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「アリス!来てくれたんだね」
マーティが嬉しそうな声を上げて、駆け寄ってくる。
そして
「約束の時間に行けなくて、ごめん。
でも来てくれて良かった」
と囁きながら隣に並ぶと、ぐいと肩を抱いてきたものだから、アリスの頬は引きつってしまった。
しかしそれに気づくことなく、マーティは得意げに父親に言った。
「ちょうどアリスが来てくれたから、今ここではっきりさせておくよ。
僕はネリーとの婚約は破棄して、改めてアリスと婚約する!」
「なんだと!」
顔面蒼白になったのは、もちろんエドウィン男爵である。
「そ、それは本当ですか……?」
と彼は動揺を隠せない様子で、アリスに顔を向ける。
そのただならぬ様子に嫌な予感を覚えつつも、アリスは頷いた。
すると男爵はため息をつくなり、力なく椅子に座り込んでしまった。
「しかし……あなたはパウエル伯爵のご令息と婚約しているはずでは?」
「いえ……色々あって、シェイマスとの婚約は破棄することになりまして」
これには男爵も、がっくりとうなだれてしまった。
しかしかえって、今が説得のチャンスだと思ったのだろう。
すかさずマーティが口を開く。
「そういうことだから、今僕たちには何の障害もないんだよ。
それになんといっても……」
と、ここでマーティは顔を赤らめると、アリスを嬉しそうに見つめた。
「僕たちは愛し合っているんだ。
好きな人と結婚できるなんて……こんなに幸せなことはないでしょう?」
今はもう、男爵は手の中に顔を埋めてしまっている。
それでも、指の間から息子に目をやりながら、呟くように言った。
「確かに、それはそうだろう。
だがな、マーティ。
貴族たるもの、感情だけで結婚はできないということも、分かってはいるだろう?」
「まあ、それは……」
そう言われてしまえば、さすがのマーティも声に力が無くなってしまった。
これにドキリとしたのはアリスの方である。
こんなところで説き伏せられて、やっぱり婚約はできない、などとマーティに言い出されてはたまったものではない。
アリスは元気づけるように、そっとマーティの手を握った。
すると彼は驚いたようにこちらに目を向けてくる。
それに応えるように微笑んで見せると、マーティの顔は分かりやすく輝いた。
「もちろん、お父様が正しいよ。
でもネリーの方から、僕との婚約は破棄すると言っているんだから、もうどうしようもないでしょう」
と早口に言ってから、強くアリスの手を握り返してきた。
「どうしてもアリスと結婚したいんだ。
わがままを許して欲しい」
そして深く頭を下げる。
すかさずアリスも、彼に倣って頭を下げた。
「どうかお願いします。
彼と……マーティとの結婚をお許しください」
マーティが嬉しそうな声を上げて、駆け寄ってくる。
そして
「約束の時間に行けなくて、ごめん。
でも来てくれて良かった」
と囁きながら隣に並ぶと、ぐいと肩を抱いてきたものだから、アリスの頬は引きつってしまった。
しかしそれに気づくことなく、マーティは得意げに父親に言った。
「ちょうどアリスが来てくれたから、今ここではっきりさせておくよ。
僕はネリーとの婚約は破棄して、改めてアリスと婚約する!」
「なんだと!」
顔面蒼白になったのは、もちろんエドウィン男爵である。
「そ、それは本当ですか……?」
と彼は動揺を隠せない様子で、アリスに顔を向ける。
そのただならぬ様子に嫌な予感を覚えつつも、アリスは頷いた。
すると男爵はため息をつくなり、力なく椅子に座り込んでしまった。
「しかし……あなたはパウエル伯爵のご令息と婚約しているはずでは?」
「いえ……色々あって、シェイマスとの婚約は破棄することになりまして」
これには男爵も、がっくりとうなだれてしまった。
しかしかえって、今が説得のチャンスだと思ったのだろう。
すかさずマーティが口を開く。
「そういうことだから、今僕たちには何の障害もないんだよ。
それになんといっても……」
と、ここでマーティは顔を赤らめると、アリスを嬉しそうに見つめた。
「僕たちは愛し合っているんだ。
好きな人と結婚できるなんて……こんなに幸せなことはないでしょう?」
今はもう、男爵は手の中に顔を埋めてしまっている。
それでも、指の間から息子に目をやりながら、呟くように言った。
「確かに、それはそうだろう。
だがな、マーティ。
貴族たるもの、感情だけで結婚はできないということも、分かってはいるだろう?」
「まあ、それは……」
そう言われてしまえば、さすがのマーティも声に力が無くなってしまった。
これにドキリとしたのはアリスの方である。
こんなところで説き伏せられて、やっぱり婚約はできない、などとマーティに言い出されてはたまったものではない。
アリスは元気づけるように、そっとマーティの手を握った。
すると彼は驚いたようにこちらに目を向けてくる。
それに応えるように微笑んで見せると、マーティの顔は分かりやすく輝いた。
「もちろん、お父様が正しいよ。
でもネリーの方から、僕との婚約は破棄すると言っているんだから、もうどうしようもないでしょう」
と早口に言ってから、強くアリスの手を握り返してきた。
「どうしてもアリスと結婚したいんだ。
わがままを許して欲しい」
そして深く頭を下げる。
すかさずアリスも、彼に倣って頭を下げた。
「どうかお願いします。
彼と……マーティとの結婚をお許しください」
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