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旅 7 ※?
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俺は、シャワー室でマシューを程よく可愛がった後、部屋に戻っても存分に……と思っていたが、
その計画は脆くも崩れ去った。
いや、シャワー室での云々は、まあ、したことはしたのだが、
シャワー室でマシューが意識を手放したのは、俺はてっきりマシューが気持ちが良すぎて失神したのだと思っていた。
実はそれが、熱いシャワーの下での事で、逆上せてしまったのだとは考えつかなかったのだ。
確かに“熱い…。”とか“もうダメ…。”など、言ってはいたが、それはいつもの事だ。
さすがに、“目が回っちゃう…。”あたりで気が付けばよかったが、俺も余裕がなかったんだと思う。
目を瞑り、ぐったりしたマシューにさすがに焦った俺は、急いで彼を抱き上げ部屋に駆け戻った。
ベッドにマシューを横たえてから、船医を呼び付け、俺は今、ジークからまた小言を食らっている。
「いくらハネムーンと言っても、甘くするべきでは有りませんでしたね。
馬鹿ですか貴方は。
マシュー君の体力を、あなたを基準に考えていませんか?
あなたはもう長年体を鍛え上げていますから平気でしょうが、マシュー君は普通の人間なんですよ。
ジムで慣れないトレーニングをした後、熱いシャワーの下で、あなたに付き合わせるなど無謀です。
そんな事にも気づかないなんて、本当にマシュー君の事を考えているんですか?
まったくあきれて物も言えませんよ。」
いや、十分言っているぞ…。
まあ、悪いのは全て俺だ。
自分の欲の為に、マシューの体の事を気遣ってやれなかったのだから、反論のしようもない。
「ジーク兄様、そんなにアダム様を責めないで下さい。
弱い僕にも責任はあるんです。
僕、もっともっと体力付けて強くならなければ。」
「マシュー君、このエロ狼に、そんなに情けを掛けなくてもいいんです。
とにかく、もしまたマシュー君に危害を及ぼすようであれば、
身内として、強制的に引き取らせてもらいますから。
よく覚えておいて下さい。」
こいつはやる。俺が何を言おうと、有言実行の奴だ。
俺が気を付けなければ、本当にマシューと引き離されてしまう。
「分った。マシューの体を第一に考える。約束する。」
「本当ですね。約束しましたからね。
マシュー君、何か有ったらすぐ私の所に来るんですよ。」
まだまだ言い足りないようだったが、それでもジークはぶつぶつ言いながらも部屋から出て行った。
「ごめんなさい、アダム様。」
「何を謝る?悪いのは俺の方だ。無理をさせた。すまない。」
俺はマシューが横になっているベッドに腰かけ頬をそっと撫でる。
「もう少し、冷たい物でも飲むか?」
そう言って、ベッドから立ち上がろうとする俺の腕をマシューが掴む。
ん?どうかしたか?
「それはもう十分です。ただ、もう少しここに居ていただけませんか?」
まだのぼせているのか、それとも恥ずかしいのか、顔はうっすらと赤く染まっている。
「そうだな、俺もマシューの傍に居たい。」
そっとマシューの隣に横になり、お互い見つめ合う。
「本当にすまなかった。どうもお前といるとタガが外れてしまうようだ。
と、これはただの俺の言い訳だな。」
俺はマシューの髪や耳を弄びながら話をする。
「そんな、僕はアダム様といられるだけで幸せです。
だから、アダム様が僕を要らなくなるまでお傍に置いて下さい。」
「要らなくなることなど一生無いから覚悟しておけよ。
鬱陶しいと思っても俺はお前を離さない。だからお前も俺から離れてはだめだ。」
しかし、それに対しての返事はマシューからは無かった。
「……、アダム様お願いがあります。」
「ん?」
「もし、僕が…。もしですよ、アダム様の事を忘れてしまったら…、」
そんな話は聞きたくない。
しかし、マシューもその時の事を想像し、考えた事なんだろう。
真剣に聞いてやらなければなるまい。
俺はマシューの目を見つめ、次の言葉を待つ。
「もし僕がアダム様の事を忘れてしまっても、何が有ろうと僕を攫って下さい。
その時、どんなに僕が嫌がろうと、抵抗しようとも、僕を殴ってでも攫ってください。
約束…していただけますか?」
「殴るというのは約束しかねるが、お前をその場に残すなど絶対にしない。
誰かが俺達を引き離そうとしても、どんな手を使ってでも俺はお前の傍にいる。
たとえお前が嫌がろうと、絶対に傍から離れる気はない。約束する。」
まあ、お前に拒絶されたら多少気持ちは折れるかもしれないが、
その時はお前の今の言葉を思い出すさ。
そう言って俺は笑った。
マシューもこの先自分がどうなってしまうのか不安なんだろう。
「大丈夫だ。必ず俺が何とかする。」
そう言って、軽くキスをする。
「アダム様。絶対にそうして下さいね。約束ですよ。」
マシューもキスを返す。
「たとえ相手がジークでもな。」
「ふふっ。」
いい笑顔だ。
「さ、後で軽く食べれる物を持ってきてやろう。それまで少しお休み。」
「はい。」
そう返事をすると、マシューは俺の胸元にすり寄るように顔をうずめ、丸まった。
やがて静かな寝息をたて始める。
だが、こうなると俺も動けなくなってしまうんだがなぁ。
まあいい、夕食は後で二人で何か探しに行こう。
そう決めると、俺もマシューの背に腕を回し、目を閉じた。
ノルディスカスの港に接岸した船の甲板から、マシューが港を見渡している。
マシューには、仕事の関係でここに立ち寄り、
帰りは軍の船が、俺達を迎えにこの港に寄ることになっている予定だと伝えてある。
「どうかしたか?マシュー。」
そう言って後ろから抱きしめる。
何か見覚えのある物でも有るのだろうか。
もし気になる物が有り、それを切っ掛けに記憶を取り戻したら…と不安になる。
マシューが俺たちの事を忘れてしまう可能性が有るのなら、いっその事、このまま記憶を取り戻してくれるな。
「…いいえ、どうもしません。」
俺を振り返り、いつものようにニッコリと笑う。
マシューの様子がいつもと少し違うように感じるのは、俺が気を回し過ぎるせいか?
