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「映見の言う通りよ」
しばらく沈黙を貫いていた汐里が、唐突に口を開く。
我が意を得たり、と石墨は獰悪な笑みを浮かべた。
「私、寂しかったの。せっかく付き合ってるのに、凌空は車を買うための貯金にばかり夢中で、彼女の私はほったらかし。全然相手してくれなくて、本当にキモかった」
「ヘイ、リク。彼女は何を言っている? 君にキモいところはあったか?」
石墨の複雑怪奇な妄言に一応の解釈をしてみせたことで、マックスはすっかり凌空をニホンヒトメスモドキの通訳として頼るようになっていた。
悲しいかな、それは豹変した汐里との辛く苦しい同棲生活の成果だった。
異文化の人に珍妙極まるそれを説明できるように、凌空はなってしまっていた。
「いや、あれは単に不快なものはすべてキモいの一語で表現する語彙のなさを露呈することが、かっこいいと勘違いしている幼い言語表現だよ」
「ヒュウ! リク、辛辣だねぇ」
「率直に表現しただけなんだが」
ニホンヒトメスモドキに限らない表現を皮肉げに解説したら、またしても屁泥ゼミ生から罵倒が飛んだ。
それらも一つ一つを認識するのがバカバカしいほど、語彙に欠けるものだった。
義務教育の敗北か、万能スラングに脳が敗北した結果か。
「ところで。君の金をシオリが盗んだ話が、二人のセックス事情に論点ズラされてるの、気が付いているかい?」
ここでマックスが話の軌道修正をすべきだという、警告をしてくれた。
的を射た指摘に、凌空は我に返る。
そうだ、大事なことは終わった関係ではなく金の問題だ。
見逃してやるつもりだったが、あまりのことにその決定を覆す覚悟をしたこと。
覚悟したのだから、凌空はそれとしっかり向き合わなければならない。
もちろん、汐里にもそれを突き付けるべきだ。
「論点をズラしてなんかないわ! 私、凌空の気を引きたかったの。だからね、ちょっとした出来心で、お金を引き出してみただけなの!」
「通るか、そんな屁理屈!」
「本当よ、凌空。私、あなたの愛が欲しくてお金を引き出したの。全部パチンコで溶かしていたのは、ただの成り行き。大事なのは、愛よ。ねぇ、やり直しましょう、私たち。怪我のことなら気にしなくていいから、ね? さあ、あなたも転科して屁泥ゼミに来て!」
「お前、この期に及んでまだふざけるのかよ!」
句点を打つたびに違う話をして、無理筋な誘導を試みる汐里。
沸々としたものがこみあげてきて、凌空は口角泡を飛ばして憤った。
「親からの仕送りがあるくせに、いつもいつも俺に金をせびって、あまつさえ俺をフェミニストに洗脳しようとくだらない話ばかりしやがって!」
「そんなことないわ。男性である凌空にお金を出させてあげたのよ? 男の人って、お金を出していると、彼女によくしている錯覚で気持ちよくなれるんでしょ? 価値観をアップデートできていない男性のお話も、凌空がより気持ちよくお金を出せる考え方に誘導してあげていたんじゃない。ダメね、男の人って。女の子の愛情を、全然理解してくれないんだもの」
歪んだ価値観に基づいた、汐里の傲慢な主張。
凌空にとって噴飯もののそれはしかし、まだ終わっていなかった。
息継ぎをするように一度言葉を切って、短く息を吐くように汐里は妖しい笑みを浮かべた。
そして、前に立つ石墨の肩に顎を乗せて、こう言ってのけた。
「まぁ? そんな幼いところが、母性本能を? くすぐるのかもしれないわね」
クスクスクスと、屁泥ゼミ生の群れにさざめくような笑いが広がる。
「いや? お前なんかに金をせびられて、気持ちよくなるわけないだろ」
「いいえ。それは私が成り行きで凌空の貯金を全部溶かしてしまったから、みみっちい恨みからそう言っているだけよ」
「そうだよ。男さんのくせに、終わったことをいつまでもネチネチネチネチと。だからダメなんだよ、男さんは」
「ぶひぶひぶひぶひっ! ぶひぶひっ! ガツガツガツガツガツガツガツガツ!」
強気に反論した凌空だったが、汐里と石墨の二人から馬鹿にされるだけだった。
