チート装備のヤンデレ女勇者〜追放された幼馴染を探すのは、魔王を倒すより難しい〜

キミちゃん

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19 コスメは女の命

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 シャナクと分かれたビビアンは、マネアとミーニャを連れて村の商店街に来ていた。

 村の商店街というと、店がポツンポツンと散在するさびれた商店街をイメージするが、ここは違う。
 
 道も整備されており、道を挟んで多種多様の店が構えているのはもちろんの事、立ち食いできるような露店も多い。

 観光に訪れる人が多いアモーレの商店街は、活気に満ち溢れていた。

 そしてビビアン達が最初に向かった店は、化粧品を多く取り揃えている化粧品専門店


 ホモホルンリンクル


 このお店の売りは、なんといっても一ヵ月間は無料で使えるお試しセットがある事だ。

 しかし、このお店がお客様から絶大な指示を得ている理由は、それだけにとどまらない。

 このお店には【お肌魔法】と呼ばれる、希少な魔法を使える魔法使いが常駐しているのだ。


 その者が使える

  【コスメル】

という魔法は、対象の

 肌年齢、保水量、油分量

といった肌の状態を、正確に診断することができる。

 そしてこのお店では、その診断結果に合った化粧水を提供してくれるのだ。

 人気が出ないはずがない。

 今も、お店は沢山の貴婦人やマッチョな女性? で溢れていた。


 昔はこの村にも

     ゴーセー
     自然堂

等、数多の化粧水専門店が軒を連ねてしのぎを削っていた。

 だが数年前に、ホモホルンリンクルができてから、お客がこのお店に集中してしまい、他の店は吸収されるか、店をたたむことになってしまった。

 そして今日、その繁盛するお店にとって記念すべき日となる。


 伝説の勇者を永久顧客に加えるという、記念日に……。


「うわぁ! 凄い綺麗。化粧水ってこんなにあるの!?」

 ビビアンは、店内に多数陳列された化粧品の数々に目を奪われていた。

 それらの商品は、全て色彩豊かなガラスで作られた小瓶の中に入っており、その綺麗な入れ物だけでも女心をくすぐり、テンションを高めてくれる。


※ ビビアンのテンションが 20あがった!!


「そうよ、沢山あるのよ。でもね、入れ物が綺麗だからって適当に選んじゃだめ。ちゃんと自分にあった化粧水を使わないと効果が薄いんだから。」


 ここを何度も利用しているミーニャは、真剣な目でビビアンに警告した。


「へぇ~、師匠は本当に色々知っているのね。でもどれも素敵だわ。さっきから凄いワクワクするの。」

 
 ミーニャにそう言われても、ビビアンは化粧水の瓶から目が離せない。

 その目は完全に乙女の目であり、ウットリしていた。

 すると、今度はマネアがビビアンに近づいてくる。


「ビビアン様、こちらのお店では【コスメル】という肌の診断魔法を使える者がいます。その者に、まずは自分の肌を見てもらってから選ぶのがよろしいかと。」


 マネアも実はここの常連であった。


 彼氏いない歴=年齢


の彼女であるが、実は占いの次に好きな事が化粧品選びである。
 

 いつか、素敵な男性に……


 そんな夢を見ながら、お肌の手入れだけは欠かさないマネア。

 つまり、今ビビアンと一緒にいるのは最強の化粧品マニア達。

 正に最強パーティだった。

「いがーい! マネアも詳しいのね。それでどこに行けばその魔法を使ってもらえるの?」

「はい、いつもならあちらのカウンターに……いませんね。休憩中かもしれません。私が予約をしておきますので、ビビアン様はしばらくミーニャと一緒に化粧品を眺めて楽しんでいて下さい。」

「ありがとうマネア。それじゃお言葉に甘えさせてもらうわね。」

 マネアはそう言うと、他の客を接客している店員のところに向かって歩いて行った。


「ところで師匠は何を買うつもりなの?」


 いくつもの商品を手に取りながら、真剣な目で選んでいるミーニャに尋ねる。


「そうねぇ、最近夜更かしが多いせいか、少し肌が荒れてきているのよ。だから今日は乳液を探すわ。」


 ミーニャは、右手で自分の肌を擦って確認しながら答えた。


「そう? 全然そうは見えないけど。まぁ馬車で寝泊まりしていれば肌にはよくないわよね。」

「そうなのよ! これじゃ素敵な男性に会った時に近づけないわ。近くで肌を見られたら、荒れてるのがばれちゃうもの。そんなの嫌よ。」


 ミーニャは悲痛な顔をしている。

 それを見てビビアンも想像した。 


「あれ? なんか随分肌が汚いね。ごめん、俺そういうの無理なんだわ。」(妄想のサクセス)


「嫌! そんなの絶対イヤ!!」


 突然、大声をあげるビビアン。


「ちょ、ちょっとビビアン! いきなりどうしたのよ? 落ち着いて!」

 ミーニャは、急に叫び声をあげたビビアンに驚きながらも落ち着かせる。


「ごめんなさい。サクセスに肌の事を言われるのを想像したら……。」


 ビビアンはうっすらと目に涙を浮かべた。


「大丈夫よ! ビビアンはまだ16歳でしょ? 本当は化粧水なんてまだ早いくらいよ。だってこんなにお肌がモチモチでぴちぴちなのよ! 羨ましいわ!」


 それを見たミーニャは、ビビアンの頬をピチピチと叩いて確認すると、更に言葉を続ける。


「でも油断は禁物よ。冒険者やってると、どんなに綺麗な肌だって悪くなっちゃうことがあるんだから。そのためにここに来ているのよ。わかった?」


 ビビアンを褒めながらも、説明するミーニャ。

 それを聞いてビビアンも冷静になった。


「そ、そうよね! アタシまだピチピチだもん! よし、絶対いつまでもピチピチでいてやるんだから!」


 グッと拳を握り締めながら決意を固めるビビアン。
 
 すると、そこにマネアが丁度現れた。


「お待たせしましたビビアン様。勇者様の事をお話したら、予定を変更して直ぐに見てくれるとの事です。バンバーラという魔法使いの方が見てくれますので、そこまで私が案内します。」


 マネアはそう言うと、ビビアンを連れて店の奥の個室に向かうのであった……。

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