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第2章 こくら物語 Ⅱ 標準語
第21話 一昨日の夜から40時間ちょっとだけ
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「なにこれ?国連マークだけど?明彦は国連機関の職員なの?」とミキちゃんが首を傾げている。
「そうみたいね。UNDP。United Nations Development Programme、国際連合開発計画。国連の補助機関。でも、その名刺の裏を見てよ」
ミキが名刺をひっくり返した。眉を顰めている。「表が国連組織で、裏がJAXA?JAXAって、あのロケットのH2Aを飛ばしている日本の組織じゃん?」
「JAXAは宇宙航空研究開発機構よ。つまり、彼は国際機関と日本の政府機関に勤務していて、で、住んでいるのがスリランカってこと。理解できないわね?なぜ、スリランカなの?先進国じゃないのよ?UNDPだけならわかるわ。開発途上国の経済、社会的発展のために、プロジェクト策定や管理をする機関なんだから。だけど、JAXA?JAXAから出向でUNDPなのかしら?でも、JAXAは宇宙開発の機関なのよ?」
「インドなんかもICBMや衛星ロケットを打ち上げているけど?」
「インドはスリランカよりも貧しいけれど、宇宙開発は1960年代に開始されたの。1970年代には初の国産打ち上げロケットの発射が成功しているわ。フランス、アメリカ、ロシアが技術協力したの。貧しいとは言っても十数億人の人口の国だから、宇宙開発の予算くらいは捻出できる。だけど、スリランカはインドよりは裕福だけど人口は2千万人程度。宇宙開発の予算なんかないわ」
「なんかよくわかんないけど、本人に聞いてみようよ。だって、政府機関の職員が美術品売買ビジネスへ投資するってわけわかんないよ。JAXAって組織は美術品の目利きもできるのかしら?」
「まさかね。謎ね。本人は雲の上だし、次に日本に来た時に聞かないと。でも、政府機関職員なんだから、まっとうな職業だし、安心は安心だわ」
┈┈••✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼┈┈
関西空港駅から12:14分発の特急はるか22号で新大阪まで行った。電車賃、明彦に出してもらって悪かったなあ。彼、お金持ってるのよねえ。まあ、貧乏よりいいかあ。
新大阪駅で待ち時間が10分くらいあったので、駅弁を買う。ミキちゃんに「駅弁、買おうよ」と言ったら「お腹すいた」と言う。あれだけ、リーガロイヤルホテルのビュッフェで食べて、まだ食べられるの?
私は明彦の前だから遠慮して少ししか食べなかった。淑女の嗜み。普段はミキちゃんと同じくらいの食欲だけど。小娘は、天ぷら、お寿司、お稲荷さん、おうどん、デザートをすべて平らげた。小娘、よく食べたよなあ。
「直美さん、駅弁は私が買うからね」と言う。それで、カゴになんとか御膳という赤飯、煮物、揚げ物、お肉、タコの炊き込みご飯のおかずがいっぱいの駅弁を放り込み、牛タン弁当も放り込む。
それ、全部食べるの?うん、食べる!と言う。私も幕の内弁当に。ウニ・いくら丼をカゴに放り込んだ。朝、遠慮したからお腹がすいたのだ。新幹線は、13:18分発で15:57分着。3時間近くある。ビールも500ml 4本。あ~あ、太るかも。
だけど、一昨日の夜から、40時間ちょっとしか経ってない。あっという間だったな。大阪には夜行バスで来て、帰りは新幹線なんて。こういう旅も悪くないじゃない?あ!バーのオーナーにお店を昨日閉めちゃったのを謝らないといけないじゃない!
「やることがいっぱいあるわねえ」と独り言。
「直美さん、会社作るってどうやるの?」
「前に友人に聞いたら、市役所の窓口やハローワークで起業のやり方とか、小倉市の補助金制度とか、市が紹介してくれるオフィスとか教えてくれるらしいの。ミキちゃんが従業員になったら、ミキちゃんのお給料の一部も負担してくれるようよ」
「それ、事務作業は私手伝うよ」
「当てにしてるわ」
「香港とシンガポールだと、英語だよね?」
「私はちょっと話せるけど・・・」
「私は、TOEIC、820点とってる。だから、会話と書類作業は、もうちょっと勉強すればなんとかなるかも」
「それって、すごくない?TOEICって、平均点620点くらいじゃなかったかしら?」
「うん、勉強してもう1回受けて、900点以上とろうかしら?」
「ミキちゃん、そっち、任せた。私は、画廊とか画家の発掘をするわ」
やることがだんだん見えてきた。二人して、二人前の駅弁をペロッと食べてしまい、ビールもあっという間になくなって、パーサーさんが通りがかったので、ウィスキーのミニチュアボトルを3本ずつ、ロックでもらった。パーサーが女二人、トリプルロックなんていうので目を丸くしていた。
山陽新幹線さくら583号は、13:18分発、博多駅着が15:57分。もっと乗っていたいな。
ミキちゃんと新幹線の中で話して、彼女は私のマンションに住むことになった。全財産が今持っているバッグだけなんで、引っ越しは必要ないのだ。彼女は身ぎれいだけど、スーツケースならわかるが、あんなバックひとつで服から下着から詰め込むのってすごい。ミニマムの持ち物なんだろう。でも、もっと服や靴は買わないと。明日、服を買いに一緒に行こう。
漫画喫茶を転々として、コインランドリーで洗濯、ファストフード店で食事するなんて生活じゃあダメだものね?いやいや、彼女の言う『寂しくなっても、私がいるから、なぐさめてあげる』目当てじゃないわよ。ない!絶対にない!
