257 / 303
武人祭
倒壊
しおりを挟む
「あんたは……?」
意識が朦朧としながらも、俺を見て疑問を呟くオカマ。
相手のリーダーも苦い顔をしていた。
「また邪魔者かよ……なんなんだよ、今日は?」
混乱気味に言う男。
「『今日は』じゃない。アルニアを誘拐した時点で、お前らの命運は尽きてんだよ」
「はぁ?何女の前だからって格好付けてんだよ、この優男様はよっ!」
近くにいた男が、斬りかかってくる。
その男に対して俺は、額にデコピンを放つ。
「くぺっ?」
デコピンを食らった奇妙な悲鳴を上げ、勢いよく縦回転しながら後ろに吹っ飛んでいき、そのまま壁に突っ込んで埋もれてる。
「なん……!?」
「さぁ、お前ら……俺の知り合いに手を出した覚悟はできてんだろうな?」
そう言って威圧すると、男たちから小さな悲鳴が上がる。
「何ビビってんだ!?あいつもただの馬鹿力ってだけだ、同じように数で押せば――」
リーダーの男が発破をかけようとしたところで、壁に埋もれていた男が抜けて落ちる。
そいつの状態を見ようと駆け寄った男が、派手に尻もちを突いて悲鳴を上げた。
「ひぃぃぃっ!?アニャ、アニキ、こここい、こいつ……し、死んでます……!」
「……は?」
動揺のし過ぎで噛みまくっていた部下が言葉にした突然の死亡発言が理解できず、リーダーの男がその方向に振り向く。
「さっきそいつにデコピンされた奴が……死んでいます」
「何言ってんだ、お前……ただのデコピンだろ?デコピンで死ぬなんてあるわけ……」
そう言いながらもリーダーの男は、俺がデコピンした男を見る。
そこには首があらぬ方向へ曲がり、息をしていない男が抱えられていた。
リーダーの男の顔色が段々と悪くなり、息も荒々しくなってくる。
俺が一歩を踏み出すと、全員の肩が飛び跳ねた。あ、これ面白いかも。
「お、お前ら……外にいる奴らも全員集めろ!」
「ダメです、アニキ!さっきオカマをリンチするために集めたのが全部です!」
「何ィ!?」
何やらコントみたいなやり取りをしている男たち。
ほう、なるほど。これで全部か……
「い、嫌だ……ぶっ飛ばされるだけなら我慢できるけど、殺されるのは嫌だっ!」
中の一人が恐怖に駆られて逃げ出す……が。
「っだ!……な、なんだコレ……なんで何も無いのに出られない!?」
そう言って出入口となる場所を叩く。
そこには男の言う通り、扉も何もないはずなのに叩く音すら聞こえてくる。
その理由は、俺が空間魔術を使って見えない壁を作っているからである。
そしてそれは、普通の出入口だけではない。
「ダメです、アニキ!どこの穴も何かに阻まれて通れません!」
「こっちも……地下への扉が開きません!」
「クソ……一体どうなってやがる?……テメェのせいか!?」
リーダーの男がそう言って睨んできたので、俺は笑って答える。
「だとしたら?」
「テメェを殺して逃げるに決まってんだろ!」
威勢よく斬りかかってくる……かと思いきや、あらぬ方向へと歩き出して身の丈より大きな赤黒い斧を手に取った。
どうやら、それがその男が扱っている専用武器のようだ。しかもただの武器じゃないみたいだな……
武器からは禍々しい雰囲気が溢れていた。妖刀ならぬ妖斧とでも言おうか。
「テメェらがどれだけ力自慢だろうと、この斧の前じゃ赤子みてぇなもんよぉ……」
斧を持ったリーダーの男は酔ったようにフラフラとし、様子がおかしくなっていた。
その急変した男に、周囲の奴らがさらに怯える。
「最悪だ……どの道俺たちはここで死ぬ運命なんだぁ……」
「お、おい!本当に出口はねえのかよ!?」
「うるせぇ!お前も探せっ!」
「ああ、神様……!」
集団パニックに陥ってしまっている男たち。
人を誘拐するような奴らが神頼みってどうよ?そして頼んだところで気紛れな神が、そんな祈り一つで助けてくれるわけがないのを俺は知っているわけだが。