傍らに立つマックスは、凌空に助力してあげたそうな顔をしている。
しかし、何を言えば状況が改善するのか考えあぐねて、口を開けないでいた。
そして謎の女は、屁泥ゼミ生の群れの中で豚丼を食べ続けている。
「いいや。俺はこいつに貯金をチューチューと吸い取られて、苦痛だった。いや、苦痛でしかなかった。家に帰れば美人の汐里がいるから、バイトをがんばれた? 冗談じゃない。アパートに帰れば、今日はどんな男性蔑視洗脳話をされるのかと、憂鬱でしかなかった。そんな相手の容姿が整っていたところで、何の励みにもならない」
「そんなわけないわ! トロフィーワイフを所持することは、すべての男さんの遺伝子に刻まれた滑稽で無様で愚劣で憐れな本能だもの」
「まあ、僕は君たちを〝所持〟したいとは一切思わないね」
「とととととと、取り消しなさい、マックス! い、今の言葉は差別よ! 女性様に逆らうのは全部差別! お前のママに言いつけてやるわ! きっと去勢よマックス! わかったら口を閉じろこのチー牛インセル! ムッキーッ! フンガーッ!」
軽く皮肉を言ったマックスに、石墨が凄まじい剣幕でまくし立てた。
一応言っておくが、石墨はマックスの母親の連絡先を知らない。
石墨にはまだ「ジャップオスを鎧袖一触できる白人男性様と結婚して、フェミニズムマンセーファミリーを築く」という青写真に未練がたっぷりある。
ゆえに、マックスに直接嘲笑されたのがむちゃくちゃに効いてしまった。
しかし石墨に降りかかる災いは、これで終わりではない。
ビリビリビリッ!
感情に任せて地団駄を踏んだあまり、石墨の履いていたパンツが音を立てて裂けてしまった。
着古したパンツから、誰の目にも毒でしかない下着が露出する。
「ッギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
「ヘイ、やめろよイシズミ! 汚いものを見せるな! それは環境型セクハラだぞ!」
音を聞いて即座に顔を背けたマックスが、掌を石墨に向けて笑う。
野次馬からもドッと嗤い声が上がり、場の緊張感が崩壊する。
驚くべきは、恥の概念が石墨に残っていたことだろう。
厚顔無恥の権化としていけしゃあしゃあと繰り出した間違いだらけの発言からして、人間の域を下向きに超越したアニマルが、まさかパンツが裂けたくらいで羞恥心を喚起しようなどとは。
「みっ、見るなああああああっ! 痴漢! 痴漢! どいつもこいつも環境型痴漢! お前ら全員視姦レイプマンだ! いやああああああああっ! 全員死ねーっ!」
注がれるまなざしはすべて嘲笑や侮蔑であって、性的な興味に基づくものは一切ない。
自意識過剰にならなければ、石墨はこの痴態に耐えられなかったのだ。
ガニ股になって両手で股間を前後から隠した格好で、この場を逃げ出す無様を晒しながら石墨は必死に考えていた。
この状況で心が壊れないようにする、現実の再解釈方法を。
そして、奇跡的に訪れた閃きに石墨はほぼイキかけた。
これは間抜けを晒して恥ずかしいのではなく、性的に魅力的であるはずの自分がアクシデントから性的被害を受けている。
つまり、この状況は屁泥ゼミで価値を発揮する弱者ポジションである、と。
「……勝った」
真っ赤に泣き腫らしながらも小さく呟き、同時、石墨は前のめりに倒れて見せた。
「きゃあっ、石墨さん!」
悲鳴を上げた屁泥ゼミ生の女子の声が、合図だった。
人間から汐里の柵に成り下がっていた連中が、一斉に石墨に駆け寄った。
「みんな! 石墨さんを変態から守るのよ!」
誰も興味のない石墨の尻に覆いかぶさる、屁泥ゼミ生たち。
そう、石墨はこの瞬間、屁泥ゼミ内ヒエラルキーの頂点に達したのだ。
薄幸の美少女(※成人済み)の見た目でありながら、彼氏からの暴力を受けて高度な弱者性を獲得した汐里。
それを最前線で援護して、おこぼれに預かるしかなかった石墨は。
この瞬間、事故という場の勢いで汐里の弱者性を上回ったのである。
倒れる間際に石墨の放った「勝った」の意味は、そういうことである。
一体全体、何と戦っているのか。
