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「えっ?…晴空?」
僕らは二人で話すのに夢中になってて、近づいてきていた女の子に気がついてなかった。
「晴空?のわけないよね…。死んじゃったんだもんね…じゃぁ、双子の凪、か…」
誰だっけ。思い出せなくて何も返事が出来ない。
(凪、小中学校一緒だったミキだよ。俺は高校も一緒だったんだ)
「みき、ちゃん?」
「そう。よく覚えてたね。体が弱くて親戚のとこで療養してるって聞いてたけど、帰ってきてたんだ?」
そうか、僕が急に本家に行って、学校ではそんな理由で転校したって事になってたんだ…。
「そう、帰ってきてたよ…。学校はまだだけど」
「ふぅん。私さ、ここに赤ちゃんいるんだよ」
えっ。みきちゃんがここと言って両手の掌で触ったのは彼女のお腹だった。
「晴空との赤ちゃん」
「えっ?」
(はっ?!俺とみき付き合ってたとか知らないし!凪のことがあるんだから付き合うわけないじゃん!何言ってんだよみき!)
「疑ってるの?本当だよ。私晴空としかそういう事してないし。晴空、噂では男の人と付き合ってたらしいね。噂だから本当かは知らないけど。もし本当だったら、女の子とシたのは私だけだったのかもね」
晴空が?みきちゃんと?頭が追い付かない。
(凪!聞くなよ!行こうぜ。俺はそんな事実知らない!みきはずっとただの同級生だから!)
晴空の記憶がない期間ならあり得ない話じゃないのかもしれない…。現に男の人と付き合ってたというか、そういう関係だったみたいだし。晴空の赤ちゃん。死んだはずの晴空の遺伝子が彼女のお腹で育ってる。晴空は死んでしまったけど、その一部が育ってるなんて。
ずっとずっと晴空だけを見ていた僕からしたら悔しくて、嫉妬してもおかしくない告白なのに、僕はなぜか、晴空の一部が育ってるって聞いて嬉しくなった。
嬉しくて嬉しくて、笑いがこみあげてきて、涙が出てきて、彼女に感謝したくなった。そっか、晴空の一部は生きて産まれてくるんだ。
(凪?)
僕の様子がおかしかったみたいで晴空が心配してる。
「ん。大丈夫だよ」
「何が?」
「みきちゃん。教えてくれてありがとう。晴空の子、元気に生まれるといいなぁ。教えてくれて、ありがとう」
みきちゃんも、思ってもいなかった僕の言葉だったみたいで不思議そうな顔をしてる。
「凪さ、なんか変わったね」
「そうかな?」
「暗くて、なんか、変なもの見えてるみたいで怖かった。ふぅん、いいんじゃない?今のあんたの方が」
「そう?ありがとう。ごめんね、若くして子供生むとか大変なのに能天気な事言って。…元気でね」
「そうね。何とかなると思うよ。明るくてさ、みんなの事引っ張っていってた晴空の子だもん」
「あはっ、ありがとう」
彼女とはすぐ別れたけれど、同じ町に住んでるからまたばったり会えるといいなと思う。返り道でもうっかり笑ったり涙が出た僕に、晴空はずっと不思議そうだった。
僕らは二人で話すのに夢中になってて、近づいてきていた女の子に気がついてなかった。
「晴空?のわけないよね…。死んじゃったんだもんね…じゃぁ、双子の凪、か…」
誰だっけ。思い出せなくて何も返事が出来ない。
(凪、小中学校一緒だったミキだよ。俺は高校も一緒だったんだ)
「みき、ちゃん?」
「そう。よく覚えてたね。体が弱くて親戚のとこで療養してるって聞いてたけど、帰ってきてたんだ?」
そうか、僕が急に本家に行って、学校ではそんな理由で転校したって事になってたんだ…。
「そう、帰ってきてたよ…。学校はまだだけど」
「ふぅん。私さ、ここに赤ちゃんいるんだよ」
えっ。みきちゃんがここと言って両手の掌で触ったのは彼女のお腹だった。
「晴空との赤ちゃん」
「えっ?」
(はっ?!俺とみき付き合ってたとか知らないし!凪のことがあるんだから付き合うわけないじゃん!何言ってんだよみき!)
「疑ってるの?本当だよ。私晴空としかそういう事してないし。晴空、噂では男の人と付き合ってたらしいね。噂だから本当かは知らないけど。もし本当だったら、女の子とシたのは私だけだったのかもね」
晴空が?みきちゃんと?頭が追い付かない。
(凪!聞くなよ!行こうぜ。俺はそんな事実知らない!みきはずっとただの同級生だから!)
晴空の記憶がない期間ならあり得ない話じゃないのかもしれない…。現に男の人と付き合ってたというか、そういう関係だったみたいだし。晴空の赤ちゃん。死んだはずの晴空の遺伝子が彼女のお腹で育ってる。晴空は死んでしまったけど、その一部が育ってるなんて。
ずっとずっと晴空だけを見ていた僕からしたら悔しくて、嫉妬してもおかしくない告白なのに、僕はなぜか、晴空の一部が育ってるって聞いて嬉しくなった。
嬉しくて嬉しくて、笑いがこみあげてきて、涙が出てきて、彼女に感謝したくなった。そっか、晴空の一部は生きて産まれてくるんだ。
(凪?)
僕の様子がおかしかったみたいで晴空が心配してる。
「ん。大丈夫だよ」
「何が?」
「みきちゃん。教えてくれてありがとう。晴空の子、元気に生まれるといいなぁ。教えてくれて、ありがとう」
みきちゃんも、思ってもいなかった僕の言葉だったみたいで不思議そうな顔をしてる。
「凪さ、なんか変わったね」
「そうかな?」
「暗くて、なんか、変なもの見えてるみたいで怖かった。ふぅん、いいんじゃない?今のあんたの方が」
「そう?ありがとう。ごめんね、若くして子供生むとか大変なのに能天気な事言って。…元気でね」
「そうね。何とかなると思うよ。明るくてさ、みんなの事引っ張っていってた晴空の子だもん」
「あはっ、ありがとう」
彼女とはすぐ別れたけれど、同じ町に住んでるからまたばったり会えるといいなと思う。返り道でもうっかり笑ったり涙が出た僕に、晴空はずっと不思議そうだった。
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