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第一章 バグ編
パニック
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「俺、俺、急にここに来ちゃったんだよ。」
「そうか、そうか、急に来ちゃったのか。」
カズラさんはまるで小さな子をなだめる様に話を聞いてくれる。
「俺、どうしたらいいんだろ。」
「ん?紗月はいつもここで何してたっけ?」
「え?魔物狩ったり、素材売ったり。」
「あぁ、それから?」
「カズラさんの所で飯食ったり、家で作業したり。」
そう、ここを拠点にし活動していた俺は、
そう大きくはないが、居心地のいい家をギサに所持していた。
「で、皐月は何を困っているんだ?」
「はて?」
「飯、食ってくか?」
「んーん、腹減って無いからいい。」
そうか、ここが“久遠の大陸”の中ならいつもと同じじゃないか。
「よし、落ち着いたようだな。いくらゴールデンシーズンとは言え、
夜中に子供があまりうろうろするなよ。早く家へ帰れよ。」
そう言ってカズラさんは俺の髪をくしゃくしゃと撫でた。
俺はそんなに子供じゃないんだけど、
設定した時のままだから、一見して10歳ぐらいにしか見えないみたいだ。
やっぱり少しは成長させた方がいいかな。
「ありがと、カズラさん。そうする。」
とにかくゆっくり頭の中を整理するためにも、俺は自分の家に帰る事にした。
「よかったー。ちゃんと有った。」
実は本当に自分の家が有るのかちょっと心配だったんだ。
そして今、我が家の玄関の前に立ち、最終確認をしていた。
「表札よーし。」
ちゃんと斜月って彫った表札が掛かっている。
それでもまだ疑心暗鬼で、ロックを外し、そーっとドアの隙間から中を窺ってみた。
「大丈夫だ。俺んちだ。」
ようやく安心して家の中に入った。
お気に入りのソファに腰を落ち着けて一息つく。
「よし、順序立てて考えてみよう。」
1、俺は田舎のじいちゃんちに居た。
2、昨日、このゲームの危険地帯を見た気がしたが、それは幻だった。
3、今日は涼太と泳ぎに行く約束をした。
4、涼太の声がしたから荷物を持って玄関を出たらゲーム内に居た。
5、此処は確かにゲーム内の様だ。ギサの町だし、カズラさんもいたし、俺の家も有った。
6、?俺はいつログインしたんだ?
おかしい、ログインした記憶がないのに此処に居るとは解せぬ……。
そうだ!ログアウトすればいいじゃん。
そう思って、俺はいつも通り画面を開いてみた。
「嘘だろ…?」
開いた画面のログアウト部分が活性化してない。
「何でだ!?」
俺は活性化していないログアウト部分を何度もタッチしてみた。
「何でだよぅ。これじゃあログアウトできないじゃないか。」
泣きそうだ……。
「こんな時ってどうすればいいんだよ。
えーと、運営に連絡ってどうすればいいんだっけ。」
俺は焦りながらも必死に対応策を考えた。
しかし画面のほとんどの部分が活性化していない。
運営に連絡も取れなくなっている。
まともに使えそうなのは、インベントリとグループメンバー検索と、後幾つかなら使えそうだ。
これって正規にログインしなかった弊害か?
