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69.※宿屋にて③
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ダニエルと話して頭を撫でてもらっていたらルシアンとダイアンが部屋へと戻ってきた。
ダイアンは目が覚めたダニエルを見て、縋りつくようにワンワン泣いて、落ち着いたところでルシアンがダニエルに挨拶をしていた。
ダニエルは暫くジッとルシアンを見た後でいくつかの質問をしていたけど、どうやらこれなら大丈夫と判断したのか、どこかホッとしたように肩の力を抜いていた。
「カイ。ルシアンはお前よりずっと大人のようだから、ちゃんと言うことを聞いて頼るんだぞ?」
その言葉に俺も素直に頷きを返す。
ダニエルがそう言うのも当然だ。
ルシアンは前世も合わせたらこの場にいる誰よりも人生経験が豊富なのだから。
(でもそっか…)
父の件はルシアンに相談するのが一番いいのかもしれない。
あれほど戦場でやり合った相手だ。
元敵将とは言え、だからこそわかることもあるだろう。
そう考えたらなんだか少しだけ気が楽になった。
「そうだ、カイ。今日はどうする?お前が使ってたベッドはこのままダイアンに譲って、ダイアンが泊ってた方の部屋に泊まるか?それともダブルで取れる部屋があるか宿で聞いてみるか?」
サラリと聞かれた内容に、そう言えばと考える。
ルシアンと住む家はまだ決まっていない。
色々あって時間も無くなったから、今夜は宿に泊まるかルシアンの住んでる寮の部屋に行くかの二択だろう。
離れるのは嫌だ。
「ル、ルシアン。今日はその…」
『どうする?』と上目遣いで恐る恐る尋ねたら、にこりと笑って『離れたくないな』と無邪気な答えが返ってきた。
「折角再会できたし、一緒に泊まれたらと思うけど、どうかな?」
猫かぶり全開でこんな風に言われても、きっとダニエル達はルシアンが豹変してあんなことやこんなことをしてくるなんて思いもしないだろう。
(…まあ気持ちいいからいいんだけど)
「え…えっと…」
つい夜のことを想像してしまって真っ赤になる俺を優しく見遣るルシアン。
そんな俺達を微笑ましそうに見るダニエルとちょっと頬を染めながら見守るダイアン。
「じゃあ私が宿の主人に聞いてきてあげるわ」
もし空きがなかったらちょっと狭いかもしれないけどシングルで一緒に寝てねと言って、ダイアンが宿の主人の元へと向かってしまう。
何だか凄く気恥ずかしい。
そして俺達はダブルの部屋を取り直して、二人で泊まることになった。
***
「あ…んっ……」
部屋に防音の魔法を施して、ルシアンが丁寧に俺の身体を愛撫する。
胸を捏ねられ、スススッと官能を呼び覚ますように肌を撫で上げられてそのたびにピクピクと身を震わせられる。
その手は温かくて、俺へと向けられる眼差しにはただの情欲ではなく俺を熱烈に求める炎が灯っていて、ルシアンが心底俺を求めているのがこれでもかというほど伝わってきて真っ赤になった。
魔剣としての俺だけじゃなく人の身の俺も愛してるという言葉にこれっぽっちも偽りなどない。
ルシアンは俺が好き────。
絶対的な安心感に不安を抱く隙間もない。
呼んでさえもらえればすぐにでも側に行けるのも今日証明された。
これは魔剣だからこそできること。
そしてこうして愛し合えるのも人だからこそできること。
どちらも俺で、どちらもルシアンは愛してくれる。それが嬉しくてたまらなかった。
「は…ぁ…ルシィ……っ」
あんなに嫌いだったはずのルシアンが今は誰よりも愛おしい。
そんなルシアンにどこまでも尽くしたくなった。
「ルシィ。俺、ルシィにいっぱい尽くしたい」
「……っ。そ、そうか」
「でもこういうのは無知だから…その…色々教えて、ほしい」
恥ずかしいけど経験豊富なルシアンに教えてもらおうと思ってそう口にしたら、何故か思い切り抱きしめながらキスされて、いつの間にか後ろに挿れられていた指が抜けて、片足を抱えられた状態で熱く滾った楔が後孔へと添えられそのままゆっくりと沈み込んできた。
(ふ、深いぃぃいっ!!)