そんなことはお構い無しに、リーダーの男は斧を振りかぶって襲ってくる。
「ヒャッハーッ!」
さっきまでの落ち着いた態度とは一変、血走った目でハイテンションとなっていた。
だが、テンションが高過ぎるのか斧を雑な振り下ろし方をし、俺たちのいる場所より少し横にズレたところへと落ちる。
しかしその瞬間、爆発でも起きたのではないかというくらいの威力で地面が抉られた。
「――っと」
間一髪、破片などが被弾しないようにオカマとアルニアを掴んで飛び、距離を取った。
やはりあの武器は普通じゃなかったようだ。
「ハッハハハハハハハハハッ!やっぱりこれはいつやっても最高だぁ……この圧倒的破壊力と万能感に酔いしれて、何もかもをぶっ壊せちまう!これならたとえ相手がSSランクの冒険者様でも……いや、伝説級や神話級にも勝てちまうよ!」
「なら試してみるか?」
俺が口を挟むと、男は「良い気分だったのに邪魔しやがって」と言わんばかりの表情で睨んでくる。
SSランク冒険者だったら俺もそうなのだが、ここはあいつに任せた方がいいだろう。
俺の横に空間の裂け目を作り出す。
そんな不可解な現象を目撃した男たちは、怪しむどころか何かを期待した目をする。
「出口……?出口か!?もうなんでもいい、ここから出してくれぇっ!」
焦りや恐怖からか、とにかくその場から逃げたかった男たちは、その裂け目の正体が何なのかを考えずに突っ込んできた。
俺はその男たちを止めもせず、させるがままにして裂け目に通した。
「お、俺も……!?」
さらにあとに続こうと、その裂け目に向かう男。だがその直後、裂け目の中からさっき入っていった男たちが数名、吹き飛ばされる形で裂け目から戻ってきた奴らに押し潰される。
「な、なんだぁっ!?」
上に降ってきた男を退かし、疑問の声を上げる男。
すると裂け目の中から、他の突っ込んで行った男の首を持った手が出てくる。
ゆっくりとこちらに姿を現そうとしたのは、甲冑を身に纏ったミランダだった。
大の男ですら片手で軽々と持ち上げるミランダは、今にも人を殺してしまえそうなほどに殺気をだだ漏れにしていた。
「ひっ……SSランクの冒険者……ミランダ・ワークラフト!?」
「ほ、本物かよ!?」
ミランダの顔を一目見て、誰であるかを理解する男たち。その殺気に当てられ、腰を抜かす。
雰囲気が初めて会った時のような、ピリピリとしたものを感じるミランダの横に並ぶ。
「さすがに数が多いだろうから分担するぞ。上と下、どっちがいい?」
「私はそこの元締めと周辺の奴らを相手する」
冷たい声でそう言い放つミランダ。
俺は「了解」と返事をし、アルニアとオカマを担いでさっき作った裂け目の中に入る。
――――
「「アルニアッ!」」
裂け目の繋げた先、ワークラフトの家に戻ると我先にとミランダとアルニアの両親が迫ってきた。
アルニアをゆっくりと下ろしながら彼らに引き渡す。
「ああ、アルニア……アルニア……!」
涙をポロポロと流し、アルニアの頭を撫でながら自らの頬で無事を確認するように擦り付けるフィア。
リンドールもそんな二人を包み込むように抱き、僅かに涙を浮かべていた。その目を俺に向ける。
「ありがとう、アヤト君……娘を助けてくれて……!」
「まぁ……友達、だからな……」
自分から『友達』とという言葉を出すのに少し恥ずかしさを感じながらも、笑って言う。
その恥ずかしさが爆発しないうちに、オカマをその場に置いてその場を離れようとする。
「そいつもアルニアを助けようとしたんだ、労ってやってくれ」
俺はそれだけ言い残して、裂け目の中へと再び戻っていった。
――――
裂け目を通って元の場所に戻ると、すでにミランダが男と戦い始めていた。
「フッ!」
「ハッ、甘ぇ!」
