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お仕事の時間ですよ 3
王宮騎士物語 第39話 氷の薔薇
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在学中、クレッセリアは他の四天王とも言葉を交わしたが、何故かサーバスに対しては常に眉間に皺が寄った表情であった。
「どうしてクレッセリアはサーバに厳しいのかしら。いつも怖い顔で睨んでるわよね。サーバもよそよそしいし…」
卒業後すぐに結婚する約束を交わしたハマーとブリジット。彼女は恋人のハマーに気になっている事を呟く。さあね、と返すハマーは、なんとなくサーバスの気持ちは、わかるような気がしたのだが、他人にあれこれ言われたくないだろうと思い、黙っておくことにした。
王立学院の模擬戦に勝利したブリジットは、いつの間にかクレッセリアと仲良くなっていた。
サーバスが一緒にいない時など、ふざけて笑い合う姿も目撃され、信奉者達が涙を流して喜んだが……ブリジットと仲良くなっても、変わらず独りが好きな様で、いつもの定位置で読書をしている。
「ちょっといい?」
ブリジットに声を掛けられて、顔を上げたクレッセリア。
「ええ。何?」
隣に座るブリジットは、遠回しに言っても伝わらないと思い、ズバリ聞く。
「あなた、どうしてサーバを嫌うの?」
クレッセリアは目を丸くしてブリジットを見た。
「嫌っているように見える?」
不思議そうに尋ねる表情はいつものしかめっ面に見える。
「その、眉間の皺。」
「やだ。」
右手で両目を隠すようにして、真っ赤に染まる顔を背けた。
その恥ずかしそうな態度に驚いたのはブリジットの方だった。
「あなた、もしかして……」
「もう、変な顔だから、見ないで。」
クレッセリアはさらに赤くなった顔を両手で隠し立ち上がると、走って逃げ行った。
「まあ、まあ、どうしましょ。」
ブリジットはしばらくクレッセリアの後ろ姿を見送り、どうしましょ、と繰り返しながら、先ずはハマーに報告しなきゃ!と駆け足で立ち去った。
長期休暇に入り、寮は静かだった。クレッセリアの家は遠い田舎にあるため、寮に残る事にしていた。学院の多くの生徒は貴族のため家から通う者が多く、遠い領地から来た者も近くに屋敷を用意しそこから通う。ほとんどの者が休みを家で過ごすため、寮に残る者はわずかだ。
「クレッセリア、申し訳ないのだけれども、寮の改修を休みの間にするのは聞いているわよね。最短で五日ほどは閉めないといけないみたいなの。その為、職員も一斉に休む事にしたかろ、あなたは近くの宿に移ってもらいたいの。宿泊費は出るから心配いらないわよ。手配も私がするから。それとも、近くの親戚やご友人のお宅に泊まる?」
「ああ、親戚はいませんから、宿……」
「お話中すみません。クレッセリア、お客様がいらっしゃっていますよ。」
「?」
事務員が来客を告げる。
寮の交流室に行くと、ブリジットが待っていた。
「クレッセリア。寮に残ってると聞いたわ。よかったら、家に遊びに来ない?」
「え?」
「よかったら……なんだけど……」
「え、ええ。嬉しいわ。でもいいの?」
「もちろんよ。来てほしいの。」
特に予定のなかったクレッセリアは言われるままに、荷物をまとめ、その日のうちにブリジットの家に着いていた。
「どうしてクレッセリアはサーバに厳しいのかしら。いつも怖い顔で睨んでるわよね。サーバもよそよそしいし…」
卒業後すぐに結婚する約束を交わしたハマーとブリジット。彼女は恋人のハマーに気になっている事を呟く。さあね、と返すハマーは、なんとなくサーバスの気持ちは、わかるような気がしたのだが、他人にあれこれ言われたくないだろうと思い、黙っておくことにした。
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「ちょっといい?」
ブリジットに声を掛けられて、顔を上げたクレッセリア。
「ええ。何?」
隣に座るブリジットは、遠回しに言っても伝わらないと思い、ズバリ聞く。
「あなた、どうしてサーバを嫌うの?」
クレッセリアは目を丸くしてブリジットを見た。
「嫌っているように見える?」
不思議そうに尋ねる表情はいつものしかめっ面に見える。
「その、眉間の皺。」
「やだ。」
右手で両目を隠すようにして、真っ赤に染まる顔を背けた。
その恥ずかしそうな態度に驚いたのはブリジットの方だった。
「あなた、もしかして……」
「もう、変な顔だから、見ないで。」
クレッセリアはさらに赤くなった顔を両手で隠し立ち上がると、走って逃げ行った。
「まあ、まあ、どうしましょ。」
ブリジットはしばらくクレッセリアの後ろ姿を見送り、どうしましょ、と繰り返しながら、先ずはハマーに報告しなきゃ!と駆け足で立ち去った。
長期休暇に入り、寮は静かだった。クレッセリアの家は遠い田舎にあるため、寮に残る事にしていた。学院の多くの生徒は貴族のため家から通う者が多く、遠い領地から来た者も近くに屋敷を用意しそこから通う。ほとんどの者が休みを家で過ごすため、寮に残る者はわずかだ。
「クレッセリア、申し訳ないのだけれども、寮の改修を休みの間にするのは聞いているわよね。最短で五日ほどは閉めないといけないみたいなの。その為、職員も一斉に休む事にしたかろ、あなたは近くの宿に移ってもらいたいの。宿泊費は出るから心配いらないわよ。手配も私がするから。それとも、近くの親戚やご友人のお宅に泊まる?」
「ああ、親戚はいませんから、宿……」
「お話中すみません。クレッセリア、お客様がいらっしゃっていますよ。」
「?」
事務員が来客を告げる。
寮の交流室に行くと、ブリジットが待っていた。
「クレッセリア。寮に残ってると聞いたわ。よかったら、家に遊びに来ない?」
「え?」
「よかったら……なんだけど……」
「え、ええ。嬉しいわ。でもいいの?」
「もちろんよ。来てほしいの。」
特に予定のなかったクレッセリアは言われるままに、荷物をまとめ、その日のうちにブリジットの家に着いていた。
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