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番外編③ ※双子王子に襲われました。Side.カノン王子

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双子王子に乗っかられ、体中を撫でまわされて俺は甘い吐息を吐き出した。

「あ…はぁ…んんぅ…」
「はぁ…いい声。カノンをもっと啼かせたいな」

最初はそんな風に様子を見ながらしてきていた二人に俺はちょっとだけ安心していたのだけど…。

「カノン。俺の愛撫とシエルの愛撫。どっちが好きだ?」
「もちろん僕だよね?カノン。さっきから気持ち良さそうだし」

そんな事を言いだしたり…。

「んっ…んんぅ…」
「キスは俺との方が気持ち良さそうだな」

とか。

「ふぐぅ…っ」
「僕のをしゃぶってる顔の方が可愛い」

とかとか。何かにつけ張り合い始め、あそこにだってこちらに許可も取らずに雑にほぐして突っ込んできた。
しかもパンパンッと好き勝手に俺を犯しながらどっちが好きか聞いてくる始末。

「カノン。気持ちいい?」
「んっんっ、いいわけあるかぁあっ!」

ギッと睨んだらもう一人がクスクス笑って『お前じゃ満足できないってさ』と言い押しのけて代わろうとする。
そんな風に頻繁に交代しながらやってくるからちっとも集中できないし、気が散って仕方がなかった。
これなら兄との方がずっと良かった。

「こ、こんな事して、ただで済むと思うなよっ!」
「なるほど。アノス殿下がテクニシャンという読みは合ってそうだな。これくらい余裕って感じか」
「へっ?!」
「アイン。それなら張り合うより、二人で一緒にカノンを可愛いがった方がいいんじゃないかな?」
「……つまりいっそのこと俺とお前、二人の嫁として迎えるってことか?」
「そう。カノンなら二人で愛しても受け入れてくれそうだし」
「なるほどな。テクニックの不足を数で補うのは手ではある」

何が何だかわからないが、二人の間で話はついたらしく、張り合うのはやめにしたらしい。

「じゃあカノン。俺達二人でお前をいっぱいこれでもかと愛してやるからな」

そしてそう言いながら今度は交互ではなく同時に俺を可愛がり始めた。

一人が俺の後ろから挿入し、胸をクリクリと可愛がり、もう一人は俺のを扱きながらキスをして舌を絡めて翻弄してくる。

「ん…はふっ…」
「ん。いい感じ」
「ああ。いい顔になったな」
「カノン。もっともっと気持ちよくしてあげる」

そう言いながらさっきまでとは全然違う抱き方をしてくる二人。
片足を肩へと担がれズチュンズチュンと奥を突かれてフェラで可愛がってもらうのはたまらなく良かった。

特に凄かったのは前から腰を引き寄せられ、深々と奥まで犯され悲鳴を上げたその口にもう一人の男根を無理矢理咥えさせられ、喉奥を突き上げられた時だった。
苦しいと涙は滲むのに、段々と頭がふわふわしてきて、下は勝手に相手のものを締めつけてしまっていた。

「カノンッ!凄いっ!」
「こっちもっ…くぅっ…!我慢できないっ」
「んっんぐっふぐぅっ…」
「も、出るっ出るっ…!」
「俺もっ。カノンッ!全部受け止めてくれっ」

そして双子は殆ど同時に俺へとその欲を吐き出した。
初めて身の内に吐き出された熱を感じると共に、口いっぱいに広がる青臭い匂い。
吐き出したいのにそれができず、そのままコクリと呑み下されたものが自分の喉を滑り落ちていく。
泣きたい!でもすごく良かった!
最早俺は放心状態だ。