常識を超えた存在、屁泥ゼミ。
次に体験するのは、あなたかもしれません。
しばらく沈黙を貫いていた汐里が、唐突に口を開く。
我が意を得たり、と石墨は獰悪な笑みを浮かべた。
「私、寂しかったの。せっかく付き合ってるのに、凌空は車を買うための貯金にばかり夢中で、彼女の私はほったらかし。全然相手してくれなくて、本当にキモかった」
「ヘイ、リク。彼女は何を言っている? 君にキモいところはあったか?」
石墨の複雑怪奇な妄言に一応の解釈をしてみせたことで、マックスはすっかり凌空をニホンヒトメスモドキの通訳として頼るようになっていた。
悲しいかな、それは豹変した汐里との辛く苦しい同棲生活の成果だった。
異文化の人に珍妙極まるそれを説明できるように、凌空はなってしまっていた。
「いや、あれは単に不快なものはすべてキモいの一語で表現する語彙のなさを露呈することが、かっこいいと勘違いしている幼い言語表現だよ」
「ヒュウ! リク、辛辣だねぇ」
「率直に表現しただけなんだが」
ニホンヒトメスモドキに限らない表現を皮肉げに解説したら、またしても屁泥ゼミ生から罵倒が飛んだ。
それらも一つ一つを認識するのがバカバカしいほど、語彙に欠けるものだった。
義務教育の敗北か、万能スラングに脳が敗北した結果か。
「ところで。君の金をシオリが盗んだ話が、二人のセックス事情に論点ズラされてるの、気が付いているかい?」
ここでマックスが話の軌道修正をすべきだという、警告をしてくれた。
的を射た指摘に、凌空は我に返る。
そうだ、大事なことは終わった関係ではなく金の問題だ。
見逃してやるつもりだったが、あまりのことにその決定を覆す覚悟をしたこと。
覚悟したのだから、凌空はそれとしっかり向き合わなければならない。
もちろん、汐里にもそれを突き付けるべきだ。
「論点をズラしてなんかないわ! 私、凌空の気を引きたかったの。だからね、ちょっとした出来心で、お金を引き出してみただけなの!」
「通るか、そんな屁理屈!」
「本当よ、凌空。私、あなたの愛が欲しくてお金を引き出したの。全部パチンコで溶かしていたのは、ただの成り行き。大事なのは、愛よ。ねぇ、やり直しましょう、私たち。怪我のことなら気にしなくていいから、ね? さあ、あなたも転科して屁泥ゼミに来て!」
「お前、この期に及んでまだふざけるのかよ!」
句点を打つたびに違う話をして、無理筋な誘導を試みる汐里。
沸々としたものがこみあげてきて、凌空は口角泡を飛ばして憤った。
「親からの仕送りがあるくせに、いつもいつも俺に金をせびって、あまつさえ俺をフェミニストに洗脳しようとくだらない話ばかりしやがって!」
「そんなことないわ。男性である凌空にお金を出させてあげたのよ? 男の人って、お金を出していると、彼女によくしている錯覚で気持ちよくなれるんでしょ? 価値観をアップデートできていない男性のお話も、凌空がより気持ちよくお金を出せる考え方に誘導してあげていたんじゃない。ダメね、男の人って。女の子の愛情を、全然理解してくれないんだもの」
歪んだ価値観に基づいた、汐里の傲慢な主張。
凌空にとって噴飯もののそれはしかし、まだ終わっていなかった。
息継ぎをするように一度言葉を切って、短く息を吐くように汐里は妖しい笑みを浮かべた。
そして、前に立つ石墨の肩に顎を乗せて、こう言ってのけた。
「まぁ? そんな幼いところが、母性本能を? くすぐるのかもしれないわね」
クスクスクスと、屁泥ゼミ生の群れにさざめくような笑いが広がる。
「いや? お前なんかに金をせびられて、気持ちよくなるわけないだろ」
「いいえ。それは私が成り行きで凌空の貯金を全部溶かしてしまったから、みみっちい恨みからそう言っているだけよ」
「そうだよ。男さんのくせに、終わったことをいつまでもネチネチネチネチと。だからダメなんだよ、男さんは」
「ぶひぶひぶひぶひっ! ぶひぶひっ! ガツガツガツガツガツガツガツガツ!」
強気に反論した凌空だったが、汐里と石墨の二人から馬鹿にされるだけだった。
傍らに立つマックスは、凌空に助力してあげたそうな顔をしている。