でもそれがすごく気持ち良くて、挿れられただけで達してしまう。
「あ…あぁっ……!」
「カイ。気に入ったか?」
「んっんっ…ダメっ!これ、ダメぇっ…!」
「凄く締め付けてるものな?気持ちいいんだろう?」
「んあぁあああっ!」
一際強く奥まで突き込まれて目の前に星が飛ぶ。
チカチカとする視界に戸惑いながら必死に息をするけど、気持ち良過ぎて喘ぐことしかできない。
「あっ、あんっ!んぅっ!はぁっ!」
気持ちいい。気持ちいい。気持ちいい。
それだけで頭の中がいっぱいになって、ただただ翻弄され続ける俺。
もっと余裕があったらルシアンにも気持ちよくなってもらえるのに。
そう思うと悲しくて、なんとか合間合間にそれを頑張って伝えたら益々激しくなった。
あんまり煽るなってどういう意味?
俺にはわからないけど、言ったらダメだったんだろうか?
でも本音だし、ルシアンに尽くしたいのは本当だから、また今度言ってみよう。
「カイッ、カイッ!」
激しく何度も擦り上げるように突き上げられて、何度も達しながらもっととばかりに締め付けるとやがて熱い子種が身体の奥で弾けた。
トクントクンと注がれる熱を感じながら息を整え、幸せに酔いしれる。
「ん…やっぱりこれ…好き」
へにゃりと頬を緩ませながらそう伝えたら、『そう言うのは絶対に他の誰かに言うな。わかったな?』と言って噛みつくようにキスされた。
それにしてもいつの間に復活したんだろう?
中に入ってるルシアンがまた大きくなったんだけど…。
「カイザーリード。今夜は夜通し繋がっていような?」
ルシアンのその言葉を反芻して、俺もずっと繋がっていたいと素直に思った。
こんなに嬉しいことはない。
「ルシィ。幸せ。もっといっぱい愛して」
満面の笑みでそう返した俺を満足そうに見遣って、ルシアンは返事の代わりにそっと優しくキスを落とした。
ダイアンは目が覚めたダニエルを見て、縋りつくようにワンワン泣いて、落ち着いたところでルシアンがダニエルに挨拶をしていた。
ダニエルは暫くジッとルシアンを見た後でいくつかの質問をしていたけど、どうやらこれなら大丈夫と判断したのか、どこかホッとしたように肩の力を抜いていた。
「カイ。ルシアンはお前よりずっと大人のようだから、ちゃんと言うことを聞いて頼るんだぞ?」
その言葉に俺も素直に頷きを返す。
ダニエルがそう言うのも当然だ。
ルシアンは前世も合わせたらこの場にいる誰よりも人生経験が豊富なのだから。
(でもそっか…)
父の件はルシアンに相談するのが一番いいのかもしれない。
あれほど戦場でやり合った相手だ。
元敵将とは言え、だからこそわかることもあるだろう。
そう考えたらなんだか少しだけ気が楽になった。
「そうだ、カイ。今日はどうする?お前が使ってたベッドはこのままダイアンに譲って、ダイアンが泊ってた方の部屋に泊まるか?それともダブルで取れる部屋があるか宿で聞いてみるか?」
サラリと聞かれた内容に、そう言えばと考える。
ルシアンと住む家はまだ決まっていない。
色々あって時間も無くなったから、今夜は宿に泊まるかルシアンの住んでる寮の部屋に行くかの二択だろう。
離れるのは嫌だ。
「ル、ルシアン。今日はその…」
『どうする?』と上目遣いで恐る恐る尋ねたら、にこりと笑って『離れたくないな』と無邪気な答えが返ってきた。
「折角再会できたし、一緒に泊まれたらと思うけど、どうかな?」
猫かぶり全開でこんな風に言われても、きっとダニエル達はルシアンが豹変してあんなことやこんなことをしてくるなんて思いもしないだろう。
(…まあ気持ちいいからいいんだけど)
「え…えっと…」
つい夜のことを想像してしまって真っ赤になる俺を優しく見遣るルシアン。
そんな俺達を微笑ましそうに見るダニエルとちょっと頬を染めながら見守るダイアン。