ミランダと男の周りには、すでに縦や横に真っ二つにされた部下たちの死体が複数転がっていた。十中八九、ミランダがやったのだろう。
生き残っている数人も腰を抜かしたまま失禁していたりする。
そしてミランダは悪鬼のような怒りの表情を浮かべながら、リーダーの男と打ち合っていた。
ミランダの剣速は以前より早い。しかし妹に手を出された怒りからか雑念が混じり、剣筋がかなりブレていた。
ミランダらしくないというよりも、最初のミランダに戻りつつあるように感じる。
とはいえ、冷静さを失いそうになっても、男と打ち合えるくらいではあるようだ。
「互角?SSランク様と互角ってか!やっぱ俺って強えぇっ!」
己が持つ仮初の強さに酔いしれる男。事実、ミランダの斬撃を全て斧で相殺する。
負けているわけではない。しかしこんな下衆な男に打ち勝てないという苛立ちに歯軋りし、剣の振り方がさらに雑になる。
だが、そのうちの一太刀が男の懐に届く。
「っ……ってぇなぁっ!」
「っ!?」
男が斧を横に思い切り振るい、ギリギリのところを剣で防いだミランダはボールのように吹き飛んでいってしまう。
そしてミランダは壁に叩き付けられるようにしてぶつかり、地面に落ちる。
「ぐ、うぅ……!」
「ハハハッ、SSランクっつっても大したことねぇな!これなら最近話題の『アヤト』って奴も簡単に殺せちまうんじゃねえのか!?」
気分が向上し、どんどんと調子に乗る男。
そいつに呼ばれた俺は、その目の前に姿を見せる。
「呼んだ?」
「は……っ!?」
その俺の姿を見て、男は息を飲む。
今の俺は相当に血塗れで、誰かの頭部を右手に持っている状態だからだと思う。
「お前が言うSSランク冒険者のアヤトは俺だ」
「テメェ……俺の部下たちはどうした……?」
俺の言葉など無視するように質問するリーダーだった男。
その男の足元に、持っている頭部を放り投げた。
「……ダズ……!」
男は再び冷静さを取り戻し、斧を捨てて頭だけになった男の名前であろう言葉を口にして近寄る。
いつの間にか周囲は静まり返っている。
なぜかというと、俺が奴らをすでに皆殺しにしたからだ。
投げた頭部の男はその一人である。
「ああ悪い、親しい仲だったか?適当に持ってきただけだったんだがな」
「て……めぇ……!」
憎々しげに俺を睨む男。
「……まさか、俺の仲間に手を出した自分のことを棚に上げて『よくも仲間を!』……なんて言いたいのか?どうせお前らも他の奴らに似たようなことをしてきただろうに。今更被害者ぶるなよ」
「くっ……そがぁぁぁぁっ!」
男は相当頭に血が上っているのか、武器も持たずにただ飛び付いてきた。
力も速さもさっきとは段違いに下がっているので余裕で避けられてしまい、男は何も無いところで躓いて転んでしまう。
こうなると、もはや哀れだな。
すると、男の前にはミランダがいつの間にか立ちはだかっていた。
さっき壁にぶつかった衝撃で片腕が折れてしまっているが、ミランダは据わった目で剣を振り上げ、冷たい声で言い放つ。
「……死ね、クズが」
「ひっ!?」
ミランダが振り下ろした剣を避けようと体を逸らす男。
脳天からの直撃は避けたものの、左腕の肩から先が斬り落とされてしまった。
「あ……あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁ……!?お、俺の腕……腕がぁぁぁぁ……」
「外してしまったか。安心しろ、次は確実に殺す」
殺気をさらに増して剣を構えるミランダ。
その彼女の肩を少し強引に掴んで引き寄せると、一気に殺気が消えて驚いた表情をする。
「あ、アヤト殿?」
「そこまでだ。撤収するぞ」
ただでさえ驚いていたミランダの目が一気に見開く。
そして徐々に、苦々しい表情へと変わる。
