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70.王都到着
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メチャクチャ気持ちよくて、喘ぎ過ぎてちょっと喉がやられるほど激しくルシアンに愛された翌日、俺は昼近くまでゆっくり寝ていた。
起きてから、皆こんなに激しくしてるのかなと思ってルシアンに聞いたら、新婚はこれくらい普通とのこと。
お嫁さんは昼まで身体を休めてまた夜に備えるらしい。
なかなかハードだ。
(なるほど。だから学生のうちはしちゃダメなのかも)
学業が疎かになるのは明白だ。
ちょっとだけ父や母の言っていたことが理解できた。
まあそうは言いつつやめる気にはならないのだけど。
(ルシアンもメリハリをつければいいだけだって言って笑ってたし)
そこは信じていいはず。
ちなみに俺が身体を休めている間にルシアンはダニエル達と色々話し合ったようで、昼食を一緒に食べる際にふと『随分親しくなったんだな』と思った。
とても昨日挨拶したばかりには見えない。
「カイ?口開けて」
猫かぶりなルシアンが笑顔で俺を見つめ、『はい、あ~ん』とか言いながら食べさせてくる。
ダニエルがまだ動けないからダイアンが食べさせてるんだけど、それを見て自分もと思ったらしい。
絶対遊んでるよなと思いつつ、悔しいからそのままパクリと食べる。
ちょっと恥ずかしいけど、戸惑う俺を見て内心ほくそ笑む気だろうって思ったから、そうはさせじと食べたんだ。
なのにこれもダメだったのか、ダニエルとダイアンにラブラブだなって揶揄われて、ルシアンにクスクス笑われた。
悔しい。
「そうだ、カイ。叔父上が馬を飛ばしてくるなら多分あと三日くらいで到着すると思う」
確かに馬車ならもうちょっとゆっくりかもしれないけど、馬で飛ばせばそれくらいで着いてしまうかもしれない。
ユグレシア侯爵家はどちらかというと国境寄りだから。
「三日か…」
不安だ。
ルシアンはダニエルとダイアンもこっちの味方に付いてくれたから、反対されても大丈夫だと言ってくれるけど、父が強硬手段に出る可能性だってゼロじゃない。
結局のところ、最悪駆け落ちということになるわけで…。
(それは…嫌だな)
大好きな父と大好きなルシアン。
できれば仲良くしてほしい。
前世の因縁があるとは言っても父の方はそれを知らないし、ルシアンだってそれほど気にしてなさそうだから父さえ折れてくれれば上手くいくような気がしないでもないのだ。
やっぱりここは自分で頑張って説得するべきだろうか?
よく考えたらここまで皆に甘えてばかりだし、それもあって父にまだまだ子供だと思われてしまうのかもしれない。
ここはひとつ。背伸びしてでも大人になろう。
そうして気合を入れた数日後、とうとう来たるべき日がやってきた。
***
【Side.ユージィン】
護衛を引き連れ一路バルトロメオ国へと突き進む。
国境を通る際は通行証を見た門番達に嫌悪の眼差しを向けられたが、こちらは正式な手続きの元通っているのだから文句を言われる筋合いなどないとばかりに通り抜けた。
そのまま馬を駆け、カイザーリード達がいる王都を目指す。
国境を抜けた後は身分を隠し、できるだけトラブルを回避すべく安全な移動を心掛けて移動となった。
今のところ旅は順調だ。
カイザーリードは保護されたと聞いたが本当に大丈夫だろうか?
