蝶はハデスの手のひらからふわりと飛び立ち、アルバートの周りをくるくると舞う。
「すごい……」
アルバートはその幻想的な光景に目を輝かせる。
「マナは神龍の愛し子にしか生み出すことができません。そしてこれが神龍様に送る力の基本形となります」
ハデスがそう言うと、光の蝶たちは一斉に彼の元に戻り始める。
そしてハデスの手に戻ると、その光は消えてなくなった。
「綺麗……」
アルバートはうっとりとした表情で言った。
そして不思議そうにハデスの大きな手を触ってみる。
しかし光は現れず、そこにあるのは少ししわがれた壮年の男の手だけだ。
それが余計に不思議で、彼の好奇心を掻き立てていた。
ハデスの手を上から見たり、下から覗き込んだり、触ったりしてくるアルバートを見てハデスは優しく微笑む。
「アルも練習すればできるようになるでしょう。まずは神秘の力をマナに変換する方法を習得しましょう」
ハデスの言葉に、アルバートは目を輝かせて頷く。好奇心旺盛な様子にハデスも顔を綻ばせた。
「まず、手のひらに意識を集中させてください。そしてそこに光の粒が集まるイメージをするのです」
ハデスはアルバートの右手を取ると、彼の小さな手のひらをトントンと指先で優しく叩く。
優しい刺激に釣られるようにアルバートの視線が自分の手のひらに向かう。
(手のひら……意識……)
アルバートはハデスの言葉を頭の中で繰り返す。自分の手を広げ、そこに意識を集めていく。
すると手のひらがじんわりと熱くなり、何かが集まってくるような感覚があった。
「あったかい……」
「その感覚を忘れないようにしてくださいね。次はそれを外に放出します。先程見たような光の粒が手のひらから溢れ出る光景をイメージしなさい」
ハデスの言葉に、アルバートはこくりと頷いた。
そして彼は手のひらに集まった光を外へと放つようにイメージをした。
すると手から光が溢れ出し、それは部屋中に広がる。
まるで噴水のように噴き出す光の粒にハデスは思わず目を見開く。
「これは……!!」
「できた!」
そんなハデスの様子には構わず、アルバートは嬉しそうに言った。
「まさか一度で成功させるとは……通常、マナを出せるようになるまでに五年の修練が必要なのですが、いやはやあなたには驚かされました。では次はその光を自在に操れるように練習をしましょう」
ハデスは優しく微笑んだ。
しかし、二つの種族の争いは絶えることがなく、世界は常に争いで溢れていた。
それを憂いた神龍は、世界を二つに分断し、片方を人間族が暮らす人界、もう片方を魔族の住む魔界として分け隔てた。
神龍自身も白龍シュカと黒龍ディアーナに分け、白龍を人界の守護、黒龍を魔界の守護をになった。
そして二つの世界の行き来を転移門と呼ばれる空間移動魔法のみに限定した。
これにより世界に平和が訪れた。
白龍シュカは神聖魔法を用いて人界に強力な結界を張った。
しかし、その結界には弱点があった。
シュカは自らの力でマナを生み出すことができず、彼女一人の力では結界を維持することができなかったのだ。
そんな時、シュカは自然界に存在する神秘の力をマナと呼ばれる神聖な魔力に変換できる男と出会った。
シュカはその男に「私にマナを捧げてください」と頼んだ。
そして彼は承諾し、彼が捧げた魔力により、世界の結界は保たれた。
「――なので、神龍の愛し子が担う最も重要な役割は、マナの奉納です」
ハデスは自室で、アルバートを膝に乗せて語り聞かせる。
「マナの奉納?」
アルバートは首を傾げて、つぶらな瞳がハデスを見上げた。
聞きなれない言葉に、ハデスが何を言っているのか分からなかったのだ。
「実物を見せましょう」
彼は自らの手を広げてみせる。
すると彼の手のひらが淡く光りだした。
光は小さな粒となり、ハデスの手を離れるとふわふわと空中を漂っていく。
「……っ!!」
その輝きにアルバートは驚いた表情を浮かべる。
「この光の粒がマナと呼ばれるものです」
ハデスはそう言うと、さらに手を広げる。
すると先程よりも多くの光が放たれて部屋中に広がった。
それはまるで光の粒子のようで、とても美しい光景だった。
「わぁ……」
アルバートは感嘆の声を上げる。
ハデスは彼の素直な反応に目を細めると、その粒子をいくつか集めて、光の蝶を生み出した。
光の蝶はハデスの手のひらからふわりと飛び立ち、アルバートの周りをくるくると舞う。
「すごい……」
アルバートはその幻想的な光景に目を輝かせる。
「マナは神龍の愛し子にしか生み出すことができません。そしてこれが神龍様に送る力の基本形となります」
ハデスがそう言うと、光の蝶たちは一斉に彼の元に戻り始める。
そしてハデスの手に戻ると、その光は消えてなくなった。
「綺麗……」
アルバートはうっとりとした表情で言った。
そして不思議そうにハデスの大きな手を触ってみる。
しかし光は現れず、そこにあるのは少ししわがれた壮年の男の手だけだ。
それが余計に不思議で、彼の好奇心を掻き立てていた。
ハデスの手を上から見たり、下から覗き込んだり、触ったりしてくるアルバートを見てハデスは優しく微笑む。
「アルも練習すればできるようになるでしょう。まずは神秘の力をマナに変換する方法を習得しましょう」
ハデスの言葉に、アルバートは目を輝かせて頷く。好奇心旺盛な様子にハデスも顔を綻ばせた。
「まず、手のひらに意識を集中させてください。そしてそこに光の粒が集まるイメージをするのです」
ハデスはアルバートの右手を取ると、彼の小さな手のひらをトントンと指先で優しく叩く。
優しい刺激に釣られるようにアルバートの視線が自分の手のひらに向かう。
(手のひら……意識……)
アルバートはハデスの言葉を頭の中で繰り返す。自分の手を広げ、そこに意識を集めていく。
すると手のひらがじんわりと熱くなり、何かが集まってくるような感覚があった。
「あったかい……」
「その感覚を忘れないようにしてくださいね。次はそれを外に放出します。先程見たような光の粒が手のひらから溢れ出る光景をイメージしなさい」
ハデスの言葉に、アルバートはこくりと頷いた。
そして彼は手のひらに集まった光を外へと放つようにイメージをした。
すると手から光が溢れ出し、それは部屋中に広がる。
まるで噴水のように噴き出す光の粒にハデスは思わず目を見開く。
「これは……!!」
「できた!」
そんなハデスの様子には構わず、アルバートは嬉しそうに言った。
「まさか一度で成功させるとは……通常、マナを出せるようになるまでに五年の修練が必要なのですが、いやはやあなたには驚かされました。では次はその光を自在に操れるように練習をしましょう」
ハデスは優しく微笑んだ。
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