「なぜだ?アルニアは服を剥がされていた……こいつらに色んなものを奪われそうになっていたのだぞ!?」
「ああ、そうだな。だからここまでだ」
理解ができないといった風に眉をひそめるミランダ。
構わず無理矢理肩に担ぎ、閉じていた裂け目を再び開けて中に入ろうとする。
そこに小さく呟く声が、聞こえてきた。
「……ぼえ、てろよ……」
「ん?」
振り返って聞き返すと、男は痛みに涙を浮かべて耐えながらも、怒りに満ちた表情で俺を睨んだ。
「覚えてろよ、この貸しは必ず倍にして……いや、十倍にして返してやる!絶対だ!」
腕からドクドクと血が流れ出ているのを気にも止めずに、血走った目と歪んだ笑みを浮かべていた。
「この俺を生かしたことをいつの日か後悔させてやる!!まずはミランダ……テメェの家族からだ!殺して犯す……それにあのガキも!特にその男もだ!全員……殺してくれと泣き叫ぶまで痛め付けてやるっ!」
「~~~~っ!アヤト殿っ!早くそいつを……そいつを殺させてくれ!じゃなければ、その毒牙が妹にまで……!」
全くこいつらは……放っておけばいつまでも言い合ってそうだな。
「いいから行くぞ、ミランダ。あいつはもう終わりだ」
そう言っても尚、暴れ続けるミランダを強引に連れていく。
裂け目を通り抜け、ミランダを下ろすと透かさずビンタをお見舞いされる。
その顔には涙を浮かび、悔しそうに唇を噛んでいた。
「……うん、やっぱお前はあの変態顔よりそっちの方がいいな」
「茶化さないでくれ。なぜ奴を逃がすような真似をした?」
そこにいたミランダにはいつもの変態的な言動はなく、真剣な顔で怒りを含んでいた。
「逃がす?誰を?」
「茶化さないでくれと言ったはずだ!あの元締めの男を殺さず、ましてや衛兵にすら渡さないなどと……」
ミランダの言葉に頭を掻いて、やれやれと溜め息を吐く。
「俺はあいつをただ放置する気はねえよ」
「何……?ではどうすると――」
「なぁ、ミランダ」
ミランダの言葉を遮って、俺は違う方向に目を向ける。
「今、俺たちがいるこの場所がどこだかわかるか?」
「……え?」
素っ頓狂な声を出して、辺りを見渡すミランダ。
周辺にはさっき俺たちがいた場所を含めた倉庫が複数あるのだが、ミランダは空間魔術で飛んでいるからわからないだろう。
「その目の前にある建物、そこがさっきまで俺たちのいた倉庫だ」
「そう、なのか?だがそれが一体――」
――バキッ!
再びミランダの言葉を遮るように、大きな音が立つ。発信源はさっきまで俺たちがいた倉庫からだった。
次第に音は増えていき、建物が一気に崩壊する。
「な……ぁ!?」
「おー、爽快だな」
崩れる建物を眺め呟く。
中からはまだ生きていた男の断末魔が聞こえてきた。他の奴らは死んでいるので、消去法で十中八九親玉の男のものだ。
「な?もう手を下す必要はなかったんだよ」
「まさかこれを人為的に引き起こしたと?」
「元々この倉庫には、あいつらを逃がさないように空間魔術で周りを固定してたんだ。そんでお前らが戦いに熱中してる間に支柱を全部壊しておいて、その魔術をたった今解いたってわけだ」
そして何の支えもなくなった建物は、当然崩壊する。
ギリギリ生きているのか男の恨み辛みが木霊して聞こえ、それを聞いた俺は思わず笑ってしまう。
「このまま生きていたとしても、出血で死ぬ……どうせ恨みを晴らすなら、苦しみながら死んでもらった方がいいだろ?まぁ、瓦礫やらに押し潰されて死んでもらってもいいが」
「……」
「不満か?自分の手で屠れなかったのが」
感情を押し殺すように黙っているミランダを見て、俺はそう問いかける。
「……いや、これでいい。騎士道精神を問われれば悪と言われるかもしれないが、アヤト殿のおかげで少し心が晴れた」
ミランダはそう言いつつも、スッキリしていないような顔をしていた。