しかし、何を言えば状況が改善するのか考えあぐねて、口を開けないでいた。
そして謎の女は、屁泥ゼミ生の群れの中で豚丼を食べ続けている。
「いいや。俺はこいつに貯金をチューチューと吸い取られて、苦痛だった。いや、苦痛でしかなかった。家に帰れば美人の汐里がいるから、バイトをがんばれた? 冗談じゃない。アパートに帰れば、今日はどんな男性蔑視洗脳話をされるのかと、憂鬱でしかなかった。そんな相手の容姿が整っていたところで、何の励みにもならない」
「そんなわけないわ! トロフィーワイフを所持することは、すべての男さんの遺伝子に刻まれた滑稽で無様で愚劣で憐れな本能だもの」
「まあ、僕は君たちを〝所持〟したいとは一切思わないね」
「とととととと、取り消しなさい、マックス! い、今の言葉は差別よ! 女性様に逆らうのは全部差別! お前のママに言いつけてやるわ! きっと去勢よマックス! わかったら口を閉じろこのチー牛インセル! ムッキーッ! フンガーッ!」
軽く皮肉を言ったマックスに、石墨が凄まじい剣幕でまくし立てた。
一応言っておくが、石墨はマックスの母親の連絡先を知らない。
石墨にはまだ「ジャップオスを鎧袖一触できる白人男性様と結婚して、フェミニズムマンセーファミリーを築く」という青写真に未練がたっぷりある。
ゆえに、マックスに直接嘲笑されたのがむちゃくちゃに効いてしまった。
しかし石墨に降りかかる災いは、これで終わりではない。
ビリビリビリッ!
感情に任せて地団駄を踏んだあまり、石墨の履いていたパンツが音を立てて裂けてしまった。
着古したパンツから、誰の目にも毒でしかない下着が露出する。
「ッギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
「ヘイ、やめろよイシズミ! 汚いものを見せるな! それは環境型セクハラだぞ!」
音を聞いて即座に顔を背けたマックスが、掌を石墨に向けて笑う。
野次馬からもドッと嗤い声が上がり、場の緊張感が崩壊する。
驚くべきは、恥の概念が石墨に残っていたことだろう。
厚顔無恥の権化としていけしゃあしゃあと繰り出した間違いだらけの発言からして、人間の域を下向きに超越したアニマルが、まさかパンツが裂けたくらいで羞恥心を喚起しようなどとは。
「みっ、見るなああああああっ! 痴漢! 痴漢! どいつもこいつも環境型痴漢! お前ら全員視姦レイプマンだ! いやああああああああっ! 全員死ねーっ!」
注がれるまなざしはすべて嘲笑や侮蔑であって、性的な興味に基づくものは一切ない。
自意識過剰にならなければ、石墨はこの痴態に耐えられなかったのだ。
ガニ股になって両手で股間を前後から隠した格好で、この場を逃げ出す無様を晒しながら石墨は必死に考えていた。
この状況で心が壊れないようにする、現実の再解釈方法を。
そして、奇跡的に訪れた閃きに石墨はほぼイキかけた。
これは間抜けを晒して恥ずかしいのではなく、性的に魅力的であるはずの自分がアクシデントから性的被害を受けている。
つまり、この状況は屁泥ゼミで価値を発揮する弱者ポジションである、と。
「……勝った」
真っ赤に泣き腫らしながらも小さく呟き、同時、石墨は前のめりに倒れて見せた。
「きゃあっ、石墨さん!」
悲鳴を上げた屁泥ゼミ生の女子の声が、合図だった。
人間から汐里の柵に成り下がっていた連中が、一斉に石墨に駆け寄った。
「みんな! 石墨さんを変態から守るのよ!」
誰も興味のない石墨の尻に覆いかぶさる、屁泥ゼミ生たち。
そう、石墨はこの瞬間、屁泥ゼミ内ヒエラルキーの頂点に達したのだ。
薄幸の美少女(※成人済み)の見た目でありながら、彼氏からの暴力を受けて高度な弱者性を獲得した汐里。
それを最前線で援護して、おこぼれに預かるしかなかった石墨は。
この瞬間、事故という場の勢いで汐里の弱者性を上回ったのである。
倒れる間際に石墨の放った「勝った」の意味は、そういうことである。
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