・・・初日からやってしまった。
「そうみたいね。UNDP。United Nations Development Programme、国際連合開発計画。国連の補助機関。でも、その名刺の裏を見てよ」
ミキが名刺をひっくり返した。眉を顰めている。「表が国連組織で、裏がJAXA?JAXAって、あのロケットのH2Aを飛ばしている日本の組織じゃん?」
「JAXAは宇宙航空研究開発機構よ。つまり、彼は国際機関と日本の政府機関に勤務していて、で、住んでいるのがスリランカってこと。理解できないわね?なぜ、スリランカなの?先進国じゃないのよ?UNDPだけならわかるわ。開発途上国の経済、社会的発展のために、プロジェクト策定や管理をする機関なんだから。だけど、JAXA?JAXAから出向でUNDPなのかしら?でも、JAXAは宇宙開発の機関なのよ?」
「インドなんかもICBMや衛星ロケットを打ち上げているけど?」
「インドはスリランカよりも貧しいけれど、宇宙開発は1960年代に開始されたの。1970年代には初の国産打ち上げロケットの発射が成功しているわ。フランス、アメリカ、ロシアが技術協力したの。貧しいとは言っても十数億人の人口の国だから、宇宙開発の予算くらいは捻出できる。だけど、スリランカはインドよりは裕福だけど人口は2千万人程度。宇宙開発の予算なんかないわ」
「なんかよくわかんないけど、本人に聞いてみようよ。だって、政府機関の職員が美術品売買ビジネスへ投資するってわけわかんないよ。JAXAって組織は美術品の目利きもできるのかしら?」
「まさかね。謎ね。本人は雲の上だし、次に日本に来た時に聞かないと。でも、政府機関職員なんだから、まっとうな職業だし、安心は安心だわ」
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関西空港駅から12:14分発の特急はるか22号で新大阪まで行った。電車賃、明彦に出してもらって悪かったなあ。彼、お金持ってるのよねえ。まあ、貧乏よりいいかあ。
新大阪駅で待ち時間が10分くらいあったので、駅弁を買う。ミキちゃんに「駅弁、買おうよ」と言ったら「お腹すいた」と言う。あれだけ、リーガロイヤルホテルのビュッフェで食べて、まだ食べられるの?
私は明彦の前だから遠慮して少ししか食べなかった。淑女の嗜み。普段はミキちゃんと同じくらいの食欲だけど。小娘は、天ぷら、お寿司、お稲荷さん、おうどん、デザートをすべて平らげた。小娘、よく食べたよなあ。
「直美さん、駅弁は私が買うからね」と言う。それで、カゴになんとか御膳という赤飯、煮物、揚げ物、お肉、タコの炊き込みご飯のおかずがいっぱいの駅弁を放り込み、牛タン弁当も放り込む。
それ、全部食べるの?うん、食べる!と言う。私も幕の内弁当に。ウニ・いくら丼をカゴに放り込んだ。朝、遠慮したからお腹がすいたのだ。新幹線は、13:18分発で15:57分着。3時間近くある。ビールも500ml 4本。あ~あ、太るかも。
だけど、一昨日の夜から、40時間ちょっとしか経ってない。あっという間だったな。大阪には夜行バスで来て、帰りは新幹線なんて。こういう旅も悪くないじゃない?あ!バーのオーナーにお店を昨日閉めちゃったのを謝らないといけないじゃない!
「やることがいっぱいあるわねえ」と独り言。
「直美さん、会社作るってどうやるの?」
「前に友人に聞いたら、市役所の窓口やハローワークで起業のやり方とか、小倉市の補助金制度とか、市が紹介してくれるオフィスとか教えてくれるらしいの。ミキちゃんが従業員になったら、ミキちゃんのお給料の一部も負担してくれるようよ」
「それ、事務作業は私手伝うよ」
「当てにしてるわ」
「香港とシンガポールだと、英語だよね?」
「私はちょっと話せるけど・・・」
「私は、TOEIC、820点とってる。だから、会話と書類作業は、もうちょっと勉強すればなんとかなるかも」
「それって、すごくない?TOEICって、平均点620点くらいじゃなかったかしら?」
「うん、勉強してもう1回受けて、900点以上とろうかしら?」
「ミキちゃん、そっち、任せた。私は、画廊とか画家の発掘をするわ」
やることがだんだん見えてきた。二人して、二人前の駅弁をペロッと食べてしまい、ビールもあっという間になくなって、パーサーさんが通りがかったので、ウィスキーのミニチュアボトルを3本ずつ、ロックでもらった。パーサーが女二人、トリプルロックなんていうので目を丸くしていた。
山陽新幹線さくら583号は、13:18分発、博多駅着が15:57分。もっと乗っていたいな。
ミキちゃんと新幹線の中で話して、彼女は私のマンションに住むことになった。全財産が今持っているバッグだけなんで、引っ越しは必要ないのだ。彼女は身ぎれいだけど、スーツケースならわかるが、あんなバックひとつで服から下着から詰め込むのってすごい。ミニマムの持ち物なんだろう。でも、もっと服や靴は買わないと。明日、服を買いに一緒に行こう。
漫画喫茶を転々として、コインランドリーで洗濯、ファストフード店で食事するなんて生活じゃあダメだものね?いやいや、彼女の言う『寂しくなっても、私がいるから、なぐさめてあげる』目当てじゃないわよ。ない!絶対にない!
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