ダニエルとダイアンもいるからきっとずっとルシアンと一緒ということもないだろうが、それでも口八丁手八丁で言い包められていないかと心配になる。
ルシアンは自分の眼鏡に適っただけあって非常にハイスペックでできる男だから、二人を言い包めてカイザーリードを独占していそうな気がする。
調子に乗っているのが目に浮かぶようで、気ばかりが急いた。
そうしてやっと王都に辿り着いたところで門番から呼び止められ、騎士団長からの伝言ですとの言葉と共に手紙を渡される。
「これは?」
「内容については伺っておりません」
そんな素っ気ない言葉と共に王都入りをし、一先ずの宿を取ってから部屋でその手紙を開いた。
そこにはまさかのカイザーリード達のいる宿の場所が書いてあり、安全のため婚約者と一緒に泊まっていると記されていた。
この手紙はきっと『国としてきちんと対処したのだから、後で文句を言ってくるな』という牽制なんだろう。
それくらいは分かる。
そして『さっさと引き取って帰れ』という意図もあるはずだ。
下手に揉めたくはないだろうし、気持ちもわからなくはない。
ただそうした場合カイザーリードがまたルシアンと離れたくないと言い出すのは確実だ。
(全く…ルシアンはどうしてこの国を留学先に選んだんだ)
思わず舌打ちをしたくなるが、理由は本当はちゃんとわかっている。
カイザーリードと別れたくないから、確実に俺を説得したいがためにわざわざここを選んだのだと。
小賢しい戦略だが効果は絶大だ。
(業腹だが仕方がない。一時休戦とするか)
カイザーリードを素直に国に返すにはルシアンと一緒でなければならない。
となると留学を早々に切り上げさせて一緒に帰ることになる。
取り敢えずそうして二人の婚約を認めつつ、身体の関係だけは断たせないといけない。
どう言えば駆け落ちさせずに丸め込めるだろうか?
(きっとダニエルとダイアンもルシアンに味方するだろうしな…)
婚約破棄をチラつかせるのは逆効果だ。
駆け落ちの理由にされるだけで、何も良いことがない。
となると……。
(カイザーリードを懐柔するのが一番だな)
良くも悪くも素直で純粋なカイザーリードだ。
二人の仲を認めると言えば顔を輝かせて喜ぶだろう。
その条件で学業を優先させるためと理由をつければ上手くいく気がする。
そうだそうしよう。
「ルシアンはなんだかんだでカイには弱いからな」
ルシアンに隙を見せず、カイザーリードを笑顔で丸め込み、ダイアンとダニエルをただの傍観者にすべく動く。
後はお目付け役を用意すれば完璧だろうか?
そうして考えを纏め、ルシアンがこちらを煽ってこようと決して怒らないと自分に自分で言い聞かせてからカイザーリード達が泊っている宿へと向かった。
起きてから、皆こんなに激しくしてるのかなと思ってルシアンに聞いたら、新婚はこれくらい普通とのこと。
お嫁さんは昼まで身体を休めてまた夜に備えるらしい。
なかなかハードだ。
(なるほど。だから学生のうちはしちゃダメなのかも)
学業が疎かになるのは明白だ。
ちょっとだけ父や母の言っていたことが理解できた。
まあそうは言いつつやめる気にはならないのだけど。
(ルシアンもメリハリをつければいいだけだって言って笑ってたし)
そこは信じていいはず。
ちなみに俺が身体を休めている間にルシアンはダニエル達と色々話し合ったようで、昼食を一緒に食べる際にふと『随分親しくなったんだな』と思った。
とても昨日挨拶したばかりには見えない。
「カイ?口開けて」
猫かぶりなルシアンが笑顔で俺を見つめ、『はい、あ~ん』とか言いながら食べさせてくる。
ダニエルがまだ動けないからダイアンが食べさせてるんだけど、それを見て自分もと思ったらしい。
絶対遊んでるよなと思いつつ、悔しいからそのままパクリと食べる。
ちょっと恥ずかしいけど、戸惑う俺を見て内心ほくそ笑む気だろうって思ったから、そうはさせじと食べたんだ。
なのにこれもダメだったのか、ダニエルとダイアンにラブラブだなって揶揄われて、ルシアンにクスクス笑われた。
悔しい。
「そうだ、カイ。叔父上が馬を飛ばしてくるなら多分あと三日くらいで到着すると思う」
確かに馬車ならもうちょっとゆっくりかもしれないけど、馬で飛ばせばそれくらいで着いてしまうかもしれない。
ユグレシア侯爵家はどちらかというと国境寄りだから。
「三日か…」
不安だ。
ルシアンはダニエルとダイアンもこっちの味方に付いてくれたから、反対されても大丈夫だと言ってくれるけど、父が強硬手段に出る可能性だってゼロじゃない。
結局のところ、最悪駆け落ちということになるわけで…。
(それは…嫌だな)
大好きな父と大好きなルシアン。
できれば仲良くしてほしい。
前世の因縁があるとは言っても父の方はそれを知らないし、ルシアンだってそれほど気にしてなさそうだから父さえ折れてくれれば上手くいくような気がしないでもないのだ。
やっぱりここは自分で頑張って説得するべきだろうか?