意識が朦朧としながらも、俺を見て疑問を呟くオカマ。
相手のリーダーも苦い顔をしていた。
「また邪魔者かよ……なんなんだよ、今日は?」
混乱気味に言う男。
「『今日は』じゃない。アルニアを誘拐した時点で、お前らの命運は尽きてんだよ」
「はぁ?何女の前だからって格好付けてんだよ、この優男様はよっ!」
近くにいた男が、斬りかかってくる。
その男に対して俺は、額にデコピンを放つ。
「くぺっ?」
デコピンを食らった奇妙な悲鳴を上げ、勢いよく縦回転しながら後ろに吹っ飛んでいき、そのまま壁に突っ込んで埋もれてる。
「なん……!?」
「さぁ、お前ら……俺の知り合いに手を出した覚悟はできてんだろうな?」
そう言って威圧すると、男たちから小さな悲鳴が上がる。
「何ビビってんだ!?あいつもただの馬鹿力ってだけだ、同じように数で押せば――」
リーダーの男が発破をかけようとしたところで、壁に埋もれていた男が抜けて落ちる。
そいつの状態を見ようと駆け寄った男が、派手に尻もちを突いて悲鳴を上げた。
「ひぃぃぃっ!?アニャ、アニキ、こここい、こいつ……し、死んでます……!」
「……は?」
動揺のし過ぎで噛みまくっていた部下が言葉にした突然の死亡発言が理解できず、リーダーの男がその方向に振り向く。
「さっきそいつにデコピンされた奴が……死んでいます」
「何言ってんだ、お前……ただのデコピンだろ?デコピンで死ぬなんてあるわけ……」
そう言いながらもリーダーの男は、俺がデコピンした男を見る。
そこには首があらぬ方向へ曲がり、息をしていない男が抱えられていた。
リーダーの男の顔色が段々と悪くなり、息も荒々しくなってくる。
俺が一歩を踏み出すと、全員の肩が飛び跳ねた。あ、これ面白いかも。
「お、お前ら……外にいる奴らも全員集めろ!」
「ダメです、アニキ!さっきオカマをリンチするために集めたのが全部です!」
「何ィ!?」
何やらコントみたいなやり取りをしている男たち。
ほう、なるほど。これで全部か……
「い、嫌だ……ぶっ飛ばされるだけなら我慢できるけど、殺されるのは嫌だっ!」
中の一人が恐怖に駆られて逃げ出す……が。
「っだ!……な、なんだコレ……なんで何も無いのに出られない!?」
そう言って出入口となる場所を叩く。
そこには男の言う通り、扉も何もないはずなのに叩く音すら聞こえてくる。
その理由は、俺が空間魔術を使って見えない壁を作っているからである。
そしてそれは、普通の出入口だけではない。
「ダメです、アニキ!どこの穴も何かに阻まれて通れません!」
「こっちも……地下への扉が開きません!」
「クソ……一体どうなってやがる?……テメェのせいか!?」
リーダーの男がそう言って睨んできたので、俺は笑って答える。
「だとしたら?」
「テメェを殺して逃げるに決まってんだろ!」
威勢よく斬りかかってくる……かと思いきや、あらぬ方向へと歩き出して身の丈より大きな赤黒い斧を手に取った。
どうやら、それがその男が扱っている専用武器のようだ。しかもただの武器じゃないみたいだな……
武器からは禍々しい雰囲気が溢れていた。妖刀ならぬ妖斧とでも言おうか。
「テメェらがどれだけ力自慢だろうと、この斧の前じゃ赤子みてぇなもんよぉ……」
斧を持ったリーダーの男は酔ったようにフラフラとし、様子がおかしくなっていた。
その急変した男に、周囲の奴らがさらに怯える。
「最悪だ……どの道俺たちはここで死ぬ運命なんだぁ……」
「お、おい!本当に出口はねえのかよ!?」
「うるせぇ!お前も探せっ!」
「ああ、神様……!」
集団パニックに陥ってしまっている男たち。
人を誘拐するような奴らが神頼みってどうよ?そして頼んだところで気紛れな神が、そんな祈り一つで助けてくれるわけがないのを俺は知っているわけだが。
