チート装備のヤンデレ女勇者〜追放された幼馴染を探すのは、魔王を倒すより難しい〜

キミちゃん

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 アタシは現在、寂れた町に来ている。

 あの後、森をくまなく探してみたけど、やっぱりサクセスはいなかったわ。

 シャナクは、生きていればこのテーゼという町に来ているはずと言っていたから、とりあえず来てみることにしたの。

 でも、「生きていれば」なんてふざけた事を言うもんだから、一発殴ってやったわ!


 サクセスは生きてる!
 絶対生きてる!
 アタシにはわかる!

 
 アタシは早速ギルドに行くと、受付の親父からサクセスの情報を聞いたの。

 それなのに、そのオッサンはアタシの話を聞こうともしないで、一方的に話してきたわ。


 アリエヘンで、勇者様のパーティを募集しているから、早く戻ってきて欲しい。


ですって。


 みんなして勇者、勇者って、本当になんなの?
 そんな事よりアタシの質問に答えなさいよ!


 アタシはムカついて、親父の首元に剣を突きつけてやったわ!

 そしたら、色々白状してくれた。


 本当かどうか疑わしいけど、サクセスはかなり強くなってるらしい。

 ダンジョンのボスモンスターを倒したとか……。

 あの弱いサクセスがそんなはずは無いから、多分たまたま強いパーティに入ったのね。


 だとしたら荷物持ちや雑用をやらされて、酷い目に遭ってると思うの。

 だから、早くサクセスを助けてあげたい。


 どうやらサクセスは、マーダ神殿に向かってるようだから、私も早速そこに行こうと思うわ。


「ねぇ、シャナク。どうすれば一番早くマーダ神殿に行けるかしら?」

「そうですね。ここから北西側にノルニーアという港町があります。そこから船に乗って20日もすれば、マーダ神殿の北側の町に着くでしょう。」

「えっ?」


 アタシは20日と聞いて、その長さに驚きの声をあげた。

 しかし、話にはまだ続きがある。


「更に、そこから馬車に乗って10日でマーダ神殿に到着するかと。ですから、急いでも一ヶ月はかかりますね。」

「一ヶ月……。また一ヶ月待たないといけないの!?」


 シャナクの言葉に、アタシは発狂しそうになった。


 その様子を見たシャナクは、咄嗟にガードを固めたが、どういう事か拳は飛んでこない。


  不思議に思い目を開けると……


 そこにはさっきまでの怖い勇者ではなく、とてもか弱そうな少女がいた。


「ゆ、勇者……様?」


 ビビアンは泣いていた……。

 それに戸惑うシャナク。


「シャナク……本当にそれが一番早いのね? そこまでいけば……絶対会えるのね?」


 ビビアンは懇願するような目で、泣きながらシャナクに尋ねた。

 その返答にシャナクは悩む。

 普通に考えて世の中に絶対はない。
 それに、この広い世界で人を一人見つけるというのは、決して簡単なことではなかった。


 しかしこの目の前にいる、儚くも悲しみに溢れた少女の前で、そんな事は言えるはずもないだろう。


 故にシャナクは拳を握りしめ、力強く言った。


「会えます! 必ず会えます! 私が必ずや見つけてみせましょう!」


 ビビアンがこれまで怖く見えていたのは、サクセスを思って焦っていたせいだった。

 愛する人を探しても探しても見つからない。

 その辛さは、胸が張り裂けるくらいの苦しみをビビアンに与え続けていた。


 それに気づいたシャナクは、誓う。


 この少女の為に、全力で力になろうと。


 そして、シャナクの答えを聞いたビビアンは


……泣きながら笑った。


「絶対だよ、シャナク」


 その笑顔は眩しいほど光に溢れており、


ーーそして美しかった。
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