俺の方が敏感になりすぎて、マシューに何かを悟らせてはまずい。
気を付けなければ。
「さて、そろそろ上陸しようか。ジーク達も待っている。行こうマシュー。」
「あ、はい。すいません。」
そう言うと、マシューの方から俺の手を握り、ついて来る。
荷物と共に、岸壁に降り立ち迎えの車を待つ。
「今日はこのままホテルに向かいます。
一旦荷物を下ろしてから、私は仕事の方で確認しなくてはならない事が有りますから、
少し別行動をさせていただきますね。
でもいいですね、ちゃんと言いつけだけは守ってくださいよ。」
ジークがそれを誰に言っているのか想像は付く。
俺が約束しても、あまり信用していないのだろう。
すると、1台の白い大きな車が近くに止まった。
迎えの車か?と思ったが、それにしてはジークの手配するような車種ではないな。
そんなことを思っていると、運転席から一人のレディがドアを開け飛び出してきた。
「エリック!」
そう叫ぶと、俺たちの方に駆け寄ってくる。
一体どういう事だ!?
俺はジークを睨み付け、マシューをしっかりと抱き寄せた。
その計画は脆くも崩れ去った。
いや、シャワー室での云々は、まあ、したことはしたのだが、
シャワー室でマシューが意識を手放したのは、俺はてっきりマシューが気持ちが良すぎて失神したのだと思っていた。
実はそれが、熱いシャワーの下での事で、逆上せてしまったのだとは考えつかなかったのだ。
確かに“熱い…。”とか“もうダメ…。”など、言ってはいたが、それはいつもの事だ。
さすがに、“目が回っちゃう…。”あたりで気が付けばよかったが、俺も余裕がなかったんだと思う。
目を瞑り、ぐったりしたマシューにさすがに焦った俺は、急いで彼を抱き上げ部屋に駆け戻った。
ベッドにマシューを横たえてから、船医を呼び付け、俺は今、ジークからまた小言を食らっている。
「いくらハネムーンと言っても、甘くするべきでは有りませんでしたね。
馬鹿ですか貴方は。
マシュー君の体力を、あなたを基準に考えていませんか?
あなたはもう長年体を鍛え上げていますから平気でしょうが、マシュー君は普通の人間なんですよ。
ジムで慣れないトレーニングをした後、熱いシャワーの下で、あなたに付き合わせるなど無謀です。
そんな事にも気づかないなんて、本当にマシュー君の事を考えているんですか?
まったくあきれて物も言えませんよ。」
いや、十分言っているぞ…。
まあ、悪いのは全て俺だ。
自分の欲の為に、マシューの体の事を気遣ってやれなかったのだから、反論のしようもない。
「ジーク兄様、そんなにアダム様を責めないで下さい。
弱い僕にも責任はあるんです。
僕、もっともっと体力付けて強くならなければ。」
「マシュー君、このエロ狼に、そんなに情けを掛けなくてもいいんです。
とにかく、もしまたマシュー君に危害を及ぼすようであれば、
身内として、強制的に引き取らせてもらいますから。
よく覚えておいて下さい。」
こいつはやる。俺が何を言おうと、有言実行の奴だ。
俺が気を付けなければ、本当にマシューと引き離されてしまう。
「分った。マシューの体を第一に考える。約束する。」
「本当ですね。約束しましたからね。
マシュー君、何か有ったらすぐ私の所に来るんですよ。」
まだまだ言い足りないようだったが、それでもジークはぶつぶつ言いながらも部屋から出て行った。
「ごめんなさい、アダム様。」
「何を謝る?悪いのは俺の方だ。無理をさせた。すまない。」
俺はマシューが横になっているベッドに腰かけ頬をそっと撫でる。
「もう少し、冷たい物でも飲むか?」
そう言って、ベッドから立ち上がろうとする俺の腕をマシューが掴む。
ん?どうかしたか?