そんなことはお構い無しに、リーダーの男は斧を振りかぶって襲ってくる。
「ヒャッハーッ!」
さっきまでの落ち着いた態度とは一変、血走った目でハイテンションとなっていた。
だが、テンションが高過ぎるのか斧を雑な振り下ろし方をし、俺たちのいる場所より少し横にズレたところへと落ちる。
しかしその瞬間、爆発でも起きたのではないかというくらいの威力で地面が抉られた。
「――っと」
間一髪、破片などが被弾しないようにオカマとアルニアを掴んで飛び、距離を取った。
やはりあの武器は普通じゃなかったようだ。
「ハッハハハハハハハハハッ!やっぱりこれはいつやっても最高だぁ……この圧倒的破壊力と万能感に酔いしれて、何もかもをぶっ壊せちまう!これならたとえ相手がSSランクの冒険者様でも……いや、伝説級や神話級にも勝てちまうよ!」
「なら試してみるか?」
俺が口を挟むと、男は「良い気分だったのに邪魔しやがって」と言わんばかりの表情で睨んでくる。
SSランク冒険者だったら俺もそうなのだが、ここはあいつに任せた方がいいだろう。
俺の横に空間の裂け目を作り出す。
そんな不可解な現象を目撃した男たちは、怪しむどころか何かを期待した目をする。
「出口……?出口か!?もうなんでもいい、ここから出してくれぇっ!」
焦りや恐怖からか、とにかくその場から逃げたかった男たちは、その裂け目の正体が何なのかを考えずに突っ込んできた。
俺はその男たちを止めもせず、させるがままにして裂け目に通した。
「お、俺も……!?」
さらにあとに続こうと、その裂け目に向かう男。だがその直後、裂け目の中からさっき入っていった男たちが数名、吹き飛ばされる形で裂け目から戻ってきた奴らに押し潰される。
「な、なんだぁっ!?」
上に降ってきた男を退かし、疑問の声を上げる男。
すると裂け目の中から、他の突っ込んで行った男の首を持った手が出てくる。
ゆっくりとこちらに姿を現そうとしたのは、甲冑を身に纏ったミランダだった。
大の男ですら片手で軽々と持ち上げるミランダは、今にも人を殺してしまえそうなほどに殺気をだだ漏れにしていた。
「ひっ……SSランクの冒険者……ミランダ・ワークラフト!?」
「ほ、本物かよ!?」
ミランダの顔を一目見て、誰であるかを理解する男たち。その殺気に当てられ、腰を抜かす。
雰囲気が初めて会った時のような、ピリピリとしたものを感じるミランダの横に並ぶ。
「さすがに数が多いだろうから分担するぞ。上と下、どっちがいい?」
「私はそこの元締めと周辺の奴らを相手する」
冷たい声でそう言い放つミランダ。
俺は「了解」と返事をし、アルニアとオカマを担いでさっき作った裂け目の中に入る。
――――
「「アルニアッ!」」
裂け目の繋げた先、ワークラフトの家に戻ると我先にとミランダとアルニアの両親が迫ってきた。
アルニアをゆっくりと下ろしながら彼らに引き渡す。
「ああ、アルニア……アルニア……!」
涙をポロポロと流し、アルニアの頭を撫でながら自らの頬で無事を確認するように擦り付けるフィア。
リンドールもそんな二人を包み込むように抱き、僅かに涙を浮かべていた。その目を俺に向ける。
「ありがとう、アヤト君……娘を助けてくれて……!」
「まぁ……友達、だからな……」
自分から『友達』とという言葉を出すのに少し恥ずかしさを感じながらも、笑って言う。
その恥ずかしさが爆発しないうちに、オカマをその場に置いてその場を離れようとする。
「そいつもアルニアを助けようとしたんだ、労ってやってくれ」
俺はそれだけ言い残して、裂け目の中へと再び戻っていった。
――――
裂け目を通って元の場所に戻ると、すでにミランダが男と戦い始めていた。
「フッ!」
「ハッ、甘ぇ!」
ミランダと男の周りには、すでに縦や横に真っ二つにされた部下たちの死体が複数転がっていた。十中八九、ミランダがやったのだろう。