「はぁはぁ…カノン。大丈夫か?」

そうやって気遣ってくるアイン。
でも…何故か俺を見て真っ赤になり、またギンギンに滾らせ始めた。

「ヤバイ!エロい!」
「~~~~っ!これは滾る!」

そう言って二人はまた俺を抱き始め、俺が脱力しているのをいいことに、勝手なことを言い出した。

「カノンなら二人同時に受け入れてくれるんじゃないかな?」
「入るか?」
「今なら入ると思う。完全に脱力してくれてるし」
「じゃあやってみるか」

そしてまさかの二人の男根を同時に挿入という、あり得ない蛮行に及ばれてしまう。

「く…苦しいっ!壊れるぅっ…!」

はひはひと苦しげに息を吐き、辛い、止めろと訴えるのに二人はあとちょっとだからと引いてくれず、無理矢理俺の中へと二つの熱杭を収めた。

「本当に全部入った」
「凄いなカノン。流石俺達の嫁」

嬉しそうなところ悪いが、今すぐ抜いて欲しい。
こっちはいい加減限界だ。
裂けたらどうしてくれる!

「も…ヤダぁ…」

早くこの苦行から解放されたい。
なのにここでも双子は俺の言葉を違う方向で受け止めた。

「ああ、すまない。すぐに気持ちよくしてやるからな」
「待てないなんて、カノンは本当に可愛いな」

そして俺を間に挟んで二人掛かりで俺を揺さぶってきた。

(こ、壊れる~~~~っ!!)

さっきまでとは違い、苦しい割にイイところには全然当ててもらえないし、勝手に二人で盛り上がって中出ししてくるなんて最悪だ!
これで腹を下したらコイツらのせいだ!

兄が以前『中に出されたら腹を下す』と言っていたから気が気じゃない。

「うぅ…中に出さない…で…」

だからそう訴えたのに、掻き出したら大丈夫だと言って二人掛かりで指で中を掻き回された。

「はぁんっ…!や…っ!」
「ほら。腹に力入れて」
「うわ…エロい。メチャクチャ出てくる」

そしてまた興奮した二人に襲われて、結局俺は何度も注がれて腹を下す羽目になった。

(ふざけるな────!!)

「カノン。国に連れ帰って、これからも二人でいっぱい可愛がってやるからな」
「毎日楽しもうね、カノン」

その言葉に誰が行くかと心の中で叫び、俺がトイレに籠城している間に寝入った二人を無視して、最近叔父に頼んで教えてもらい完璧に使えるようになった回復魔法で身体を癒し、スタコラサッサとその場から逃げ出して、朝一番で叔父に泣きついた。

「叔父上!酷い目に合いました!」

そして二人掛かりで襲われて怖かったと訴え、二人同時に挿入してきて尻が壊れるかと思ったともチクってやった。
流石にこれには叔父も同情的で『それは酷いな』と言って慰めてくれる。

「叔父上。怖いので、彼らが滞在中は夜は一緒に寝てくれませんか?俺を守ってください」

グスンと泣きながらお願いしたら、寝つくまで側にいて結界だけ張ってやると言ってもらえた。

(よし!)

ずっとではないけど、叔父との夜の時間をゲットした!

(やったー!)

その日から俺は嬉々として叔父に上書きしてくださいとお願いし始め、いっぱい気持ちよくしてもらうことができた。
メイナードも出し抜けたし最高だ!
幸せ!
ここまできたらあともう一歩だ!
早く抱いてもらいたい。
そう思っていたのに、父から『今回はショックだっただろうし、気分転換に旅行に行ってきたらどうだ?』と言われてしまった。

(くそっ!折角順調に叔父上との仲を深められていたのにっ!)

でも俺がいるとプルーン国との交渉が長引くと思われたのかもしれない。
双子はやけに俺に執着しているようだし、ちっとも諦める気配がないと叔父も溢していたから、外に出るというのはありかもしれないと考え直した。

「わかりました。では旅行にでも行って来ようと思います」
「そうかそうか。近場だと双子王子が追ってくるかもしれないし、念のため少し遠方の方がいいだろう。二つ向こうの国、ナシェーラ国はどうだ?気候もいいし、景気もいい国だから気分転換にはもってこいだと思うぞ?」
「わかりました。父上がお勧めしてくださるなら間違いないでしょう。ナシェーラ国に行って来ようと思います」

こうして俺は父の勧めでナシェーラ国へと旅行へ出かけたのだった。

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