【完結】元主人が決めた婚約者は、まさかの猫かぶり野郎でした。

オレンジペコ

文字の大きさ
80 / 81

77.※婚礼と初夜 Side.ルシアン

しおりを挟む
二年────その期間は本当に本当に長かったように思う。

学園生活ではスキンシップをかかさず、放課後は焦らしながら煽りに煽り手短に抱く日々。
勿論全然足りない。
休日にユグレシア家に行くと大抵邪魔が入るから、その日は触れ合うのもやっとで、できてキス止まり。
じゃあと思って馬車でデートに出たら当然歯止めなんて聞くはずもないが、御者の監視の目があるからここでも長々と抱くことなんてできなかった。
仕方がないからテクニックを駆使してカイザーリードを短い時間でイケるように育て上げた。
じっくり俺好みに育てようと思っていたのに残念過ぎる。
まあカイザーリードはどう育てても可愛いから別にいいのだが。

実のところ、本人の言うところの『我儘』が可愛すぎた。
それは我儘とは言わない。
ただの俺を悦ばせるおねだりだ。
そう言ってやりたいのを我慢して、可愛い我儘に耳を傾ける。

『ずっと抱いててっ!ルシィ!』
『まだ抜いちゃヤダっ!』
『ちゃんと触ってほしい…』
『いっぱい愛されたい』

俺への気持ちを溢れさせながら紡がれる言葉の数々に愛おしさが増していく。
こんなに俺を求め想ってくれる相手なんてカイザーリード以外にはいないだろう。

そのカイザーリードと今日、俺は結婚する。
ユージィンは『何も卒業した翌日に結婚式を挙げなくてもいいじゃないか』と先延ばしにしようとしてきたが、カイザーリードが『じゃあ卒業式の日の夜に挙式したい』と言って見事に撃沈させていた。

正直強くなったなと思う。
昔ならユージィンに対してそんな事絶対に言えなかっただろうに。

「ルシィ!」

俺のためだけに着た婚礼衣装に身を包み、愛しのカイザーリードが輝く笑みで俺を見つめる。
前世では得られなかった伴侶が得られて俺は今、とても幸せだ。

家族や友人達が見守る中光降り注ぐステンドグラスの下、二人で愛を誓い合う。
そしてジュリエンヌ国の婚姻届にサインをし、名実ともに夫婦となった。
おめでとうという祝福の言葉を受け、幸せいっぱいに新たな人生を踏み出す。
前世では結婚式など興味はなかったが、なかなかどうして嬉しいものだな。

そう言えば去年甥のレンスニールも結婚したのだが、それはもう華々しいパレードが行われたらしい。
それもこれも俺が渡した隠し財産で国を立て直すことができたからこそ可能だったのだと手紙が届いて、微笑ましく思った。
元々戦争の資金として作った金がまさかこんな風に役に立つとは思わなかったが、存外悪くはない気分になったものだ。
花嫁は一回り年下の侯爵令嬢らしいが、しっかりし過ぎていて若い子息達から敬遠され嫁ぎ遅れていたらしい。
レンスニールは『若い者に彼女の良さなんてわかるはずがない。素晴らしいですよ彼女は』とべた惚れだった。
なかなか悪くないのではないだろうか?
きっとこれから先、バルトロメオは二人の子の元で栄えていくことだろう。
生まれ変わって祖国は変わってしまったが、爵位も貰ったことだしこれからもできるだけ手を貸してやりたいと思う。


***


チュッチュクッ…と部屋に音を響かせ、久方ぶりの共に過ごす夜を満喫する。
俺の首に腕を回して抱き着き、熱を孕んだ眼差しで俺を求めて口づけてくるのは今夜俺の花嫁になったカイザーリードだ。
普段は変わらず純粋で素直な姿を見せるが、俺に抱かれたくなった時だけは発情し強く俺を求めてくれる。

「ふ…んぅ…っ」

懸命に舌を俺の口内に潜り込ませ誘惑してくる様がたまらなく煽情的で、よくぞここまで育ってくれたとほくそ笑んだ。

「カイ。どうしてほしい?」
「ん…いっぱい抱いて欲しい」
「三日三晩?」
「もっといっぱい」

それはどこか懐かしいやり取り。
でも今のカイザーリードならきっと感じ過ぎたとしても『もっと』と言ってくれるような気がする。
俺を欲しがるよう、貪欲に育てたから大丈夫なはず。

「カイ。挿れるぞ?」
「ん…早くきて」

ゆっくりゆっくり腰を沈める俺に、カイが焦れったそうに身を震わせる。

「ルシィ?」

今夜からは焦らなくていい。
短い時間で満足しなくてもじっくり愛し合える。
そう考えるだけで嬉しくて暫く動かさずカイザーリードの中を堪能していたら、いきなり引き寄せられて唇を深く重ねられた。

「はっ…ん…」
「カイ?」

『どうした?』と尋ねたら『ゆっくりされたらすぐイキそうだからいつもみたいに抱いて欲しい』と言われて笑ってしまう。

「イキたいならイけばいい。これからはカイが満足できるまで何度でもイかせてやる」

そう言ってやったらちょっと驚いた後、安心したように笑って『じゃあステータスはいっぱい上げておくから』と言ってきた。
どうやらカイザーリードはやる気満々らしい。

そこからは食事を取りに行く時とトイレで用を足す時、風呂で身体を洗っている時以外ほぼほぼずっと繋がっていたように思う。
何日励んだか?
多分一週間くらいじゃないだろうか。
勿論グッタリしているカイザーリードの世話はちゃんとしたぞ?