生き残っている数人も腰を抜かしたまま失禁していたりする。
そしてミランダは悪鬼のような怒りの表情を浮かべながら、リーダーの男と打ち合っていた。
ミランダの剣速は以前より早い。しかし妹に手を出された怒りからか雑念が混じり、剣筋がかなりブレていた。
ミランダらしくないというよりも、最初のミランダに戻りつつあるように感じる。
とはいえ、冷静さを失いそうになっても、男と打ち合えるくらいではあるようだ。
「互角?SSランク様と互角ってか!やっぱ俺って強えぇっ!」
己が持つ仮初の強さに酔いしれる男。事実、ミランダの斬撃を全て斧で相殺する。
負けているわけではない。しかしこんな下衆な男に打ち勝てないという苛立ちに歯軋りし、剣の振り方がさらに雑になる。
だが、そのうちの一太刀が男の懐に届く。
「っ……ってぇなぁっ!」
「っ!?」
男が斧を横に思い切り振るい、ギリギリのところを剣で防いだミランダはボールのように吹き飛んでいってしまう。
そしてミランダは壁に叩き付けられるようにしてぶつかり、地面に落ちる。
「ぐ、うぅ……!」
「ハハハッ、SSランクっつっても大したことねぇな!これなら最近話題の『アヤト』って奴も簡単に殺せちまうんじゃねえのか!?」
気分が向上し、どんどんと調子に乗る男。
そいつに呼ばれた俺は、その目の前に姿を見せる。
「呼んだ?」
「は……っ!?」
その俺の姿を見て、男は息を飲む。
今の俺は相当に血塗れで、誰かの頭部を右手に持っている状態だからだと思う。
「お前が言うSSランク冒険者のアヤトは俺だ」
「テメェ……俺の部下たちはどうした……?」
俺の言葉など無視するように質問するリーダーだった男。
その男の足元に、持っている頭部を放り投げた。
「……ダズ……!」
男は再び冷静さを取り戻し、斧を捨てて頭だけになった男の名前であろう言葉を口にして近寄る。
いつの間にか周囲は静まり返っている。
なぜかというと、俺が奴らをすでに皆殺しにしたからだ。
投げた頭部の男はその一人である。
「ああ悪い、親しい仲だったか?適当に持ってきただけだったんだがな」
「て……めぇ……!」
憎々しげに俺を睨む男。
「……まさか、俺の仲間に手を出した自分のことを棚に上げて『よくも仲間を!』……なんて言いたいのか?どうせお前らも他の奴らに似たようなことをしてきただろうに。今更被害者ぶるなよ」
「くっ……そがぁぁぁぁっ!」
男は相当頭に血が上っているのか、武器も持たずにただ飛び付いてきた。
力も速さもさっきとは段違いに下がっているので余裕で避けられてしまい、男は何も無いところで躓いて転んでしまう。
こうなると、もはや哀れだな。
すると、男の前にはミランダがいつの間にか立ちはだかっていた。
さっき壁にぶつかった衝撃で片腕が折れてしまっているが、ミランダは据わった目で剣を振り上げ、冷たい声で言い放つ。
「……死ね、クズが」
「ひっ!?」
ミランダが振り下ろした剣を避けようと体を逸らす男。
脳天からの直撃は避けたものの、左腕の肩から先が斬り落とされてしまった。
「あ……あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁ……!?お、俺の腕……腕がぁぁぁぁ……」
「外してしまったか。安心しろ、次は確実に殺す」
殺気をさらに増して剣を構えるミランダ。
その彼女の肩を少し強引に掴んで引き寄せると、一気に殺気が消えて驚いた表情をする。
「あ、アヤト殿?」
「そこまでだ。撤収するぞ」
ただでさえ驚いていたミランダの目が一気に見開く。
そして徐々に、苦々しい表情へと変わる。
「なぜだ?アルニアは服を剥がされていた……こいつらに色んなものを奪われそうになっていたのだぞ!?」
「ああ、そうだな。だからここまでだ」