「じゃあ私が宿の主人に聞いてきてあげるわ」
もし空きがなかったらちょっと狭いかもしれないけどシングルで一緒に寝てねと言って、ダイアンが宿の主人の元へと向かってしまう。
何だか凄く気恥ずかしい。
そして俺達はダブルの部屋を取り直して、二人で泊まることになった。
***
「あ…んっ……」
部屋に防音の魔法を施して、ルシアンが丁寧に俺の身体を愛撫する。
胸を捏ねられ、スススッと官能を呼び覚ますように肌を撫で上げられてそのたびにピクピクと身を震わせられる。
その手は温かくて、俺へと向けられる眼差しにはただの情欲ではなく俺を熱烈に求める炎が灯っていて、ルシアンが心底俺を求めているのがこれでもかというほど伝わってきて真っ赤になった。
魔剣としての俺だけじゃなく人の身の俺も愛してるという言葉にこれっぽっちも偽りなどない。
ルシアンは俺が好き────。
絶対的な安心感に不安を抱く隙間もない。
呼んでさえもらえればすぐにでも側に行けるのも今日証明された。
これは魔剣だからこそできること。
そしてこうして愛し合えるのも人だからこそできること。
どちらも俺で、どちらもルシアンは愛してくれる。それが嬉しくてたまらなかった。
「は…ぁ…ルシィ……っ」
あんなに嫌いだったはずのルシアンが今は誰よりも愛おしい。
そんなルシアンにどこまでも尽くしたくなった。
「ルシィ。俺、ルシィにいっぱい尽くしたい」
「……っ。そ、そうか」
「でもこういうのは無知だから…その…色々教えて、ほしい」
恥ずかしいけど経験豊富なルシアンに教えてもらおうと思ってそう口にしたら、何故か思い切り抱きしめながらキスされて、いつの間にか後ろに挿れられていた指が抜けて、片足を抱えられた状態で熱く滾った楔が後孔へと添えられそのままゆっくりと沈み込んできた。
(ふ、深いぃぃいっ!!)
でもそれがすごく気持ち良くて、挿れられただけで達してしまう。
「あ…あぁっ……!」
「カイ。気に入ったか?」
「んっんっ…ダメっ!これ、ダメぇっ…!」
「凄く締め付けてるものな?気持ちいいんだろう?」
「んあぁあああっ!」
一際強く奥まで突き込まれて目の前に星が飛ぶ。
チカチカとする視界に戸惑いながら必死に息をするけど、気持ち良過ぎて喘ぐことしかできない。
「あっ、あんっ!んぅっ!はぁっ!」
気持ちいい。気持ちいい。気持ちいい。
それだけで頭の中がいっぱいになって、ただただ翻弄され続ける俺。
もっと余裕があったらルシアンにも気持ちよくなってもらえるのに。
そう思うと悲しくて、なんとか合間合間にそれを頑張って伝えたら益々激しくなった。
あんまり煽るなってどういう意味?
俺にはわからないけど、言ったらダメだったんだろうか?
でも本音だし、ルシアンに尽くしたいのは本当だから、また今度言ってみよう。
「カイッ、カイッ!」
激しく何度も擦り上げるように突き上げられて、何度も達しながらもっととばかりに締め付けるとやがて熱い子種が身体の奥で弾けた。
トクントクンと注がれる熱を感じながら息を整え、幸せに酔いしれる。
「ん…やっぱりこれ…好き」
へにゃりと頬を緩ませながらそう伝えたら、『そう言うのは絶対に他の誰かに言うな。わかったな?』と言って噛みつくようにキスされた。
それにしてもいつの間に復活したんだろう?
中に入ってるルシアンがまた大きくなったんだけど…。
「カイザーリード。今夜は夜通し繋がっていような?」
ルシアンのその言葉を反芻して、俺もずっと繋がっていたいと素直に思った。
こんなに嬉しいことはない。
「ルシィ。幸せ。もっといっぱい愛して」
満面の笑みでそう返した俺を満足そうに見遣って、ルシアンは返事の代わりにそっと優しくキスを落とした。
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