バグでも起こしてるのかよ。
……眠い。
なんか急に眠気が襲ってきた。ゲーム内で眠気って初めてだ。
もし寝て起きたら状況が変わってるかな。
そう思って俺はログアウト用のベッドに移動し、横になった。
そうだ、体調が変化をきたし、ギヤが異常を感知すれば、強制ログアウトする筈だった。
たしか24時間以上ログインしていた場合も、強制ログアウトだった筈。
なあんだ、そんなに焦る事なかったじゃん。
俺は安心し切って毛布を被り目を閉じた。
「あれ?」
ここ何処だ?知らない白い部屋。
視点が定まらない。
気持ち悪い。
目を瞑り呼吸を整える。
何となく、病院の病室みたいな気がする。
薬品の匂いもするし。
「先生、患者さんの脳波に変化が。」
女の人の声がした。
そうだ、もしかしたら、ログアウトしているかもしれない。確かめなければ。
でも、幾らもう一度目を開こうとしても目が開かない。
たとえ気持ちが悪くても、この人に状況を聞かなくちゃ。
しかしいくら焦っても、俺の目はもう一度開くことは出来なかった。
死んだわけじゃねえよ。多分…。
「そうか、そうか、急に来ちゃったのか。」
カズラさんはまるで小さな子をなだめる様に話を聞いてくれる。
「俺、どうしたらいいんだろ。」
「ん?紗月はいつもここで何してたっけ?」
「え?魔物狩ったり、素材売ったり。」
「あぁ、それから?」
「カズラさんの所で飯食ったり、家で作業したり。」
そう、ここを拠点にし活動していた俺は、
そう大きくはないが、居心地のいい家をギサに所持していた。
「で、皐月は何を困っているんだ?」
「はて?」
「飯、食ってくか?」
「んーん、腹減って無いからいい。」
そうか、ここが“久遠の大陸”の中ならいつもと同じじゃないか。
「よし、落ち着いたようだな。いくらゴールデンシーズンとは言え、
夜中に子供があまりうろうろするなよ。早く家へ帰れよ。」
そう言ってカズラさんは俺の髪をくしゃくしゃと撫でた。
俺はそんなに子供じゃないんだけど、
設定した時のままだから、一見して10歳ぐらいにしか見えないみたいだ。
やっぱり少しは成長させた方がいいかな。
「ありがと、カズラさん。そうする。」
とにかくゆっくり頭の中を整理するためにも、俺は自分の家に帰る事にした。
「よかったー。ちゃんと有った。」
実は本当に自分の家が有るのかちょっと心配だったんだ。
そして今、我が家の玄関の前に立ち、最終確認をしていた。
「表札よーし。」
ちゃんと斜月って彫った表札が掛かっている。
それでもまだ疑心暗鬼で、ロックを外し、そーっとドアの隙間から中を窺ってみた。
「大丈夫だ。俺んちだ。」
ようやく安心して家の中に入った。
お気に入りのソファに腰を落ち着けて一息つく。
「よし、順序立てて考えてみよう。」
1、俺は田舎のじいちゃんちに居た。
2、昨日、このゲームの危険地帯を見た気がしたが、それは幻だった。
3、今日は涼太と泳ぎに行く約束をした。
4、涼太の声がしたから荷物を持って玄関を出たらゲーム内に居た。
5、此処は確かにゲーム内の様だ。ギサの町だし、カズラさんもいたし、俺の家も有った。
6、?俺はいつログインしたんだ?
おかしい、ログインした記憶がないのに此処に居るとは解せぬ……。
そうだ!ログアウトすればいいじゃん。
そう思って、俺はいつも通り画面を開いてみた。
「嘘だろ…?」
開いた画面のログアウト部分が活性化してない。
「何でだ!?」
俺は活性化していないログアウト部分を何度もタッチしてみた。
「何でだよぅ。これじゃあログアウトできないじゃないか。」
泣きそうだ……。
「こんな時ってどうすればいいんだよ。
えーと、運営に連絡ってどうすればいいんだっけ。」
俺は焦りながらも必死に対応策を考えた。
しかし画面のほとんどの部分が活性化していない。
運営に連絡も取れなくなっている。
まともに使えそうなのは、インベントリとグループメンバー検索と、後幾つかなら使えそうだ。
これって正規にログインしなかった弊害か?
バグでも起こしてるのかよ。
……眠い。
なんか急に眠気が襲ってきた。ゲーム内で眠気って初めてだ。
もし寝て起きたら状況が変わってるかな。
そう思って俺はログアウト用のベッドに移動し、横になった。
そうだ、体調が変化をきたし、ギヤが異常を感知すれば、強制ログアウトする筈だった。
たしか24時間以上ログインしていた場合も、強制ログアウトだった筈。
なあんだ、そんなに焦る事なかったじゃん。
俺は安心し切って毛布を被り目を閉じた。
「あれ?」
ここ何処だ?知らない白い部屋。
視点が定まらない。
気持ち悪い。
目を瞑り呼吸を整える。
何となく、病院の病室みたいな気がする。
薬品の匂いもするし。
「先生、患者さんの脳波に変化が。」
女の人の声がした。
そうだ、もしかしたら、ログアウトしているかもしれない。確かめなければ。
でも、幾らもう一度目を開こうとしても目が開かない。
たとえ気持ちが悪くても、この人に状況を聞かなくちゃ。
しかしいくら焦っても、俺の目はもう一度開くことは出来なかった。
死んだわけじゃねえよ。多分…。
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