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帰り道
しおりを挟む優也が寄り道したせいで、家まであと30分はある。
「店に戻って、トイレ行くか?」
申し訳なさそうに優也は言う。
「この格好でトイレ入れるかよ!」
翔は、スカートの上から両手で股間を強く押さえた。
下腹部が張って苦しい。痛い。
「分かった。ごめんな?早く帰ろ?」
優也は翔の腕を引き、自宅の方へ走ろうとした。
「あっ、待っ」
翔は立ち止まり、優也の手を振り解いた。
「・・・なんだよ?早く帰りたいんだろ?」
困ったように優也は振り向く。
「は、走ると漏れるッ」
翔は股間を握りながら内股になって言う。
「んっ・・・」
翔はそのまま軽く飛び跳ねて俯いた。
股を握った手を上下させ、必死で押さえ込む。
「ちょっと、波おさまった・・・かも!」
泣き出しそうな顔をして、翔は小走りに進み出す。
「・・・頑張れ!家なんてすぐだからな!」
翔の走るのに合わせて、優也も走り出した。
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