よく考えたらここまで皆に甘えてばかりだし、それもあって父にまだまだ子供だと思われてしまうのかもしれない。
ここはひとつ。背伸びしてでも大人になろう。
そうして気合を入れた数日後、とうとう来たるべき日がやってきた。
***
【Side.ユージィン】
護衛を引き連れ一路バルトロメオ国へと突き進む。
国境を通る際は通行証を見た門番達に嫌悪の眼差しを向けられたが、こちらは正式な手続きの元通っているのだから文句を言われる筋合いなどないとばかりに通り抜けた。
そのまま馬を駆け、カイザーリード達がいる王都を目指す。
国境を抜けた後は身分を隠し、できるだけトラブルを回避すべく安全な移動を心掛けて移動となった。
今のところ旅は順調だ。
カイザーリードは保護されたと聞いたが本当に大丈夫だろうか?
ダニエルとダイアンもいるからきっとずっとルシアンと一緒ということもないだろうが、それでも口八丁手八丁で言い包められていないかと心配になる。
ルシアンは自分の眼鏡に適っただけあって非常にハイスペックでできる男だから、二人を言い包めてカイザーリードを独占していそうな気がする。
調子に乗っているのが目に浮かぶようで、気ばかりが急いた。
そうしてやっと王都に辿り着いたところで門番から呼び止められ、騎士団長からの伝言ですとの言葉と共に手紙を渡される。
「これは?」
「内容については伺っておりません」
そんな素っ気ない言葉と共に王都入りをし、一先ずの宿を取ってから部屋でその手紙を開いた。
そこにはまさかのカイザーリード達のいる宿の場所が書いてあり、安全のため婚約者と一緒に泊まっていると記されていた。
この手紙はきっと『国としてきちんと対処したのだから、後で文句を言ってくるな』という牽制なんだろう。
それくらいは分かる。
そして『さっさと引き取って帰れ』という意図もあるはずだ。
下手に揉めたくはないだろうし、気持ちもわからなくはない。
ただそうした場合カイザーリードがまたルシアンと離れたくないと言い出すのは確実だ。
(全く…ルシアンはどうしてこの国を留学先に選んだんだ)
思わず舌打ちをしたくなるが、理由は本当はちゃんとわかっている。
カイザーリードと別れたくないから、確実に俺を説得したいがためにわざわざここを選んだのだと。
小賢しい戦略だが効果は絶大だ。
(業腹だが仕方がない。一時休戦とするか)
カイザーリードを素直に国に返すにはルシアンと一緒でなければならない。
となると留学を早々に切り上げさせて一緒に帰ることになる。
取り敢えずそうして二人の婚約を認めつつ、身体の関係だけは断たせないといけない。
どう言えば駆け落ちさせずに丸め込めるだろうか?
(きっとダニエルとダイアンもルシアンに味方するだろうしな…)
婚約破棄をチラつかせるのは逆効果だ。
駆け落ちの理由にされるだけで、何も良いことがない。
となると……。
(カイザーリードを懐柔するのが一番だな)
良くも悪くも素直で純粋なカイザーリードだ。
二人の仲を認めると言えば顔を輝かせて喜ぶだろう。
その条件で学業を優先させるためと理由をつければ上手くいく気がする。
そうだそうしよう。
「ルシアンはなんだかんだでカイには弱いからな」
ルシアンに隙を見せず、カイザーリードを笑顔で丸め込み、ダイアンとダニエルをただの傍観者にすべく動く。
後はお目付け役を用意すれば完璧だろうか?
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