『動けないけどルシィには挿れられたい』
『ルシィと一つになってる時が一番幸せ』
『もうずっと挿れてて欲しいかも』

そんな言葉の数々に一か月ぐらいこの生活を続けようかなんてチラッと思ったのは仕方がないと思う。
全部可愛すぎるカイザーリードが悪い。

「アッアッアッ!ルシィっ!はぁっ…」

立ったまま背後から身体を持ち上げ奥深くまで責め立てる。
ピクピク身を震わせ弓なりに反らされたことで強調された胸の突起をキュッと強めに摘まみ上げると後孔を締め上げ達してしまうカイザーリード。

「ほら見てみろ。カイ。達するお前の顔は可愛いだろう?」
「んぅ…は、恥ずかしい…」
「恥じらうお前が可愛いすぎてもっと抱きたくなるんだ」
「んっんっ…ルシィ」
「明日は一日休んで、その後バルトロメオに旅立とう」
「ん…馬車でも、愛してくれる?」
「ああ。いくらでも」

最初は違ったが、なんだかんだでカイザーリードも俺と同じ絶倫になったな。
いいことだ。

そう思っていたら『魔剣だからだろう』とその後バルトロメオに着いてからバルトブレイクに言われた。
カイザーリードは主人に尽くす性質だから、主人が絶倫なのに合わせて絶倫になっただけだと。
なるほど。
愛が深いな。
主人思いの魔剣を得られて俺は幸せ者だ。

その後『なんでバルトロメオに住んでいるんだ?!』とユージィンが乗り込んできたり、レンスニールのせいで俺がルーシャンの生まれ変わりだとユージィンにバレて離婚騒動に発展して戦う羽目になったり等色々あったが、そもそもの話俺をカイザーリードの相手に選んだのは他ならぬユージィン本人だからな。
文句を言われる筋合いはない。
俺達の幸せは誰にも壊せるはずがないのだ。

「ルシィ。愛してる」

だからそう言って笑ってくれるカイザーリードを、俺はこれからもずっと大切に愛し続けたいと思う。


Fin.


******************

※これにて完結です(^^)
最後までお付き合いくださった皆様に心からの感謝を。
ありがとうございましたm(_ _)m



しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

【完結】伯爵家当主になりますので、お飾りの婚約者の僕は早く捨てて下さいね?

MEIKO
BL
 【完結】伯爵家次男のマリンは、公爵家嫡男のミシェルの婚約者として一緒に過ごしているが実際はお飾りの存在だ。そんなマリンは池に落ちたショックで前世は日本人の男子で今この世界が小説の中なんだと気付いた。マズい!このままだとミシェルから婚約破棄されて路頭に迷う未来しか見えない!  僕はそこから前世の特技を活かしてお金を貯め、ミシェルに愛する人が現れるその日に備えだす。2年後、万全の備えと新たな朗報を得た僕は、もう婚約破棄してもらっていいんですけど?ってミシェルに告げる。なのに対象外のはずの僕に未練たらたらなのどうして? ※R対象話には『*』マーク付けます。

義理の家族に虐げられている伯爵令息ですが、気にしてないので平気です。王子にも興味はありません。

竜鳴躍
BL
性格の悪い傲慢な王太子のどこが素敵なのか分かりません。王妃なんて一番めんどくさいポジションだと思います。僕は一応伯爵令息ですが、子どもの頃に両親が亡くなって叔父家族が伯爵家を相続したので、居候のようなものです。 あれこれめんどくさいです。 学校も身づくろいも適当でいいんです。僕は、僕の才能を使いたい人のために使います。 冴えない取り柄もないと思っていた主人公が、実は…。 主人公は虐げる人の知らないところで輝いています。 全てを知って後悔するのは…。 ☆2022年6月29日 BL 1位ありがとうございます!一瞬でも嬉しいです! ☆2,022年7月7日 実は子どもが主人公の話を始めてます。 囚われの親指王子が瀕死の騎士を助けたら、王子さまでした。https://www.alphapolis.co.jp/novel/355043923/237646317

婚約破棄させた愛し合う2人にザマァされた俺。とその後

結人
BL
王太子妃になるために頑張ってた公爵家の三男アランが愛する2人の愛でザマァされ…溺愛される話。 ※男しかいない世界で男同士でも結婚できます。子供はなんかしたら作ることができます。きっと…。 全5話完結。予約更新します。

【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました

  *  ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。 BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑) 本編完結しました! おまけのお話を時々更新しています。 きーちゃんと皆の動画をつくりました! もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。 インスタ @yuruyu0 絵もあがります Youtube @BL小説動画 プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら! 本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

処理中です...