「それはもう十分です。ただ、もう少しここに居ていただけませんか?」
まだのぼせているのか、それとも恥ずかしいのか、顔はうっすらと赤く染まっている。
「そうだな、俺もマシューの傍に居たい。」
そっとマシューの隣に横になり、お互い見つめ合う。
「本当にすまなかった。どうもお前といるとタガが外れてしまうようだ。
と、これはただの俺の言い訳だな。」
俺はマシューの髪や耳を弄びながら話をする。
「そんな、僕はアダム様といられるだけで幸せです。
だから、アダム様が僕を要らなくなるまでお傍に置いて下さい。」
「要らなくなることなど一生無いから覚悟しておけよ。
鬱陶しいと思っても俺はお前を離さない。だからお前も俺から離れてはだめだ。」
しかし、それに対しての返事はマシューからは無かった。
「……、アダム様お願いがあります。」
「ん?」
「もし、僕が…。もしですよ、アダム様の事を忘れてしまったら…、」
そんな話は聞きたくない。
しかし、マシューもその時の事を想像し、考えた事なんだろう。
真剣に聞いてやらなければなるまい。
俺はマシューの目を見つめ、次の言葉を待つ。
「もし僕がアダム様の事を忘れてしまっても、何が有ろうと僕を攫って下さい。
その時、どんなに僕が嫌がろうと、抵抗しようとも、僕を殴ってでも攫ってください。
約束…していただけますか?」
「殴るというのは約束しかねるが、お前をその場に残すなど絶対にしない。
誰かが俺達を引き離そうとしても、どんな手を使ってでも俺はお前の傍にいる。
たとえお前が嫌がろうと、絶対に傍から離れる気はない。約束する。」
まあ、お前に拒絶されたら多少気持ちは折れるかもしれないが、
その時はお前の今の言葉を思い出すさ。
そう言って俺は笑った。
マシューもこの先自分がどうなってしまうのか不安なんだろう。
「大丈夫だ。必ず俺が何とかする。」
そう言って、軽くキスをする。
「アダム様。絶対にそうして下さいね。約束ですよ。」
マシューもキスを返す。
「たとえ相手がジークでもな。」
「ふふっ。」
いい笑顔だ。
「さ、後で軽く食べれる物を持ってきてやろう。それまで少しお休み。」
「はい。」
そう返事をすると、マシューは俺の胸元にすり寄るように顔をうずめ、丸まった。
やがて静かな寝息をたて始める。
だが、こうなると俺も動けなくなってしまうんだがなぁ。
まあいい、夕食は後で二人で何か探しに行こう。
そう決めると、俺もマシューの背に腕を回し、目を閉じた。
ノルディスカスの港に接岸した船の甲板から、マシューが港を見渡している。
マシューには、仕事の関係でここに立ち寄り、
帰りは軍の船が、俺達を迎えにこの港に寄ることになっている予定だと伝えてある。
「どうかしたか?マシュー。」
そう言って後ろから抱きしめる。
何か見覚えのある物でも有るのだろうか。
もし気になる物が有り、それを切っ掛けに記憶を取り戻したら…と不安になる。
マシューが俺たちの事を忘れてしまう可能性が有るのなら、いっその事、このまま記憶を取り戻してくれるな。
「…いいえ、どうもしません。」
俺を振り返り、いつものようにニッコリと笑う。
マシューの様子がいつもと少し違うように感じるのは、俺が気を回し過ぎるせいか?
俺の方が敏感になりすぎて、マシューに何かを悟らせてはまずい。
気を付けなければ。
「さて、そろそろ上陸しようか。ジーク達も待っている。行こうマシュー。」
「あ、はい。すいません。」
そう言うと、マシューの方から俺の手を握り、ついて来る。
荷物と共に、岸壁に降り立ち迎えの車を待つ。
「今日はこのままホテルに向かいます。
一旦荷物を下ろしてから、私は仕事の方で確認しなくてはならない事が有りますから、
少し別行動をさせていただきますね。
でもいいですね、ちゃんと言いつけだけは守ってくださいよ。」
ジークがそれを誰に言っているのか想像は付く。
俺が約束しても、あまり信用していないのだろう。
すると、1台の白い大きな車が近くに止まった。
迎えの車か?と思ったが、それにしてはジークの手配するような車種ではないな。
そんなことを思っていると、運転席から一人のレディがドアを開け飛び出してきた。
「エリック!」
そう叫ぶと、俺たちの方に駆け寄ってくる。
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