理解ができないといった風に眉をひそめるミランダ。
構わず無理矢理肩に担ぎ、閉じていた裂け目を再び開けて中に入ろうとする。
そこに小さく呟く声が、聞こえてきた。
「……ぼえ、てろよ……」
「ん?」
振り返って聞き返すと、男は痛みに涙を浮かべて耐えながらも、怒りに満ちた表情で俺を睨んだ。
「覚えてろよ、この貸しは必ず倍にして……いや、十倍にして返してやる!絶対だ!」
腕からドクドクと血が流れ出ているのを気にも止めずに、血走った目と歪んだ笑みを浮かべていた。
「この俺を生かしたことをいつの日か後悔させてやる!!まずはミランダ……テメェの家族からだ!殺して犯す……それにあのガキも!特にその男もだ!全員……殺してくれと泣き叫ぶまで痛め付けてやるっ!」
「~~~~っ!アヤト殿っ!早くそいつを……そいつを殺させてくれ!じゃなければ、その毒牙が妹にまで……!」
全くこいつらは……放っておけばいつまでも言い合ってそうだな。
「いいから行くぞ、ミランダ。あいつはもう終わりだ」
そう言っても尚、暴れ続けるミランダを強引に連れていく。
裂け目を通り抜け、ミランダを下ろすと透かさずビンタをお見舞いされる。
その顔には涙を浮かび、悔しそうに唇を噛んでいた。
「……うん、やっぱお前はあの変態顔よりそっちの方がいいな」
「茶化さないでくれ。なぜ奴を逃がすような真似をした?」
そこにいたミランダにはいつもの変態的な言動はなく、真剣な顔で怒りを含んでいた。
「逃がす?誰を?」
「茶化さないでくれと言ったはずだ!あの元締めの男を殺さず、ましてや衛兵にすら渡さないなどと……」
ミランダの言葉に頭を掻いて、やれやれと溜め息を吐く。
「俺はあいつをただ放置する気はねえよ」
「何……?ではどうすると――」
「なぁ、ミランダ」
ミランダの言葉を遮って、俺は違う方向に目を向ける。
「今、俺たちがいるこの場所がどこだかわかるか?」
「……え?」
素っ頓狂な声を出して、辺りを見渡すミランダ。
周辺にはさっき俺たちがいた場所を含めた倉庫が複数あるのだが、ミランダは空間魔術で飛んでいるからわからないだろう。
「その目の前にある建物、そこがさっきまで俺たちのいた倉庫だ」
「そう、なのか?だがそれが一体――」
――バキッ!
再びミランダの言葉を遮るように、大きな音が立つ。発信源はさっきまで俺たちがいた倉庫からだった。
次第に音は増えていき、建物が一気に崩壊する。
「な……ぁ!?」
「おー、爽快だな」
崩れる建物を眺め呟く。
中からはまだ生きていた男の断末魔が聞こえてきた。他の奴らは死んでいるので、消去法で十中八九親玉の男のものだ。
「な?もう手を下す必要はなかったんだよ」
「まさかこれを人為的に引き起こしたと?」
「元々この倉庫には、あいつらを逃がさないように空間魔術で周りを固定してたんだ。そんでお前らが戦いに熱中してる間に支柱を全部壊しておいて、その魔術をたった今解いたってわけだ」
そして何の支えもなくなった建物は、当然崩壊する。
ギリギリ生きているのか男の恨み辛みが木霊して聞こえ、それを聞いた俺は思わず笑ってしまう。
「このまま生きていたとしても、出血で死ぬ……どうせ恨みを晴らすなら、苦しみながら死んでもらった方がいいだろ?まぁ、瓦礫やらに押し潰されて死んでもらってもいいが」
「……」
「不満か?自分の手で屠れなかったのが」
感情を押し殺すように黙っているミランダを見て、俺はそう問いかける。
「……いや、これでいい。騎士道精神を問われれば悪と言われるかもしれないが、アヤト殿のおかげで少し心が晴れた」
ミランダはそう言いつつも、スッキリしていないような顔をしていた。
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。