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7(終)
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後日、アルフォンソから連絡が来ないことを心配したマリアは、使用人と共にアルフォンソの屋敷を訪ねた。
屋敷前に来たが、アルフォンソから返事はない。扉に鍵がかかっていたが、血の手紙の件もあったため、使用人に無理矢理こじ開けして屋敷へと入った。そうして、二人でアルフォンソを探したのち、アルフォンソの部屋に蒐集品を見つけた。
全身に愛の文字が書かれ、愛情のような諦念のような、なんとも判別のつかない顔つきをしている不可思議な遺体である。遺体の横には、アルフォンソの愛した【洋墨人形】が、遺体に抱きついて共に眠っていた。
この遺体の臍からは、洋墨人形のように、墨が並々と溜まっているが、しかし、粘度が高いためか、ペンに墨をさせそうには見えなかった。
「もしかして……アルフォンソさん……なの?」
マリアは遺体に近づく。
「あ! マリア様離れて! その死体の臍が変です!」
と使用人が叫んだその時、遺体の臍からゴボゴボと大量の墨が流れだした。
マリアは驚き、遺体から離れた。
墨は流れ続け、遺体と洋墨人形が寝ているベッドからたれ落ちた、黒い川を作っている。と、マリアは見ていると、たれ落ちた墨は床に文字を書いていることがわかった。
墨はこう文字を書いている。
――私の愛の勝ち。
洋墨人形は、アルフォンソに抱きつきながら、あどけない笑みをたたえている……。
【終】
屋敷前に来たが、アルフォンソから返事はない。扉に鍵がかかっていたが、血の手紙の件もあったため、使用人に無理矢理こじ開けして屋敷へと入った。そうして、二人でアルフォンソを探したのち、アルフォンソの部屋に蒐集品を見つけた。
全身に愛の文字が書かれ、愛情のような諦念のような、なんとも判別のつかない顔つきをしている不可思議な遺体である。遺体の横には、アルフォンソの愛した【洋墨人形】が、遺体に抱きついて共に眠っていた。
この遺体の臍からは、洋墨人形のように、墨が並々と溜まっているが、しかし、粘度が高いためか、ペンに墨をさせそうには見えなかった。
「もしかして……アルフォンソさん……なの?」
マリアは遺体に近づく。
「あ! マリア様離れて! その死体の臍が変です!」
と使用人が叫んだその時、遺体の臍からゴボゴボと大量の墨が流れだした。
マリアは驚き、遺体から離れた。
墨は流れ続け、遺体と洋墨人形が寝ているベッドからたれ落ちた、黒い川を作っている。と、マリアは見ていると、たれ落ちた墨は床に文字を書いていることがわかった。
墨はこう文字を書いている。
――私の愛の勝ち。
洋墨人形は、アルフォンソに抱きつきながら、あどけない笑みをたたえている……。
【終】
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