底辺令嬢と拗らせ王子~私死んでませんけど…まあいいか

羽兎里

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私の夢

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本日二度目の投稿です。
つい気が乗ってしまいました(別名、暇だっただけ)
いつミシェルが成仏したの!と思った方、前話よりお入りください。

===========


私はブランチを、ランツ様達はランチを一緒にいただきます。

「今日はお仕事ではないのですか?」
「いや、休みを取ったのですよ」

何か、私の周りの人って、急な休みを取る人が多い気がする。
仕事って私が思っているよりも重要では無いのかもしれない(自分の胸に手を当てて、よ~く考えてごらん)
メニューは大好物のハムのステーキ。
それとフレッシュサラダとポテトとベーコンのキッシュ。
ミルクとリンゴのジュース。
ブルーベリーのジャムとバターロール。
食べ切れるかなぁ。

美味しい物のお残しは罪、と言う事で頑張って完食したエレオノーラです。
その後、もう少し話を聞かせてもらえないだろうかと言う事で、席を移して話をする事になりました。
でも表面上、私の知っているミシェルの事は全て話したから、残るのは裏のミシェルの事、つまりお化けさんの時の事だけです。
そうだ、あれも有ったっけ。


「その能力を思えば、あなたはかなり上位の貴族ではないかと思います。それを承知の上で、失礼ですがお名前を教えていただけないでしょうか」

あれ、私まだ名乗ってなかったっけ?

「ミシェルがあなたの事をエレオノーラと言った事は覚えています。しかしいずれ墓を参る際、あなたを頼らなければならないでしょう?」

なるほど、奥様が身重ならば、時はそちらの都合を優先しなければならない。
その際の連絡先が知りたいわけだ。

「私はエルネスティ・ガルティア男爵の長女、エレオノーラ・ガルティアです」
「ガルティア男爵?それは……?」
「トルディア地方のしがない貧乏男爵ですよ」
「いや、大変失礼をしました。ですが、あなたほどの人が男爵家とは……この国の貴族は何と無能……いや、不敬でした。どうか今の言葉はお忘れください」
「確かのこの国の王………いやいやいや」
「ふふふ、では時期が来たならトルディアのガルティア様に、ご連絡してもよろしいでしょうか」
「ええ、そうして下さい」


ふと思い出し、私はポケットからミシェルにもらったハンカチを取り出し、そっと彼の前に置く。

「これはミシェルと別れる前日の夜に貰ったものです。どうぞお納め下さい」
「えっ?ええ、これは確かにミシェルのものです。ですがこれはあなたがミシェルから贈られたものでしょう?それを私共がいただいてもよろしいのでしょうか?」
「はい。私はいつでもミシェル(の亡骸)に会えますから。だからどうか、それは男爵様がお納めください」
「ありがとうございます、きっと大事にいたします」

男爵様はそれを手に取り、そっと奥様に渡します。
奥様はそれを大切そうに胸に抱き、また涙が……。
でもそれはきっと、時間とお腹の子が癒してくれるだろう。

「ランツ様は、きっと私の魔力を不思議と思われるのでしょう?」

私は一口お茶をいただく。

「実は私の母親はエクステッド侯爵家の出身です。母は縁あってガルティア家に嫁ぎました」
「あのエクステッド侯爵様の……なるほど」

そこで男爵様もお茶を一口。

「私の母親は、そちらが想像している通りかなりの能力者です。そのせいかと思うのですが、取り敢えず私も魔法を使えます」
「えぇ、よく存じております」

ですよね~。

「私はミシェルとの約束も有りますが、自分の意思として、ここでやるべきことを見つけました。ですので時々ここにお邪魔すると思いますが、よろしくお願いします」

そう言い、ペコっと頭を下げた。

「それは構いませんが、一体何を……」
「ごめんなさい、私もまだ具体的な事は考えていないのです。ですがお二人のしていることに感銘を受け、それをここだけではなく、国中に広めたいと思ったのです」
「私共は、そんな大げさな事はしておりませんよ。人によっては私達の事を偽善者と呼ぶ。しかしそれは、その人にとって、私達のしている事は偽善に見えるのでしょう」

何て言う事を言うんだ。
その人をお姉さんに教えなさい、ちょっと絞めて来るから。

「お話しした通り、私もそれなりに能力があり、この事については私の魔法も使います。ですので、私のする事に対し、あまり驚かないで下さいね」
「はい、それはもう。免疫が有りますので大丈夫ですよ」

にっこり笑いながらそう言うけど……まあ大丈夫でしょう。

「しかし私共にお力をいただく事は、大変うれしく思いますが、ご迷惑では無いのですか?」
「その辺は大丈夫です。確かに今している仕事は有りますが、つい先日、自由に生きても良いと言われたばかりですので、何をするかを模索していたところです。ランツ様のおかげで、ようやく自分のやりたい事を見出せました」

周りの皆には、ずいぶんと気を使ってもらって、私自身はかなり我儘を言っているような気がする。
でも、きっとみんなは分かってくれるだろう。
取り敢えず心配を掛けないよう”ほうれんそう”だけはしっかり入れるようにしよう。

「分かりました。ではあなたの夢が実現できるよう、微々たるものですが私もお手伝いさせていただきます」
「えぇ、よろしくお願いします」
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